ROV2014年01月08日 00:50

ROV
ROV


生身で潜っているダイバーとしては、目の上のたんこぶのような存在であるな。

(遠隔操作無人探査機)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A0%E9%9A%94%E6%93%8D%E4%BD%9C%E7%84%A1%E4%BA%BA%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F

「遠隔操作無人探査機(えんかくそうさむじんたんさき、Remotely operated vehicle; ROV)は遠隔操作で動く水中探査機である。」

「諸外国では単に「ROV」と呼ばれており、デジタル大辞泉にもROVで記載されていることから、「遠隔操作無人探査機」の名称は独自研究の疑いがある。」

何なんだよ!。

まあいい。

「遠隔操作するので水中では電波が届く範囲が限られるので水中カメラの映像は有線や圧縮して超音波で送られる場合が多い。有線式は動力は母船から有線で供給される物と、内部の蓄電池から電力を供給して情報のみ有線でやり取りする形式がある。後者は水中でのケーブルが細い為、運動性が良くなるが、活動時間が限られる。ソナーやマニピュレータを備えた物もある。」

「船上から遠隔操作するものだけでなく、タイタニック号の調査に用いられたジェイソンJrの様に有人潜水艇から操作するものもある。」

(Jason Jr.:画像参照)
http://en.wikipedia.org/wiki/Jason_Jr.

(ROVはくよう3000)
http://www.snk-ocean.co.jp/rov.html

(海底資源探査に向けた新たな ROV「かいこう Mk-Ⅳ」の開発 )
https://www.jamstec.go.jp/maritec/j/blueearth/2014/pdf/be14-p77.pdf

こんな、本格的なやつは、専門家に任せておいて、もっと手軽に操作でき、シロウトでも手が出せるものはないのだろうか。

(水中TVカメラロボット(ROV))
http://www.kwk.co.jp/marine/products/rov.html

いやいや、浮沈子が考えているのは、水中でダイバーが操作するやつであるよ!。

(水深150mまで潜航する、重さ7kgの水中カメラロボ)
http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001518

(柴崎電子株式会社)
http://www.shibazaki-denshi.com/

どれも、水上からコントロールするタイプだ。

ダイバーが、水中に持って入って、遠隔操作で魚に近付いたり、潜っている自分自身を撮影したり出来る、ダイバーの、ダイバーによる、ダイバーのためのROVちゅうもんはないのかあ?。

ないようだな・・・。

そもそも、ダイバーが水中写真を撮るなら、被写体の傍に泳いでいけばいいわけで、わざわざ遠隔操作することはない。

しかし、そうはいっても、チンアナゴ(ガーデンイール)とかを写真に収めようとすると、穴から出てくるまでじっと待っていなければならず、ちょっとでも動くと引っ込んでしまう。

また、深度が大きいところへ行って撮影するというのも、減圧症のことを考えると、長時間はキツイ。

シコンハタタテハゼ(ヘルフリッチ)などを、ばっちり撮ろうとすると、大概、デコ出しする破目になる。

それなら、船の上からリモコンで操作する方がいいのではないかというと、そうでもない。

特定の研究対象があるならともかく、水中に潜ってみなければ、お目当てがいるかどうかもわからない。

大物を撮るのに、カレントの中に泳いで行くというのも、リスキーな話である。

カレントフックで身体を固定しつつ、リモートカメラで寄れたら、どんなにいいだろう!。

いや、浮沈子は、別にカメラが趣味ではないので、どうでもいいんですが。

ラインが絡まったりするので、超音波による操縦になるな。

ラジコンのように、使用できる周波数帯で複数の機器を同時に動かすことを考えると、デジタル化は当然である。

256台くらい同時に動かせれば、問題はあるまい。

手元のコントローラーは、イメージ的にはソニーのPSPのようなものだ。

操縦用のモニターがあり、コントロール信号を出せればいいので、大した仕掛けは要らない。

ハウジングは、40mの耐水圧で十分だろう。

カメラ本体は、動力用バッテリーとモーターが必要なので、少々嵩張る。

また、せめて100m位の耐水圧は欲しい。

モニター用の画像を送る仕掛けも必要だな。

スループットはそんなに大きくなくてもいいが、処理系のパワーは圧縮と解凍に食われる。

さて、普段は、このユニットは一体になっていて、ちょっと大きめの水中カメラ位であるが、被写体を追いかけたりするために分離させると、カメラ部だけが自走するというわけだ。

ターゲットロックオンで、自動追尾とかできるとカッコいいんだが・・・。

そして、シャッターチャンスに、何十枚か連続撮影をしまくるわけだ。

撮影が終わると、帰還ボタンを押して、ダイバーの近くに戻ってくる。

相対位置を検知する仕組みか、絶対位置を通信しあう仕掛けが必要だろう。

これが実用化されれば、ダイビングに革命が起こる可能性もある。

リアルな水中環境の中で、ゲーム感覚で水中撮影が楽しめるのだ。

もちろん、船の上からでも撮影できるが、船酔いという問題もあるな。

オプションとして、水面に浮かべて電波を中継する無人の小型ボートも付けてしまおう!。

陸上でのリモコンは、もちろん、アイパッドである。

専用中継器と無線LANで接続され、中継器からは、小型ボートへ無線通信を行うわけだ。

ダイビングが出来ない家族がいたとしても、おとーさん(おかーさんでもいいです)が潜っているところを陸上のショップで見ることが出来たり、陸上からダイレクトにシャッターを押したりするわけだな。

