サイドマウントスキル(その2:CCR編) ― 2014年01月08日 12:45
サイドマウントスキル(その2:CCR編)
ある時は、ダイビングなぞ止めちまえ!、というくせに、CCRバンザイといってみたり、サイドマウントいけてる!、といってみたり、イソップ寓話のコウモリもビックリの浮沈子である。
しかし、どれも浮沈子にとっては真実であり、特定の団体や個人を非難したり、宣伝したりするために書いているわけではない。
浮沈子にとって、いいと思うものはいいと書くし、そうでないものは、人様には奨めていないだけだ。
もっとも、ダイビングは、万人にオススメできるレジャーではないし、CCRは、さらにその中でも、極めてヘンタイなダイバー(テクニカルという意味ではありません)だけが使う器材である。
もう少し、ナイトロックスが普及して、どこのダイビングサービスに行っても、21パーセントのナイトロックス(俗に、クウキというやつですな)以外の、任意のパーセンテージで手に入るようになり、全て同じ値段で流通するようになれば、CCRの地位も脅かされようというものだ。
そう、浮沈子は、ナイトロックスを吸うためにCCRを担いでいるのである。
サイドマウントは、最近の流行に乗って、ファッショナブルなダイビングをものにするために始めた(ウソです!)。
インスピレーションのタンクの期限が来て、新しいタンクにするに当り、CCRの柔軟なコンフィギュレーションを生かして、流水抵抗の少ない形に持っていこうと考えたわけだ。
その一つの形が、サイドマウントであったわけで、トップマウントでも、ボトムマウントでも良かったわけだ(トップマウントは、現在、DPVとのコンビネーションとして検討中です)。
今回、オープンサーキットでのサイドマウントを学んでみて、2本持ち(ダブルタンク)としての絶対的な優位性を確認したのだが、CCRでは、単体で運用する限り、残念ながらその優位性はない。
ダブルタンクのメリットである、完全に呼吸可能な2系統のガスを持ち込むということをCCRで行うためには、デュアルCCRの構成を採るしかない。
(New Submatix Sidemount Rebreather)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/12/03/6650906
一昨年の暮れに書いた記事だが、サブマチックスのベイルアウト用CCRである。
酸素センサーが1系統しかないようで、本当にベイルアウト用にしか使えないのだが、イメージとしては、こいつを2本持っていく感じだ。
CCRでのサイドマウントは、本当に意味がないのだろうか?。
当初は、あのクソ重い器材を、分割して水中に持ち込むことが出来るだけでも、十分にメリットがあると思われた。
そのコンフギュレーションには、未だ辿り着いていないが、ブラダー+本体+カウンターラングに酸素タンク、ディリュエントタンクの2つを、水面で装着するという技が使える。
そのディリュエントタンクを酸素タンクと束にして、本体の下(後ろ)にインラインで装着できれば、デュアルCCRが成立するというのは見えている。
この構成でもって、総重量80kgの器材を付けて潜れば、オープンサーキットのダブルタンクと同様のスキルで、最大6時間のダイビングがサイドマウントで可能になる。
1日1本でたくさんだ!(酸素暴露限界ですな)。
オープンサーキットに依存しない、完全CCRダイビングである。
左右を交互に吸う(CCRでは、ループのホースに目印が必要だな)ので、相互にベイルアウト用の機能を果たすことが出来る。
酸素センサーは、インスピの場合6個になって、ここについては絶対時間管理ということになりコスト高になるが、使用量管理のガスは同じ量で済み、使用時間管理であるソフノライムについても、数日に渡る連続潜水であれば単体で潜る時と同じである。
アットーテキなガス持ちと、40m以浅でのナイトロックスの恩恵をフルに享受できる、夢の器材である。
しかも、現在のスキルで、運用可能だ(2台目のカウンターラングは、バックマウント式のものが使えそうか、検討中)。
これらを総合すると、全二重の完全にインデペンデントなCCR構成となるのである。
従来のものは、カウンターラングを共用しているタイプが殆んどで、ガス持ちだけの二重化の構成であった(CCR、そんなに持たせて、どこいくの?)。
(Twinspiration:画像は、中程にあります)
