🚀スターシップ:IFT-9:1段目の再使用へ ― 2025年04月09日 01:01
スターシップ:IFT-9:1段目の再使用へ
(スペースXはスターシップのスーパーヘビーブースターの再利用に向けて大きな一歩を踏み出した)
https://arstechnica.com/space/2025/04/spacex-just-took-a-big-step-toward-reusing-starships-super-heavy-booster/
「ブースターのメタン燃料ラプターエンジン33基のうち29基が飛行実証済みである」
まあ、数の違い(前回は1基だけ)こそあれ、エンジンの再使用にはすでに踏み切っている。
次回は、機体そのものの再使用を伴うところが新しい。
巨大なロケットとは言え、2段目に比べれば飛行速度は遅いし、高度も低く(100kmくらいか)、大気圏再突入における温度上昇も軽微だ。
メカジラキャッチのギミックにも複数回成功していて、安定感を増してきている。
ここいらで、機体の再使用に踏み切りたいというのも分からなくはない・・・。
しかし!。
IFT-7で使った33基のエンジンのうち、4基は換装になった。
打ち上げ時には問題なかったものの、ブーストバックバーンの際に内周のエンジンのうちの1基が点火せずにそのまま推移し、慣性飛行後のランディングバーンの初期減速の際に全基点火している。
中央の3基を含めた内周のエンジン13基はジンバル付きで、外周の20基とは異なる。
換装の対象となったエンジンがどれかは知らない。
それだけじゃない。
前回のIFT-8においても、ブーストバックバーンの際に内周のエンジンのうち隣り合う2基が点火せずにそのまま推移し、慣性飛行後のランディングバーンの初期減速の際に1基が点火しなかった!。
ランディングバーンで未点火だった1基は、ブーストバックバーンで点火しなかった2基のうちの一つだった。
やれやれ・・・。
ちなみに、メカジラキャッチしなかったIFT-6では、エンジンの再点火はすべて成功している。
つまりだな、そこに着目すれば、最近のIFTでは6→7→8と回を重ねる度に、再点火の失敗は増加しているということになる。
飛行:打ち上げ時:ブーストバックバーンの失敗:ランディングバーンの失敗:
IFT-6:0:0:0
IFT-7:0:1:0
IFT-8:0:2:1
やれやれ・・・。
こうしてみると、ブロック2に更新された2段目に注目が集まる中、1段目の再使用を始めるというのは、かなりリスキーな選択と言えるかもしれない。
機体の再使用はもちろん初めてだし、エンジンの信頼性も怪しい(少なくとも再点火については疑問が残る)。
IFT-9でも、使用されるエンジンはラプター2のままだ。
燃料流路などを鋳込んで作ったラプター3は、まだ投入されない。
ブースターは、33基のエンジン(将来的には増えるかも)があるために、故障確率も上がるがそれだけ冗長性があるともいえる。
上昇過程では、初期の頃のような打ち上げから未着火状態や途中失火は見られなくなってきている。
再点火が難しいわけだ。
それでも、中央の3基については最近の失敗はない。
最終減速でメカジラに捕まえられるまで、シビアにコントロールしなければならないからな。
これが点火しなかったりすれば、大事故に繋がる。
打ち上げ施設に突っ込み、墜落激突爆発炎上木っ端微塵だ。
何か少しでも問題があれば、自動的に洋上着陸(着水)に切り替えるようだけど、それがいつもうまくいくかどうかは分からない(S社は太鼓判押すだろうけどな)。
ひょっとすると、ラプター2の再点火の信頼性には限界があって、これ以上の改善を施すことが難しいのかも知れない。
その点はラプター3で対応することにして、機体の再使用に踏み切ったということなのかも知れない。
だとすると、IFT-9は既知のリスクを抱えて飛ぶことになる。
仮に、2段目の問題が解決されていたとしても、下手をするとそれを確認することなく途中でエンジン絡みの問題を起こしかねない。
もっとも、打ち上げ時の未着火は最近はないからな。
その確率は低いだろう。
S社も、それを見越して踏み切っている。
しかし、1段目の再使用は、それ自体が大きな賭けだ。
2段目に比べてストレスが少ないとはいえ、5千トンを超える打ち上げ重量を動かすための機械的ストレスは小さいとは言えない。
ステンレス製の機体の耐久性、溶接部分の劣化(内部のクラック)、もちろん、エンジンや再突入時の熱的な問題も抱えることになる。
もちろん、2段目を上げちまった後のトラブルは、発射台に激突する以外は想定の範囲内だろう。
再使用に向けて、データ収集の意味合いが強い。
浮沈子的には、2段目の飛行はもちろんだが、1段目の飛行、特に再点火や強度の問題には大注目だな・・・。