まあ、これは、自走式でなくてもいい。

高圧縮画像伝送が出来ればいいのだ。

浮沈子は、もっと進んで、ダイビングの安全管理に使えないかと考えている。

安全監視用の水中ロボットである。

ロボットバディ(商標登録でもしようかな)といってもいい。

ベイルアウト用のガスや、フロート打ち上げシステムが備わり、漂流した時用の遭難信号発信装置も付いていて、常にダイバーの傍らで安全を管理するのだ。

まあ、現状はイントラがそれをやっているのだが。

シンプルイズベストとは、対極の考え方である。

シニアダイバーには、不可欠のツールだろう。

陸上での電動車椅子のように、掴まっているだけで、適正な浮力を維持し、安全停止もしてくれて、エキジットの時に、フィンを脱がせてくれたりするようになるかもしれない(まさかあ!)。

ROVの未来は、ダイビングのバディロボット(こっちは、一般名詞だな)である。

少し遅めの、初夢となった・・・。

サイドマウントスキル(その1:オープンサーキット編)2014年01月08日 06:18

サイドマウントスキル
サイドマウントスキル(その1:オープンサーキット編)


その詳細については、パディの企業秘密なので、ここに記すわけにはいかない。

が、しかし、まあ、どんなことをやるかくらいは、書いておいてもいいだろう。

まずは、器材を揃えるところからだな。

ハーネス、ブラダー(浮き袋)、Dリング、バンジー(ゴム紐)、タンクベルト(スナップリング付き)、ファーストステージ、セカンドステージ、ゲージ、インフレーターホース、マスク、フィン、ダイコンなど、趣味とセンスと何よりも、機能重視で揃える。

どんなものを揃えるかというのは、まさにノウハウの塊なので、ここには詳細は書けない。

たとえば、バンジー(書いてんじゃん!?)。

ナイロンの被覆で保護された、細いゴム糸が束になっているものを、Ex-Scubaで仕入れたのだが、この太さが問題だ。

各種あるが、1本掛けにするか、2本掛けにするかで、当然違ってくる。

イントラは、1本掛けを推奨している。

2本だと、1本だけ掛って、テンションが不足し、バルブが下がってしまって、ストリームラインが保てなくなることがあるからだという。

ちゃんと2本掛けすればいいんだが・・・。

この辺りは、哲学論争のようで、浮沈子はついていけない。

2本掛けなら、1本切れてもOKじゃないかなあ?。

×だそうです。

まあいい。

教えてもらっている身なので、大人しくしているのだ。

シンプルイズベスト。

ハイハイ(ハイは、1回!)。

ハイ。

次は、これらをちゃんとセットする。

ハハハ、これが大変なんですよ、実に!。

サイドマウントは、コンフィギュレーション命です。

ちゃんとセットできれば、半分終わったようなもんです。

初めは、どうしていいかわからないので、いわれたとおりにセッティングするのだが、具合の良し悪しというのは、水中環境でしかわからない。

潜っては直し、直しては潜ることを繰り返し、細かいところは、潜っている最中に調整する。

左右のバランスは、実に微妙だ。

ホバリングしているときに、タンクに付いたゲージを見るために首を傾げるとそちらに傾く。

始末が悪いことに、傾きを直そうとすると、反対に傾いたりするのだ(ブラダー内のエアが動いてしまう)。

前後のバランスについては、もっと難しい。

ひざの曲げ具合、手の出し具合、もちろん呼吸によってもトリムは変わる。

浮沈子の場合は、イントラから見ると、ポーポイジング(イルカが水面から出たり入ったりして泳ぐ様から、上下動を繰り返して前進すること)しているという。

別に洞窟潜水しているわけじゃあないんだから、それでも「支障」はないのだが、「師匠」としては許せんわけだ(なんちゃって!)。

オープンサーキットで潜っているのは、せいぜい40本足らずなんだから、そんなに厳しいこといわれても・・・(泣)。

まあ、仕方ないか。

まあ、とにかく、バランスが大切ということで、これは、器材の選び方、セッティングの仕方、水中でのスキル、さらには、動的にセッティングを調整する(タンクの取り付け位置をずらす)ということになるわけだ。

この辺りは、使用する器材(タンク)の種類や、ガスの量によって変わる。

器材とガスの量を考慮して、ダイビング中のタンクの傾きを確認しつつ、必要に応じてストリームラインになるように、Dリングの位置を動かすわけだな。

沈みっぱなしのスチールタンクの場合には、この調整は不要であるが、2点で吊っているタンクの前後のバランスの変化が大きい場合は、トリムの調整をしなければならないかもしれない。

やれやれ、ただ潜っているだけでも、やることは多い。

オープンサーキットの場合、CCRと違って、まだまだ酸素の残っているガスを水中に撒き散らしている(あー勿体無い・・・)ので、吸った方のタンクが軽くなっていく。

左右のバランスが崩れていくわけだ。

頃合を見計らって(どのくらいかは書けません)、左右のタンクをチェンジする(セカンドを咥え換える)。

そう、代わりばんこに、左右を吸っていくわけだ。

そのタイミングは、バックマウントのダブルタンクのように、3分の1吸って、3分の2吸って・・・というわけではない。

2本のタンクが背中の真ん中でくっ付いているのと違って、体側に離れて保持されているサイドマウントでは、トルクが掛りやすく、僅かの重さの差でバランスが崩れる。

もうちっと、頻繁に換えていかないといけないわけだな。

浮沈子の経験から言うと、6リットルのステージボトルの場合、ラクスファーとカタリナの違いの方が大きいような気がする。

もちろん、軽いラクスファーをガバガバ吸えば、浮く浮く・・・。

カタリナの空タンクの方が、ラクスファーの満タンよりも重い感じだ(計ったわけではありません:タンクの体積も、少し違うような気がします)。

カタリナの11リッタータンク(もちろん、左右とも)は、エアを吸ったからといって、それ程の違いは感じなかったが、エキジットの時には、確実にケツが浮いていたので、前後のバランスは崩れているわけだ。

