禁煙2014年07月30日 14:25

禁煙


タバコの害については、世の中でさんざん指摘されているので、ここでは深くは触れない。

(今後のたばこ対策の基本的考え方について)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/12/s1225-6a.html

10年近く前に厚生労働省の諮問機関が出したペーパーだが、未だに喫煙は容認されていて、喫煙者の健康を蝕み続けているのみならず、受動喫煙を通じて周囲の健康も阻害している。

傷害罪だな。

良くて過失傷害。

浮沈子も、20年余り高額納税者だったので、人様のことをとやかく言うつもりはないが、現在はきっぱりと禁煙し、10年以上継続している。

しかし、ハッキリ言って、今でも吸いたい!。

このブログを打っているこの瞬間も、スパスパやりたい!!。

指が、唇が、あのフィルターの感触を覚えているし、煙を吸い込んで鼻から出す時の鼻腔粘膜が、あの刺激を求めてムズムズしている。

何より、脳細胞が、酸素欠乏状態になった時のえもいわれぬ陶酔感をしっかりと刻み込んでいて、再び喫煙することへの絶ち難い誘惑を繰り返してくる。

喫煙者の快感、そして、禁煙の苦痛は、浮沈子自身が身を持って良く分かっている。

この苦しみから逃れるのは簡単だ。

吸ってしまえばいいのだ。

1本吸ったくらいでは、どうということはないだろう。

2本でも大丈夫だ。

3本だって同じ。

10本でも大した違いはないだろう。

ええい、100本でも、1000本でも持って来い!・・・。

依存症とは、そういうものだ。

薬物依存の場合、それを手に入れるためなら、犯罪も厭わなくなり、生活が破綻する。

喫煙が精神障害を誘発することはないらしいが、一方で依存症は立派な精神疾患である。

(依存症)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87

「精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う特定の行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める抑えがたい欲求である渇望が生じ、その刺激を追い求める行動が優位となり、その刺激がないと不快な精神的、身体的症状を生じる精神的、身体的、行動的な状態のこと。」

まあ、詳しくは読んでください。

タバコは、世界的な産業になっていて、JTも国内での販売が頭打ちになって、世界市場への展開を模索している。

(JT副社長:無煙たばこを強化、買収も視野-規制の広がりで)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MU2RB31A74E901.html

「世界の無煙たばこの市場規模は136億ドル(約1兆3200億円)と、過去10年で約80%伸びた。一方、同年の紙巻きたばこの市場規模は6969億ドル(約67兆7200億円)で、依然大きな差がある。」

以前、コーヒーについて調べた(浮沈子は、この薬物の依存からは、生涯抜け出せないだろうと諦めている)。

(コーヒー依存)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/01/7235146

「驚くべき統計として、世界でコーヒー豆の貿易額は年間800億ドルを超えており、コーヒーは1次産品としては石油につぐ巨大市場を占めている。」

(全世界で10兆円規模のコーヒー市場に参入できることの意味)
http://blog.goo.ne.jp/ogosaka201211/e/d3c33e8715b12d89a23e6ce5df8eff99

「消費量810万トンのコーヒー(豆)が1キロあたり1200円で小売りされていると仮定すれば、810万トン×1000(Kg)×1200円=9兆7200万円となり、言われている通りコーヒーは10兆円産業ということになります。」

「スターバックスでは1kg1264円で仕入れたコーヒー(豆)を300円×100杯=30000円にしてビジネスをしているのです。」

この計算では、最終消費では遥かに大きい規模になる(20倍以上)。

まあ、コーヒー豆全部がスタバで消費されているわけではない。

あんなもん、世の中になくても何の支障もない代物だが、タバコ産業も負けずにデカイ!。

ダイビングにおいて、喫煙は陸上よりも遥かにリスクが高く、ダイバーのくせにタバコ吸ってるなんて、もってのほかである。

(喫煙とダイビング)
http://www.diversclinic.jp/2/tabako/tabaco2.html

(ダイバーの喫煙について:CCRユーザーの方です)
http://www.geocities.jp/nagareko_diving_team/tech/08_tabaco/index.html

最近は、スタッフ全員がノースモーカーであることをアピールするショップも登場している。

(Breeze石垣島:STAFF)
http://breeze-ishigaki.com/shop/staff.html

「Breeze石垣島のスタッフに喫煙者はいません。
スタッフの吸うタバコの煙で船の上で嫌な思いをした経験ございませんか?
陸も船上もタンクのエアーもおいしい空気をいっぱい吸ってくださいね!」

