日本人の民度 ― 2013年02月19日 20:43
日本人の民度
あれから、1か月以上経って、事は明るみに出た。
(B787高松空港に緊急着陸 乗客、乗員は緊急脱出し無事2013.01.16)
http://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2013/01/16takamatsu787/
(高松に緊急着陸したB787型機、APUバッテリーに膨らみ)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE91I03Y20130219
各紙が報じるところによれば、当初、異常がないと思われていたANA機のAPU用バッテリーに、「異常な」膨らみが認められたため、メーカーによる解体作業が行われている(「」は浮沈子)。
リチウムイオン電池が膨らむのは、異常でしょう!?。
(リチウムイオン二次電池:欠点)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E9%9B%BB%E6%B1%A0#.E6.AC.A0.E7.82.B9
この写真のように膨れ上がった電池は、当然のことながら使用できなくなる。
膨張するなんて事は、想定の範囲外であり、あってはならない異常事態であるはずだ。
当局は、またしても業界擁護の立場に立っている。
(補助動力装置用バッテリーも膨張)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130219/waf13021917420031-n1.htm
産経なんか、他紙が書いていない「リチウムイオン電池の「一部がわずかに」膨張」(「」は浮沈子)とか、「膨張自体が問題かどうかは不明だが、異常な発熱がなかったか、念のため調べる必要があると判断した」とか、業界擁護を鮮明にした報道姿勢を貫いている。
経済紙の鏡であるな。
つまり、どういうことかというと、補助動力装置も含めて、ANA機は搭載されている全てのバッテリーが完全に焼損した状態になる、一歩手前であったということになる(機長の判断に感謝!)。
これは、偶然ではない。
今、グラウンド状態にある全世界のB787の全てのバッテリーを、直ちに解体検査する必要があるのではないか(といっても、高々50機である)。
目視では見過ごされた何らかの異常が、微細な構造の変化を伴い、顕微鏡レベルで起こっているとしたら、原因の解明に繋がるのではないか。
きっと、有益な知見が得られるはずだ。
燃えてしまったバッテリーを弄繰り回すのも結構だが、正常に見えるバッテリーを詳細に調べることも重要である。
(米ボーイング、787バッテリー問題で暫定的な対策検討=報道)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE91D03G20130214
それにしても、この記事は先週の記事であり、FAAの担当者も今週は出勤しているだろうに、続報が全く出ないのはなぜなのだろうか。
暫定策については、これまでにも何度か報道されては立ち消えになっている。特に、当局者からの発言が相次いでいることは、「異常」としか思えない。
原発と同じく、産・官の運命共同体が、何の歯止めもないままに、暴走を始めているのではないか。
原発でも、航空産業でも、大規模公共システムは、構造的に「前進あるのみ」という体質になり易い。「成功」というのは、前へ進むことであり、停滞や後退は「失敗」の烙印を押されるのだ。
要素技術が未成熟なうちに、経済効率から規模の拡大を推し進め、軟弱な国土の中に、多くの原発を建設した電力会社と経済産業省の構図が、そのまま航空産業に投射されている、というのは穿ち過ぎだろうか。
航空機事故というのは、世界的には毎年必ず発生している。
ジェネラルアビエーションを含めれば、毎日のように発生しているといっていい。日本だけでも、毎月平均して1件以上の事故が起きている。
(発生年別事故件数(2013/01/25現在))
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/air-accident-toukei.php
最早、航空の安全を業界と当局に委ねて、安心できる時代ではなくなったのではないか。
誰もが航空機の事故の当事者になり得る現代こそ、B787問題を、単なる時事ニュースとか、一部の産業に限った問題として矮小化するのではなく、国民の安全に関わる重大な事態として注視すべきである。
我が国だけではなく、世界中がこの問題を見守っている。
我が国がMRJによって、再び(「準国産機」ではなく)真の国産機を製造しつつある中で、どのような姿勢でB787問題と向かい合うのか。
それは、政治家や、官僚や、メーカーや、キャリアの問題であると同時に、日本人の民度を問われる、我々一人ひとりの問題でもある。
(MRJ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/MRJ
延期に次ぐ延期で、いつまで経っても製造中のままかもしれないが・・・。