というわけで、代わりばんこにセカンドを切り替えていくのだが、この際、中圧ホースが絡まる恐れがある。

サイドマウント初心者が、必ずハマル罠だな。

幸い、浮沈子の場合、ショートホース側はネックリングを付けているのでその可能性は低い。

ネックリングではなく、フックを使ってハーネスのショルダーベルトのDリングに掛けている場合は、注意を要する。

もう、息するだけで、考えること、やることはたくさんあってこんがらがるので、トラブル時にタンクバルブ閉めたり(吸ってる方にトラブルがあった時は、もちろん、セカンド換えてから閉めます)、バディのエア切れでロングホース渡したり(自分がロング側吸ってる時は、ショート側に換えてからロング渡します)とか、隘路通過で、腰のスナップリング外してタンクを前に突き出したり、それを戻したりなんてスキルのことは、とても書き切れない(書いてんじゃん!?)。

まあいい。

フィンキックが大の苦手の浮沈子は(だから、「浮沈子」というのだ。横への移動は、原則、したくない)、ヘリコプターとか、バックキックとか、フロッグキックなどをやろうとすると、マウスピースを噛み切ってしまう(本当は、舌を噛みそうになっているのだ)。

ネットを探したら、ちょうどいいビデオがあったので、参考にされたい(言葉で説明することは難しいので)。

(Sidemount Essentials Training with Steve Martin:大御所の登場:イントラの知り合いだそうです)
http://www.youtube.com/watch?v=x0IaMd_u8GM

(Steve Bogaerts Sidemount Skills demo in a Razor Harness:この人は、レーザーの親分のようだな)
http://www.youtube.com/watch?v=8ahQYqho7w4

逆さになって、くるくる回るなんて、シンクロナイズド・スイミングのようなことは、パディでもサスガにやらないようだな。

まあ、この3か月というもの、様々な芸を仕込まれてきたのだが、ダイビングを終わって、ボートにタンクを上げる時のスムーズな取り外しというのが、なかなかの曲者なのだ(プールでは練習出来なかったし)。

海面には、当然波があり、ボートとダイバーは、波の異なるポジションに居るので、受け渡しのコツみたいなものもある。

タンクは、そのままだとバルブ側を下にしたがるので、逆さにならないようにうまく渡さないといけない。

ロングホースは、タンクに巻いたゴムのベルトで抑えてはいるが、セカンドステージはブラブラしている。

ボートに引き上げる時に、タンクの下敷きにならないように、予めバルブの首に巻いてあるワッカ(細めの紐)に、セカンドの根元に付けたスナップリングを引っ掛けておくというのもコツである(このスナップリングをセカンドにつけてあるインシュレーターは、イザという時に引きちぎれるように、細いものでなければならない)。

細かい話は、山ほどあって、その悉くをイントラに注意され、直され、考えさせられ、試され、指摘され、反省させられてきた(トホホ・・・)。

ネットの動画の中には、浮沈子でさえ、これはいかがなものかというのが、いくらでもある。

サイドマウントは、きちんと教われば、快適なダイビングが可能なコンフィギュレーションではあるが、自己流で適当にやってしまうと、不快でストレスの溜まるダイビングになりやすいという「欠点」もある。

バックマウントのように、BCにガッチリと付いているわけではないのだ(バックマウントも、いろいろなノウハウはあるらしいですが)。

何でもアリのサイドマウントは、実は、その中から、その人の、その時のダイビングに最も合った、たった一つの答えを見出すという作業を行わなければならない、頭で潜るダイビングなのである。

乗ったボートが、ダイビング専用のスターンにローデッキの付いたタイプなのか、両サイドからタンクを事前に付けてバックロールエントリーしなければならないのか、ラダーはあるか、フィンは履いたまま飛び上がってよじ登るインフレーターボートなのか、ボートクルーやキャプテンは、サイドマウントのダイバーの扱いを知っているのか、水面のダイバーにタンクを渡す時、バルブが開いていることを確認して渡しているのか、そうではないのか、エトセエトセ・・・。

海況に応じて、エントリーの方法を考えたり、エキジットの手順(これは、余り変えられないが)を微妙に変えたりしながら、ボートの種類、スタッフの練度、自分の体力(と、地球重力下での体重:最大の課題だな)を考慮して、安全なエントリーやエキジットを行わなければならない。

当分の間は、ボートスタッフは、サイドマウントに慣れてはいないだろうから、事前にコミュニケーションをとっておいた方がいい。

グアムでは、イントラがその辺りのことをやってくれていたのでいいが、パラオスポートでは、浮沈子が自分でサイドマウントのサポートを、ダイビングスタッフに教えていかなければならない。