DANも、この辺りの取り組みに力を入れてはどうだろうか。

(「メディカルチェック」)
http://www.daydream.to/palau/medicalcheck.pdf

この前お世話になったデイドリームのホームページに記載されている、DANのチェックシートだが、13ページにこうある。

「Ⅵ 45 歳以上の方のみの質問です。
1 タバコを吸っていますか?
タバコを吸う:タバコを吸う方は、ダイビング中にトラブルを起こしやすいことが知られています。
タバコは、呼吸機能を低下させ、中耳腔や副鼻腔のスクイズを起こしやすくし、心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクも高くします。米国では、ダイビング中の死亡の代表的な原因にもあげられています。
この項目に「はい」とチェックしても、医師を受診する必要はありませんが、タバコを吸わない方よりダイビング中の身体的なトラブルを起こすリスクが高いことを知っておく必要があります。」

ちょっと甘過ぎのような気がするんだが・・・。

先日届いたDAN会報誌アラートダイバー56号の17ページには、小泉章子医師の喫煙に対する持論が載っている。

「・・・また、今回の相談者でも、喫煙をする方が多く見られました。タバコは心筋梗塞と関連があるといわれます。DAN USAのデータでは、潜水中に死亡したダイバーの15%以上で、タバコが関連していたという結果が出ています。」

「潜水中の事故を減らすためにもダイバーの禁煙は絶対に必要というのが私の持論です。」

浮沈子は、会員なのでホームページからバックナンバーを見ることができるが、55号の14ページにも禁煙のススメが書かれている(元記事は、米国らしい)。

「DAN Americaの会報誌から、興味深い記事を転用してお届けする「海外のAlert Diverより」。この数年の間に掲載された潜水医学に関するQ&Aの中から、日本でも適応する内容を抜粋してご紹介いたします。DAN Americaのドクターや医療情報専門家から、さまざまな知識を学びましょう。」

お手元にある方は、是非ご覧いただきたい。

禁煙は、失敗の連続とも書かれている。

浮沈子を含め、過去に何度も失敗を重ねてようやく禁煙したという方が殆どなのではないか。

「俺は、毎日禁煙してるよ!」

愛煙家の決め台詞だな。

「タバコをやめれば、わずか20分後に心拍数が下がりますが、12時間後、有毒ガスである一酸化炭素の血中レベルは通常に戻ります。肺の機能は改善され、循環系は3ヶ月以内によくなり始めます。1年後、心不全になるリスクは半分に低下します。そして、5年~15年で、脳卒中のリスクは非喫煙者のリスクと同じになるでしょう」

浮沈子は、そろそろ非喫煙者と同じリスクになる。

ダイビングを契機にやめたわけではないが、それも禁煙の動機になるかもしれない。

CCRで濃い目の酸素を吸った方が、タバコの有毒ガスを吸い込むよりも、身体にはいいかも知れない。

しかし、それでもなお、今、こうして喫煙の弊害を調べ、禁煙することのメリットを書いている瞬間も、浮沈子は吸いたい。

ニコチンの精神依存の残存性は、驚くべきものだ。

多くの国家で、未成年者に対する喫煙を法律で禁じている(浮沈子の周囲には、二十歳になったら止めるという未成年喫煙者が多数いましたが:当然、止めた人はいません!)。

成長途上にある未成年者にとって、喫煙はアルコールと共に年齢規制を掛けられている。

法規制があるだけではなく、それだけ毒性が高いことも明らかになっている(アルコールなんて、明らかな精神疾患の因子もあるし)。

ダイビングを契機として、悪しき習慣から足を洗うというのもいいかも知れない。

また、ダイビングショップやサービスでも、禁煙に努め、あるいは、禁煙に向けてのサービスを展開するというのも、社会貢献に繋がるような気がする。

石垣のショップのように、そんな取り組みを始めているところが実際にあるのだ。

(禁煙ショップ&サービス)
http://homepage2.nifty.com/lonver/nonsmoke.htm

へえ、こんなページもあったんだ。

ショップやサービスは、お客さんあっての商売だから、なかなか難しい面もあるだろうが、せめて分煙とか、それが出来なければマナーとしての禁煙とかを促していかなければならないだろう。

しかし、それよりも、何よりも、ダイバー自身が自覚して禁煙に向かって直ちに行動することである。

なあに、何も難しいことはない。

灰皿とライター(カルチェだろうが、ジッポだろうが)を捨てて、吸い残したタバコを燃えるゴミで出せばいいだけだ。

新たな投資は1円も必要ない。

今、この瞬間に出来ることだ。

無論、お金を使って苦痛を和らげたければ、禁煙外来の門を叩くべきだろう。

(禁煙外来)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%81%E7%85%99%E5%A4%96%E6%9D%A5

「禁煙外来で用いられる禁煙薬はあくまでも禁煙補助剤であり、医師や看護師などによるカウンセリング療法が禁煙成功率を上げる鍵となっている。」

「保険適用後に禁煙治療に対して医療費の抑制とする観点から、保険適用取り消しも視野に入れた検証調査が行われた。その調査の中で5回全て受診した場合の1年禁煙継続率は45.7%、途中で治療を辞めた人を含めた全体の1年禁煙率は32.6%とされた。このことから、厚生労働省は、一定の効果を認めた。」

