グアム潜22014年01月02日 16:18

グアム潜2
グアム潜2


スズキの115馬力船外機を2機積んだアルミボートが、今日のキャリアである(画像奥は、似ているが別の船)。

後でキャプテンに聞いたら、元海軍のボートだったそうだ。

肉厚もたっぷりあって、溶接もガッチリしている。

ダイビングボートとしては、もう少し船幅があったほうが使い易いだろうが、細身の船形はスピードが出るというメリットもある。

いい船だ。

波当りは柔らかく、全く突き上げがない。

プラスチックボートでは、なかなかこういう船は作れないだろう。

その船に、船長、ガイドを除く、ダイバー6人が乗り込んで、まずは、1本目のフィンガーリーフへ。

(フィンガーリーフ)
http://www.daydream-dive.com/guam/point.html#11

なんか、茶色の珊瑚が山になっているだけの、どうってことのないポイントで、透明度も悪く、4年前に来た時の湾内のリーフそのものである。

ここで、その時、確か2本目を潜ったような記憶もある。

今回は、初心者がいるようなので、とりあえず、様子見というところか。

しかし、浮沈子は、そんなのんびりしたことは言っていられない。

今回、初めての9リッターアルミタンクの2本掛けである。

ボートが狭いので、ショップで器材を作って、セットする。

それを、ポイントでチェックして、とりあえず、ダイバーだけドボン。

まずは、左側、ショートホースとインフレーター用のホースが付いたタンクを受け取って、取り急ぎ、腰のフックにかけ、ショートホース側のセカンドを咥える。

船の上にOK出して、2本目のタンクを受け取り、今度はバンジーもちゃんと付けてから、ロングホース側のレギに交換、今回はネックリングを使っているので、ショート側のレギをそこにはめる。

ショート側のタンクのバンジーを付けたり、浮沈子特製の腰のベルトのDリングの位置を調整したり、忙しいのだ。

今日は耳抜きにも問題はなく、ようやく、安心して潜行できるようになった。

昨日までは、タンクは1本だが、ここまでに何回か抜いておかないと、下に行ってから苦労する。

浮沈子の場合、耳抜きは、船に乗る前、船の上、水面、顔を水に漬けて直ぐ、潜行開始直後(深度1m以内)、6mまでの間に少なくとも3回は抜いておかないと、うまくいかない。

アゴを動かしながらつばを飲むだけで抜けることもあれば、抜けない方の耳を上にしてバルサルバ法をしなければならないこともあり、その日のコンディションによっても千差万別である。

浅いところで抜けたからといって、サボっていると、中層(10mから20mにかけて)で抜けなくなることもある。

今日は、1本目が浅いので、とりあえずは、18mくらいの深度までは、問題なく抜けた。

ふーっ、助かった。

水中では、こまめに吸っている方のタンクの残圧をチェックする。

その度に、マスクに海水が入ってくるので弱った。

後で気づいて、マスクを少し下にずらしたら納まった。

なにせ、大ぐらいの浮沈子なので、こんな水深でも、ガバガバとエアーを食う。

たぶん、イントラの倍以上は消費しているだろう。

少し流れがあったのだが、同じくらいの深度なら、中層にいるよりは、水底に近い方がエアの消費は抑えられるという。

有り難いことを聞いた。

しかし、問題もある。

浮沈子の場合、どうしても、頭下がりのトリムになりがちなので、その体勢でキックすると、前に進まないのである。

トリムが全然取れていないと、注意を受けた。

うーん、難しいなあ。

左右のタンクの切り替えは、30吸ったら行うように言われた。

レギが絡まらないように事前に注意を受けているので、その点だけは抜かりはない。

タンクがストリームラインになるように、Dリングの位置も、小まめに調整する。

ガバガバ吸って、30分で200バールも消費してエキジットした。

エキジットが、また大変で、ロングホース側を先に外して渡し、ショートホース側を渡すのだが、インフレーター用ホースは、抜き忘れないように気をつけていたが、自分が咥えているショート側のレギを、口から離すのを忘れてしまい、イントラに注意される!。

こんなことで、サーティフィケート取れるんだろうか?。

ふつー、タンクを外すことなんて考えていないから、レギは、船に上がってから吐き出していた。

さて、左右の残圧が、それぞれ100位の状況で、2本目は4度目のブルーホールである。

最早、穴を通り抜けることなど、考えも及ばない。

しかし、イントラは連れて行くという。

困ったもんだ。

まあいい。何かあれば、イントラのガスを貰うだけである(どうせ半分も吸わないくせに、新しい11リッタータンクを1本抱えているのだ)。

アルミボートは快調に大波を乗り越えて、外洋に出る。

岬を回ってしまえば、うねりも風波もない。

しかし、ブイに係留して、停船し、波に任せて揺られているときが、最も船酔いになりやすいのだ。

今まで、1本目が終わって船に戻ると、3分以内にもどしていたのだが、今回は、湾内で1本目だったのと、船が小型で揺れのピッチが早いので、それほど気持ち悪くはならなかったのだが、ブルーホールの上で待つ間はキツイ!。