そう、ダイバーズスキルだけでは、サイドマウントは行えないのである。

水中では無敵の浮沈子も(聞いてないけど?)、地球重力下に晒された途端、塩を掛けられたナメクジのように、ダイビング用の船尾のローデッキに這いつくばって、飽きれた顔の現地スタッフに助け起こされる破目になるのだ(サンキュー、ジャスパー!)。

ちなみに、浮沈子がイントラから習っている、パディのコースは、普通の人が受けるとこんな感じになるようだ。

(PADI Sidemount course~サイドマウント・コース~)
http://whereisyasko.blogspot.jp/2013/02/side-mount.html

浮沈子のコンフィギュレーションと大きく異なるのは、バルブ部分のクリップが付いていること。

浮沈子は、バルブの固定は、バンジーだけで行う。

「2本持って潜る場合、この2本をBCDに引っ掛けずにタンクのバルブ部分を手で持ってボートから水面に飛び込む。」とある(画像参照)。

こういうエントリーの話は、聞いてないぞ!?。

まあ、どうでもいいんですが。

ここに掲載されている写真を見ると、ブロガー自身の写真を含めて、ストリームラインになっていないことが分かる。

「水面から潜降する前に胸部と背面下部にタンクを取り付ける。」とある。

また、画像のBCの下にも、それらしきヒレが付いているので、やはり、タンク後端が浮いてしまうのである。

(ストリームライン)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/02/09/6716445

バックマウントの講習の時には、あまり気にせず、浮沈子が知るどの指導団体の教科書にも、ストリームラインに拘った記述はないのだが、浮沈子は、水中では、マウスピースから呼吸することの次に重要だと思っている。

動けばそこは、空気の800倍の抵抗が存在する水中であり、限られたガスを有効に使うということは、制限環境の中では生死にかかわる。

オープンウォーターの場合は、そこまでシビアではないが、やはり、疲労、ガス持ち、快適性の観点から、ストリームラインの維持は重要だ。

いや、楽しさや、ラクチンさを追求するレクリエーショナルダイビングにおいてこそ、より重要であるという考え方もあるかもしれない。

テクニカルなんてヘンタイなダイビングを追及するダイバーは、少々ハアハアしても、それが快感なんだから放って置けばよいのだ。

エキジットしてから、宴会やら、お買い物やらで忙しい、いわゆる普通のダイバーこそ、ダイビングごときで疲れてはいけない。

そんなことはもってのほかで、水中は、楽で、楽しく、キャッキャしなければならず、シャワーを浴びてからが、バカンスの本番なんだから・・・(そ、そうですかあ?)。

うーん、サイドマウントのスキルって、そのためのもんなのかあ?。

サイドマウントスキル(その2:CCR編)2014年01月08日 12:45

サイドマウントスキル(その2:CCR編)
サイドマウントスキル(その2:CCR編)


ある時は、ダイビングなぞ止めちまえ!、というくせに、CCRバンザイといってみたり、サイドマウントいけてる!、といってみたり、イソップ寓話のコウモリもビックリの浮沈子である。

しかし、どれも浮沈子にとっては真実であり、特定の団体や個人を非難したり、宣伝したりするために書いているわけではない。

浮沈子にとって、いいと思うものはいいと書くし、そうでないものは、人様には奨めていないだけだ。

もっとも、ダイビングは、万人にオススメできるレジャーではないし、CCRは、さらにその中でも、極めてヘンタイなダイバー(テクニカルという意味ではありません)だけが使う器材である。

もう少し、ナイトロックスが普及して、どこのダイビングサービスに行っても、21パーセントのナイトロックス(俗に、クウキというやつですな)以外の、任意のパーセンテージで手に入るようになり、全て同じ値段で流通するようになれば、CCRの地位も脅かされようというものだ。

そう、浮沈子は、ナイトロックスを吸うためにCCRを担いでいるのである。

サイドマウントは、最近の流行に乗って、ファッショナブルなダイビングをものにするために始めた(ウソです!)。

インスピレーションのタンクの期限が来て、新しいタンクにするに当り、CCRの柔軟なコンフィギュレーションを生かして、流水抵抗の少ない形に持っていこうと考えたわけだ。

その一つの形が、サイドマウントであったわけで、トップマウントでも、ボトムマウントでも良かったわけだ(トップマウントは、現在、DPVとのコンビネーションとして検討中です)。

今回、オープンサーキットでのサイドマウントを学んでみて、2本持ち(ダブルタンク)としての絶対的な優位性を確認したのだが、CCRでは、単体で運用する限り、残念ながらその優位性はない。

ダブルタンクのメリットである、完全に呼吸可能な2系統のガスを持ち込むということをCCRで行うためには、デュアルCCRの構成を採るしかない。

(New Submatix Sidemount Rebreather)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/12/03/6650906

一昨年の暮れに書いた記事だが、サブマチックスのベイルアウト用CCRである。

酸素センサーが1系統しかないようで、本当にベイルアウト用にしか使えないのだが、イメージとしては、こいつを2本持っていく感じだ。

CCRでのサイドマウントは、本当に意味がないのだろうか?。

当初は、あのクソ重い器材を、分割して水中に持ち込むことが出来るだけでも、十分にメリットがあると思われた。

そのコンフギュレーションには、未だ辿り着いていないが、ブラダー+本体+カウンターラングに酸素タンク、ディリュエントタンクの2つを、水面で装着するという技が使える。

