事故と向き合う ― 2017年06月11日 23:29
事故と向き合う
前から、話だけは聞いていた沖縄でのCCRでの潜水事故。
別件でネットを検索したら、引っかかった。
(リブリーザーダイビングの事故で思うこと・・・)
http://asahiscuba.ti-da.net/e9225999.html
「なので私の結論から言うと、今の段階ではまだリブリーザーという器材は社会責任が伴う業務では完全に不向きで、あくまでも人と違った差別化を考えたい完全なレジャーダイバーがサバイバルゲームの様な感覚で楽しむ程度の限定されたダイビングで使ってみるという極めて狭い領域のものだと言えます・・・。」
旭潜水のブログは何度か読んでいるし、この記事の筆者もオプティマ2を使用しているリブリーザーダイバーだ。
お会いしたことはないけれど、器材のメンテナンスについて、感心しながら記事を読んだ記憶もある。
事故は、作業ダイビング(調査ダイビング)中に起こったようだ。
「11月14日に沖縄科学技術大学院大学、通称OISTの職員ダイバーが、rEVOというヨーロッパ製のリブリーザーでトライミックスを使用して大学の調査研究中のダイビングで行方不明」
「あの海域は上と下とで流れが逆になる二枚潮だったり、突然流れが止まったかと思うと急に逆に流れ出したり、潮止まりが極端に短かったりだとか、周囲の海底地形と島々との間の水路などで本当に難しい海域です・・・。」
「よくこんな海域にましてやあんな扱いづらいリブリーザーなんかで潜ったものだと正直ぞっとしました・・・。」
確かになあ、流れがあったりすると、デカいユニットでは相当抵抗があって、浮沈子が以前サイドマウントに改造することを考えたのも、その点を解消しようということがきっかけだった。
rEVOについては、話には聞くものの、現物を見たこともないし、実際使っている方の話を聞いたこともない。
天地が薄く、狭いところに入っていくにはよさげなユニットに見える。
「お陰でどこの乗り合いボートでも、もうリブリーザーを持ち込むダイバーは危険で無責任だからもう船には乗せないと、あちこちのボート側で拒否されるようになってしまいました・・・。」
あらぬ誤解を招いてしまったようで、残念な話だ。
沖縄でのCCRの事故は、これが初めてではない。
(CCRと事故(その2))
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2011/10/23/6166354
以前に書いた記事だが、リンクは切れてしまっている。
若い医師が、単独潜水で行方不明になっている。
海に愛された男と言えば聞こえはいいが、周囲は大迷惑だったろうな。
今回は、ファンダイブではなく、業務(調査)で潜っているという点で、いささか様子が異なる。
管理責任の問題も、当然出てくるだろう。
CCRでの潜水が適切だったのかどうか。
それに応じた安全対策は取られていたのだろうか。
事故は、必ず起こるし、完全に避けることは出来ない。
情況やプロファイルも分からないので、一概には言えないが、そこに関わった旭潜水がそう感じたのなら、適切な対応ではなかった要素があるのかもしれない。
「高圧則の改正に伴って、40m以深の作業潜水では実際のところ決められた窒素分を上回らないようにと混合ガスを使用しなければならない傾向になってしまい、それを逆手に便乗してリブリーザーだと経済的且つ合理的に解決できると誤解している人も多いようです。」
浮沈子も、そのように誤解している一人だ。
器材が小型化して、信頼性が向上すれば、40m以深のダイビングで、オープンサーキットを使用する理由はなくなる。
今は、その過渡期だ(100年くらい、続くのかあ?)。
バックアップにオープンサーキットを使わないわけにはいかない(デュアルCCRという選択肢もある)。
いずれにしても、トータルの装備が過剰ということになれば、選択肢には入らない。
適切な器材の選択という話に尽きる。
「人と違った差別化を考えたい完全なレジャーダイバー」というのが、極めて狭い領域というのも確かだ。
トータル数百万人はいると思われる我が国のダイバーの中で、リブリーザーユーザーは、多く見積もっても数百人。
1万分の1だからな。
そして、事故が起これば、関係者の間では、瞬く間に情報が伝わる。
それは、悪いことではないけれど、その原因が究明されず、ネガティブな話だけが広がるのであれば残念なことだ。
(CCRと事故)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2011/10/22/6165844
6年ほど前の記事だが、情況は変わっていない。
「安全管理の考え方から言えば、多くのインシデントの中にはアクシデントに繋がる原因が潜んでおり、その情報を分析し共有することで事故を未然に防がねばならないはずだ。」
「プライバシーなどに十分配慮した上で、情報の公開と分析、共有が図られなければならない。それが、長い目で見たときにはダイビング関連産業とダイバー自信を守ることになる。」
「ダイビングという、本質的に危険なレジャーを楽しもうというのであれば、さらに、CCRという一癖も二癖もある器材で潜ろうという心意気のあるダイバーならば、そのくらいのことは簡単にできると信じている。」
いつになったら出来ることやら・・・。
(潜水事故について:追加)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2016/11/18/27851
(フィールドリソースセクション:スタッフ:追加)
https://groups.oist.jp/ja/frs/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%95-0
(行方不明ダイバーの捜索活動についてのご報告:追加)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2016/11/24/27951
(行方不明ダイバーの捜索活動についてのご報告(2016年12月5日):追加)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2016/12/5/28131
(行方不明ダイバーの事案に関するご報告(2016年12月29日):追加)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2016/12/29/28501