ボートにはトイレがなく、ラダーを降ろして、天然水洗トイレになるのだが、嘔吐用のアイテムがないので我慢するしかない。

早く潜りたいのだが、一応、水面休息時間を取るというのが基本中の基本である。

どうしても我慢できなくなれば、飛び込んでしまうしかないのだが、体温の低下とか、疲労といった問題もあり、ギリギリまで粘ることにした。

ようやく、潜る時間となり、今回、初の2ダイブ目である。

かって知ったるブルーホールだが、今回は、ドロップオフに開いた横穴からの進入という新コースである。

水深を確認すると、横穴の上部で35.4mであった。

透視度はあまり良くなく、25mくらいか。30mまでは抜けていないと思われた。

まあ、どうでもいいんですが。

18m位に戻った時には、既に、ショート側のタンクの残圧は50を切っている!。

ロング側にスイッチすると、しばらくは持ちそうだったが、イントラはカレントにアゲインストの方角に行ってしまう。

おいおい!。

流れに逆らって泳げば、当然エア持ちは悪くなるが、復路は流れに沿ってドリフトすればいいので、分からないではない。

イントラは、深度を下げろというのだが、浮沈子は、頑なに中層を泳ぐ。

殆んど、意地の張り合いみたいになる。

だって、その方が眺めがいいんだもん!(概ね10m位)。

ここでも、頭下がりのトリムを注意され、ちょっと気が緩むと悪い癖が出ていることが分かる。

しかし、今回のコンフィギュレーションでは、意識していないと、逆に足が下がってしまうのである。

バランスの上に成り立っているサイドマウントの難しさを、改めて感じる。

とにかく、ロングホース側の残圧が50を切って、30位になって、ようやく潜行ロープに取り付く。

まあ、だいたい同じタイミングで他のダイバーも上がってくるので、ごちゃっと取り付くことになった。

この間、レギをショート側に換えたり(ロングの残圧は20!!)、なるべく、多くのダイバーが5mに取り付けるように、場所を譲ったり、最後は、仕方ないのでロープから離れてホバリングしたりと忙しい。

浮沈子は、オープンサーキットは30本くらいの初心者なのである。

イントラは、呼吸のたびに浮いたり沈んだりする浮沈子を、全く信用していない(だから、浮沈子なんだが・・・)。

安全停止の5mの深度は、確かにプールよりは深いが、海水で浮力が高いことを考えると、オープンサーキットでホバリングさせるよりは、ロープを掴ませておいた方が、安全管理上も好ましい。

何かの時に、潜行索があったのに、なぜ使用させなかったのか、という問題は起こらない。

そう、浮沈子は、講習中なのである!。

センセーのキビシー指導を無視して、勝手なことばっかしやってる、不肖の弟子であるな。

今回は、エキジットもスムーズにいって、ボートキャプテンにタンクを渡すところまで、なんとか一人で出来た。

水中にいる間に、もう少し外せるところを外しておくなどすると、スムーズにいくのだが、今後の課題であるな。

さて、船に上がれば、船酔いが始まる。

夕べは睡眠もたっぷりと取っているので、今回の船酔いについては、寝不足のためではない。

実は、このブログを書いている最中も、陸酔いが続いていて、ノートパソコンが揺れているのだ。

また、耳抜きは、気温差30度の環境変化に順応する時間が必要だったようで、今日は、特に2本目のブルーホールについては、スコスコ抜けて快適だった。

まあ、今日の感じで潜れれば、2本こなす事は可能だろう。

しかし、いいボートだったなあ!。

サイドマウント器材選択(その1)2014年01月02日 22:41

サイドマウント器材選択
サイドマウント器材選択(その1)


せっかく講習を受けているのだから、トラベル用の専用器材を考えてはどうか。

ホテルの近くのエンという和食(?)レストランで、次々と出てくる「美味い物」に舌鼓を打ちながら、イントラが鎌をかけてきた。

来た来た・・・。

どうも、浮沈子をサイドマウントダイバーに仕立て上げたくて、仕方ないらしい。

浮沈子の目標は、あくまでもCCRのサイドマウント化を行うに当って、ちゃんとした講習も受けずに、自己流でダサダサな「なんちゃってサイドマウント」だけは、みっともないからやりたくないので、一応受けておこうということな訳で、骨の髄からサイドマウントダイバーになりきって、タンクを10本もぶら下げて潜ろうとかいうつもりは、さらさらない。