そのディリュエントタンクを酸素タンクと束にして、本体の下(後ろ)にインラインで装着できれば、デュアルCCRが成立するというのは見えている。

この構成でもって、総重量80kgの器材を付けて潜れば、オープンサーキットのダブルタンクと同様のスキルで、最大6時間のダイビングがサイドマウントで可能になる。

1日1本でたくさんだ!(酸素暴露限界ですな)。

オープンサーキットに依存しない、完全CCRダイビングである。

左右を交互に吸う(CCRでは、ループのホースに目印が必要だな)ので、相互にベイルアウト用の機能を果たすことが出来る。

酸素センサーは、インスピの場合6個になって、ここについては絶対時間管理ということになりコスト高になるが、使用量管理のガスは同じ量で済み、使用時間管理であるソフノライムについても、数日に渡る連続潜水であれば単体で潜る時と同じである。

アットーテキなガス持ちと、40m以浅でのナイトロックスの恩恵をフルに享受できる、夢の器材である。

しかも、現在のスキルで、運用可能だ(2台目のカウンターラングは、バックマウント式のものが使えそうか、検討中)。

これらを総合すると、全二重の完全にインデペンデントなCCR構成となるのである。

従来のものは、カウンターラングを共用しているタイプが殆んどで、ガス持ちだけの二重化の構成であった(CCR、そんなに持たせて、どこいくの?)。

(Twinspiration:画像は、中程にあります)
http://www.therebreathersite.nl/13_Inspiration/twinspiration2.htm#top

これでは、回路内へ浸水が起こった際に、対応ができない。

カウンターラングも独立させて運用すれば、その点での冗長性は完璧になる(まあ、せいぜい同系二重化に過ぎませんが)。

さらに、サイドマウントによるこの構成は、トリプルCCRへの展開を容易にする。

何のことはない、背中にもう1台背負うだけである(浮沈子はやる気はありませんが)。

カウンターラング内臓のセンチネルでも背負えば、何の問題もない。

長年の改良でダメ出しが済んでいるインスピ(まあ、センサーに水滴が付きやすいという欠点はそのままですが)、それとは異なる設計を持つセンチネルを併用すれば、同一設計上のトラブルが同時に発生するというリスクを回避することにもなる。

異系二重化(総合三重化)の構成で運用すれば、業務潜水での運用も可能だろう(9時間は、労基法違反ですぞ!)。

しかも、おそらく、現在の送気潜水よりも、トータルのイニシャルコストもランニングコストも安く上がる可能性がある(インスピ200台とセンチネル100台、まとめてお買い上げーっ!)。

40m以浅での作業は、もう、これでしかできないだろう。

もちろん、100mまでは、メーカー保証もある。

トライミックスやヘリオックス(ヘリウムは、業界での調達は確保されているだろう)を使用して、短時間の減圧作業を、安価にこなすことが出来る。

そこから先は、飽和潜水や、大気圧耐圧殻潜水服(だっけ?)を用いた作業になる。

ROVも高機能化させて、浅海作業に活躍してもいい。

まあ、この辺りからは、浮沈子の出る幕ではないな。

田中さんとことかで、頑張ってもらおう!。

さて、サイドマウントのスキルとしては、オープンサーキットとCCRでは、どこが変わってくるのだろうか。

シングルの構成の場合は、普通のCCRと変わるところはない。

デュアルやトリプルの場合には、いろいろ問題が出てくる。

まずは、2台(3台)のCCRの管理を同時に行うという、地獄のような状況に陥ることになる。

1台でも面倒くさいのに・・・。

まあ、これは、メーカーでマルチCCR用のコントローラーを開発してもらうということで、各社の努力に期待しよう!。

ダイバーとして、避けて通れないのが、回路への注気である。

インデペンデントなので、各CCRへディリュエントガスを適宜送り込み、切り替え時に直ぐに呼吸できるように、環境圧に保っておくことが重要である。

ADVを付ければ解決する問題なので、その場合は、確認行為のみで良い。

リークチェックとかは、バディとのチェックや、呼吸回路の交換時に行うしかないが、ここも、メーカーとしては、何らかの対策が必要だろうし、水中に於ける簡易なリペアキットの開発も望まれる。

ガスの残圧の確認は、トリプルで6本とかになり、トランスミッターで飛ばして、ダイコンで管理するしかないな。

水中で作業をしながら、6本の残圧を管理するなんて、聖徳太子がダイバーにならない限り、不可能である。

もっとも、アクティブに管理しなければならないのは、現在運用中の1台だけなので、やって出来ないことはないかもしれないが、機械に頼れるものは、頼っておいた方がいい(これは、イントラとは異なる思想であるので、念のため)。

さて、サイドマウント化の果てに、業務潜水でも使える、トリプルマウントCCRの初夢(悪夢だな・・・)を見てみた。

様々な問題点があり、一般のダイバーが、この構成で潜ることなどなかなか想定できない。

しかし、CCRには、限りない可能性があると思っている。

中性浮力の問題だって、業務潜水で着底して行う分には、何の問題もないし、陸上における器材の重さだって、潜水ステージを有する支援船を使えば、水中(水面でも)で着れるわけだ(3台120kgは、きついですぞ!:映画「ダイバー」のシーンを思い出すなあ)。

実際問題としては、レクリエーショナルではCCR1台にベイルアウト用タンク1本、テクニカル用でCCR2台(+ディリュエントガスを必要本数)、業務用で3台がいいところだろう。