禁煙外来の門を叩いても、7割が脱落しているという状況である。

保険適用になるのは、ある程度以上のヘビースモーカーだが、医療管理下に置かれ、プログラムを終了しても、過半数が脱落する。

これに、1年以上禁煙して、再び喫煙習慣に戻ってしまう人を加えると、さらに成功率は下がることになる。

浮沈子は、世の中からタバコがなくなるなどという安易な期待は持っていない。

喫煙という習慣がコロンブスによって西欧社会にもたらされてから、500年以上も経っているのだ。

(タバコはコロンブスがアメリカから持ち帰ったと聞きましたが、本当ですか。)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1210078202

記事内のJTへのリンクは切れている。

(文化/たばこの歴史世界史:これかな)
http://www.jti.co.jp/tobacco-world/journal/history/world/02_1.html

まあ、どんなにがんばっても、あと100年はなくならないだろうな。

最近は電子タバコという新しい仕掛けで、ニコチンを吸い込むことが始まっている。

有毒で精神依存性が高い薬物だ。

(ニコチン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%81%E3%83%B3

「天然由来の物質であり、即効性の非常に強い神経毒性を持つ。半数致死量は人で0.5mg~1.0mg/kgと猛毒で、その毒性は青酸カリの倍以上に匹敵する。」

「ニコチンは主に中枢神経および末梢に存在するニコチン性アセチルコリン受容体 (nAChR) に作用することで薬理作用を顕すと考えられている。nAChRは中枢神経の広範囲に分布しているため、ニコチンは脳の広い範囲に影響を与える。」

(電子たばこ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93

「専用カートリッジ内の液体を電熱線の発熱により霧状化し、その微粒子を吸引することでたばこの代替とする製品である。」

どうやら、日本たばこ産業が作っているプルームというのは、電子タバコとは似て非なるものらしい。

「日本たばこ産業が、構造が違うニコチン入りの電子たばこを販売しているため、日本国内では欧米でいうところの電子たばこを、「電子たばこ」という表現で販売するのは誤解が生じやすく疑問が残る。」

(プルーム (喫煙具))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A0_(%E5%96%AB%E7%85%99%E5%85%B7)

「タバコ葉を電気により加熱することでニコチンやその他の成分を蒸発させ吸引する喫煙具である。」

「電子たばことの違いは吸引する素材が液体ではなく、たばこ葉および香料を直接加熱・吸引すること」

これは、タバコそのものであるな。

紙巻の毒性を緩和し、副流煙の害を軽減しているに過ぎない。

電子タバコは、液体を加熱して吸うので、ニコチンなしのものもあるらしい。

「電子たばこが喫煙具だけではなく、ニコチン無添加の風味を楽しむカートリッジがあり各種菓子味など未成年者にとっても魅力的な風味があることも議論の対象」とある。

(たばこ消費国トップ10)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304126704580058701508669516#10

「世界保健機関(WTO)の「タバコ・アトラス」によると、世界の成人人口の20%近くが喫煙している。入手可能な直近のデータ(2009年)では、年間のたばこ消費量が5兆9000億本で過去10年間で13%増加。1人当たりの年間たばこ消費本数の国別トップ10を紹介する。」

「順位:国名:本数(年間一人当たり)
1:セルビア:2861
2:ブルガリア:2822
3:ギリシャ:2795
4:ロシア:2786
5:モルドバ:2479
6:ウクライナ:2401
7:スロベニア:2369
8:ボスニア・ヘルツェゴビナ:2278
9:ベラルーシ:2266
10:モンテネグロ:2157」

(The Tobacco Atlas:ここから2014年版ダウンロードできます)
http://www.tobaccoatlas.org/

英語版の51ページから58ページに掛けて、各国の資料がある。

ちなみに我が国の年間消費量(一人当たり)は、1841本である(52ページ)。

国際的に、タバコの害をなくそうというのは確かな流れになりつつある。

この流れは、変えようがないだろう。

健康にいいタバコを発明して、吸えば吸うほど癌が予防できるとか、ニコチンを含まないタバコ(植物)を遺伝子操作で育種するとか、ダイビング後に吸うと減圧症になりにくくなるとか・・・。

メーカーには、そんなハイテクタバコを開発してもらわなければならんだろう。

間違っても、発展途上国に売りさばいて、先進国の売り上げを取り返そうなどとしてはならない。

何度も繰り返して恐縮だが、完全禁煙して10年以上になる浮沈子は、未だに禁断症状(離脱症状)に苦しんでいる。

この記事を書きながら、ネットでタバコを吸うシーンが出てくると、思わず引き込まれてしまう。

ちょっと辛くなってきたので、ここまでにする・・・。

(喫煙率、ついに20%割れ JT調査、推計2059万人:追加)
http://www.asahi.com/articles/ASG7Z5J9GG7ZULFA01T.html?iref=comtop_list_nat_n04

(2014年「全国たばこ喫煙者率調査」、男女計で19.7%:追加:元記事)
http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2014/0730_01.html

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