翻訳 ― 2014年07月30日 01:32
翻訳
このブログほど、翻訳のお世話になっている記事は少ないのではないか。
参照している記事や、資料として活用しているウィキペディアの大部分、手元の書籍やネットのネタは、殆どが何らかの形で翻訳されたものだ。
もちろん、日本語の文化で育った方の書かれたものも多い。
しかし、それも遠い昔に中国から伝わった言葉だったりもする。
現代はインターネットでの自動翻訳が手軽に出来る。
訳文は悲惨なものだが、まあ、なんとなく流れはわかるし、原文を参照しながら読めば、文学作品とかでなければ用は足りる。
やはり英語の原文が多いが、ハングルや中国語、フランス語、ドイツ語、チェコ語なども自動翻訳で読んだ。
もちろん、英語以外は素養がないので、原文を参照することが出来ない。
その英語にしても、読解力は中学英語に毛が生えた程度、会話能力は「単語2つ」並べるのがやっとである。
多言語を自在に操り、会話もこなす人々を見ていると、実に羨ましい限りだ。
今、リブリーザーのテキストを精読しているのだが、こんなもんを日本語に翻訳するというのは、とてつもない作業であるということが分かる。
特に、ダイビング技術の翻訳については、PADIが定めている(であろう)翻訳基準に則って訳出しないと、他のテキストの用語や概念と齟齬をきたす。
リブリーザー固有の用語についても、将来にわたって、その用語が使用され続けるという前提で訳さないといけない。
一例を挙げると、呼吸回路内へ水が浸入してくるという現象があって、テキスト内では、少量で制御可能な浸水と、一時に多量の水が入ってきて制御不可能な状態を区別している(まあ、当然ですが)。
さて、この二つをどう区別して訳すのか・・・。
浮沈子は、別に翻訳しようとしているわけではないが、他の言語に置き換える作業は、単に単語を訳せばいいという話ではない。
文法的に構文を当て嵌めればいいという話でもない(このテキストは、高校生くらいの構文解釈で、十分読めるようになっている)。
その言葉が説明しようとしている状況、背景、そして、他の言葉が説明している事柄との違いを理解し、概念的な矛盾を生じないように、注意深く置き換えなければならない。
しかも、技術用語の場合は、統一した単語を使わなければ誤解が生じて、場合によっては安全を損なう。
PADI語の場合は、内輪の用語統一も図らなければならない。
英語のまま、理解するのが正解だな。
80ページまでは、そんな感じで辿り着いた。
もう少しでチャプター1(第一章)が終わる。
もってまわった言い方をしているところがあったり、口語体が混ざる「This Happend」など、英語を非母国語とする生徒向けのテキストではないが、それでも、リブリーザーのテキストとして、できるだけわかりやすく書こうとしているのは分かる。
言語の壁よりも、伝えようとしている内容の壁の方が、厚く、高い。
浮沈子に言わせれば、リブリーザーの使用における中性浮力やホバリングなどは、言葉による説明を放棄しているとしか思えないな・・・。
まあいい。
後は、身体で覚えてもらおう。
限られた形容詞や副詞を駆使したって、実際に体験する状況を正確に表現することは困難だ。
それは、日本語を使っても難しい。
浮沈子が、このブログでCCRのことを書こうとして苦労しているのも、正にその点である。
しかも、CCRの方が経験本数が遥かに多く、オープンサーキットが新鮮に(異様に)感じる認識の中で説明しようとすると、余計困難を感じる。
レクリエーショナルレベルでのタイプRを用いた運用(特に基礎コース)は、浮沈子が知るIANTDでのインスピの運用とは異なるところもあって、その違いを咀嚼しようと努力しているが、それは、まあ、大したことはない。
何かあったらベイルアウトという、シンプルな対応も、初めてリブリーザーを使うということを考えると、それもアリかとは思う。
コンピューター殿に全てを委ね、人間はダイビングに集中するというのは、悪い選択ではない。
1分から少なくとも2分までの間に1回、液晶モニターを確認すればいいだけだ。
そのモニターには、コンピューター殿が翻訳した、リブリーザーの運用に関わる情報が表示されるというわけである。
何も表示されていなかったら?。
警告も、予告もなく、機械は突然壊れることがある。
その時、ガスの混合を管理していたはずのコンピューター殿は、業務を放棄してどこかへ行ってしまったのだ。