業務用の場合は、通信の関係で、フルフェースマスクになるだろうから、マスクをうまく収納することも考えないといけないな。

あるいは、CCRのマウスピースがマスク側にあるというスタイルを考えてもいい(回路の脱着は、うまい方法を考えてもらいないな)。

いろいろ課題がありそうだが、マルチCCRについては、考えているだけで楽しい(自分でも、ヘンタイだと思います・・・)。

CCR、多きが故に尊からず・・・。

スマホとクルマ2014年01月08日 15:32

スマホとクルマ
スマホとクルマ


(電脳自動車)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/04/08/6404254

「これからは、スマホとかタブレット(?)と連携して、「私だけの自動車」が当たり前になる。レンタカーを借りても、人の車に乗っても、シートやミラー、ハンドル、カーステは自分用にアッセンブルしてくれて、加速減速の加減、ブレーキの利き具合(ポルシェライクなのがいいな!)も調整して、普段乗っている車と同じドライバビリティを提供してくれるようになる。」

「もはや、「コンピューター付きの自動車」ではなく、「自動車の形をしたコンピューター」、あるいは、交通システム全体を考えれば、「コンピューターの中での暮らし」がいつの間にか始まっているのだ。」

「クルマとは何か。」

「かつて「自動車」と呼ばれていたものの形をした、「スマホ」なのかもしれない。」

冷静な分析と大胆な予測(聞いてないけど?)は、たまに大当たりすることがある。

デバイスの特性をコントロールする、アクティブな制御をパーソナライズすることが出来るところまでは、まだ、少々時間がかかりそうだが、インフォテインメントという、怪しげな造語の流行る中で、マンマシンインターフェースにおけるアンドロイドと自動車のネットワークは、蜜月を迎えようとしているようだ。

(グーグル、ホンダやGMらと提携--「Android」の自動車搭載に向けて)
http://japan.cnet.com/news/business/35042151/

(アウディ、「Audi Smart Display」を発表--車載システムと連携する「Android」タブレット)
http://japan.cnet.com/news/service/35042217/

(Audi shows integrated Android tablet to CES 2014 crowd:元記事) http://www.cnet.com/8301-35289_1-57616809/audi-shows-integrated-android-tablet-to-ces-2014-crowd/#ixzz2pmUDDyWS

元記事を載せたのは、翻訳記事にない次の一文があったから。

「Audi has also said that its participation in the Open Auto Alliance will let it integrate Android devices into its vehicles, similar to how iOS devices are currently integrated for music playback and calendar functions. This tablet integration suggests that an app replicating its functions on any Android device would be possible.」

(アウディは、その乗り物(iOS装置が音楽再生およびカレンダー機能のためにどのように現在統合されるかに似ている)へオープンなオート連合へのその参加がそれにアンドロイド・デバイスを統合させるだろうとさらに言いました。
このタブレット統合は、任意のアンドロイド・デバイス上のその機能を模写するアプリが可能だろうということを示唆します。:機械翻訳のまま)

この最後のセンテンスに、浮沈子は深く考えさせられた。

統合されたスマホ・クルマ環境で動作するアプリは、オープン・オート・アライアンス上のどんなクルマに積まれるアンドロイドにも複写可能だ。

このアプリの中には、やがて、そのクルマをパーソナライズする機能も含まれてくるに違いない。

General Motors(GM)、Audi、本田技研工業(ホンダ)、ヒュンダイの、どの車に乗っても、体形に合ったシートポジションがアッセンブルされ、オーディオやカーナビの設定が施され、聞きなれた曲が流れ、見慣れた画面のカーナビからは、いつもの「目的地を、おっしゃってえーん!」と鼻にかかった艶っぽいナビゲーターの声が聞こえる(別に、深い意味はありません)。

コモディティ化したクルマは、マンマシンインターフェースによりパーソナライズされ、テーラーメイドドライビングと連続したエクスペリエンスを提供する。

もちろん、クルマに乗る前に聞いていた曲やニュースの続きを聞くことができたり、持ち歩いているスマホには、目的地近くの駐車場から目的地までの徒歩の経路も表示される。

1台のクルマを所有するということの本質的な意味は、そのクルマに自身が乗ったときの経験の連続性を保証するということだ。

究極のコモディティ化と完全なパーソナライズの組み合わせは、「所有」のもたらす要素を代替する。

そればかりか、日常の連続性の中に、ドライブという経験を溶かし込みさえするのだ。

ウエイン・カニンガム記者が、どのような含みで最後の一文を記したのかは分からないが、浮沈子は、クルマの未来の姿が一瞬、照らし出されたような錯覚を覚えた。

もちろん、そんな不気味な体験は、これから作られるクルマに限ってのことで、20世紀のクルマ達には関係ないし、レンタカーでも借りなければ、3台ものクルマを所有する浮沈子には縁のない話だ。

だが、しかし、このブログを初めとして、浮沈子のパーソナル情報がネットにあることは間違いない。

相手は、帝国グーグルなのだ・・・。

週末の金曜日、ダイビングに訪れた海外の町で借りたレンタカーに乗り、走り出そうとすると、シートやミラーが動いて、ピッタリのポジションに自動的に合わせてくれ、ラジオを点けると、さっきまでスマホで聞いていたNHKのニュースの続きを、インターネット経由で流し始める。

