H3ロケット ― 2014年03月30日 01:12
H3ロケット
新型基幹ロケットという、いかにも国家事業的、お役所的、お役所よりも官僚的な三菱的呼称であるが、浮沈子はワープロ打ちやすいので、H3と呼ぶ。
(三菱重工、新型基幹ロケットのプライムコントラクターに選定…2020年試験打ち上げに向け開発に着手)
http://response.jp/article/2014/03/28/220039.html
「三菱重工業は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から新型基幹ロケットの開発と打上げ輸送サービスを担うプライムコントラクターに選定された。」
プライムコンストラクターというのは、元請会社のこと。
(システム業界の案件種類について)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1419008314
下請けのことは、サブコンというらしい。
どうやら、自動車業界だけでなく、宇宙関連業界もスマホと区別がつかなくなってきているようだな。
(新型基幹ロケットの開発について)
http://www.jaxa.jp/press/2013/12/20131224_rocket_j.pdf
この資料には興味深いことが書かれている。
「今後我が国に求められる宇宙輸送システムは実用であることが前提となることから、利用ニーズを踏まえた高い信頼性、低価格、柔軟な顧客対応等を可能とするサービス提供として位置づけること」
「衛星オペレータの動向、衛星メーカの技術革新動向を分析の上、今後も随時諸外国の競合ロケットの打上げ能力・価格等の評価・分析が必要とされた。」
この価格競争力を確保するための秘策というのがある。
1回の打ち上げに要する価格を、開発費の中に事前に仕込んでおいて、実際の打ち上げ価格は低めに抑えるとか、それじゃああんまりだから、次期開発までツケにしておいて、その次期開発費で穴埋めするとか・・・。
我が国でこの手の開発を担える企業は、実質的に三菱しかないといっても、国産技術に拘らなければ、石播でも出来ないことはないんじゃないか。
浮沈子は、ちょっと勘ぐって、H2AとかH2Bのコストを払うのに、三菱に元請をやらせたんじゃないかと推測している。
開発費ほど内訳が分からないものはない。
打ち上げコストとかは、人件費とか物の購入費とか保険料とかその他必要経費を見込まばいいが、ロケットとかは、そんへんで売ってるもんじゃないので先方の言い値である。
まして、製造も打ち上げもM社なんだから、どうにでもなるっちゃなるわけだ。
ただし、国際競争しなけりゃならないので、あまりめちゃくちゃなことはできない。
価格は公表されないことが多いが、政府系の衛星を打ち上げる場合には、ばれてしまう。
予算の執行管理を行うためだ。
それでも、開発費を積算するのに比べれば、遥かにわかりやすい。
その開発費にしても、要素技術の開発や試験はJAXAで行い、事実上、あとは製造するだけにして技術供与しているのだろうから、まあ、あってないようなものだ。
そもそも、その要素技術の開発からして、メーカーが絡んでいるわけだから、やらずぼったくりといわれても仕方ない。
こう書くと、宇宙開発なんて、駄々漏れの国費の乱用のように聞こえるかもしれないが、我が国なんかは真面目にやっている方だろう。
そもそも、宇宙開発を商業的に行うことが出来るくらいなら、もっと多くの企業が参入して、儲けまくっていいはずである。
まだまだ、世界でも一部の通信事業を除けば、商業ベースに乗せることは不可能で、我が国の場合は特に、政府系の衛星を打ち上げていかない限り、純粋な民需では立ち行かない。
要するに、結局国費を投入して行うにしても、少しでも経済合理性があるように見せかけるための見せ掛けに過ぎないということだ。
しかも、JAXA自体は、執行管理を行う関係で、しっかりと予算を確保できるようになっている。
まあ、米国にせよロシアにせよ、過去の膨大な投資と技術的人的な蓄積の上に現在の姿があるわけで、ついこの間、ようやく国産化を果たしたばかりの新参者の我が国が、いきなり商業利用とかいうのは、いささかおこがましい。
(新型基幹ロケットに関する検討状況について)
http://www.jaxa.jp/press/2013/09/20130904_rocket_j.pdf
この資料の中でも、ファルコン9や全電化衛星について触れられていて、字面の上では、世界の動向について検討されているが、もちろん、ファルコン9が再利用を前提として設計されているとか、今後は全電化衛星が主流になって、GTOからの再加速についてのメリットがあんまりなくなるかもしれないとか、都合の悪いことは一切書いていない。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子は、この新型ロケットが、今あったとしても、民間打ち上げの需要を単独で獲得することは不可能だと見ている。
韓国の衛星は、相乗りで激安にしたから取れた契約であって、言ってみれば政府系衛星に我々が払った税金を使って打ち上げたようなものである。
衛星打ち上げ需要は、ローンチ価格だけで決まるわけでは、もちろんない。
衛星のコスト(100億円から1000億円)の負担、維持管理費を含めた後年度負担があり、そのコストに見合うゲイン(政治的、軍事的、経済的)があるかどうかの見極めも必要である。
特に、民需の場合は、経済状況にも当然左右されるので、準天頂衛星が政府引き取りになったように、衛星コンステレーションを想定した莫大な投資を行えるかどうかという問題もある。
地上インフラとの競合ということもある。
インターネットの接続を考えた場合、衛星を使った接続の効果というのは、地上インフラが壊滅的な打撃を受ける時くらいしかなく、それは民需では賄えないし、そうすべきでもない。
まあ、営業的観点は置いておいて、ロケットのエンジンについてみてみると、エキスパンダーブリードサイクルエンジンというのが出てくる。
(エキスパンダーサイクル:エキスパンダーブリードサイクル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB#.E3.82.A8.E3.82.AD.E3.82.B9.E3.83.91.E3.83.B3.E3.83.80.E3.83.BC.E3.83.96.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.83.89.E3.82.B5.E3.82.A4.E3.82.AF.E3.83.AB
