サイドマウントスキル(その1:オープンサーキット編)2014年01月08日 06:18

サイドマウントスキル
サイドマウントスキル(その1:オープンサーキット編)


その詳細については、パディの企業秘密なので、ここに記すわけにはいかない。

が、しかし、まあ、どんなことをやるかくらいは、書いておいてもいいだろう。

まずは、器材を揃えるところからだな。

ハーネス、ブラダー(浮き袋)、Dリング、バンジー(ゴム紐)、タンクベルト(スナップリング付き)、ファーストステージ、セカンドステージ、ゲージ、インフレーターホース、マスク、フィン、ダイコンなど、趣味とセンスと何よりも、機能重視で揃える。

どんなものを揃えるかというのは、まさにノウハウの塊なので、ここには詳細は書けない。

たとえば、バンジー(書いてんじゃん!?)。

ナイロンの被覆で保護された、細いゴム糸が束になっているものを、Ex-Scubaで仕入れたのだが、この太さが問題だ。

各種あるが、1本掛けにするか、2本掛けにするかで、当然違ってくる。

イントラは、1本掛けを推奨している。

2本だと、1本だけ掛って、テンションが不足し、バルブが下がってしまって、ストリームラインが保てなくなることがあるからだという。

ちゃんと2本掛けすればいいんだが・・・。

この辺りは、哲学論争のようで、浮沈子はついていけない。

2本掛けなら、1本切れてもOKじゃないかなあ?。

×だそうです。

まあいい。

教えてもらっている身なので、大人しくしているのだ。

シンプルイズベスト。

ハイハイ(ハイは、1回!)。

ハイ。

次は、これらをちゃんとセットする。

ハハハ、これが大変なんですよ、実に!。

サイドマウントは、コンフィギュレーション命です。

ちゃんとセットできれば、半分終わったようなもんです。

初めは、どうしていいかわからないので、いわれたとおりにセッティングするのだが、具合の良し悪しというのは、水中環境でしかわからない。

潜っては直し、直しては潜ることを繰り返し、細かいところは、潜っている最中に調整する。

左右のバランスは、実に微妙だ。

ホバリングしているときに、タンクに付いたゲージを見るために首を傾げるとそちらに傾く。

始末が悪いことに、傾きを直そうとすると、反対に傾いたりするのだ(ブラダー内のエアが動いてしまう)。

前後のバランスについては、もっと難しい。

ひざの曲げ具合、手の出し具合、もちろん呼吸によってもトリムは変わる。

浮沈子の場合は、イントラから見ると、ポーポイジング(イルカが水面から出たり入ったりして泳ぐ様から、上下動を繰り返して前進すること)しているという。

別に洞窟潜水しているわけじゃあないんだから、それでも「支障」はないのだが、「師匠」としては許せんわけだ(なんちゃって!)。

オープンサーキットで潜っているのは、せいぜい40本足らずなんだから、そんなに厳しいこといわれても・・・(泣)。

まあ、仕方ないか。

まあ、とにかく、バランスが大切ということで、これは、器材の選び方、セッティングの仕方、水中でのスキル、さらには、動的にセッティングを調整する(タンクの取り付け位置をずらす)ということになるわけだ。

この辺りは、使用する器材(タンク)の種類や、ガスの量によって変わる。

器材とガスの量を考慮して、ダイビング中のタンクの傾きを確認しつつ、必要に応じてストリームラインになるように、Dリングの位置を動かすわけだな。

沈みっぱなしのスチールタンクの場合には、この調整は不要であるが、2点で吊っているタンクの前後のバランスの変化が大きい場合は、トリムの調整をしなければならないかもしれない。

