整備、「命」 ― 2012年06月22日 21:46
整備、「命」
メルセデスベンツの神話「壊れない車」は、整備工場における「過剰なまでの予防整備」の上に成り立っていた。
壊れたから直すのではなく、壊れる前に交換するから「壊れない」のだ。セレブ御用達(ごようたし)のメンテナンスである。
もっとも、最近のヤナセは、サラリーマンの懐も心配してくれて、「計画的に」メンテナンスしてくれている(生かさぬように、殺さぬように・・・)。
「前回は、○○交換したから、今回は△△をやりましょう!」とか、「この前は、□□が宿題になってましたよね!」などなど・・・。
それでも、300Eはよく走ってくれた。何物にも換えがたいその乗り味、風格(古風?)、そして絶大な安心感(壊れさえしなければ)。
このクルマは、「自動車」という乗り物が「何であるか」、「どうあるべきか」を教えてくれる「教科書」である。
最近、記憶が定かではないが(定かであったころも、あったのだが)、ベンツの社員が「我々は「自動車」を作っているが、他のメーカーは「自動車のようなもの」をつくっている」と、言ったとか言わなかったとか。
「最善か、無か」、「シャーシはエンジンよりも速く」、「本国では事故現場には、救急車より先にベンツの事故調査係が到着している」、「コンパティビリティ」など、数々の神話と、栄光に彩られた歴史は、しかし、「売りっぱなし」のクルマ作りでは築けない。
整備こそ、ベンツのクルマ作りの確かさを支える、もう一つの「ファクトリー」である、と断言する。
というか、整備を怠ったベンツは、乗れたもんじゃあない!。300Eの事故車にぶち当たった私が言うのだから、間違いはない。購入してから、最初にシュテルンに持ち込むまで、よくぞ自走できたと褒めてやりたいほどの傷みようだった。
エンジンからはオイルが噴出し、アライメントはめちゃくちゃ、補機類はあらかた全滅。見栄えはいいが、乗れば一発で不良車だとわかる。
それからおよそ13万キロを、直し直し乗ってきた。エアコン以外は、絶好調である。内装はボロボロで、手入れを一切しない外装は見る影もないが、今でも180キロの巡航が余裕で可能だ(出してませんが・・・)。風切音さえ気にしなければ、200キロ以上の最高速を刻めるだろう(出さないってば)。
それもこれも、整備工場のスタッフのおかげである。ベンツをベンツらしく楽しませてくれた。感謝である。
福野礼一郎(自動車評論家)は、全てのクルマは中古車である、と喝破していた。新車登録されて、路上に出た最初の一ころがし以降、その車は、物理の法則に従って、果てしなく壊れていく。
自動車は、中古車になっていくのではない。乗り始めからが既に中古車なのである。中古車であれ、何であれ、クルマとは、機械とはそういうものだ。自然なことであり、何の不思議もない。
生物も、生まれてから直ぐに老化が始まる。細胞分裂を繰り返すことによる遺伝子のミスリーディングや、化学物質、電離放射線による遺伝子破壊、ウイルスによる遺伝子汚染、蓄積するエラー、修復機能の衰えが、老化として現れる。
人間のような有性生殖生物は、生殖によって遺伝子の修復を行い、多様性の獲得と同時に、遺伝子情報のリセットを行う。赤ちゃんは、言葉は悪いが、遺伝子的なリビルド品なのである。
機械も、整備や部品交換によって、生まれ変わることができる(ものもある)。生き物のように壊れていく部品、生き物のように甦る(生まれ変わる)クルマ。
フェニックスの蘇りの火床が、整備工場なのである(キザだなあ)。300Eのように、500Eも精一杯メンテナンスして、できる限りベンツらしく乗っていきたい。
(エスファクトリーのページ)
http://www.speedjapan.co.jp/s-factory/index.html
リーズナブルな整備を行ってくれるという。ちょっと、覗いてみようかな?。
(雑誌GERMAN CARSで好評連載中の500E倶楽部!)