(有人も視野に入れる次世代エンジン)
http://www.tel.co.jp/museum/magazine/spacedev/130422_topics_05/05.html
浮沈子は、例によってロケットエンジンの仕組みには詳しくないのだが、液酸液水エンジンの場合、燃料をターボポンプで汲み出してやるというのが一般のようだ(ガス圧だけに頼るというのもあるようですが)。
その場合、表にあるように4種類のタイプが考えられる。
「液体エンジンの種類
・タービン駆動後の処理方式:クローズドサイクル、タービンガスの発生方式:副燃焼室有(2段燃焼:LEー7)
・タービン駆動後の処理方式:クローズドサイクル、タービンガスの発生方式:副燃焼室無(1段燃焼:フルエキスパンダー:RL-10)
・タービン駆動後の処理方式:オープンサイクル、タービンガスの発生方式:副燃焼室有(2段燃焼:ガスジェネレータ:LEー5)
・タービン駆動後の処理方式:オープンサイクル、タービンガスの発生方式:副燃焼室無(1段燃焼:エキスパンダーブリード:LE-5A/B、LEーX)
「ターボポンプのタービンは、いずれの方式でも、推進剤のガスにより駆動されている。表の上側と下側は、副燃焼室で燃焼させたガスを使うか、それとも燃焼させずにそのまま使うかの違い、左側と右側は、駆動に使ったガスを燃焼室に戻すか、それとも外部に排気するかの違いだ。」とある。
オープンサイクルというのは、タービンを回した後の燃料を、燃焼室に送らずに排気するタイプである。
どれがいいのかは、浮沈子には分からないが、エキスパンダーエンジンというのは、P&WのRL10というエンジンの方式で、1959年地上試験という、老舗の方式ではある。
(RL-10)
http://ja.wikipedia.org/wiki/RL-10
「RL-10は改良が繰り返されてきた。現行機の一つであるRL-10B-2はデルタIII同様、デルタIVの2段目に使用されている。」
なんと、未だに現役なのだ。
エキスパンダーブリードエンジンは、基本的にはエキスパンダーエンジンの簡易版と考えていい。
良く分からないのだが、安く作れて壊れにくいということらしい。
十分な性能が出せれば、それはそれでいい。
浮沈子がやきもきするのは、再利用という観点が、エンジン、機体共に全く無く、従来の使い捨てを前提に構想されている点である。
このブログでも指摘してきたように、民間打ち上げといっても、殆ど全てを官需に頼り、開発経費も全部持ちで、リスクをとらない方式ではそういうドラスティックな発想は生まれない。
生まれても潰される(予算減るし)。
まあ、再突入技術自体が封印されているのだから、仕方ないといえば仕方ないのだ。
再突入技術は、大陸間弾道弾の開発に結びつく恐れがあるので、敢えて行わないということらしい。
はやぶさのカプセルとか、コウノトリに積んだカプセルとかは、別の話なんだろう。
仮にできるようになったとしても、それから開発してまた10年くらい先にならないと、物にはならない。
ということは、2030年くらいになって、ようやく現在のファルコン9のレベルに到達するというわけだ。
その頃は、イーロン・マスクは火星でのんびり余生を過ごしているかもしれない。
このH3ロケットは、有人宇宙飛行を念頭において設計されるともいう。
有人飛行のローンチシステムは、お荷物だけの時とは桁違いの信頼性や冗長性が求められる。
その用件については詳しくは知らないが、デルタ4ロケットの場合、200項目に及ぶ変更が必要なようだ。
もちろん、ファルコン9は、既にその用件を満たしている。
ロケットエンジンが旧式の(枯れた)技術だとか、そういうけなし方はいかがなものか。
飛びゃあいいんだ、飛びゃあ!。
H3が有人対応の冗長性を備えることで、またまたコストが嵩んで、競争力がなくなるということになりはしないか。
結論から言えば、性能はいいが製造コストがかかるLE-7エンジンを捨てたいのだ。
LE-Xエンジンの開発は平成25年度で終わっていて、あとは、実装するだけ。
基本はそれで押えて、あとは、チマチマ削ってコスト削減、政府系打ち上げ需要に依存する体質はともかく、時々バーゲンセールして民間の需要も取り込みましたというエクスキューズをやっていくわけだな。
JAXAの資料を見ると、如何にもH3ロケットが優れているかのように見えなくもないが(作った側は、当然、そう意図しているでしょうが)、良く見ると、競合他者に対する羨望も見て取れる。
米国については、政府需要は別途確保されている(競争無し?)とか、アリアンは補助金いっぱいもらえていいなとか、基幹ロケットの資料のはずなのに、中国の小型固体燃料の話をこっそり書いていたり・・・。
有事の際に固体燃料ロケットで、簡易な地上観測衛星を打ち上げるのが安上がりでいいなんて結論になったら、どーすんの?。
まあいい。
インドの資料は始めてみたが、失敗の話はともかく、着々と開発を進めている。
意外に盲点かもしれないな。
衛星そのもの話では、全電化衛星が焦点だな。
打ち上げビジネスの根本を揺るがしかねない。
将来の衛星の重量分布がひっくり返って、需要予測が激変することになる可能性もある。
ひょっとしたら、イプシロンでも打ち上げ可能な状況になるかもしれない。
先のことは、分からんのだ。
2020年といえば東京オリンピックである。
いきなり失敗とか、縁起でもないので、秋以降に試射してもらいたいもんだ。
政府需要(税金)でしか飛ばせないロケットにならないように、しっかりとコントロールしてもらいたいな。
新型基幹ロケットという、いかにも国家事業的、お役所的、お役所よりも官僚的な三菱的呼称であるが、浮沈子はワープロ打ちやすいので、H3と呼ぶ。
(三菱重工、新型基幹ロケットのプライムコントラクターに選定…2020年試験打ち上げに向け開発に着手)
http://response.jp/article/2014/03/28/220039.html
