スターリンクが南大西洋異常帯を通過すると全世界のインターネットが暴走する?2020年06月05日 18:42

スターリンクが南大西洋異常帯を通過すると全世界のインターネットが暴走する?
スターリンクが南大西洋異常帯を通過すると全世界のインターネットが暴走する?


スペースXが展開するスターリンクは、まあ、考えてみれば当たり前だが、単なる地球低軌道を回る通信中継衛星だ。

地球局からアップリンクし、地球局へとダウンリンクする(これらを纏めてフィーダーリンクというらしい)。

衛星間通信(クロスリンク)は、まだ行っていない(たぶん)。

地上局は、移動体でもいいようだが、ピザボックス大のフェーズドアレイアンテナを必要とする。

実際のスループットがどれくらいになるかは、やってみなけりゃわからんだろう(17Gbpsから20Gbpsともいわれている)。

まあ、どうでもいいんですが。

今日も、何となく体調が優れず(お腹の調子も悪い)、うだうだしながらスターリンク衛星の小ネタを漁る。

調べたのは、衛星の姿勢を制御するモーメンタムホイールというヤツだ。

(モーメンタムホイール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A0%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB

「フライホイールの一種で、主に宇宙船などの姿勢制御に用いられる。質量が大きく、高速回転(約5000rpm)するのが特徴」

「同様に宇宙船で使われる装置としてリアクションホイールがあるが、そちらは名目上のゼロ回転速度付近で動作する。」

この違いが、よく分からんのだがな。

(リアクションホイール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB

「リアクションホイールは、姿勢制御の開始当初から最大回転数の1/2ほどで回転させておく使用法と、姿勢制御の開始当初は回転速度ゼロである使用法がある。」

「前者では運用時のホイール回転数の範囲下限はゼロではなく1000rpm程度であり、停止状態やマイナス方向での回転は行わない。後者は角運動量を保存する能力が前者より大きくできる」

「4軸4基の構成では、4軸すべての軸方向が互いに直交することなく斜めに交差しており「フォー・スキュー」と呼ばれる」

スターリンク衛星の場合も、4軸4基のようだ。

もちろん、姿勢制御だけでは、衝突回避運動は行えないから、クリプトンエンジンを吹かして(たぶん、微小推力)回避運動するんだろう。

そこから、戻ってくるときなどにはスタートラッカーが活躍する(星見て位置決めするわけだ)。

(SpaceXは、たった6回のローンチ後に、Starlinkインターネットを消費者に提供したいと考えています。)
https://www.teslarati.com/spacex-teases-starlink-internet-service-debut/

「Starlinkのスタートラッカー(左、正確なポインティングと位置決めに使用)、およびポインティングと方向付けにも使用される4つのジャイロ。」(CGのキャプションより)

「Starlinkのクリプトンイオンスラスタの1つは、SpaceXの衛星製造施設でテストされています。(SpaceX)」(CGのキャプションより)

浮沈子は、リアクションホイールは、重心に近いところ(特等席?)に、でんと設置されているんだとばかり思ってたが、そうでもない感じだ(スターリンク衛星の場合は、端っこだしな)。

(What Makes an Iridium NEXT Satellite so Unique?:無音の動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=CGYnP4ao9Go

36秒辺りから、イリジウムネクスト衛星のモーメンタムホイールの表示になる。

スラスターと併用されるということなら、あまり場所は問わないのかも知れない(未確認)。

さて、いろいろ調べて、最近のネタとの関連を考えていたんだが、とんでもないことに気付いてハッとした!。

(地球の磁場が弱まる怪現象。2つに分裂する可能性も(ESA))
http://karapaia.com/archives/52291374.html

「ESAによれば、今の段階でのもっとも大きな影響は、人工衛星や宇宙船に搭載されている機器の誤作動におおむね限られるとのこと。」

「そうした機器については、南アメリカや南大西洋上空を通過する際に、より多くの電荷粒子にさらされることもあるだろう。」

スウォームの観測と南大西洋異常帯(SAA)については、先日記事にしたばかりだからな。

(新型コロナと地磁気異常の怪しい関係)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/05/30/9252394

「この第二の中心の出現が、どういう影響を人工衛星やISSの船外活動に与えるかは分からない。」

単なるKu、Ka帯の通信衛星として考えれば、スターリンクも立派に影響を受けるわけだ。

高度も、550kmとお手ごろだしな。

インターネットエクスチェンジとして機能するということになれば、そこでの機器異常は、ネットワークを大混乱に陥れる可能性がある。

際限なくパケットを増幅してい垂れ流せば、あっという間に飽和させてしまうかも知れないし、逆に変なルーティングを連発すればいつまでも届かない話になる。

もちろん、そういうノードエラーに対する対策は施されているに違いないけど、程度問題ということもあるしな。

SAAだけじゃなくて、太陽嵐が起きれば、大規模衛星障害が発生する。

(太陽嵐)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%B5%90

「太陽嵐により放出される電磁波などは、その速度の違いによって、3段階に渡って別々に到達する。まず、最初に到達するのが電磁波で、これは光速度で伝わるためわずか8分程度で到達する。これは主に電波障害を起こし、多くの通信システム(人工衛星、飛行機の無線など)が使用できなくなってしまう。」

「次に来るのが放射線で、これは数時間で到達する。宇宙飛行士などは放射線を遮蔽できるような施設内に避難しないと被曝してしまう。」

電離放射線の場合、メモリーのビット反転とか起きるかもな。

「最後に来るのがCME(コロナガス噴出、コロナ質量放出)と呼ばれるもので、2-3日後に到達する。この影響が最も危険であり、これに伴って磁気圏内に生成される電気エネルギーが原因となって発生した誘導電流が送電線に混入すると電流が乱れ、停電、電力システムの破壊を招く。」

オーロラがそこいらじゅうで起きるわけで、当然人工衛星もただでは済まない。

最終的に数万機が運用されるわけだからな(今のところ、1万2千機が許可済みで、3万機が申請中)。

数千機単位でぶっ壊れることになりかねない。

やれやれ・・・。

そんなヤバイもんに、インターネットのバックボーンを委ねていいものか。

まあ、逆に、地上の異常事態に対しては生き残る可能性が高いからな。

双方、補い合っていくのがよろしい。

インターリンク衛星が、SAA対策しているのかどうかは知らない。

5年でお払い箱にするわけだから、それだけ持てばいいだけの話だ。

なーんも考えてない方に、一票だな・・・。

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