オープンサーキットがぶっ壊れる時は、ド派手な音がしてホースが裂けたり、Oリングがぶっ飛んで泡が景気良く漏れたりして、しかも、その結果、ガスが吸えなくなったりして、否が応でも故障したことに気付くが、リブリーザーは静かに壊れる可能性があって、気付きにくい。
しかも、あろうことか、ループ構造をした呼吸回路があるために、息ができてしまうのである!。
どこかに遮断弁かなんか付けて、故障したらそいつが閉まって、息が出来なくしてくれればいいんだが、そんな仕掛けをしたら、故障箇所が増えるだけかもしれない。
だいたい、そんな仕掛けが出来るなら、自動でオープンサーキットに切り替えればいいだけの話だ(そのうち、できるかも)。
故障したときに、気付かずに、危ないガスを吸い込んでしまうというのが、リブリーザーの構造に起因する最も危険な状況である。
リブリーザーがリブリーザーであることを止めない限り、避けようのない危険だ。
CPUを多重化したり、センサーを増やしたり、運用を工夫したりしても、この点だけは構造的欠陥(特性?)なのでどうしようもなかろう。
全体の信頼性を向上させていくより他に手はない。
閉じた回路内にガスを循環させ、二酸化炭素を除去して、酸素を加える。
これが、リブリーザーの全てであり、本質だ。
回路内の圧力を環境圧と均衡させるための仕掛け(ディリュエントガスやADV、ディリュエント側マニュアルインフレーター、OPV、マスクからの排気、マウスピースからの排気)、加える酸素の量を加減する仕掛け(酸素センサー、ソレノイドバルブ、CPU:コンピューター殿、酸素側マニュアルインフレーター)、二酸化炭素の除去を確認する仕掛け(二酸化炭素センサー、反応熱を測る温度計)などは、全てリブリーザーの機能を実現させるための付加的な要素に過ぎない。
PO2モニターの数字とにらめっこしながら、酸素を自分で添加するマニュアルコントロールをしていると、裸のリブリーザーを感じる。
この状態だって、酸素センサーの値が分からなければならないわけだし、それなりにハイテクではあるのだが、例えば別系統の酸素センサーを付けて、それ専用のダイコンでモニターすれば、本体のコンピューター殿がサボタージュ(というか、故障)していても、リブリーザーの機能は発揮できる。
PADIのリブリーザーのテキストでは、その辺りの話は省略されていて、出来合いのタイプRについて簡単な説明に留まっている。
構造を書いたイラストには、マニュアルインフレーターは載っていない・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子は、ある意味では、タイプRというのはリブリーザーの進化型かも知れないと考え始めている。
もう、コンピューター殿にお任せして、人間が弄る所は極力少なくして、マニュアル操作なんてとんでもない!。
自動車だって、オートマが殆どだし(あんま、関係ない・・・)。
ひょっとすると、タイプTのCCRなんて、そのうち消えてなくなるんじゃないのか。
あれって、マニュアル操作をすることと、減圧プログラムが組み込まれているだけで、他は何も変わらないわけだし。
タイプR(のCCR)は、その意味では、レクリエーショナルレベルのリブリーザーというより、未来のCCRなのかも知れない。
タイプRを、デュアルでサイドマウント化なんかして持ち込めれば、いうことはなかろう・・・。
まあ、もちろん、テキストには書けないだろうけど。
100年後に、マニュアルインフレーターが残っているかといわれれば、浮沈子には自信がないな。
大深度潜水でディリュエントガスをアウトボードのシリンダーと切り替える関係で、ディリュエント側だけ残っている可能性はあるが、マニフォールドでADVへつなげた方が運用は楽だし、マーク6やセブンのように、ディリュエントもソレノイドから噴くようになっていれば、そもそもそっちの方に繋いでおかなければならない(切り替える仕掛けは必要ですが)。
マニュアルインフレーターは、退化して消え去りつつある痕跡器官のようなものなのかもしれない。
(痕跡器官 (生物))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%95%E8%B7%A1%E5%99%A8%E5%AE%98_(%E7%94%9F%E7%89%A9)
「退化によって本来の用をなさなくなった器官が、わずかに形だけがそれと分かるように残っているものをさす。ヒトの尾骶骨などがある。」