http://www.speedjapan.co.jp/s-factory/500e.html
かつて連載していた記事が読めます。読み応えあります。
(MB-Net TV Vol.2 500E 解体新書 (1/2):動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=OvekG5biwXs&feature=related
(MB-Net TV Vol.2 500E 解体新書 (2/2):動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=MYZNiTMLZ4Y&feature=relmfu
エスファクトリーや、ヘアライン号出てきます。ドラッグレースやる気はありませんが、究極のイジリ方の勉強になりますね!。
メルセデスベンツの神話「壊れない車」は、整備工場における「過剰なまでの予防整備」の上に成り立っていた。
壊れたから直すのではなく、壊れる前に交換するから「壊れない」のだ。セレブ御用達(ごようたし)のメンテナンスである。
もっとも、最近のヤナセは、サラリーマンの懐も心配してくれて、「計画的に」メンテナンスしてくれている(生かさぬように、殺さぬように・・・)。
「前回は、○○交換したから、今回は△△をやりましょう!」とか、「この前は、□□が宿題になってましたよね!」などなど・・・。
それでも、300Eはよく走ってくれた。何物にも換えがたいその乗り味、風格(古風?)、そして絶大な安心感(壊れさえしなければ)。
このクルマは、「自動車」という乗り物が「何であるか」、「どうあるべきか」を教えてくれる「教科書」である。
最近、記憶が定かではないが(定かであったころも、あったのだが)、ベンツの社員が「我々は「自動車」を作っているが、他のメーカーは「自動車のようなもの」をつくっている」と、言ったとか言わなかったとか。
「最善か、無か」、「シャーシはエンジンよりも速く」、「本国では事故現場には、救急車より先にベンツの事故調査係が到着している」、「コンパティビリティ」など、数々の神話と、栄光に彩られた歴史は、しかし、「売りっぱなし」のクルマ作りでは築けない。
整備こそ、ベンツのクルマ作りの確かさを支える、もう一つの「ファクトリー」である、と断言する。
というか、整備を怠ったベンツは、乗れたもんじゃあない!。300Eの事故車にぶち当たった私が言うのだから、間違いはない。購入してから、最初にシュテルンに持ち込むまで、よくぞ自走できたと褒めてやりたいほどの傷みようだった。
エンジンからはオイルが噴出し、アライメントはめちゃくちゃ、補機類はあらかた全滅。見栄えはいいが、乗れば一発で不良車だとわかる。
それからおよそ13万キロを、直し直し乗ってきた。エアコン以外は、絶好調である。内装はボロボロで、手入れを一切しない外装は見る影もないが、今でも180キロの巡航が余裕で可能だ(出してませんが・・・)。風切音さえ気にしなければ、200キロ以上の最高速を刻めるだろう(出さないってば)。
それもこれも、整備工場のスタッフのおかげである。ベンツをベンツらしく楽しませてくれた。感謝である。
福野礼一郎(自動車評論家)は、全てのクルマは中古車である、と喝破していた。新車登録されて、路上に出た最初の一ころがし以降、その車は、物理の法則に従って、果てしなく壊れていく。
自動車は、中古車になっていくのではない。乗り始めからが既に中古車なのである。中古車であれ、何であれ、クルマとは、機械とはそういうものだ。自然なことであり、何の不思議もない。
生物も、生まれてから直ぐに老化が始まる。細胞分裂を繰り返すことによる遺伝子のミスリーディングや、化学物質、電離放射線による遺伝子破壊、ウイルスによる遺伝子汚染、蓄積するエラー、修復機能の衰えが、老化として現れる。
人間のような有性生殖生物は、生殖によって遺伝子の修復を行い、多様性の獲得と同時に、遺伝子情報のリセットを行う。赤ちゃんは、言葉は悪いが、遺伝子的なリビルド品なのである。
機械も、整備や部品交換によって、生まれ変わることができる(ものもある)。生き物のように壊れていく部品、生き物のように甦る(生まれ変わる)クルマ。
フェニックスの蘇りの火床が、整備工場なのである(キザだなあ)。300Eのように、500Eも精一杯メンテナンスして、できる限りベンツらしく乗っていきたい。
(エスファクトリーのページ)
http://www.speedjapan.co.jp/s-factory/index.html
リーズナブルな整備を行ってくれるという。ちょっと、覗いてみようかな?。
(雑誌GERMAN CARSで好評連載中の500E倶楽部!)
http://www.speedjapan.co.jp/s-factory/500e.html
かつて連載していた記事が読めます。読み応えあります。
(MB-Net TV Vol.2 500E 解体新書 (1/2):動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=OvekG5biwXs&feature=related
(MB-Net TV Vol.2 500E 解体新書 (2/2):動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=MYZNiTMLZ4Y&feature=relmfu
エスファクトリーや、ヘアライン号出てきます。ドラッグレースやる気はありませんが、究極のイジリ方の勉強になりますね!。
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