「三菱重工業は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から新型基幹ロケットの開発と打上げ輸送サービスを担うプライムコントラクターに選定された。」
プライムコンストラクターというのは、元請会社のこと。
(システム業界の案件種類について)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1419008314
下請けのことは、サブコンというらしい。
どうやら、自動車業界だけでなく、宇宙関連業界もスマホと区別がつかなくなってきているようだな。
(新型基幹ロケットの開発について)
http://www.jaxa.jp/press/2013/12/20131224_rocket_j.pdf
この資料には興味深いことが書かれている。
「今後我が国に求められる宇宙輸送システムは実用であることが前提となることから、利用ニーズを踏まえた高い信頼性、低価格、柔軟な顧客対応等を可能とするサービス提供として位置づけること」
「衛星オペレータの動向、衛星メーカの技術革新動向を分析の上、今後も随時諸外国の競合ロケットの打上げ能力・価格等の評価・分析が必要とされた。」
この価格競争力を確保するための秘策というのがある。
1回の打ち上げに要する価格を、開発費の中に事前に仕込んでおいて、実際の打ち上げ価格は低めに抑えるとか、それじゃああんまりだから、次期開発までツケにしておいて、その次期開発費で穴埋めするとか・・・。
我が国でこの手の開発を担える企業は、実質的に三菱しかないといっても、国産技術に拘らなければ、石播でも出来ないことはないんじゃないか。
浮沈子は、ちょっと勘ぐって、H2AとかH2Bのコストを払うのに、三菱に元請をやらせたんじゃないかと推測している。
開発費ほど内訳が分からないものはない。
打ち上げコストとかは、人件費とか物の購入費とか保険料とかその他必要経費を見込まばいいが、ロケットとかは、そんへんで売ってるもんじゃないので先方の言い値である。
まして、製造も打ち上げもM社なんだから、どうにでもなるっちゃなるわけだ。
ただし、国際競争しなけりゃならないので、あまりめちゃくちゃなことはできない。
価格は公表されないことが多いが、政府系の衛星を打ち上げる場合には、ばれてしまう。
予算の執行管理を行うためだ。
それでも、開発費を積算するのに比べれば、遥かにわかりやすい。
その開発費にしても、要素技術の開発や試験はJAXAで行い、事実上、あとは製造するだけにして技術供与しているのだろうから、まあ、あってないようなものだ。
そもそも、その要素技術の開発からして、メーカーが絡んでいるわけだから、やらずぼったくりといわれても仕方ない。
こう書くと、宇宙開発なんて、駄々漏れの国費の乱用のように聞こえるかもしれないが、我が国なんかは真面目にやっている方だろう。
そもそも、宇宙開発を商業的に行うことが出来るくらいなら、もっと多くの企業が参入して、儲けまくっていいはずである。
まだまだ、世界でも一部の通信事業を除けば、商業ベースに乗せることは不可能で、我が国の場合は特に、政府系の衛星を打ち上げていかない限り、純粋な民需では立ち行かない。
要するに、結局国費を投入して行うにしても、少しでも経済合理性があるように見せかけるための見せ掛けに過ぎないということだ。
しかも、JAXA自体は、執行管理を行う関係で、しっかりと予算を確保できるようになっている。
まあ、米国にせよロシアにせよ、過去の膨大な投資と技術的人的な蓄積の上に現在の姿があるわけで、ついこの間、ようやく国産化を果たしたばかりの新参者の我が国が、いきなり商業利用とかいうのは、いささかおこがましい。
(新型基幹ロケットに関する検討状況について)
http://www.jaxa.jp/press/2013/09/20130904_rocket_j.pdf
この資料の中でも、ファルコン9や全電化衛星について触れられていて、字面の上では、世界の動向について検討されているが、もちろん、ファルコン9が再利用を前提として設計されているとか、今後は全電化衛星が主流になって、GTOからの再加速についてのメリットがあんまりなくなるかもしれないとか、都合の悪いことは一切書いていない。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子は、この新型ロケットが、今あったとしても、民間打ち上げの需要を単独で獲得することは不可能だと見ている。
韓国の衛星は、相乗りで激安にしたから取れた契約であって、言ってみれば政府系衛星に我々が払った税金を使って打ち上げたようなものである。
衛星打ち上げ需要は、ローンチ価格だけで決まるわけでは、もちろんない。
衛星のコスト(100億円から1000億円)の負担、維持管理費を含めた後年度負担があり、そのコストに見合うゲイン(政治的、軍事的、経済的)があるかどうかの見極めも必要である。
特に、民需の場合は、経済状況にも当然左右されるので、準天頂衛星が政府引き取りになったように、衛星コンステレーションを想定した莫大な投資を行えるかどうかという問題もある。
地上インフラとの競合ということもある。
インターネットの接続を考えた場合、衛星を使った接続の効果というのは、地上インフラが壊滅的な打撃を受ける時くらいしかなく、それは民需では賄えないし、そうすべきでもない。
まあ、営業的観点は置いておいて、ロケットのエンジンについてみてみると、エキスパンダーブリードサイクルエンジンというのが出てくる。
(エキスパンダーサイクル:エキスパンダーブリードサイクル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB#.E3.82.A8.E3.82.AD.E3.82.B9.E3.83.91.E3.83.B3.E3.83.80.E3.83.BC.E3.83.96.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.83.89.E3.82.B5.E3.82.A4.E3.82.AF.E3.83.AB
(有人も視野に入れる次世代エンジン)
http://www.tel.co.jp/museum/magazine/spacedev/130422_topics_05/05.html