もちろん、タイプTの運用でマニュアルインフレーションを行うのは、21世紀初頭の現在は意味があるし、安全性の向上にも繋がっている。
しかし、それは、時間の問題で消えてしまうことなのかもしれない。
電気系統の故障率が、レギュレーターの故障率の100分の1以下になって、ワンチップでソレノイドバルブに酸素センサーと一体となってモジュール化して組み込まれれば、システムをモニタリングするという運用自体がなくなるかもしれない。
バッテリーさえモジュールに組み込まれて、ワンダイブ毎に使い捨てで交換される。
プレパッキングされたソフノダイブと、モジュール化された電装系(消耗品!)をセットして、プレブリージング(これは必要でしょう!)したら、潜るだけである。
使い捨てにすることで、品質管理をシンプルに出来るし、構造が簡単になってコストの削減にも繋がる。
ソレノイドバルブの接続の問題はあるが、ソフノダイブと一体になってしまう可能性もあるな。
そうすれば、使用期限が過ぎたソフノダイブを誤って使うこともない。
組み込まれたチップが、使用時間を管理しているからだ。
包装用のフィルムを剝いたときに、スイッチが入るようにしておけばいい(24時間以内)。
本体に組み込まれて、ソレノイドが作動した時間を管理すれば、反応した酸素の量から二酸化炭素の除去能力を推定できる。
うーん、コストさえ見合えば、これはいけるんじゃないだろうか。
浮沈子が、この辺のことをああでもない、こうでもないと考えているのには訳がある。
そう、将来そんなリブリーザーが出てくるようになれば、このクソマニュアル(失礼!)も、遥かにシンプルになって、210ページもいらなくなって、読むのに骨も折れず、翻訳とかも楽になるんじゃなかろうか、と考えているからだ。
マニュアルに書いてあるのは、パックを本体に挿入して、プレブリージングして潜るだけ。
上がってきたら、パックを交換しましょう!、以上終わりである。
まあ、浮力調整のところとかは同じだろうし、リブリーザーの本質は何も変わらないので、消毒したり、乾燥させたりといった部分は残るだろう。
その頃は、700気圧のタンクが当たり前になっているので、レクリエーショナルレベルでアウトボードを持ち込む必要は全くない。
タンク自体も、樹脂製になって軽くなっているだろうから、全体の重量も減っている。
こうなれば、標準的なダイビングギアとして、普及する可能性は高い。
故障率が十分少なくなれば、安心して使えるということになる。
まあ、700気圧のタンクで、オープンサーキットで潜った方が、シンプルですが。
リブリーザーのテキストを簡単にするためには、結構手間がかかるわけだが、それにしても、未来のリブリーザーからみると、現在のそれは、随分と大掛かりで複雑であることが分かる。
それは、人間という存在を噛ませて、チェック機能を働かせようとしているからに他ならない。
機械の動作を監視させたり、変なガスを吸い込んで気分が悪くなった時に、手動でオープンサーキットに切り替えさせるわけだ。
そのための液晶モニターだし、HUD(ヘッドアップディスプレー)なわけだ。
こいつを取っ払ってしまえば、メーカーのマニュアルや、指導団体のマニュアルも、相当シンプルになる。
オープンサーキットとの決定的な違いである、機器の使用の複雑さを、かなり改善できようというものだ。
まあ、液晶モニターは、他の情報も表示しているので、ダイコンの代わりに着けていてもいい。
定期交換部品を、消耗品と一体化し、信頼性を向上させるという方向性は、間違いなく将来のリブリーザーが目指すところだ。
あとは、組み立てと分解かな。
ええい、こうなったら、リブリーザー毎、使い捨てにしてしまえ!。
最後には、BCDと、レギュレーターと、タンクだけが残る。
おお、オープンサーキットとやっと同じになったわけだ。
改めて考えると、オープンサーキットのシンプルさ、簡便さは大したものだ。
手元のPADI・オープン・サーキット・ダイバー・マニュアルでは、39ページから68ページまでのたった30ページで、マスク、フィン、BCDを含めた器材の説明をしている。
リブリーザーは、既にダイバーとなっている生徒を対象としているのに、210ページのマニュアルを必要としている。
もちろん、器材だけの説明ではないが、その器材の特性を踏まえたダイビングをしようとすれば、これだけのボリュームが必要と判断したのだ。
仕組を説明し、組み立て、プレダイブチェックして、潜る。