(スペースXはスターシップのスーパーヘビーブースターの再利用に向けて大きな一歩を踏み出した)
https://arstechnica.com/space/2025/04/spacex-just-took-a-big-step-toward-reusing-starships-super-heavy-booster/
「ブースターのメタン燃料ラプターエンジン33基のうち29基が飛行実証済みである」
まあ、数の違い(前回は1基だけ)こそあれ、エンジンの再使用にはすでに踏み切っている。
次回は、機体そのものの再使用を伴うところが新しい。
巨大なロケットとは言え、2段目に比べれば飛行速度は遅いし、高度も低く(100kmくらいか)、大気圏再突入における温度上昇も軽微だ。
メカジラキャッチのギミックにも複数回成功していて、安定感を増してきている。
ここいらで、機体の再使用に踏み切りたいというのも分からなくはない・・・。
しかし!。
IFT-7で使った33基のエンジンのうち、4基は換装になった。
打ち上げ時には問題なかったものの、ブーストバックバーンの際に内周のエンジンのうちの1基が点火せずにそのまま推移し、慣性飛行後のランディングバーンの初期減速の際に全基点火している。
中央の3基を含めた内周のエンジン13基はジンバル付きで、外周の20基とは異なる。
換装の対象となったエンジンがどれかは知らない。
それだけじゃない。
前回のIFT-8においても、ブーストバックバーンの際に内周のエンジンのうち隣り合う2基が点火せずにそのまま推移し、慣性飛行後のランディングバーンの初期減速の際に1基が点火しなかった!。
ランディングバーンで未点火だった1基は、ブーストバックバーンで点火しなかった2基のうちの一つだった。
やれやれ・・・。
ちなみに、メカジラキャッチしなかったIFT-6では、エンジンの再点火はすべて成功している。
つまりだな、そこに着目すれば、最近のIFTでは6→7→8と回を重ねる度に、再点火の失敗は増加しているということになる。
飛行:打ち上げ時:ブーストバックバーンの失敗:ランディングバーンの失敗:
IFT-6:0:0:0
IFT-7:0:1:0
IFT-8:0:2:1
やれやれ・・・。
こうしてみると、ブロック2に更新された2段目に注目が集まる中、1段目の再使用を始めるというのは、かなりリスキーな選択と言えるかもしれない。
機体の再使用はもちろん初めてだし、エンジンの信頼性も怪しい(少なくとも再点火については疑問が残る)。
IFT-9でも、使用されるエンジンはラプター2のままだ。
燃料流路などを鋳込んで作ったラプター3は、まだ投入されない。
ブースターは、33基のエンジン(将来的には増えるかも)があるために、故障確率も上がるがそれだけ冗長性があるともいえる。
上昇過程では、初期の頃のような打ち上げから未着火状態や途中失火は見られなくなってきている。
再点火が難しいわけだ。
それでも、中央の3基については最近の失敗はない。
最終減速でメカジラに捕まえられるまで、シビアにコントロールしなければならないからな。
これが点火しなかったりすれば、大事故に繋がる。
打ち上げ施設に突っ込み、墜落激突爆発炎上木っ端微塵だ。
何か少しでも問題があれば、自動的に洋上着陸(着水)に切り替えるようだけど、それがいつもうまくいくかどうかは分からない(S社は太鼓判押すだろうけどな)。
ひょっとすると、ラプター2の再点火の信頼性には限界があって、これ以上の改善を施すことが難しいのかも知れない。
その点はラプター3で対応することにして、機体の再使用に踏み切ったということなのかも知れない。
だとすると、IFT-9は既知のリスクを抱えて飛ぶことになる。
仮に、2段目の問題が解決されていたとしても、下手をするとそれを確認することなく途中でエンジン絡みの問題を起こしかねない。
もっとも、打ち上げ時の未着火は最近はないからな。
その確率は低いだろう。
S社も、それを見越して踏み切っている。
しかし、1段目の再使用は、それ自体が大きな賭けだ。
2段目に比べてストレスが少ないとはいえ、5千トンを超える打ち上げ重量を動かすための機械的ストレスは小さいとは言えない。
ステンレス製の機体の耐久性、溶接部分の劣化(内部のクラック)、もちろん、エンジンや再突入時の熱的な問題も抱えることになる。
もちろん、2段目を上げちまった後のトラブルは、発射台に激突する以外は想定の範囲内だろう。
再使用に向けて、データ収集の意味合いが強い。
浮沈子的には、2段目の飛行はもちろんだが、1段目の飛行、特に再点火や強度の問題には大注目だな・・・。
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