オープンサーキットで習っているのは、既成の器材がそれしかないからということと、サイドマウントリブリーザーコースなんてヘンタイなカリキュラムやサーティフィケイトが、世界中何処を見渡しても存在しないからなのである。

もちろん、現在使っているOMSのテッセラクトだって、オプションの甲羅を付けてサイドマウントにすることも可能である。

(OMS ® PROFILE™ SIDE-MOUNT SYSTEM:下の方)
http://www.omsdive.com/backplate.html

この甲羅の代わりに、アルミのプレートを付けたスペシャル仕様を使っているわけだが、確かにグアムでボートダイビングで、せいぜい40mくらいまでのファンダイビングをこなすには、イントラが言うようにオーバースペックで、オーバーウエイトで、オーバークオンティティであることは間違いない。

しかし、先々、CCRでトライミックスやら、何やらが入ったシリンダーぶら下げて100mまで行って宝探しをしないとは限らないし(まあ、しないですが)、オーバースペックであること自体は、なんら問題ではない。

オーバーウエイトといっても、どうせ、その分、鉛の錘を付けるわけだから、ウエイトを含めた総重量は同じである。

ソフトプレートではないので、嵩張る点は致し方ないが、それは、荷物を運ぶ時だけの話で、潜っている時には関係ないといえば関係ないのだ。

サイドマウントCCR用のトラベルブラダーを考えるということなら、そりゃ話は別である。

くるくるっと丸めて、バッグの中に放り込めれば、それに越したことはないが、テッセラクトのデュアルブラダーの冗長性、堅牢性、浮力コントロールの容易性、浮力そのものの優位性を捨てることになる。

安全は全てに優先するという、ダイビングに対する浮沈子のモットー(聞いてないけど?)に反する。

例によって、イントラの「シンプルイズベスト」と、浮沈子の「スキルの無さは、器材の量(?)でカバー」の宗教論争なのである。

まあ、浮沈子の場合は、何かが起こったときに、しこたま持ち込んだ器材の使い方が分からなくなって、余計リスキーになることが想定されるとしてもだ。

もともと、ミニマムかつ、必要な器材を厳選して水中に持ち込むという考え方の根本は、限られたガスを有効に利用するためには、抵抗となるものは極力持ち込まないという、ガスマネージメントの必要性から来ていると承知している。

しこたまガスを持ち込んで、ガバガバ吸っても一向に構わず、移動は水中スクーターで握力以外の筋肉は使わないというなら、器材構成をミニマムにするということは、最優先ではない。

狭いところにも入らず、天井の開けた水中を、たっぷり楽しむのに、何の制約があろう?。

浮沈子がCCRを始めたきっかけが、そもそも、ガスの残圧を気にせずに(もちろん、ゲージはチェックしますが)ナイトロックスを心ゆくまで吸いたいという、不埒な考え方からであるわけで、オープンサーキットで潜っているのは、仮の姿であるわけだ。

話が混乱した。

要するに、今後のダイビングのスタイルとして、あくまでもCCRを使い続けるとすれば、バックマウントであろうが、サイドマウントであろうが、少々運搬性が悪いからといって、世界中何処で潜るにしても、現在のブラダーやハーネス周りを弄くる必要はないのだ。

大体、いわゆる、フツーのダイビングしか出来ないグアムにおいて、わざわざサイドマウントでダイビングするメリットは、余りない。

確かに、水中では快適で、2本持って潜った時の冗長性を考えると、シングルタンクの比ではないメリットがあるが、そのためのバディシステムであり、ガイドであり、潜行索である。

そんな、大それたダイビングをやろうというわけではないのだ。

なんなら、バックマウントのダイビングで、ステージボトルを抱えて潜ってもいい(バランスとか、大変そう・・・)。

それなら、いっそのこと、サイドマウントの方がいいかも知れない。

どこへ行っても、大体2本は潜るので、サイドマウントで2本付けても、料金が変わるわけではないようだし、レクリエーショナルダイビングの世界で、サイドマウントが普及すれば、それなりのメリット(特に、安全性)を享受することが出来るだろう。