ダイビングの最中も、浮力のコントロールを初めとした独特の運用を行い、エキジット後の分解、乾燥、メンテナンスが欠かせない。
さらには、消耗品や定期交換部品の交換、場合によってはメーカーによる点検も必要になる。
乾して転がしておけばいいレギュレーターだけ(?)のオープンサーキットとは訳が違う(こっちも定期的なメンテナンスが必要ですが)。
慣れれば、確かにどうということはない。
それでちゃんと動いて、ダイビングができさえすれば。
問題は、原因不明のトラブルで、リブリーザーでのダイビングが出来なくなることが少なくないということである。
マニュアルの42ページには、そんな時の対策までしっかり書かれていて、笑える(実際の状況は、笑えないんだが)。
リブリーザーが使えなかったときのために、オープンサーキットの器材一式を持って行けということだ。
しかし、これはある意味で、非常に有効な方法かもしれない。
全く動かないリブリーザーでダイビングすることはないとしても、一部具合が悪いリブリーザーを、騙し騙し使って潜ってしまって、重大なトラブルに巻き込まれるということからダイバーを守ることになるからだ。
完全でない器材でのダイビングは、水中という過酷な環境では、死に直結する。
人間は、水中では生きられないのだ。
オープンサーキットであれ、リブリーザーであれ、呼吸は全て陸上と同じ方法で、肺でのガス交換で行っている。
まあ、高気圧下という点ではことなるんだが。
翻訳という題名から、随分離れてしまったので、今日はここまで。
このブログほど、翻訳のお世話になっている記事は少ないのではないか。
参照している記事や、資料として活用しているウィキペディアの大部分、手元の書籍やネットのネタは、殆どが何らかの形で翻訳されたものだ。
もちろん、日本語の文化で育った方の書かれたものも多い。
しかし、それも遠い昔に中国から伝わった言葉だったりもする。
現代はインターネットでの自動翻訳が手軽に出来る。
訳文は悲惨なものだが、まあ、なんとなく流れはわかるし、原文を参照しながら読めば、文学作品とかでなければ用は足りる。
やはり英語の原文が多いが、ハングルや中国語、フランス語、ドイツ語、チェコ語なども自動翻訳で読んだ。
もちろん、英語以外は素養がないので、原文を参照することが出来ない。
その英語にしても、読解力は中学英語に毛が生えた程度、会話能力は「単語2つ」並べるのがやっとである。
多言語を自在に操り、会話もこなす人々を見ていると、実に羨ましい限りだ。
今、リブリーザーのテキストを精読しているのだが、こんなもんを日本語に翻訳するというのは、とてつもない作業であるということが分かる。
特に、ダイビング技術の翻訳については、PADIが定めている(であろう)翻訳基準に則って訳出しないと、他のテキストの用語や概念と齟齬をきたす。
リブリーザー固有の用語についても、将来にわたって、その用語が使用され続けるという前提で訳さないといけない。
一例を挙げると、呼吸回路内へ水が浸入してくるという現象があって、テキスト内では、少量で制御可能な浸水と、一時に多量の水が入ってきて制御不可能な状態を区別している(まあ、当然ですが)。
さて、この二つをどう区別して訳すのか・・・。
浮沈子は、別に翻訳しようとしているわけではないが、他の言語に置き換える作業は、単に単語を訳せばいいという話ではない。
文法的に構文を当て嵌めればいいという話でもない(このテキストは、高校生くらいの構文解釈で、十分読めるようになっている)。
その言葉が説明しようとしている状況、背景、そして、他の言葉が説明している事柄との違いを理解し、概念的な矛盾を生じないように、注意深く置き換えなければならない。
しかも、技術用語の場合は、統一した単語を使わなければ誤解が生じて、場合によっては安全を損なう。
PADI語の場合は、内輪の用語統一も図らなければならない。
英語のまま、理解するのが正解だな。
80ページまでは、そんな感じで辿り着いた。
もう少しでチャプター1(第一章)が終わる。
もってまわった言い方をしているところがあったり、口語体が混ざる「This Happend」など、英語を非母国語とする生徒向けのテキストではないが、それでも、リブリーザーのテキストとして、できるだけわかりやすく書こうとしているのは分かる。
言語の壁よりも、伝えようとしている内容の壁の方が、厚く、高い。