あろうことか、カーナビからは、いつもの「目的地を、おっしゃってえーん!」と鼻にかかった艶っぽいナビゲーターの声が聞こえる(別に、深い意味はありません)。

インスツルメントパネルに目を落とすと、レトロな5連メーター(911オーナーの誇りですなあ!)が3Dで浮かび上がっていて、このクルマは確か水冷のはずなのに、油温計まである。

エンジンの音も、後ろから聞こえてくるようだ(幻聴かあ?)。

まあいい。

アクセルを踏んで走り出すと、バサバサとした空冷ファンの音まで聞こえてくる。

ちっ!、冗談も程々にしてもらいたいもんだ。

最初の角を右折する時に、唖然とする。

ハンドルが、重い!。

こっ、これは、83タルガのハンドリングではないか!。

しかし、次の角を左に曲がったときに、思わずニヤリとする。

浮沈子の83タルガは、左右のハンドルのフィーリングに差があるのだが、こいつは、そこまでは分からなかったらしい。

フッフッフッ、どんなに技術が進歩しても、所詮、機械は機械だな・・・。

帰国して、翌週に修理屋から電話が掛ってきた。

「先日のハンドリングの不具合は、先週の金曜日に直りましたので、お引き取りにおいでください!・・・」

膝頭がガクガクと振るえ、背筋を冷たいものが流れる。

引き取った83タルガのカーナビを点けると、いつもの「目的地を、おっしゃってえーん!」と鼻にかかった艶っぽいナビゲーターの声が聞こえたが、その声に、どこか勝ち誇ったような響きを感じたのは、気のせいだったのだろうか・・・。

「クルマとは何か。」

「かつて「自動車」と呼ばれていたものの形をした、「スマホ」なのかもしれない。」

民間輸送ロケット2014年01月08日 22:27

民間輸送ロケット
民間輸送ロケット


(シグナス補給船(Orb-1)ミッション)
http://iss.jaxa.jp/iss/flight/cygnus/orb-1.html

「シグナス補給船(Orb-1)ミッションは、オービタル・サイエンシズ社(Orbital Sciences Corporation: OSC)のシグナス補給船の運用1号機を、同社が開発したアンタレスロケットで打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を補給するフライトです。」

「シグナス補給船(Orb-1)は、米国東部標準時間1月8日午後1時32分(日本時間1月9日午前3時32分)に米国バージニア州NASAワロップス飛行施設から打ち上げられる予定です。」

スペースX社のドラゴンと共に、ISSへの物資補給を担う宇宙船の打ち上げが迫っている。

米国では、ISSへの物資の補給、回収、人員の輸送について、民間企業に開発を委ね、打ち上げや運用に関する一切を任せてサービスを調達するという。

もう、軍や国家「だけ」がロケットを打ち上げる時代ではないのだ。

(シグナス (宇宙船))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%82%B9_(%E5%AE%87%E5%AE%99%E8%88%B9)

GSユアサのリチウムイオンバッテリーを搭載するこの宇宙船は、ドラゴンとは異なり、ISSからの回収は一切行わない。

我が国のこうのとりと同じく、物資を運んだ後は、大気圏に突入させて、ゴミ焼却炉となる。

この宇宙船の打ち上げには、新開発のアンタレスというロケットが使用される。

(アンタレス (ロケット))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%82%B9_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)

「アンタレス(英語: Antares)はアメリカ合衆国のオービタル・サイエンシズ社 (OSC) により開発され、打ち上げられている中型ロケット。2013年4月21日に初打ち上げが行われて成功した」

「アンタレスはアメリカ航空宇宙局 (NASA) の商業軌道輸送サービス (COTS) の契約に則りシグナス補給船を打ち上げるロケットとして開発されており、デルタIIとほぼ同じ規模、OSCが保有しているロケットとアトラスVやデルタIV等の大型ロケットの間を埋める軌道投入能力を有するロケットとして位置づけられている。」

「第1段エンジンは旧ソ連が有人月飛行を目的として開発していたN-1ロケット用の第1段エンジンNK-33をエアロジェット社が購入して電装系等の改修を行ったAJ26-62エンジンを2基使用し、第1段タンクはウクライナのユージュノエ (Yuzhnoye) 及びユージュマシュ (Yuzhmash) が製造するゼニット第1段タンクの全長を短縮したものが用いられる。」

「第2段はキャスター120を短縮することでATKが新規開発したキャスター30を採用した。」

「既存のコンポーネントを活用することで低コストで信頼性の高いシステムを構築する方針で開発されている。」

スクラッチから新規開発した、スペースXのファルコンシリーズとは異なるアプローチだな。

まあ、飛べばいいんだ。

1段目はロシア製のケロシン燃料ロケット、2段目がミサイルから派生した固体燃料ロケット(イプシロンでお馴染みの、サイオコール社の開発)を使用している。

(商業軌道輸送サービス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%95%86%E6%A5%AD%E8%BB%8C%E9%81%93%E8%BC%B8%E9%80%81%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9

「商業軌道輸送サービス(しょうぎょうきどうゆそうサービス、英語: Commercial Orbital Transportation Services, COTS)は、NASAが計画し調整を行なっている国際宇宙ステーション (ISS) への民間企業による輸送サービス計画である。」

「NASAは2008年12月に、別のISSへの貨物輸送契約を入札し、 オービタル・サイエンシズとスペースXの2社を選んだ。2012年5月にスペースX社のドラゴン宇宙船が、翌2013年9月にはオービタル・サイエンシズ社のシグナス宇宙船がISSに到達し、計画は達成された。」