しかし、海が荒れているところで、船べりからのタンクの受け渡しには危険が伴うことも確かだ。

激しく揺れる船に、ゴツンと頭をぶつけるリスクは、相当高い。

辛うじて浮く程度の、たとえばラクスファーの軽いタンクを、少し離れたところに放り込んでもらって、泳いで取りに行く方が安全かもしれない。

だが、大勢のダイバーの浮遊する海面に、そんなものをボンボン放り込むというのも、有り得ない光景だ。

船べりでセットして、一緒にバックロールする方が現実的である。

現実の運用を、たとえば、商売として考えた場合、多少のメリットがあるからといって、現在のバックマウントがなくなるなんてことは有り得ない。

もちろん、ケーブなど、そんな心配が皆無のところでは、サイドマウント以外の選択は、今後なくなっていくだろう。

早いところ、サイドマウントCCRが製品になって出てくれば、浮沈子がこんな苦労をせずに済むんだが・・・。

ところで、イントラからは、ホリスの100か、ハルシオンのやつを奨められている。

(SMS100)
http://www.hollis.com/sms100/#

(Halcyon Contour SM)
http://halcyon.net/bc/sidemount

ハルシオンについては、去年、クソミソに書いたばかりである。

(ハルシオンSM)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/10/23/7020791

カッコのことはどうでもいいが、なんか、完成度が高くないような気がするな。

特に、アルミシリンダーの浮力の変化に対する配慮が見られない。

グアムで使っているカタリナは、アルミタンクでも重めなので、あまり影響はないかもしれないが、ラクスファーなどの軽いタンクでは、使い物にならないんじゃないかと気になる。

バンジーが、背中からだけ出ていて、裏返しになったときにどうなるのかも気になる(想定してないんでしょうな)。

まあ、その辺は、いくらでも変え様はあるが、それなら、わざわざハルシオンを選択する理由もないような気がする。

ハーネスのテンションを、チェストベルトだけで取るというのも、嬉しくない。

ホリスは、メーカーのページに動画があったので観てみたが、50とスポーツだけだった。

(Hollis Sidemount:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=OgddPfb28do#t=12

この動画で注目すべきは、1分10秒のシーンで、バックロールエントリーするダイバーは、両サイドにタンクをセットしている。

やっぱ、これだろうな。

よく見ると、やはり、空気袋の押さえが利かなくて、背中から少し浮いているのが分かる(特に、肩甲骨の辺り)。

また、最後の方では、アルミシリンダーの後ろも浮いていて、ストリームラインになっていないことも確認できる。

ついでに、100の解説も見つけた。

(Hollis SMS 100 Sidemount Harness:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=7Dkwo3_VyeY

まあ、こっちも、相当いじらなくてはならない点は、同じだな。

どうせ使わない(使えない?)ホリスの50あたりを買って、浮力少なく、シングルブラダーで、こいつにカウンターラングを付けて、サイドマウントCCRにするという大技かけるのも楽しいかもしれない。

しかし、浮沈子は、どうもソフトタイプのバックプレートというと、インスピレーションのやつが頭にあって、何となく気が進まないのだ。

もちろん、あれはあれでいいのだが、浮沈子には合わなかったということだな。

背中にガッチリと付いているのがよろしい。

ホリスのSMS100は、その点少しは考えられているようだ。

バックプレート(内側)はソフトタイプだが、しっかりとした外側のプレート(?)があって、浮き袋の背中からの浮き上がりを押さえるようになっている。

ハーネスもアジャスタブル(と、しきりに宣伝している)なので、50とかに比べれば、フィット性は優れているだろう。

しかし、普通のダブルタンク用のハーネスとブラダーの組み合わせと異なるのは、両サイドにタンクを引っ掛ける仕組みと、浮き袋の浮き上がりを押さえる仕掛けだけのような気がする。

所詮、サイドマウント用のBCなんて、そんなもんだということが、いろいろ調べていくと良く分かる。

浮沈子のように、アルミの板を、くっ付けて、ブラダーの舞い上がりを押さえてしまうのも、可搬性を無視すれば、十分ありだな。

タンクの下を引っ掛けるDリングを、追加で巻いたベルト(ウエイトベルトですが、ウエイトは付けていません)に付ければ、あとは、バンジー用のゴムを付ければ即席で出来上がる。

もちろん、専用器材には、それなりの工夫がある(肩周りの自由度を上げる形状とか、その中で浮力を確保する工夫、インフレーターホースの取り回しなどである。

ブラダーからのリリースバルブについても、サイドマウントのタンク位置に干渉しない配慮が必要だ。

手が届かないのでは、話にならない。

それなりの工夫があって、その筋の人たちが、ああでもないこうでもないと、いちゃもん付けて出来上がったのだろうから、浮沈子ごときが文句をいう筋合いではないのだろう。

この話、長くなったので、機会があれば、また書く(どうせ、すぐに書くはめになるんだが・・・)。