浮沈子に言わせれば、リブリーザーの使用における中性浮力やホバリングなどは、言葉による説明を放棄しているとしか思えないな・・・。
まあいい。
後は、身体で覚えてもらおう。
限られた形容詞や副詞を駆使したって、実際に体験する状況を正確に表現することは困難だ。
それは、日本語を使っても難しい。
浮沈子が、このブログでCCRのことを書こうとして苦労しているのも、正にその点である。
しかも、CCRの方が経験本数が遥かに多く、オープンサーキットが新鮮に(異様に)感じる認識の中で説明しようとすると、余計困難を感じる。
レクリエーショナルレベルでのタイプRを用いた運用(特に基礎コース)は、浮沈子が知るIANTDでのインスピの運用とは異なるところもあって、その違いを咀嚼しようと努力しているが、それは、まあ、大したことはない。
何かあったらベイルアウトという、シンプルな対応も、初めてリブリーザーを使うということを考えると、それもアリかとは思う。
コンピューター殿に全てを委ね、人間はダイビングに集中するというのは、悪い選択ではない。
1分から少なくとも2分までの間に1回、液晶モニターを確認すればいいだけだ。
そのモニターには、コンピューター殿が翻訳した、リブリーザーの運用に関わる情報が表示されるというわけである。
何も表示されていなかったら?。
警告も、予告もなく、機械は突然壊れることがある。
その時、ガスの混合を管理していたはずのコンピューター殿は、業務を放棄してどこかへ行ってしまったのだ。
オープンサーキットがぶっ壊れる時は、ド派手な音がしてホースが裂けたり、Oリングがぶっ飛んで泡が景気良く漏れたりして、しかも、その結果、ガスが吸えなくなったりして、否が応でも故障したことに気付くが、リブリーザーは静かに壊れる可能性があって、気付きにくい。
しかも、あろうことか、ループ構造をした呼吸回路があるために、息ができてしまうのである!。
どこかに遮断弁かなんか付けて、故障したらそいつが閉まって、息が出来なくしてくれればいいんだが、そんな仕掛けをしたら、故障箇所が増えるだけかもしれない。
だいたい、そんな仕掛けが出来るなら、自動でオープンサーキットに切り替えればいいだけの話だ(そのうち、できるかも)。
故障したときに、気付かずに、危ないガスを吸い込んでしまうというのが、リブリーザーの構造に起因する最も危険な状況である。
リブリーザーがリブリーザーであることを止めない限り、避けようのない危険だ。
CPUを多重化したり、センサーを増やしたり、運用を工夫したりしても、この点だけは構造的欠陥(特性?)なのでどうしようもなかろう。
全体の信頼性を向上させていくより他に手はない。
閉じた回路内にガスを循環させ、二酸化炭素を除去して、酸素を加える。
これが、リブリーザーの全てであり、本質だ。
回路内の圧力を環境圧と均衡させるための仕掛け(ディリュエントガスやADV、ディリュエント側マニュアルインフレーター、OPV、マスクからの排気、マウスピースからの排気)、加える酸素の量を加減する仕掛け(酸素センサー、ソレノイドバルブ、CPU:コンピューター殿、酸素側マニュアルインフレーター)、二酸化炭素の除去を確認する仕掛け(二酸化炭素センサー、反応熱を測る温度計)などは、全てリブリーザーの機能を実現させるための付加的な要素に過ぎない。
PO2モニターの数字とにらめっこしながら、酸素を自分で添加するマニュアルコントロールをしていると、裸のリブリーザーを感じる。
この状態だって、酸素センサーの値が分からなければならないわけだし、それなりにハイテクではあるのだが、例えば別系統の酸素センサーを付けて、それ専用のダイコンでモニターすれば、本体のコンピューター殿がサボタージュ(というか、故障)していても、リブリーザーの機能は発揮できる。
PADIのリブリーザーのテキストでは、その辺りの話は省略されていて、出来合いのタイプRについて簡単な説明に留まっている。
構造を書いたイラストには、マニュアルインフレーターは載っていない・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子は、ある意味では、タイプRというのはリブリーザーの進化型かも知れないと考え始めている。
もう、コンピューター殿にお任せして、人間が弄る所は極力少なくして、マニュアル操作なんてとんでもない!。
自動車だって、オートマが殆どだし(あんま、関係ない・・・)。
