B787の真実?2013年02月19日 22:24

B787の真実?
B787の真実?


(787の技術情報をホームページに公開 ボーイング)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD190JR_Z10C13A2TJ2000/

ボーイングが「電気システムとバッテリーについての資料を、ホームページ上で公開した。」とあるので、覗いてみた。

(Batteries and Advanced Airplanes)
http://787updates.newairplane.com/787-Electrical-Systems/Batteries-and-Advanced-Airplanes#

(787 Electrical System)
http://787updates.newairplane.com/787-Electrical-Systems/787-Electrical-System

クモの巣状にひび割れたフロントガラスや、燃料の漏れ、エンジンオイルの漏れ、ブレーキコントロールシステムの不良、電磁弁開閉情報の不良、その他報道されていない全ての不具合についても、公開されることを期待している。

と言っても無理か・・・。

金を儲ける事を第一に考え、安全な航空機を作ることに興味のないトップの率いる会社に、社会的な態度を取ることを期待するほうが間違っている。

・More efficient power generation, distribution and use — including new remote power distribution units, which reduce wiring and save weight (approximately 20 miles, or 32 km, less wiring than on the 767).
・Better fuel efficiency — better for airlines and the environment.
・Lower maintenance costs and fewer maintenance tasks.
・Less drag and noise.

どれをとっても、乗客の安全に繋がるものなどない。

メーカーが顧客として考えているのは、キャリアなのだ。航空会社に、如何に金儲けの道具として優れているかをアピールするというのが、この公開の目的であり、未曾有の大失態を演じる中で、自らを正当化するための宣伝でしかない。

例えば、高松空港に不時着した際には、エンジンや発電機は正常に稼動していた。予備の発電機やバッテリーは、バックアップシステムであり、順序として、先に壊れることは想定されていない。

そのバッテリーが火を吹いたというのは、由々しき事態なのである。

つまり、多重バックアップシステムが破綻していたわけだ。

それは、もはやバックアップではなく、トラブルのタネだけとなった厄介者を抱えて飛ぶことを意味する。

十分な対策が採られることなく運行が再開されれば、不時着が成功するとは限らない。

(不時着)
http://kotobank.jp/word/%E4%B8%8D%E6%99%82%E7%9D%80

「航空機が故障・燃料不足・悪天候などのため運航不能となり、目的地以外の場所に着陸すること。」とある。故障で羽田まで飛べなかったんだから、「不時着」といって、どこが悪い?。

B787は、故障したのであり、構造的な欠陥を持つ飛行機として烙印を押されたことになる。

火を吹くバッテリーを積んで飛ぶ飛行機は、断じて安全ではない。当局がどれ程アホで、間抜けで、杜撰で、手抜きして、メーカーのいいなりになって、見てみぬ振りをして、めちゃくちゃな基準(バッテリーは燃えてもいい、だとよ!)で認可したとしても、その飛行機は、危険な飛行機である。

(787 Batteries)
http://787updates.newairplane.com/787-Electrical-Systems/Batteries-and-Advanced-Airplanes#gallery/InfoGraphic2

ここに興味深い図が出ている。

B777のニッケルカドミウム電池との比較である。確かに優れた特性を持つ電池であることが、一目で分る。だから、リチウムイオン電池なのだと言いたいのだ。

しかし、ここには、リチウムイオン電池の持つ負の側面は、何も書かれていない。

この優れた特性を、数字ではっきりと見せられて、はっとした。

ひょっとすると、B787からこの電池を降ろすことはできないのではないか。

つまり、電気に依存した操縦系統、エアコン、その他の基幹的なシステムは、この電池であることを前提としているのではないか。代替手段がないのだ。

それならば、かなり早い時期にリチウムイオン電池の継続について、CEOが発言した理由が理解できる。あれは、社内の技術スタッフ向けの「背水の陣」の号令だったのだ。

誰もが、そのことを気付いていながら言い出せないのではないか。

「B787は、失敗だった」
「リチウムイオン電池がなければ、飛行機として成立しない」
「ニッケルカドミウム電池で、B787を飛ばすことは不可能だ」

そして、そうであれば、運輸長官が安全を1000パーセント確認しなければ飛ばさないと言った言葉も、違った意味に聞こえる。リチウムイオン電池に代わるものがないのだ。一蓮托生だなあ。

そうか、リチウムイオン電池しか、B787を飛ばせる電池はないんだ。だから、場当たり的な手立てを講じてでも、この電池を見限るわけにはいかないのだ。

この航空機の設計については、おそらく前代未聞の先進性があるのだろう。だから、誰もが逆に「たかが電池くらい」と思っているに違いない。

本当の危機感を持っているのは、ボーイングの内部の一握りの人々と、一部の政治家と、こっそり教えてもらった役人だけだろう。

この推測が当っていれば、ボーイングにとって状況は悲惨なことになる。

こうなると、未来は3つに分かれる。

・B787は二度と飛ばない。
・暫定的な対応で、仮の運行を開始する。運が良ければ、何事もなく本格運用できる。さもなければ、再び地上に降りることになる。ソフトランディングになるとは限らない。
・リチウムイオン電池の問題が奇跡的に解決し、神に愛された飛行機として、人々に末永く記憶される。

まあ、ボーイングの役員や株主でなかったことを感謝しよう。

(追記:ボーイング、787の電気システムとバッテリーの解説資料公開 安全性強調)
http://www.aviationwire.jp/archives/15991

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