福一の蹉跌2014年03月21日 01:27

福一の蹉跌


(ALPS不調で汚染水が混入、処理水を再汚染 東電「我々にとっても大きな痛手」)
http://www.j-cast.com/2014/03/20199826.html?p=all

ふざけた話だ。

「東京電力福島第1原発の汚染水処理問題で、また重大な問題が発覚した。浄化装置「ALPS」(アルプス)の不調で放射性物質をほとんど除去できなかった水が、処理済みの水が入ったタンクに流れ込んでいたというのだ。最大で1万5000トン近くが再び汚染されてしまった可能性があり、その分の処理をやり直さなければならなくなる。」

「原子力規制委員会の会合では、
「これが単なる操作ミス的なものを越えて、何らかの悪意というものがもしあるとすれば、非常に重要なセキュリティ上の問題も当然出てくる」(大島賢三委員)
という指摘が出ている。だが、田中俊一委員長は
「悪意を前提としたような調査というのは、あまり私は好ましくないと思う」
と述べ、徹底的な調査には消極的だ。この様子では、今回のトラブルについても規制委が積極的に原因究明を指示するとは考えにくい。」

こんな甘い監督で、原因なんか究明できないし、今後もトラブルは続くだろう。

(浄化終えた水のタンクに汚染水再流入…福島第一)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20140319-OYT1T00943.htm

そもそも、東京電力に廃炉をやらせているというスキームが理解できない。



(「東電の存在、危うい状態」 規制委委員長と社長が会談)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140320/dst14032021370003-n1.htm

「田中委員長は「福島の問題がきちっとしないと、東電の存在そのものが危うい状態にあるんだと申し上げたい」と指摘した。」

「最近でも汚染水の浄化装置トラブルが相次ぐなどしており、同席した規制委の更田(ふけた)豊志委員は「福島のことについては投資を惜しまないでもらいたい」と苦言を呈した。」

つまり、東電は福島にはなるべく金をかけずに適当に収束させ、儲けが期待できる柏崎刈羽原発(新潟県)をさっさと稼動させたいのだ。

福島の廃炉が完了するまで、100年くらい再稼動させなくてもいいんじゃね?(100年で廃炉できるかどうかも不明)。

そういう風に規制委員会で決めれば、さっさと福島を閉めないといけなくなって、投資も進むと思うんだが、経済界からの圧力もあって、政治的にはそういう選択はないんだろうな。

まあ、嘆いていても仕方がない。

浮沈子は、原子力発電には基本的に賛成なのだが、運用管理が杜撰な会社や、そもそも規制当局が一緒になって推進する体制というのは常軌を逸していると考えている。

中国とかにどんどん作って、そこから製品の形で持ってくるのがいちばんいい。

我が国は、原発輸出国で食べていけるわけだ。

輸出先では燃料としての原油は使わなくなるだろうから、それを輸入して燃やせばいいのだ。

ワールドワイドな思考で、原発に適した国で発電してもらえばいい。

そんなことは、誰が考えたって常識だろう?。

まあ、そうはいっても、一つの原発もない原発生産国というのもなんだから、周囲100kmを無人の荒野にして、原発研究施設を作って、暴走でも汚染水の垂れ流しでも好き放題やってもらうということだな。

まあ、汚染水の垂れ流しは、世界中に広がってしまうので、これは、まずいな。

福一は、本当にひどい事故だ。

しかも、そこで行われている廃炉に向けた作業に対して、当事者である東京電力の経営者は、全力を尽くしてはいない。

事故を起こした原発の廃炉は、金にならないのだ。

民間企業だから当然である。

儲からない商売にコストを掛けるのは、アホな経営者である。

その意味では、アルプスが予定通り稼動しなかったり、汚染水漏れが今でも止まらないという事態が続いていて、福一に手抜きをしているというのは、ある意味で健全な企業の姿だ。

儲かる原発の再稼動をそっちのけにして、一文の得にもならない事故原発の廃炉なんかに現を抜かしていてはならんのではないか。

そういう、スキームを組んだ政府が無策なのである。

現場で、ろくな管理もなく、技術的な支援もなく、後ろ向きでインセンティブのない業務に携わっている方々こそ、いい面の皮である。

全ての責任は、この枠組みを作った政府にある。

原発を止めるとか、推進するとか言う前に、どういう枠組みで止めるのか、どうやって推進するのかを、もう一度きちっと議論してもらいたいものだ。

どんな事業でも、人間が行う以上、ミスや想定外の事象は起こるに決まっている。

それを乗り越えて継続するための仕組みがなければ、誰ががんばっても同じことが起こる。

精神論では解決しないのだ。

4号炉では、今日も燃料の抜き取り作業が行われているのだろう。

一つ間違えれば、悲惨な事故に繋がるシビアな作業だ。

アルプスを開発した東芝に、きちんと仕事をさせる方策を、しっかりと考えてもらいたいな。

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