ひょっとすると、タイプTのCCRなんて、そのうち消えてなくなるんじゃないのか。
あれって、マニュアル操作をすることと、減圧プログラムが組み込まれているだけで、他は何も変わらないわけだし。
タイプR(のCCR)は、その意味では、レクリエーショナルレベルのリブリーザーというより、未来のCCRなのかも知れない。
タイプRを、デュアルでサイドマウント化なんかして持ち込めれば、いうことはなかろう・・・。
まあ、もちろん、テキストには書けないだろうけど。
100年後に、マニュアルインフレーターが残っているかといわれれば、浮沈子には自信がないな。
大深度潜水でディリュエントガスをアウトボードのシリンダーと切り替える関係で、ディリュエント側だけ残っている可能性はあるが、マニフォールドでADVへつなげた方が運用は楽だし、マーク6やセブンのように、ディリュエントもソレノイドから噴くようになっていれば、そもそもそっちの方に繋いでおかなければならない(切り替える仕掛けは必要ですが)。
マニュアルインフレーターは、退化して消え去りつつある痕跡器官のようなものなのかもしれない。
(痕跡器官 (生物))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%95%E8%B7%A1%E5%99%A8%E5%AE%98_(%E7%94%9F%E7%89%A9)
「退化によって本来の用をなさなくなった器官が、わずかに形だけがそれと分かるように残っているものをさす。ヒトの尾骶骨などがある。」
もちろん、タイプTの運用でマニュアルインフレーションを行うのは、21世紀初頭の現在は意味があるし、安全性の向上にも繋がっている。
しかし、それは、時間の問題で消えてしまうことなのかもしれない。
電気系統の故障率が、レギュレーターの故障率の100分の1以下になって、ワンチップでソレノイドバルブに酸素センサーと一体となってモジュール化して組み込まれれば、システムをモニタリングするという運用自体がなくなるかもしれない。
バッテリーさえモジュールに組み込まれて、ワンダイブ毎に使い捨てで交換される。
プレパッキングされたソフノダイブと、モジュール化された電装系(消耗品!)をセットして、プレブリージング(これは必要でしょう!)したら、潜るだけである。
使い捨てにすることで、品質管理をシンプルに出来るし、構造が簡単になってコストの削減にも繋がる。
ソレノイドバルブの接続の問題はあるが、ソフノダイブと一体になってしまう可能性もあるな。
そうすれば、使用期限が過ぎたソフノダイブを誤って使うこともない。
組み込まれたチップが、使用時間を管理しているからだ。
包装用のフィルムを剝いたときに、スイッチが入るようにしておけばいい(24時間以内)。
本体に組み込まれて、ソレノイドが作動した時間を管理すれば、反応した酸素の量から二酸化炭素の除去能力を推定できる。
うーん、コストさえ見合えば、これはいけるんじゃないだろうか。
浮沈子が、この辺のことをああでもない、こうでもないと考えているのには訳がある。
そう、将来そんなリブリーザーが出てくるようになれば、このクソマニュアル(失礼!)も、遥かにシンプルになって、210ページもいらなくなって、読むのに骨も折れず、翻訳とかも楽になるんじゃなかろうか、と考えているからだ。
マニュアルに書いてあるのは、パックを本体に挿入して、プレブリージングして潜るだけ。
上がってきたら、パックを交換しましょう!、以上終わりである。
まあ、浮力調整のところとかは同じだろうし、リブリーザーの本質は何も変わらないので、消毒したり、乾燥させたりといった部分は残るだろう。
その頃は、700気圧のタンクが当たり前になっているので、レクリエーショナルレベルでアウトボードを持ち込む必要は全くない。
タンク自体も、樹脂製になって軽くなっているだろうから、全体の重量も減っている。
こうなれば、標準的なダイビングギアとして、普及する可能性は高い。
故障率が十分少なくなれば、安心して使えるということになる。
まあ、700気圧のタンクで、オープンサーキットで潜った方が、シンプルですが。
リブリーザーのテキストを簡単にするためには、結構手間がかかるわけだが、それにしても、未来のリブリーザーからみると、現在のそれは、随分と大掛かりで複雑であることが分かる。
それは、人間という存在を噛ませて、チェック機能を働かせようとしているからに他ならない。