やれやれ、ただ潜っているだけでも、やることは多い。

オープンサーキットの場合、CCRと違って、まだまだ酸素の残っているガスを水中に撒き散らしている(あー勿体無い・・・)ので、吸った方のタンクが軽くなっていく。

左右のバランスが崩れていくわけだ。

頃合を見計らって(どのくらいかは書けません)、左右のタンクをチェンジする(セカンドを咥え換える)。

そう、代わりばんこに、左右を吸っていくわけだ。

そのタイミングは、バックマウントのダブルタンクのように、3分の1吸って、3分の2吸って・・・というわけではない。

2本のタンクが背中の真ん中でくっ付いているのと違って、体側に離れて保持されているサイドマウントでは、トルクが掛りやすく、僅かの重さの差でバランスが崩れる。

もうちっと、頻繁に換えていかないといけないわけだな。

浮沈子の経験から言うと、6リットルのステージボトルの場合、ラクスファーとカタリナの違いの方が大きいような気がする。

もちろん、軽いラクスファーをガバガバ吸えば、浮く浮く・・・。

カタリナの空タンクの方が、ラクスファーの満タンよりも重い感じだ(計ったわけではありません:タンクの体積も、少し違うような気がします)。

カタリナの11リッタータンク(もちろん、左右とも)は、エアを吸ったからといって、それ程の違いは感じなかったが、エキジットの時には、確実にケツが浮いていたので、前後のバランスは崩れているわけだ。

というわけで、代わりばんこにセカンドを切り替えていくのだが、この際、中圧ホースが絡まる恐れがある。

サイドマウント初心者が、必ずハマル罠だな。

幸い、浮沈子の場合、ショートホース側はネックリングを付けているのでその可能性は低い。

ネックリングではなく、フックを使ってハーネスのショルダーベルトのDリングに掛けている場合は、注意を要する。

もう、息するだけで、考えること、やることはたくさんあってこんがらがるので、トラブル時にタンクバルブ閉めたり(吸ってる方にトラブルがあった時は、もちろん、セカンド換えてから閉めます)、バディのエア切れでロングホース渡したり(自分がロング側吸ってる時は、ショート側に換えてからロング渡します)とか、隘路通過で、腰のスナップリング外してタンクを前に突き出したり、それを戻したりなんてスキルのことは、とても書き切れない(書いてんじゃん!?)。

まあいい。

フィンキックが大の苦手の浮沈子は(だから、「浮沈子」というのだ。横への移動は、原則、したくない)、ヘリコプターとか、バックキックとか、フロッグキックなどをやろうとすると、マウスピースを噛み切ってしまう(本当は、舌を噛みそうになっているのだ)。

ネットを探したら、ちょうどいいビデオがあったので、参考にされたい(言葉で説明することは難しいので)。

(Sidemount Essentials Training with Steve Martin:大御所の登場:イントラの知り合いだそうです)
http://www.youtube.com/watch?v=x0IaMd_u8GM

(Steve Bogaerts Sidemount Skills demo in a Razor Harness:この人は、レーザーの親分のようだな)
http://www.youtube.com/watch?v=8ahQYqho7w4

逆さになって、くるくる回るなんて、シンクロナイズド・スイミングのようなことは、パディでもサスガにやらないようだな。

まあ、この3か月というもの、様々な芸を仕込まれてきたのだが、ダイビングを終わって、ボートにタンクを上げる時のスムーズな取り外しというのが、なかなかの曲者なのだ(プールでは練習出来なかったし)。

海面には、当然波があり、ボートとダイバーは、波の異なるポジションに居るので、受け渡しのコツみたいなものもある。

タンクは、そのままだとバルブ側を下にしたがるので、逆さにならないようにうまく渡さないといけない。

ロングホースは、タンクに巻いたゴムのベルトで抑えてはいるが、セカンドステージはブラブラしている。

ボートに引き上げる時に、タンクの下敷きにならないように、予めバルブの首に巻いてあるワッカ(細めの紐)に、セカンドの根元に付けたスナップリングを引っ掛けておくというのもコツである(このスナップリングをセカンドにつけてあるインシュレーターは、イザという時に引きちぎれるように、細いものでなければならない)。

細かい話は、山ほどあって、その悉くをイントラに注意され、直され、考えさせられ、試され、指摘され、反省させられてきた(トホホ・・・)。

ネットの動画の中には、浮沈子でさえ、これはいかがなものかというのが、いくらでもある。

サイドマウントは、きちんと教われば、快適なダイビングが可能なコンフィギュレーションではあるが、自己流で適当にやってしまうと、不快でストレスの溜まるダイビングになりやすいという「欠点」もある。