http://www.therebreathersite.nl/13_Inspiration/twinspiration2.htm#top
これでは、回路内へ浸水が起こった際に、対応ができない。
カウンターラングも独立させて運用すれば、その点での冗長性は完璧になる(まあ、せいぜい同系二重化に過ぎませんが)。
さらに、サイドマウントによるこの構成は、トリプルCCRへの展開を容易にする。
何のことはない、背中にもう1台背負うだけである(浮沈子はやる気はありませんが)。
カウンターラング内臓のセンチネルでも背負えば、何の問題もない。
長年の改良でダメ出しが済んでいるインスピ(まあ、センサーに水滴が付きやすいという欠点はそのままですが)、それとは異なる設計を持つセンチネルを併用すれば、同一設計上のトラブルが同時に発生するというリスクを回避することにもなる。
異系二重化(総合三重化)の構成で運用すれば、業務潜水での運用も可能だろう(9時間は、労基法違反ですぞ!)。
しかも、おそらく、現在の送気潜水よりも、トータルのイニシャルコストもランニングコストも安く上がる可能性がある(インスピ200台とセンチネル100台、まとめてお買い上げーっ!)。
40m以浅での作業は、もう、これでしかできないだろう。
もちろん、100mまでは、メーカー保証もある。
トライミックスやヘリオックス(ヘリウムは、業界での調達は確保されているだろう)を使用して、短時間の減圧作業を、安価にこなすことが出来る。
そこから先は、飽和潜水や、大気圧耐圧殻潜水服(だっけ?)を用いた作業になる。
ROVも高機能化させて、浅海作業に活躍してもいい。
まあ、この辺りからは、浮沈子の出る幕ではないな。
田中さんとことかで、頑張ってもらおう!。
さて、サイドマウントのスキルとしては、オープンサーキットとCCRでは、どこが変わってくるのだろうか。
シングルの構成の場合は、普通のCCRと変わるところはない。
デュアルやトリプルの場合には、いろいろ問題が出てくる。
まずは、2台(3台)のCCRの管理を同時に行うという、地獄のような状況に陥ることになる。
1台でも面倒くさいのに・・・。
まあ、これは、メーカーでマルチCCR用のコントローラーを開発してもらうということで、各社の努力に期待しよう!。
ダイバーとして、避けて通れないのが、回路への注気である。
インデペンデントなので、各CCRへディリュエントガスを適宜送り込み、切り替え時に直ぐに呼吸できるように、環境圧に保っておくことが重要である。
ADVを付ければ解決する問題なので、その場合は、確認行為のみで良い。
リークチェックとかは、バディとのチェックや、呼吸回路の交換時に行うしかないが、ここも、メーカーとしては、何らかの対策が必要だろうし、水中に於ける簡易なリペアキットの開発も望まれる。
ガスの残圧の確認は、トリプルで6本とかになり、トランスミッターで飛ばして、ダイコンで管理するしかないな。
水中で作業をしながら、6本の残圧を管理するなんて、聖徳太子がダイバーにならない限り、不可能である。
もっとも、アクティブに管理しなければならないのは、現在運用中の1台だけなので、やって出来ないことはないかもしれないが、機械に頼れるものは、頼っておいた方がいい(これは、イントラとは異なる思想であるので、念のため)。
さて、サイドマウント化の果てに、業務潜水でも使える、トリプルマウントCCRの初夢(悪夢だな・・・)を見てみた。
様々な問題点があり、一般のダイバーが、この構成で潜ることなどなかなか想定できない。
しかし、CCRには、限りない可能性があると思っている。
中性浮力の問題だって、業務潜水で着底して行う分には、何の問題もないし、陸上における器材の重さだって、潜水ステージを有する支援船を使えば、水中(水面でも)で着れるわけだ(3台120kgは、きついですぞ!:映画「ダイバー」のシーンを思い出すなあ)。
実際問題としては、レクリエーショナルではCCR1台にベイルアウト用タンク1本、テクニカル用でCCR2台(+ディリュエントガスを必要本数)、業務用で3台がいいところだろう。
業務用の場合は、通信の関係で、フルフェースマスクになるだろうから、マスクをうまく収納することも考えないといけないな。
あるいは、CCRのマウスピースがマスク側にあるというスタイルを考えてもいい(回路の脱着は、うまい方法を考えてもらいないな)。
いろいろ課題がありそうだが、マルチCCRについては、考えているだけで楽しい(自分でも、ヘンタイだと思います・・・)。
CCR、多きが故に尊からず・・・。
