OISTダイビング事故に思う ― 2017年07月31日 19:40
OISTダイビング事故に思う
この事故については、すでに書いた。
(事故と向き合う)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/06/11/8591342
研究を支援する作業ダイビングの世界の話だが、リブリーザーの使用ということもあって、関心を寄せていた。
OSITの広報に、メールを送ってみたりもした。
当局の事故調査とは別に、外部委員会を設けて独自の事故調査も行っていたが、その内容が公表されていた。
(OISTダイビング事故:今後の歩みについて)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2017/7/11/31238
(報告書全文はこちら)
https://groups.oist.jp/ja/cpr/disclosure
「報告書の閲覧
電子メールアドレスを入力して下さい。」
報告書の全文が閲覧できるが、メールアドレスを打ち込むようになっている(浮沈子は、それ以前にメールで問い合わせをしているので、あまり抵抗はなかったけど、ちょっと違和感がある)。
それでも、関心が高かったので読んでみた。
結局、水底で何が起こったのかは解明されていない。
肝心のところは、結局分からなかったということだ。
それに繋がる背景の中で、安全軽視やバックアップの備えが不十分だったこと、体制に問題があることなどが指摘されているが、浮沈子の関心はそこにはない。
行方不明のまま、既に死亡が確定している事故で、勝手な推測は慎むべきだろうし、当事者の様々な問題も絡んでくる。
しかし、63mの水底で何かが起こり、一人は帰らぬ人となった。
重い話なのだ・・・。
「正確な事故原因及び行方不明のダイバーが水面に浮上できなかった理由は、いまだ判明しておりません。」
「ダイビング機材は、当該作業に適しておらず、事故に関わったスタッフは、機材を使用するためのトレーニング基準を満たしていませんでした。」
「調査委員会は、マリンサイエンスサポートセクションが、スタッフ不足、スタッフの体調不良及びハラスメントの苦情といった問題を抱えていたにもかかわらず、OISTの管理職員がこれらの問題に適切に対応していなかったと判断しました。」
報告書の中身には、かなり生臭い話が出てきて、読んでいて気分が悪くなる。
それでも、どこかに何か浮沈子自身のダイビングに参考になる点はないかと、何度も読み返した。
シーラカンスプロジェクトの件といい、このところ、暗い話が続いている。
起きてしまったことを、なかったことには出来ない。
時は元には戻らない。
残された者たちは、そこから何らかの教訓を汲み取って、生かしていくより他はない。
浮沈子が今日したのは、グアムからの帰りの足で神田のお店に寄って、吹いてしまったマニュアルインフレーターの中圧ホースを整備してもらったこと。
正しい器材、正しいメンテは、スキル以前の話だからな。
例の、ベイルアウトタンクからのBCへの給気の件も話題にしてみた。
あっさりと、そういうのもアリなんじゃないかという意見も出た。
その際には、オンボードから取っている中圧ホースを外して、エントリー前にベイルアウトタンクと繋いでから潜降するという方法も提案される。
水中で、中圧ホースがプラプラしているのは良くないから。
うーん、オフボードからだけかあ・・・。
まあ、ドライスーツの吸気をどーするとか、そういう話もあるしな・・・。
いずれにしても、もう少し考えてみてからにしよう。
小笠原の話もした。
器材の整備、トレーニングダイブ、ダメ出し、改善、確認、習熟・・・。
その繰り返しの中でしか、問題の解決は出来ない。
自分だけで思い込んでいるだけではなく、他の方の意見も聞いたり、テキストを読み直して原点に返ったりを繰り返す。
そして、それはあくまでも遊びで行うダイビングの世界だ。
93ページに渡る事故報告書の中には、こんな一文がある。
「潜水作業者B(減圧症にかかったダイバー:浮沈子注)のダイバーとしての資質は、リクリエーションの領域で単独で冒険するには問題ないであろうが、作業潜水者としては不適格」
そうか、リクリエーションの世界は、そんなヤバイ世界なのか・・・。
ちょっと誤解もあるようだ。
最近ソロダイビング(セルフリライアント?)が話題になっているとはいえ、リクリエーショナルダイビングでは、バディシステムが原則だし、そもそも63mも潜るようなテクニカルレベルのダイビングでは、チーム潜水が原則だしな。
それに依らない冒険としてのダイビングは、どんな指導団体でも推奨はしていないだろう。
問題ないと言い切ってしまうのは、いかがなものか。
まあ、どうでもいいんですが。
資料ページの20ページには、ベイルアウトガスとして空気を使用したという記述もある。
その運用が正しいかどうかは、浮沈子には分からない。
少なくとも、そんな深度で空気を吸って浮上し出すこと自体にリスクがあるだろう。
他のリスクとの兼ね合いだが、通常の選択とは思えない。
まあいい。
様々な出来事が立て続けに起こり、避け得たかもしれない事故は起こってしまった。
この件は、グアム旅行中に見つけて、書こうかどうしようか迷ったが、帰ってきてから早速書いた。
浮沈子は、潜水計画とか、組織の対応とか、作業潜水の態勢とかいったもっともらしい話ではなく、全く別の理由で起きた事故かもしれないとさえ思ってしまった。
それを、ここで書くわけにはいかない。
それは邪推だし、妄想に過ぎない。
現実の世界で起きた事故を、ヨタ記事であしらうようなマネは出来ない。
そんなことを考えた自分自身が恥ずかしいし、情けない気もする。
M氏のご遺族の方の気持ちを思うと、やりきれない気がする。
「僕が海から戻ってこなくても、悲しまないで」
帰省した際に母親に語った言葉が胸に刺さる。
・・・。
ちょっと、これ以上書けなくなった・・・。
今日はここまでにしよう。
この件は、機会があれば、また書く。