バックマウントのように、BCにガッチリと付いているわけではないのだ(バックマウントも、いろいろなノウハウはあるらしいですが)。

何でもアリのサイドマウントは、実は、その中から、その人の、その時のダイビングに最も合った、たった一つの答えを見出すという作業を行わなければならない、頭で潜るダイビングなのである。

乗ったボートが、ダイビング専用のスターンにローデッキの付いたタイプなのか、両サイドからタンクを事前に付けてバックロールエントリーしなければならないのか、ラダーはあるか、フィンは履いたまま飛び上がってよじ登るインフレーターボートなのか、ボートクルーやキャプテンは、サイドマウントのダイバーの扱いを知っているのか、水面のダイバーにタンクを渡す時、バルブが開いていることを確認して渡しているのか、そうではないのか、エトセエトセ・・・。

海況に応じて、エントリーの方法を考えたり、エキジットの手順(これは、余り変えられないが)を微妙に変えたりしながら、ボートの種類、スタッフの練度、自分の体力(と、地球重力下での体重:最大の課題だな)を考慮して、安全なエントリーやエキジットを行わなければならない。

当分の間は、ボートスタッフは、サイドマウントに慣れてはいないだろうから、事前にコミュニケーションをとっておいた方がいい。

グアムでは、イントラがその辺りのことをやってくれていたのでいいが、パラオスポートでは、浮沈子が自分でサイドマウントのサポートを、ダイビングスタッフに教えていかなければならない。

そう、ダイバーズスキルだけでは、サイドマウントは行えないのである。

水中では無敵の浮沈子も(聞いてないけど?)、地球重力下に晒された途端、塩を掛けられたナメクジのように、ダイビング用の船尾のローデッキに這いつくばって、飽きれた顔の現地スタッフに助け起こされる破目になるのだ(サンキュー、ジャスパー!)。

ちなみに、浮沈子がイントラから習っている、パディのコースは、普通の人が受けるとこんな感じになるようだ。

(PADI Sidemount course~サイドマウント・コース~)
http://whereisyasko.blogspot.jp/2013/02/side-mount.html

浮沈子のコンフィギュレーションと大きく異なるのは、バルブ部分のクリップが付いていること。

浮沈子は、バルブの固定は、バンジーだけで行う。

「2本持って潜る場合、この2本をBCDに引っ掛けずにタンクのバルブ部分を手で持ってボートから水面に飛び込む。」とある(画像参照)。

こういうエントリーの話は、聞いてないぞ!?。

まあ、どうでもいいんですが。

ここに掲載されている写真を見ると、ブロガー自身の写真を含めて、ストリームラインになっていないことが分かる。

「水面から潜降する前に胸部と背面下部にタンクを取り付ける。」とある。

また、画像のBCの下にも、それらしきヒレが付いているので、やはり、タンク後端が浮いてしまうのである。

(ストリームライン)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/02/09/6716445

バックマウントの講習の時には、あまり気にせず、浮沈子が知るどの指導団体の教科書にも、ストリームラインに拘った記述はないのだが、浮沈子は、水中では、マウスピースから呼吸することの次に重要だと思っている。

動けばそこは、空気の800倍の抵抗が存在する水中であり、限られたガスを有効に使うということは、制限環境の中では生死にかかわる。

オープンウォーターの場合は、そこまでシビアではないが、やはり、疲労、ガス持ち、快適性の観点から、ストリームラインの維持は重要だ。

いや、楽しさや、ラクチンさを追求するレクリエーショナルダイビングにおいてこそ、より重要であるという考え方もあるかもしれない。

テクニカルなんてヘンタイなダイビングを追及するダイバーは、少々ハアハアしても、それが快感なんだから放って置けばよいのだ。

エキジットしてから、宴会やら、お買い物やらで忙しい、いわゆる普通のダイバーこそ、ダイビングごときで疲れてはいけない。

そんなことはもってのほかで、水中は、楽で、楽しく、キャッキャしなければならず、シャワーを浴びてからが、バカンスの本番なんだから・・・(そ、そうですかあ?)。

うーん、サイドマウントのスキルって、そのためのもんなのかあ?。

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