前から、話だけは聞いていた沖縄でのCCRでの潜水事故。
別件でネットを検索したら、引っかかった。
(リブリーザーダイビングの事故で思うこと・・・)
http://asahiscuba.ti-da.net/e9225999.html
「なので私の結論から言うと、今の段階ではまだリブリーザーという器材は社会責任が伴う業務では完全に不向きで、あくまでも人と違った差別化を考えたい完全なレジャーダイバーがサバイバルゲームの様な感覚で楽しむ程度の限定されたダイビングで使ってみるという極めて狭い領域のものだと言えます・・・。」
旭潜水のブログは何度か読んでいるし、この記事の筆者もオプティマ2を使用しているリブリーザーダイバーだ。
お会いしたことはないけれど、器材のメンテナンスについて、感心しながら記事を読んだ記憶もある。
事故は、作業ダイビング(調査ダイビング)中に起こったようだ。
「11月14日に沖縄科学技術大学院大学、通称OISTの職員ダイバーが、rEVOというヨーロッパ製のリブリーザーでトライミックスを使用して大学の調査研究中のダイビングで行方不明」
「あの海域は上と下とで流れが逆になる二枚潮だったり、突然流れが止まったかと思うと急に逆に流れ出したり、潮止まりが極端に短かったりだとか、周囲の海底地形と島々との間の水路などで本当に難しい海域です・・・。」
「よくこんな海域にましてやあんな扱いづらいリブリーザーなんかで潜ったものだと正直ぞっとしました・・・。」
確かになあ、流れがあったりすると、デカいユニットでは相当抵抗があって、浮沈子が以前サイドマウントに改造することを考えたのも、その点を解消しようということがきっかけだった。
rEVOについては、話には聞くものの、現物を見たこともないし、実際使っている方の話を聞いたこともない。
天地が薄く、狭いところに入っていくにはよさげなユニットに見える。
「お陰でどこの乗り合いボートでも、もうリブリーザーを持ち込むダイバーは危険で無責任だからもう船には乗せないと、あちこちのボート側で拒否されるようになってしまいました・・・。」
あらぬ誤解を招いてしまったようで、残念な話だ。
沖縄でのCCRの事故は、これが初めてではない。
(CCRと事故(その2))
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2011/10/23/6166354
以前に書いた記事だが、リンクは切れてしまっている。
若い医師が、単独潜水で行方不明になっている。
海に愛された男と言えば聞こえはいいが、周囲は大迷惑だったろうな。
今回は、ファンダイブではなく、業務(調査)で潜っているという点で、いささか様子が異なる。
管理責任の問題も、当然出てくるだろう。
CCRでの潜水が適切だったのかどうか。
それに応じた安全対策は取られていたのだろうか。
事故は、必ず起こるし、完全に避けることは出来ない。
情況やプロファイルも分からないので、一概には言えないが、そこに関わった旭潜水がそう感じたのなら、適切な対応ではなかった要素があるのかもしれない。
「高圧則の改正に伴って、40m以深の作業潜水では実際のところ決められた窒素分を上回らないようにと混合ガスを使用しなければならない傾向になってしまい、それを逆手に便乗してリブリーザーだと経済的且つ合理的に解決できると誤解している人も多いようです。」
浮沈子も、そのように誤解している一人だ。
器材が小型化して、信頼性が向上すれば、40m以深のダイビングで、オープンサーキットを使用する理由はなくなる。
今は、その過渡期だ(100年くらい、続くのかあ?)。
バックアップにオープンサーキットを使わないわけにはいかない(デュアルCCRという選択肢もある)。
いずれにしても、トータルの装備が過剰ということになれば、選択肢には入らない。
適切な器材の選択という話に尽きる。
「人と違った差別化を考えたい完全なレジャーダイバー」というのが、極めて狭い領域というのも確かだ。
トータル数百万人はいると思われる我が国のダイバーの中で、リブリーザーユーザーは、多く見積もっても数百人。
1万分の1だからな。
そして、事故が起これば、関係者の間では、瞬く間に情報が伝わる。
それは、悪いことではないけれど、その原因が究明されず、ネガティブな話だけが広がるのであれば残念なことだ。
(CCRと事故)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2011/10/22/6165844
6年ほど前の記事だが、情況は変わっていない。
「安全管理の考え方から言えば、多くのインシデントの中にはアクシデントに繋がる原因が潜んでおり、その情報を分析し共有することで事故を未然に防がねばならないはずだ。」
「プライバシーなどに十分配慮した上で、情報の公開と分析、共有が図られなければならない。それが、長い目で見たときにはダイビング関連産業とダイバー自信を守ることになる。」
「ダイビングという、本質的に危険なレジャーを楽しもうというのであれば、さらに、CCRという一癖も二癖もある器材で潜ろうという心意気のあるダイバーならば、そのくらいのことは簡単にできると信じている。」
いつになったら出来ることやら・・・。
(潜水事故について:追加)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2016/11/18/27851
(フィールドリソースセクション:スタッフ:追加)
https://groups.oist.jp/ja/frs/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%95-0
(行方不明ダイバーの捜索活動についてのご報告:追加)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2016/11/24/27951
(行方不明ダイバーの捜索活動についてのご報告(2016年12月5日):追加)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2016/12/5/28131
(行方不明ダイバーの事案に関するご報告(2016年12月29日):追加)
https://www.oist.jp/ja/news-center/news/2016/12/29/28501
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