浮沈子は、例によってロケットエンジンの仕組みには詳しくないのだが、液酸液水エンジンの場合、燃料をターボポンプで汲み出してやるというのが一般のようだ(ガス圧だけに頼るというのもあるようですが)。
その場合、表にあるように4種類のタイプが考えられる。
「液体エンジンの種類
・タービン駆動後の処理方式:クローズドサイクル、タービンガスの発生方式:副燃焼室有(2段燃焼:LEー7)
・タービン駆動後の処理方式:クローズドサイクル、タービンガスの発生方式:副燃焼室無(1段燃焼:フルエキスパンダー:RL-10)
・タービン駆動後の処理方式:オープンサイクル、タービンガスの発生方式:副燃焼室有(2段燃焼:ガスジェネレータ:LEー5)
・タービン駆動後の処理方式:オープンサイクル、タービンガスの発生方式:副燃焼室無(1段燃焼:エキスパンダーブリード:LE-5A/B、LEーX)
「ターボポンプのタービンは、いずれの方式でも、推進剤のガスにより駆動されている。表の上側と下側は、副燃焼室で燃焼させたガスを使うか、それとも燃焼させずにそのまま使うかの違い、左側と右側は、駆動に使ったガスを燃焼室に戻すか、それとも外部に排気するかの違いだ。」とある。
オープンサイクルというのは、タービンを回した後の燃料を、燃焼室に送らずに排気するタイプである。
どれがいいのかは、浮沈子には分からないが、エキスパンダーエンジンというのは、P&WのRL10というエンジンの方式で、1959年地上試験という、老舗の方式ではある。
(RL-10)
http://ja.wikipedia.org/wiki/RL-10
「RL-10は改良が繰り返されてきた。現行機の一つであるRL-10B-2はデルタIII同様、デルタIVの2段目に使用されている。」
なんと、未だに現役なのだ。
エキスパンダーブリードエンジンは、基本的にはエキスパンダーエンジンの簡易版と考えていい。
良く分からないのだが、安く作れて壊れにくいということらしい。
十分な性能が出せれば、それはそれでいい。
浮沈子がやきもきするのは、再利用という観点が、エンジン、機体共に全く無く、従来の使い捨てを前提に構想されている点である。
このブログでも指摘してきたように、民間打ち上げといっても、殆ど全てを官需に頼り、開発経費も全部持ちで、リスクをとらない方式ではそういうドラスティックな発想は生まれない。
生まれても潰される(予算減るし)。
まあ、再突入技術自体が封印されているのだから、仕方ないといえば仕方ないのだ。
再突入技術は、大陸間弾道弾の開発に結びつく恐れがあるので、敢えて行わないということらしい。
はやぶさのカプセルとか、コウノトリに積んだカプセルとかは、別の話なんだろう。
仮にできるようになったとしても、それから開発してまた10年くらい先にならないと、物にはならない。
ということは、2030年くらいになって、ようやく現在のファルコン9のレベルに到達するというわけだ。
その頃は、イーロン・マスクは火星でのんびり余生を過ごしているかもしれない。
このH3ロケットは、有人宇宙飛行を念頭において設計されるともいう。
有人飛行のローンチシステムは、お荷物だけの時とは桁違いの信頼性や冗長性が求められる。
その用件については詳しくは知らないが、デルタ4ロケットの場合、200項目に及ぶ変更が必要なようだ。
もちろん、ファルコン9は、既にその用件を満たしている。
ロケットエンジンが旧式の(枯れた)技術だとか、そういうけなし方はいかがなものか。
飛びゃあいいんだ、飛びゃあ!。
H3が有人対応の冗長性を備えることで、またまたコストが嵩んで、競争力がなくなるということになりはしないか。
結論から言えば、性能はいいが製造コストがかかるLE-7エンジンを捨てたいのだ。
LE-Xエンジンの開発は平成25年度で終わっていて、あとは、実装するだけ。
基本はそれで押えて、あとは、チマチマ削ってコスト削減、政府系打ち上げ需要に依存する体質はともかく、時々バーゲンセールして民間の需要も取り込みましたというエクスキューズをやっていくわけだな。
JAXAの資料を見ると、如何にもH3ロケットが優れているかのように見えなくもないが(作った側は、当然、そう意図しているでしょうが)、良く見ると、競合他者に対する羨望も見て取れる。
米国については、政府需要は別途確保されている(競争無し?)とか、アリアンは補助金いっぱいもらえていいなとか、基幹ロケットの資料のはずなのに、中国の小型固体燃料の話をこっそり書いていたり・・・。
有事の際に固体燃料ロケットで、簡易な地上観測衛星を打ち上げるのが安上がりでいいなんて結論になったら、どーすんの?。
まあいい。
インドの資料は始めてみたが、失敗の話はともかく、着々と開発を進めている。
意外に盲点かもしれないな。
衛星そのもの話では、全電化衛星が焦点だな。
打ち上げビジネスの根本を揺るがしかねない。
将来の衛星の重量分布がひっくり返って、需要予測が激変することになる可能性もある。
ひょっとしたら、イプシロンでも打ち上げ可能な状況になるかもしれない。
先のことは、分からんのだ。
2020年といえば東京オリンピックである。
いきなり失敗とか、縁起でもないので、秋以降に試射してもらいたいもんだ。
政府需要(税金)でしか飛ばせないロケットにならないように、しっかりとコントロールしてもらいたいな。
83タルガ入院 ― 2014年03月30日 02:44
83タルガ入院
入院といっても、車検を通すだけなので余計なことは一切しない。
オイル交換もなし。
殆ど乗ってないし。
今日は、プレステージの掛田さんに、ローダーで引き取りに来てもらう。
最新式のタイヤ固定ベルトを仕入れたと自慢している。
こういうところが職人なんだよな。
ふつー、そんなもんで自慢するかあ?。
確かに、ホイールの隙間を通すタイプのベルトだと、ホールがメッシュだったり(!)、ワイあーだったり(!!)、ディスクだったり(!!!)したら、どうしようもない。
まあ、どうせもいいんですが。
無事に車検を通ってくれれば、それでいい。
そうしたら、また03ボクスターと入れ替えのドライブに出かけるわけだ。
ローダーといっても、上下に1台ずつの2台積みで、それほど大きくないのだが、助手席に乗せてもらって浮沈子は大喜びである。
だって、広いし、乗り心地いいし、ルーミーだし、久々の左席だし・・・。
まあいい。
無事に引き渡して、駐車場からとぼとぼと歩いて帰る。
花見の客も少ないようだし。