ある時は、ダイビングなぞ止めちまえ!、というくせに、CCRバンザイといってみたり、サイドマウントいけてる!、といってみたり、イソップ寓話のコウモリもビックリの浮沈子である。
しかし、どれも浮沈子にとっては真実であり、特定の団体や個人を非難したり、宣伝したりするために書いているわけではない。
浮沈子にとって、いいと思うものはいいと書くし、そうでないものは、人様には奨めていないだけだ。
もっとも、ダイビングは、万人にオススメできるレジャーではないし、CCRは、さらにその中でも、極めてヘンタイなダイバー(テクニカルという意味ではありません)だけが使う器材である。
もう少し、ナイトロックスが普及して、どこのダイビングサービスに行っても、21パーセントのナイトロックス(俗に、クウキというやつですな)以外の、任意のパーセンテージで手に入るようになり、全て同じ値段で流通するようになれば、CCRの地位も脅かされようというものだ。
そう、浮沈子は、ナイトロックスを吸うためにCCRを担いでいるのである。
サイドマウントは、最近の流行に乗って、ファッショナブルなダイビングをものにするために始めた(ウソです!)。
インスピレーションのタンクの期限が来て、新しいタンクにするに当り、CCRの柔軟なコンフィギュレーションを生かして、流水抵抗の少ない形に持っていこうと考えたわけだ。
その一つの形が、サイドマウントであったわけで、トップマウントでも、ボトムマウントでも良かったわけだ(トップマウントは、現在、DPVとのコンビネーションとして検討中です)。
今回、オープンサーキットでのサイドマウントを学んでみて、2本持ち(ダブルタンク)としての絶対的な優位性を確認したのだが、CCRでは、単体で運用する限り、残念ながらその優位性はない。
ダブルタンクのメリットである、完全に呼吸可能な2系統のガスを持ち込むということをCCRで行うためには、デュアルCCRの構成を採るしかない。
(New Submatix Sidemount Rebreather)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/12/03/6650906
一昨年の暮れに書いた記事だが、サブマチックスのベイルアウト用CCRである。
酸素センサーが1系統しかないようで、本当にベイルアウト用にしか使えないのだが、イメージとしては、こいつを2本持っていく感じだ。
CCRでのサイドマウントは、本当に意味がないのだろうか?。
当初は、あのクソ重い器材を、分割して水中に持ち込むことが出来るだけでも、十分にメリットがあると思われた。
そのコンフギュレーションには、未だ辿り着いていないが、ブラダー+本体+カウンターラングに酸素タンク、ディリュエントタンクの2つを、水面で装着するという技が使える。
そのディリュエントタンクを酸素タンクと束にして、本体の下(後ろ)にインラインで装着できれば、デュアルCCRが成立するというのは見えている。
この構成でもって、総重量80kgの器材を付けて潜れば、オープンサーキットのダブルタンクと同様のスキルで、最大6時間のダイビングがサイドマウントで可能になる。
1日1本でたくさんだ!(酸素暴露限界ですな)。
オープンサーキットに依存しない、完全CCRダイビングである。
左右を交互に吸う(CCRでは、ループのホースに目印が必要だな)ので、相互にベイルアウト用の機能を果たすことが出来る。
酸素センサーは、インスピの場合6個になって、ここについては絶対時間管理ということになりコスト高になるが、使用量管理のガスは同じ量で済み、使用時間管理であるソフノライムについても、数日に渡る連続潜水であれば単体で潜る時と同じである。
アットーテキなガス持ちと、40m以浅でのナイトロックスの恩恵をフルに享受できる、夢の器材である。
しかも、現在のスキルで、運用可能だ(2台目のカウンターラングは、バックマウント式のものが使えそうか、検討中)。
これらを総合すると、全二重の完全にインデペンデントなCCR構成となるのである。
従来のものは、カウンターラングを共用しているタイプが殆んどで、ガス持ちだけの二重化の構成であった(CCR、そんなに持たせて、どこいくの?)。
(Twinspiration:画像は、中程にあります)
http://www.therebreathersite.nl/13_Inspiration/twinspiration2.htm#top
これでは、回路内へ浸水が起こった際に、対応ができない。