あれから、1か月以上経って、事は明るみに出た。
(B787高松空港に緊急着陸 乗客、乗員は緊急脱出し無事2013.01.16)
http://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2013/01/16takamatsu787/
(高松に緊急着陸したB787型機、APUバッテリーに膨らみ)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE91I03Y20130219
各紙が報じるところによれば、当初、異常がないと思われていたANA機のAPU用バッテリーに、「異常な」膨らみが認められたため、メーカーによる解体作業が行われている(「」は浮沈子)。
リチウムイオン電池が膨らむのは、異常でしょう!?。
(リチウムイオン二次電池:欠点)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E9%9B%BB%E6%B1%A0#.E6.AC.A0.E7.82.B9
この写真のように膨れ上がった電池は、当然のことながら使用できなくなる。
膨張するなんて事は、想定の範囲外であり、あってはならない異常事態であるはずだ。
当局は、またしても業界擁護の立場に立っている。
(補助動力装置用バッテリーも膨張)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130219/waf13021917420031-n1.htm
産経なんか、他紙が書いていない「リチウムイオン電池の「一部がわずかに」膨張」(「」は浮沈子)とか、「膨張自体が問題かどうかは不明だが、異常な発熱がなかったか、念のため調べる必要があると判断した」とか、業界擁護を鮮明にした報道姿勢を貫いている。
経済紙の鏡であるな。
つまり、どういうことかというと、補助動力装置も含めて、ANA機は搭載されている全てのバッテリーが完全に焼損した状態になる、一歩手前であったということになる(機長の判断に感謝!)。
これは、偶然ではない。
今、グラウンド状態にある全世界のB787の全てのバッテリーを、直ちに解体検査する必要があるのではないか(といっても、高々50機である)。
目視では見過ごされた何らかの異常が、微細な構造の変化を伴い、顕微鏡レベルで起こっているとしたら、原因の解明に繋がるのではないか。
きっと、有益な知見が得られるはずだ。
燃えてしまったバッテリーを弄繰り回すのも結構だが、正常に見えるバッテリーを詳細に調べることも重要である。
(米ボーイング、787バッテリー問題で暫定的な対策検討=報道)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE91D03G20130214
それにしても、この記事は先週の記事であり、FAAの担当者も今週は出勤しているだろうに、続報が全く出ないのはなぜなのだろうか。
暫定策については、これまでにも何度か報道されては立ち消えになっている。特に、当局者からの発言が相次いでいることは、「異常」としか思えない。
原発と同じく、産・官の運命共同体が、何の歯止めもないままに、暴走を始めているのではないか。
原発でも、航空産業でも、大規模公共システムは、構造的に「前進あるのみ」という体質になり易い。「成功」というのは、前へ進むことであり、停滞や後退は「失敗」の烙印を押されるのだ。
要素技術が未成熟なうちに、経済効率から規模の拡大を推し進め、軟弱な国土の中に、多くの原発を建設した電力会社と経済産業省の構図が、そのまま航空産業に投射されている、というのは穿ち過ぎだろうか。
航空機事故というのは、世界的には毎年必ず発生している。
ジェネラルアビエーションを含めれば、毎日のように発生しているといっていい。日本だけでも、毎月平均して1件以上の事故が起きている。
(発生年別事故件数(2013/01/25現在))
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/air-accident-toukei.php
最早、航空の安全を業界と当局に委ねて、安心できる時代ではなくなったのではないか。
誰もが航空機の事故の当事者になり得る現代こそ、B787問題を、単なる時事ニュースとか、一部の産業に限った問題として矮小化するのではなく、国民の安全に関わる重大な事態として注視すべきである。
我が国だけではなく、世界中がこの問題を見守っている。
我が国がMRJによって、再び(「準国産機」ではなく)真の国産機を製造しつつある中で、どのような姿勢でB787問題と向かい合うのか。
それは、政治家や、官僚や、メーカーや、キャリアの問題であると同時に、日本人の民度を問われる、我々一人ひとりの問題でもある。
(MRJ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/MRJ
延期に次ぐ延期で、いつまで経っても製造中のままかもしれないが・・・。
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