暖かい夜の風が気持ちいい。
ちょっと喉が痛くて、風邪が抜け切らないというか、本格的に引いてしまおうかどうか迷っているというか。
人間には車検というのはない。
日々、気をつけて日常点検を行うのみである。
入院といっても、車検を通すだけなので余計なことは一切しない。
オイル交換もなし。
殆ど乗ってないし。
今日は、プレステージの掛田さんに、ローダーで引き取りに来てもらう。
最新式のタイヤ固定ベルトを仕入れたと自慢している。
こういうところが職人なんだよな。
ふつー、そんなもんで自慢するかあ?。
確かに、ホイールの隙間を通すタイプのベルトだと、ホールがメッシュだったり(!)、ワイあーだったり(!!)、ディスクだったり(!!!)したら、どうしようもない。
まあ、どうせもいいんですが。
無事に車検を通ってくれれば、それでいい。
そうしたら、また03ボクスターと入れ替えのドライブに出かけるわけだ。
ローダーといっても、上下に1台ずつの2台積みで、それほど大きくないのだが、助手席に乗せてもらって浮沈子は大喜びである。
だって、広いし、乗り心地いいし、ルーミーだし、久々の左席だし・・・。
まあいい。
無事に引き渡して、駐車場からとぼとぼと歩いて帰る。
花見の客も少ないようだし。
暖かい夜の風が気持ちいい。
ちょっと喉が痛くて、風邪が抜け切らないというか、本格的に引いてしまおうかどうか迷っているというか。
人間には車検というのはない。
日々、気をつけて日常点検を行うのみである。
「9」の謎 ― 2014年03月30日 03:18
「9」の謎
中国軍機が発見した浮遊物に書かれていたという数字の9。
(「9」と書かれた物体、豪州沖で発見…中国軍機)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20140329-OYT1T00380.htm
MH370便の機体記号は9M-MROとなっているので、その数字かとも考えられるが、腑に落ちない点がある。
なんで、「6」じゃないんだあ?。
コイン駐車場などでは、アンダーラインが引いてあったりして分かりやすくしてあるところもあるが、実機ではどうだったんだろう?。
(マレーシア航空 Boeing 777-200 (9M-MRO)航空フォト(拡大写真))
http://flyteam.jp/photo/1072822/L
写真では、機体後部の赤い塗装に白い字で書かれてある(画像参照)。
「新華社通信によると、中国空軍機は、パースから約2150キロ・メートル離れた海域で、数字の「9」と書かれたオレンジ色の物体や、白や赤色の物体を発見。」
オレンジかあ!。
微妙だな。
既に、中国艦が到着しているので、すぐに分かるだろうが、「6」ではなく、「9」と読んだということは、それ以降のMとかも読めてるんじゃないだろうか。
しかし、これはあくまで、機体記号として書かれた機体後部のパネルであることが前提である。
オレンジと赤を区別して報道しているので、違う物に書かれていただけかもしれない。
この報道には、ちょっと気になる点もある。
「捜索に当たる中国の巡視船1隻が28日に同海域に着き、浮遊物の回収を始め」たとある。
回収というからには、発見したのだろうが、船舶からの続報は無い。
スカだったのか、それとも、ネコババしちゃったのか。
いよいよ、真相が明らかになる時が近づいてきたようだ。
中国軍機が発見した浮遊物に書かれていたという数字の9。
(「9」と書かれた物体、豪州沖で発見…中国軍機)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20140329-OYT1T00380.htm
MH370便の機体記号は9M-MROとなっているので、その数字かとも考えられるが、腑に落ちない点がある。
なんで、「6」じゃないんだあ?。
コイン駐車場などでは、アンダーラインが引いてあったりして分かりやすくしてあるところもあるが、実機ではどうだったんだろう?。
(マレーシア航空 Boeing 777-200 (9M-MRO)航空フォト(拡大写真))
http://flyteam.jp/photo/1072822/L
写真では、機体後部の赤い塗装に白い字で書かれてある(画像参照)。
「新華社通信によると、中国空軍機は、パースから約2150キロ・メートル離れた海域で、数字の「9」と書かれたオレンジ色の物体や、白や赤色の物体を発見。」
オレンジかあ!。
微妙だな。
既に、中国艦が到着しているので、すぐに分かるだろうが、「6」ではなく、「9」と読んだということは、それ以降のMとかも読めてるんじゃないだろうか。
しかし、これはあくまで、機体記号として書かれた機体後部のパネルであることが前提である。
オレンジと赤を区別して報道しているので、違う物に書かれていただけかもしれない。
この報道には、ちょっと気になる点もある。
「捜索に当たる中国の巡視船1隻が28日に同海域に着き、浮遊物の回収を始め」たとある。
回収というからには、発見したのだろうが、船舶からの続報は無い。
スカだったのか、それとも、ネコババしちゃったのか。
いよいよ、真相が明らかになる時が近づいてきたようだ。
原発の資格 ― 2014年03月30日 04:35
原発の資格
近くの中華屋で晩飯を食う。
新聞があったので、注文が出てくるまで読んでいたら、この記事があって驚いた。
(原発を続ける資格…東京電力常務 原子力技術者トップ・姉川尚史さん)
http://d.hatena.ne.jp/xcl_23/20140329/1396052406
新聞記事からの転載であるが、あえてリンクした。
恐ろしい言葉が並んでいる。
「数年前の津波がこれまで起こった最大の津波と言うのも、今考えるとあまりに甘い見方です。一方で、それがよく審査を通ったな、とも思います。」
「何かをしようとすると、『この間の話と違うじゃないか』と言われる。そういうことに慣らされると、それを強い気持ちで乗り越えられる人間はそんなにたくさんはいなくて、易きに流れてしまう。新しいことをやるのに臆病になる。私もそういう空気を感じたことがありました」
「原子力のプロとしては『あの事故は仕方なかったんだ』とは言いたくない。『防げなくても仕方なかった』とは私は思っていません」
「――姉川さん個人として、原子力は続けるべきだと考えますか?