カウンターラングも独立させて運用すれば、その点での冗長性は完璧になる(まあ、せいぜい同系二重化に過ぎませんが)。
さらに、サイドマウントによるこの構成は、トリプルCCRへの展開を容易にする。
何のことはない、背中にもう1台背負うだけである(浮沈子はやる気はありませんが)。
カウンターラング内臓のセンチネルでも背負えば、何の問題もない。
長年の改良でダメ出しが済んでいるインスピ(まあ、センサーに水滴が付きやすいという欠点はそのままですが)、それとは異なる設計を持つセンチネルを併用すれば、同一設計上のトラブルが同時に発生するというリスクを回避することにもなる。
異系二重化(総合三重化)の構成で運用すれば、業務潜水での運用も可能だろう(9時間は、労基法違反ですぞ!)。
しかも、おそらく、現在の送気潜水よりも、トータルのイニシャルコストもランニングコストも安く上がる可能性がある(インスピ200台とセンチネル100台、まとめてお買い上げーっ!)。
40m以浅での作業は、もう、これでしかできないだろう。
もちろん、100mまでは、メーカー保証もある。
トライミックスやヘリオックス(ヘリウムは、業界での調達は確保されているだろう)を使用して、短時間の減圧作業を、安価にこなすことが出来る。
そこから先は、飽和潜水や、大気圧耐圧殻潜水服(だっけ?)を用いた作業になる。
ROVも高機能化させて、浅海作業に活躍してもいい。
まあ、この辺りからは、浮沈子の出る幕ではないな。
田中さんとことかで、頑張ってもらおう!。
さて、サイドマウントのスキルとしては、オープンサーキットとCCRでは、どこが変わってくるのだろうか。
シングルの構成の場合は、普通のCCRと変わるところはない。
デュアルやトリプルの場合には、いろいろ問題が出てくる。
まずは、2台(3台)のCCRの管理を同時に行うという、地獄のような状況に陥ることになる。
1台でも面倒くさいのに・・・。
まあ、これは、メーカーでマルチCCR用のコントローラーを開発してもらうということで、各社の努力に期待しよう!。
ダイバーとして、避けて通れないのが、回路への注気である。
インデペンデントなので、各CCRへディリュエントガスを適宜送り込み、切り替え時に直ぐに呼吸できるように、環境圧に保っておくことが重要である。
ADVを付ければ解決する問題なので、その場合は、確認行為のみで良い。
リークチェックとかは、バディとのチェックや、呼吸回路の交換時に行うしかないが、ここも、メーカーとしては、何らかの対策が必要だろうし、水中に於ける簡易なリペアキットの開発も望まれる。
ガスの残圧の確認は、トリプルで6本とかになり、トランスミッターで飛ばして、ダイコンで管理するしかないな。
水中で作業をしながら、6本の残圧を管理するなんて、聖徳太子がダイバーにならない限り、不可能である。
もっとも、アクティブに管理しなければならないのは、現在運用中の1台だけなので、やって出来ないことはないかもしれないが、機械に頼れるものは、頼っておいた方がいい(これは、イントラとは異なる思想であるので、念のため)。
さて、サイドマウント化の果てに、業務潜水でも使える、トリプルマウントCCRの初夢(悪夢だな・・・)を見てみた。
様々な問題点があり、一般のダイバーが、この構成で潜ることなどなかなか想定できない。
しかし、CCRには、限りない可能性があると思っている。
中性浮力の問題だって、業務潜水で着底して行う分には、何の問題もないし、陸上における器材の重さだって、潜水ステージを有する支援船を使えば、水中(水面でも)で着れるわけだ(3台120kgは、きついですぞ!:映画「ダイバー」のシーンを思い出すなあ)。
実際問題としては、レクリエーショナルではCCR1台にベイルアウト用タンク1本、テクニカル用でCCR2台(+ディリュエントガスを必要本数)、業務用で3台がいいところだろう。
業務用の場合は、通信の関係で、フルフェースマスクになるだろうから、マスクをうまく収納することも考えないといけないな。
あるいは、CCRのマウスピースがマスク側にあるというスタイルを考えてもいい(回路の脱着は、うまい方法を考えてもらいないな)。
いろいろ課題がありそうだが、マルチCCRについては、考えているだけで楽しい(自分でも、ヘンタイだと思います・・・)。
CCR、多きが故に尊からず・・・。
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