「COTSは商業補給サービス (Commercial Resupply Services, CRS) 計画とは区別しなければならない。COTSは補給機の開発に関わるものであり、CRSは実際の運搬を行うサービスになる。COTSはマイルストーンの進捗に応じてNASAからの支払いが行われるもので、将来的な輸送契約を約束するものではない。一方、CRSは義務的な契約となるため、契約者は計画の失敗時には責任を有することになる。」

なんとも世知辛いね。

宇宙も、政治家や官僚が跳梁跋扈する世界から、弁護士が活躍する民間契約の世界になりそうだ。

「関連する計画にCommercial Crew Development (CCDev) があり、こちらは国際宇宙ステーションのクルーの交代サービスを行うための商業有人宇宙機だけの開発を目指す。」

(Commercial Crew Development)
http://en.wikipedia.org/wiki/Commercial_Crew_Development

「William Gerstenmaier, NASA's Associate Administrator for Human Exploration and Operations for NASA, has stated that most likely only one competitor will be chosen to deliver crew to the ISS.」

(ウイリアム・ガーステンマイヤー(NASAのエライ人)は、ISSへの人員の搬送に最も相応しい唯1社が選ばれるだろう、と宣言した。:浮沈子:訳)

現在、ボーイング、シエラネバダ、スペースXが、熾烈な開発競争を続けていて、予断を許さない。

ボーイングが降りることはおそらく有り得ないが、ここでは、CST-100という宇宙船を開発している。

(CST-100)
http://ja.wikipedia.org/wiki/CST-100

「外観はロッキード・マーティンがNASAのために開発しているオリオン宇宙船と似たカプセル形状である。正確な寸法は発表されていないがアポロ指令船よりも大きくオリオン宇宙船よりも小さい。低軌道への輸送のみに使用される予定のため、オリオン宇宙船のようなに地球外軌道まで飛行するための装置は搭載しない。CST-100は最大7人の乗員を乗せる事が出来、生命維持装置は低軌道仕様で小型軽量化されるため、室内空間の容積は大きくとれる。」

「軌道上に最大7ヶ月間(210日間)滞在し、最大10回再使用できるような設計である。」

「CST-100はアトラス V, デルタ IV, とファルコン9を含む様々なロケットに適合するよう設計されるが、当面はアトラスVでの打上げを予定している。」

「この計画はNASAの支援なしでは実現は困難であり、商業利用の観点からは国際宇宙ステーション (ISS) 以外の目的地の確保も必要であるため、ビゲローと協力する事は重要であると述べた」

ビゲローといえば、風船のように膨らむ宇宙ホテルを開発している、怪しげな会社であるな。

(ビゲロー・エアロスペース)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%B2%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9

もともと、ホテル会社だから、そっちの方のノウハウはあるのだろうが、だいじょうび?。

「NASAはBEAMを2015年のファルコン9で打ち上げるドラゴン補給船による8回目のISS輸送ミッションで打ち上げ、2年間の試験運用を行うことを発表した。」とある。

そこそこの技術はあるようだな(ISSは、稼働中の有人施設であるため、やたらなものは、接続させてくれません!)。

有人コンペのもう一社の雄である、シエラネバダコーポレーションというのは、余り聞いたことがない。

(Sierra Nevada Corporation)
http://en.wikipedia.org/wiki/Sierra_Nevada_Corporation

どうやら、ドリームチェイサーというのが、ここの技術のキモのようだな。

(ドリームチェイサー (宇宙船))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%83%BC_(%E5%AE%87%E5%AE%99%E8%88%B9)

スペースシャトルが、貨物と人間を運ぶ宇宙トラックなら、こいつは人間だけを運ぶ、宇宙タクシーだな。

「ドリームチェイサーは2人から7人の乗員を低軌道へ運び、帰還させる為に計画された。アトラスVロケットの上に搭載して垂直に打ち上げられ、滑空帰還して通常の滑走路へ着陸する。」

NASAには、スペースシャトルの夢が捨てきれない勢力が、まだまだ大勢いるのだろう。

1970年代の技術で設計されたシャトルは、様々なトラブルを克服して多大な成果を上げた。

宇宙空間からの滑空式の帰還方法を、現実のものとした功績は大きい。

固体燃料ロケットのシーリングの欠陥による爆発と、何度も指摘されながら、繰り返しインシデントを起こし、人命を奪うことになった耐熱タイルの問題による事故は、苦い経験である。

再利用のコストや、耐熱タイルの問題が解決されれば、システムとしてカプセル式に大きく劣ることはない。

しかし、浮沈子は、この方式を最終的にNASAが採用することはないと考えている。

米国は、民主主義の国であり、良くも悪しくも、大衆が国家の有り様を決めてきた。

チャレンジャーとコロンビアの事故は、米国人の心の中に、深刻なトラウマを生んでいるのだ。

浮沈子は、ISSの商用有人宇宙機については、ドラゴンが最も近いと考えている。

輸送機との共通コンセプトは、開発コストの削減と、素早い改良を可能とし、専用打ち上げロケットとの一体開発も有利だ。

手練手管に長けたボーイングが、どういう手を打ってくるかが見ものだが、技術的優位による競争の中で、コンペを勝ち取って欲しいものだ。

軍事関係の老舗がひしめく宇宙競争に、スペースXが楔を打ち込んでいる。

ロケットが、平和の宙(そら)を飛ぶことが出来るように、願って止まない。