この事故については、すでに書いた。
(事故と向き合う)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/06/11/8591342
研究を支援する作業ダイビングの世界の話だが、リブリーザーの使用ということもあって、関心を寄せていた。
OSITの広報に、メールを送ってみたりもした。
当局の事故調査とは別に、外部委員会を設けて独自の事故調査も行っていたが、その内容が公表されていた。
(OISTダイビング事故:今後の歩みについて)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2017/7/11/31238
(報告書全文はこちら)
https://groups.oist.jp/ja/cpr/disclosure
「報告書の閲覧
電子メールアドレスを入力して下さい。」
報告書の全文が閲覧できるが、メールアドレスを打ち込むようになっている(浮沈子は、それ以前にメールで問い合わせをしているので、あまり抵抗はなかったけど、ちょっと違和感がある)。
それでも、関心が高かったので読んでみた。
結局、水底で何が起こったのかは解明されていない。
肝心のところは、結局分からなかったということだ。
それに繋がる背景の中で、安全軽視やバックアップの備えが不十分だったこと、体制に問題があることなどが指摘されているが、浮沈子の関心はそこにはない。
行方不明のまま、既に死亡が確定している事故で、勝手な推測は慎むべきだろうし、当事者の様々な問題も絡んでくる。
しかし、63mの水底で何かが起こり、一人は帰らぬ人となった。
重い話なのだ・・・。
「正確な事故原因及び行方不明のダイバーが水面に浮上できなかった理由は、いまだ判明しておりません。」
「ダイビング機材は、当該作業に適しておらず、事故に関わったスタッフは、機材を使用するためのトレーニング基準を満たしていませんでした。」
「調査委員会は、マリンサイエンスサポートセクションが、スタッフ不足、スタッフの体調不良及びハラスメントの苦情といった問題を抱えていたにもかかわらず、OISTの管理職員がこれらの問題に適切に対応していなかったと判断しました。」
報告書の中身には、かなり生臭い話が出てきて、読んでいて気分が悪くなる。
それでも、どこかに何か浮沈子自身のダイビングに参考になる点はないかと、何度も読み返した。
シーラカンスプロジェクトの件といい、このところ、暗い話が続いている。
起きてしまったことを、なかったことには出来ない。
時は元には戻らない。
残された者たちは、そこから何らかの教訓を汲み取って、生かしていくより他はない。
浮沈子が今日したのは、グアムからの帰りの足で神田のお店に寄って、吹いてしまったマニュアルインフレーターの中圧ホースを整備してもらったこと。
正しい器材、正しいメンテは、スキル以前の話だからな。
例の、ベイルアウトタンクからのBCへの給気の件も話題にしてみた。
あっさりと、そういうのもアリなんじゃないかという意見も出た。
その際には、オンボードから取っている中圧ホースを外して、エントリー前にベイルアウトタンクと繋いでから潜降するという方法も提案される。
水中で、中圧ホースがプラプラしているのは良くないから。
うーん、オフボードからだけかあ・・・。
まあ、ドライスーツの吸気をどーするとか、そういう話もあるしな・・・。
いずれにしても、もう少し考えてみてからにしよう。
小笠原の話もした。
器材の整備、トレーニングダイブ、ダメ出し、改善、確認、習熟・・・。
その繰り返しの中でしか、問題の解決は出来ない。
自分だけで思い込んでいるだけではなく、他の方の意見も聞いたり、テキストを読み直して原点に返ったりを繰り返す。
そして、それはあくまでも遊びで行うダイビングの世界だ。
93ページに渡る事故報告書の中には、こんな一文がある。
「潜水作業者B(減圧症にかかったダイバー:浮沈子注)のダイバーとしての資質は、リクリエーションの領域で単独で冒険するには問題ないであろうが、作業潜水者としては不適格」
そうか、リクリエーションの世界は、そんなヤバイ世界なのか・・・。
ちょっと誤解もあるようだ。
最近ソロダイビング(セルフリライアント?)が話題になっているとはいえ、リクリエーショナルダイビングでは、バディシステムが原則だし、そもそも63mも潜るようなテクニカルレベルのダイビングでは、チーム潜水が原則だしな。
それに依らない冒険としてのダイビングは、どんな指導団体でも推奨はしていないだろう。
問題ないと言い切ってしまうのは、いかがなものか。
まあ、どうでもいいんですが。
資料ページの20ページには、ベイルアウトガスとして空気を使用したという記述もある。
その運用が正しいかどうかは、浮沈子には分からない。
少なくとも、そんな深度で空気を吸って浮上し出すこと自体にリスクがあるだろう。
他のリスクとの兼ね合いだが、通常の選択とは思えない。
まあいい。
様々な出来事が立て続けに起こり、避け得たかもしれない事故は起こってしまった。
この件は、グアム旅行中に見つけて、書こうかどうしようか迷ったが、帰ってきてから早速書いた。
浮沈子は、潜水計画とか、組織の対応とか、作業潜水の態勢とかいったもっともらしい話ではなく、全く別の理由で起きた事故かもしれないとさえ思ってしまった。
それを、ここで書くわけにはいかない。
それは邪推だし、妄想に過ぎない。
現実の世界で起きた事故を、ヨタ記事であしらうようなマネは出来ない。
そんなことを考えた自分自身が恥ずかしいし、情けない気もする。
M氏のご遺族の方の気持ちを思うと、やりきれない気がする。
「僕が海から戻ってこなくても、悲しまないで」
帰省した際に母親に語った言葉が胸に刺さる。
・・・。
ちょっと、これ以上書けなくなった・・・。
今日はここまでにしよう。
この件は、機会があれば、また書く。
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