「続けるべきだと思います。日本は決して豊かな天然資源があるわけではないし、だからこそ、オイルショック(1973年)前後から原子力を一生懸命やってきました。今はこれに代わるものがないと思っています」」
「――原発が稼働していなくても、石油や石炭、天然ガスなどで日常的な生活は維持されています。
「それは今までの日本の経済的な蓄えがそれを可能にしているだけであって、長く続くものではないと思います」」
「もし事故が回避できないことなのなら、さすがに続けられないと思います。ただ、福島第一の事故に至るまでの背景をいろいろ調べて、ひもといていくと、自分たちに足りなかったことがあった。まだまだたくさんのことをやれたと確信できました。ということは逆に、人の英知でこのエネルギーをコントロールできる可能性がある。その可能性にかけたいです」
「自然現象が原子力のリスクにどういうふうに影響するのかを見極めて迅速な対策をしていく精神、心がけ、行動パターン、安全文化……それらを作り上げ、原子力だけで3000人近く、会社全体では4万人近くの気持ちを一つにしていく」
「『これで大丈夫だ』という慢心があってはいけない、というのが福島第一の事故の大きな反省点です。そういう慢心が自分たちの心の中に忍び込まないようにしていかないといけない。それが保てないなら、『どうか運転してください』と頼まれてもお断りします。矛盾しているかもしれませんが、怖いと思う気持ちがなくなることが一番怖いことです」
まあ、こんなところか。
原発を扱う組織の人間としては、普通の感覚なんだろうが、ちょと背筋が寒くなるな。
原発事故は再び起こることを確信した記事だった。
まずは、設備だけでは原発事故を防げないということを、明言していることだ。
安全側にしか操作できないようにする(フェイルセ-フ)とか、必要な設備を最低限備えるとか。
原発再稼動についても、出来ることはやっているというが、東電で出来ることでは足りなったから事故になったのではないか。
それを認めた審査に、誤りがあったからではなかったのか。
4万人の気持ちを一つにしなければ防げないのなら、それは、防げないということだ。
「人の英知でこのエネルギーをコントロールできる可能性がある。その可能性にかけたいです」というのが、技術者としての本音だろう。
足りないことがあったということが分かって、それを埋めればコントロールできると思ってしまう。
人の英知では、コントロールできないからこそ、事故はおこったのだ。
原発は、技術的なスキームだけで動いているわけではない。
「そういうことに慣らされると、それを強い気持ちで乗り越えられる人間はそんなにたくさんはいなくて、易きに流れてしまう。」
それが普通だ、恥じることは無い。
そういう、普通の人間が扱っても安全な原発でなければならないし、審査の際に、最低限の仕様を決めたなら、それで安全が確保されなければ何のための審査か、ということになる。
4万人がスーパーマンでなければ運用できない代物を、安全だということはできない。
過ちを犯し、長いものに巻かれ、浅知恵しかなくても大丈夫だということにならなければ、安全確保など不可能だ。
事故が起こる前にも、原発の不完全性は、何度も指摘されている。
それを省みない「慢心」があったことが問題なのだ。
その時点でも、怖いと思っていなかったわけではないだろう。
それでも、事故は防げなかった。
いまでも怖いと思っているとしたら、それは、事故が起こるということの何よりの証拠である。
我が国のエネルギー政策については、電力会社の刷り込みが完璧に機能していると呆れる。
浮沈子は、原子力エネルギーを扱う技術は、まだまだ未熟なのだと思う。
現在の原発は、余りにも複雑な管理を必要としていて、安全に運転することなどは出来ない。
仕組み的にも、規模的にも、単純で安定した仕組みにしなければ、これからも事故は必ず起こる。
技術のトップが、こういう考え方であればなおのこと、可能性は高い。
原発は、研究施設ではない。
確実に安全が担保されていることを求められている、商業施設なのである。
人間の英知を試すところではないのだ。
この方の誠意は認めるが、危険な誠意だな。
おそらく、原発の現場には、他社でも同じような考え方をしている人たちがいるだろう。
浮沈子は、原子力エネルギーを利用することを否定はしない。
むしろ人類全体として、このエネルギーを有効に使うことは必要だと考えている。
しかし、我が国でそれを行うべきか、少なくとも現在の規模と設備で行うべきかについては議論があっていい。
せっかく停めたのだから、もったいないとか言わないで、ちゃんと議論すべきだ。
あるいは、今後も起こることを本気で考えて対応をしていくべきだ。
核廃棄物の処理についても、同様のことが言える。
核兵器に転用可能な物質を抽出していくような方法ではなく、未処理のまま保管していくようにすればよい。
近いうちに、また必ず原発事故が起きる。
対応の方法は、分かっている。
半径100キロの範囲で避難すればいいのだ。
そして、100年くらい別のところで暮らすことだ。
そして、電力会社は、100年かけて廃炉処理をするだけである。
これから作られるであろう原発全てで、事故が起こることを想定して、エネルギー計画を作っておけば間違いない。
まあ、稼動が再開されてからの話だろうが・・・。
(東電福島第一原発、汚染水貯蔵タンクから100tの汚染水漏れ調査打ち切り 原因不明のまま(FGW):追加)
http://financegreenwatch.org/jp/?p=42460
(GE社員、福島第1と同型の原子炉について35年前に安全面での不安を指摘していた:追加)
http://tom5023.iza.ne.jp/blog/entry/2205308/
近くの中華屋で晩飯を食う。
新聞があったので、注文が出てくるまで読んでいたら、この記事があって驚いた。
(原発を続ける資格…東京電力常務 原子力技術者トップ・姉川尚史さん)
http://d.hatena.ne.jp/xcl_23/20140329/1396052406
新聞記事からの転載であるが、あえてリンクした。
恐ろしい言葉が並んでいる。
「数年前の津波がこれまで起こった最大の津波と言うのも、今考えるとあまりに甘い見方です。一方で、それがよく審査を通ったな、とも思います。」
「何かをしようとすると、『この間の話と違うじゃないか』と言われる。そういうことに慣らされると、それを強い気持ちで乗り越えられる人間はそんなにたくさんはいなくて、易きに流れてしまう。新しいことをやるのに臆病になる。私もそういう空気を感じたことがありました」
「原子力のプロとしては『あの事故は仕方なかったんだ』とは言いたくない。『防げなくても仕方なかった』とは私は思っていません」
「――姉川さん個人として、原子力は続けるべきだと考えますか?
「続けるべきだと思います。日本は決して豊かな天然資源があるわけではないし、だからこそ、オイルショック(1973年)前後から原子力を一生懸命やってきました。今はこれに代わるものがないと思っています」」
「――原発が稼働していなくても、石油や石炭、天然ガスなどで日常的な生活は維持されています。
「それは今までの日本の経済的な蓄えがそれを可能にしているだけであって、長く続くものではないと思います」」
「もし事故が回避できないことなのなら、さすがに続けられないと思います。ただ、福島第一の事故に至るまでの背景をいろいろ調べて、ひもといていくと、自分たちに足りなかったことがあった。まだまだたくさんのことをやれたと確信できました。ということは逆に、人の英知でこのエネルギーをコントロールできる可能性がある。その可能性にかけたいです」
「自然現象が原子力のリスクにどういうふうに影響するのかを見極めて迅速な対策をしていく精神、心がけ、行動パターン、安全文化……それらを作り上げ、原子力だけで3000人近く、会社全体では4万人近くの気持ちを一つにしていく」
「『これで大丈夫だ』という慢心があってはいけない、というのが福島第一の事故の大きな反省点です。そういう慢心が自分たちの心の中に忍び込まないようにしていかないといけない。それが保てないなら、『どうか運転してください』と頼まれてもお断りします。矛盾しているかもしれませんが、怖いと思う気持ちがなくなることが一番怖いことです」
まあ、こんなところか。
原発を扱う組織の人間としては、普通の感覚なんだろうが、ちょと背筋が寒くなるな。
原発事故は再び起こることを確信した記事だった。
まずは、設備だけでは原発事故を防げないということを、明言していることだ。
安全側にしか操作できないようにする(フェイルセ-フ)とか、必要な設備を最低限備えるとか。
原発再稼動についても、出来ることはやっているというが、東電で出来ることでは足りなったから事故になったのではないか。
それを認めた審査に、誤りがあったからではなかったのか。
4万人の気持ちを一つにしなければ防げないのなら、それは、防げないということだ。
「人の英知でこのエネルギーをコントロールできる可能性がある。その可能性にかけたいです」というのが、技術者としての本音だろう。
足りないことがあったということが分かって、それを埋めればコントロールできると思ってしまう。
人の英知では、コントロールできないからこそ、事故はおこったのだ。
原発は、技術的なスキームだけで動いているわけではない。
「そういうことに慣らされると、それを強い気持ちで乗り越えられる人間はそんなにたくさんはいなくて、易きに流れてしまう。」
それが普通だ、恥じることは無い。
そういう、普通の人間が扱っても安全な原発でなければならないし、審査の際に、最低限の仕様を決めたなら、それで安全が確保されなければ何のための審査か、ということになる。
4万人がスーパーマンでなければ運用できない代物を、安全だということはできない。
過ちを犯し、長いものに巻かれ、浅知恵しかなくても大丈夫だということにならなければ、安全確保など不可能だ。
事故が起こる前にも、原発の不完全性は、何度も指摘されている。
それを省みない「慢心」があったことが問題なのだ。
その時点でも、怖いと思っていなかったわけではないだろう。
それでも、事故は防げなかった。
いまでも怖いと思っているとしたら、それは、事故が起こるということの何よりの証拠である。
我が国のエネルギー政策については、電力会社の刷り込みが完璧に機能していると呆れる。
浮沈子は、原子力エネルギーを扱う技術は、まだまだ未熟なのだと思う。
現在の原発は、余りにも複雑な管理を必要としていて、安全に運転することなどは出来ない。
仕組み的にも、規模的にも、単純で安定した仕組みにしなければ、これからも事故は必ず起こる。
技術のトップが、こういう考え方であればなおのこと、可能性は高い。
原発は、研究施設ではない。
確実に安全が担保されていることを求められている、商業施設なのである。
人間の英知を試すところではないのだ。
この方の誠意は認めるが、危険な誠意だな。
おそらく、原発の現場には、他社でも同じような考え方をしている人たちがいるだろう。
浮沈子は、原子力エネルギーを利用することを否定はしない。
むしろ人類全体として、このエネルギーを有効に使うことは必要だと考えている。
しかし、我が国でそれを行うべきか、少なくとも現在の規模と設備で行うべきかについては議論があっていい。
せっかく停めたのだから、もったいないとか言わないで、ちゃんと議論すべきだ。
あるいは、今後も起こることを本気で考えて対応をしていくべきだ。
核廃棄物の処理についても、同様のことが言える。
核兵器に転用可能な物質を抽出していくような方法ではなく、未処理のまま保管していくようにすればよい。
近いうちに、また必ず原発事故が起きる。
対応の方法は、分かっている。
半径100キロの範囲で避難すればいいのだ。
そして、100年くらい別のところで暮らすことだ。
そして、電力会社は、100年かけて廃炉処理をするだけである。
これから作られるであろう原発全てで、事故が起こることを想定して、エネルギー計画を作っておけば間違いない。
まあ、稼動が再開されてからの話だろうが・・・。
(東電福島第一原発、汚染水貯蔵タンクから100tの汚染水漏れ調査打ち切り 原因不明のまま(FGW):追加)
http://financegreenwatch.org/jp/?p=42460
(GE社員、福島第1と同型の原子炉について35年前に安全面での不安を指摘していた:追加)
http://tom5023.iza.ne.jp/blog/entry/2205308/
太陽系 ― 2014年03月30日 08:14
太陽系
(太陽系の端に新たな準惑星発見 米研究チーム)
http://www.cnn.co.jp/fringe/35045756.html
「ジェミニ天文台のチャド・トルヒーヨ氏によると、新たに見つかった準惑星「2012VP113」は、「太陽系の荒涼地帯」に位置するという。」
まあ、この記事はこれだけなんだが、太陽系の端っこの方には、まだまだ多くの天体が漂っているようだな。
記事の中には、カイパーベルトというのが出てくる。
(エッジワース・カイパーベルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88
この外側に、「散乱円盤天体」(準惑星エリス)というのがあって、さらにその外側には「Extended-Scattered Disk天体 (E-SDO)、もしくは内オールトの雲」(小惑星 (90377) セドナ)があるという。
(太陽系外縁天体:trans-Neptunian objects (TNO))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E7%B3%BB%E5%A4%96%E7%B8%81%E5%A4%A9%E4%BD%93
(エッジワース・カイパーベルト天体:エッジワース・カイパーベルトにある天体の総称:Edgeworth-Kuiper Belt Object、EKBO)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E5%A4%A9%E4%BD%93
(冥王星族:EKBOのうち海王星の共鳴軌道にある天体)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A5%E7%8E%8B%E6%98%9F%E6%97%8F
(キュビワノ族:EKBOのうち海王星の影響を受けない天体)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%93%E3%83%AF%E3%83%8E%E6%97%8F
(散乱円盤天体:一般にEKBOの外側の天体:E-SDOを含む?)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%A3%E4%B9%B1%E5%86%86%E7%9B%A4%E5%A4%A9%E4%BD%93
(オールトの雲)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E9%9B%B2
オールトの雲というのは、実際に観測されたわけではない。
この辺の話は、前にも少し触れた様な気がしたな。
(人類の地平)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/06/29/6881602
ボイジャー1号到達したが120天文単位ということになると、セドナの軌道にも達していないわけで、オールとの雲というのはさらにその外側、1万天文単位から10万天文単位(1.58光年)の間に球殻状に広がっているとされるそうだ(画像参照)。
この辺の話は、あまり興味が無かったので、どちらかといえば敬遠していたのだが、一度はちゃんと見ておかないとね。
話をややこしくさせているのが、軌道共鳴というやつだ。
(軌道共鳴)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8C%E9%81%93%E5%85%B1%E9%B3%B4
「天体力学において、公転運動を行なう二つの天体が互いに規則的・周期的に重力を及ぼし合う結果、両者の公転周期が簡単な整数比になる現象である。」
まあ、読んでも全然わかんないんですが。
「冥王星や冥王星族天体はより質量の大きな海王星の軌道と交差しているにもかかわらず、安定な軌道を持っている。これはこれらの天体と海王星の公転周期が 3:2 の共鳴状態にあり、海王星から常に離れた位置にあるためである。海王星と交差するが海王星との共鳴軌道を持たない数多くの他の天体は、トリトンのように海王星の衛星となってしまうか、海王星から強い擾乱を受けてこの領域から弾き出されてしまう。」
このはじき出された天体というのが、散乱円盤天体というわけだ。
太陽系というのは、文字通り、太陽を中心としたシステムのことなのだが、昔は簡単でよかったな。
外縁天体が次々と発見されて、冥王星もついに格下げになって、話はややこしくなった。
ご近所の太陽系の中の話も込み入ってきているのに、最近は、他の光星系の中に惑星がどんどん見つかって、余計混乱する。
そういった光星系の住人も、きっと自分の近所の天体の話で混乱しているだろうと思うと、少し気が休まる。
人の不幸は蜜の味なのだ・・・。
(太陽系の端に新たな準惑星発見 米研究チーム)
http://www.cnn.co.jp/fringe/35045756.html
「ジェミニ天文台のチャド・トルヒーヨ氏によると、新たに見つかった準惑星「2012VP113」は、「太陽系の荒涼地帯」に位置するという。」
まあ、この記事はこれだけなんだが、太陽系の端っこの方には、まだまだ多くの天体が漂っているようだな。
記事の中には、カイパーベルトというのが出てくる。
(エッジワース・カイパーベルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88
この外側に、「散乱円盤天体」(準惑星エリス)というのがあって、さらにその外側には「Extended-Scattered Disk天体 (E-SDO)、もしくは内オールトの雲」(小惑星 (90377) セドナ)があるという。
(太陽系外縁天体:trans-Neptunian objects (TNO))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E7%B3%BB%E5%A4%96%E7%B8%81%E5%A4%A9%E4%BD%93
(エッジワース・カイパーベルト天体:エッジワース・カイパーベルトにある天体の総称:Edgeworth-Kuiper Belt Object、EKBO)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E5%A4%A9%E4%BD%93
(冥王星族:EKBOのうち海王星の共鳴軌道にある天体)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A5%E7%8E%8B%E6%98%9F%E6%97%8F
(キュビワノ族:EKBOのうち海王星の影響を受けない天体)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%93%E3%83%AF%E3%83%8E%E6%97%8F
(散乱円盤天体:一般にEKBOの外側の天体:E-SDOを含む?)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%A3%E4%B9%B1%E5%86%86%E7%9B%A4%E5%A4%A9%E4%BD%93
(オールトの雲)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E9%9B%B2
オールトの雲というのは、実際に観測されたわけではない。
この辺の話は、前にも少し触れた様な気がしたな。
(人類の地平)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/06/29/6881602
ボイジャー1号到達したが120天文単位ということになると、セドナの軌道にも達していないわけで、オールとの雲というのはさらにその外側、1万天文単位から10万天文単位(1.58光年)の間に球殻状に広がっているとされるそうだ(画像参照)。
この辺の話は、あまり興味が無かったので、どちらかといえば敬遠していたのだが、一度はちゃんと見ておかないとね。
話をややこしくさせているのが、軌道共鳴というやつだ。
(軌道共鳴)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8C%E9%81%93%E5%85%B1%E9%B3%B4
「天体力学において、公転運動を行なう二つの天体が互いに規則的・周期的に重力を及ぼし合う結果、両者の公転周期が簡単な整数比になる現象である。」
まあ、読んでも全然わかんないんですが。
「冥王星や冥王星族天体はより質量の大きな海王星の軌道と交差しているにもかかわらず、安定な軌道を持っている。これはこれらの天体と海王星の公転周期が 3:2 の共鳴状態にあり、海王星から常に離れた位置にあるためである。海王星と交差するが海王星との共鳴軌道を持たない数多くの他の天体は、トリトンのように海王星の衛星となってしまうか、海王星から強い擾乱を受けてこの領域から弾き出されてしまう。」
このはじき出された天体というのが、散乱円盤天体というわけだ。
太陽系というのは、文字通り、太陽を中心としたシステムのことなのだが、昔は簡単でよかったな。
外縁天体が次々と発見されて、冥王星もついに格下げになって、話はややこしくなった。
ご近所の太陽系の中の話も込み入ってきているのに、最近は、他の光星系の中に惑星がどんどん見つかって、余計混乱する。
そういった光星系の住人も、きっと自分の近所の天体の話で混乱しているだろうと思うと、少し気が休まる。
人の不幸は蜜の味なのだ・・・。
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