機械の動作を監視させたり、変なガスを吸い込んで気分が悪くなった時に、手動でオープンサーキットに切り替えさせるわけだ。
そのための液晶モニターだし、HUD(ヘッドアップディスプレー)なわけだ。
こいつを取っ払ってしまえば、メーカーのマニュアルや、指導団体のマニュアルも、相当シンプルになる。
オープンサーキットとの決定的な違いである、機器の使用の複雑さを、かなり改善できようというものだ。
まあ、液晶モニターは、他の情報も表示しているので、ダイコンの代わりに着けていてもいい。
定期交換部品を、消耗品と一体化し、信頼性を向上させるという方向性は、間違いなく将来のリブリーザーが目指すところだ。
あとは、組み立てと分解かな。
ええい、こうなったら、リブリーザー毎、使い捨てにしてしまえ!。
最後には、BCDと、レギュレーターと、タンクだけが残る。
おお、オープンサーキットとやっと同じになったわけだ。
改めて考えると、オープンサーキットのシンプルさ、簡便さは大したものだ。
手元のPADI・オープン・サーキット・ダイバー・マニュアルでは、39ページから68ページまでのたった30ページで、マスク、フィン、BCDを含めた器材の説明をしている。
リブリーザーは、既にダイバーとなっている生徒を対象としているのに、210ページのマニュアルを必要としている。
もちろん、器材だけの説明ではないが、その器材の特性を踏まえたダイビングをしようとすれば、これだけのボリュームが必要と判断したのだ。
仕組を説明し、組み立て、プレダイブチェックして、潜る。
ダイビングの最中も、浮力のコントロールを初めとした独特の運用を行い、エキジット後の分解、乾燥、メンテナンスが欠かせない。
さらには、消耗品や定期交換部品の交換、場合によってはメーカーによる点検も必要になる。
乾して転がしておけばいいレギュレーターだけ(?)のオープンサーキットとは訳が違う(こっちも定期的なメンテナンスが必要ですが)。
慣れれば、確かにどうということはない。
それでちゃんと動いて、ダイビングができさえすれば。
問題は、原因不明のトラブルで、リブリーザーでのダイビングが出来なくなることが少なくないということである。
マニュアルの42ページには、そんな時の対策までしっかり書かれていて、笑える(実際の状況は、笑えないんだが)。
リブリーザーが使えなかったときのために、オープンサーキットの器材一式を持って行けということだ。
しかし、これはある意味で、非常に有効な方法かもしれない。
全く動かないリブリーザーでダイビングすることはないとしても、一部具合が悪いリブリーザーを、騙し騙し使って潜ってしまって、重大なトラブルに巻き込まれるということからダイバーを守ることになるからだ。
完全でない器材でのダイビングは、水中という過酷な環境では、死に直結する。
人間は、水中では生きられないのだ。
オープンサーキットであれ、リブリーザーであれ、呼吸は全て陸上と同じ方法で、肺でのガス交換で行っている。
まあ、高気圧下という点ではことなるんだが。
翻訳という題名から、随分離れてしまったので、今日はここまで。
禁煙 ― 2014年07月30日 14:25
禁煙
タバコの害については、世の中でさんざん指摘されているので、ここでは深くは触れない。
(今後のたばこ対策の基本的考え方について)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/12/s1225-6a.html
10年近く前に厚生労働省の諮問機関が出したペーパーだが、未だに喫煙は容認されていて、喫煙者の健康を蝕み続けているのみならず、受動喫煙を通じて周囲の健康も阻害している。
傷害罪だな。
良くて過失傷害。
浮沈子も、20年余り高額納税者だったので、人様のことをとやかく言うつもりはないが、現在はきっぱりと禁煙し、10年以上継続している。
しかし、ハッキリ言って、今でも吸いたい!。
このブログを打っているこの瞬間も、スパスパやりたい!!。
指が、唇が、あのフィルターの感触を覚えているし、煙を吸い込んで鼻から出す時の鼻腔粘膜が、あの刺激を求めてムズムズしている。
何より、脳細胞が、酸素欠乏状態になった時のえもいわれぬ陶酔感をしっかりと刻み込んでいて、再び喫煙することへの絶ち難い誘惑を繰り返してくる。
喫煙者の快感、そして、禁煙の苦痛は、浮沈子自身が身を持って良く分かっている。
この苦しみから逃れるのは簡単だ。
吸ってしまえばいいのだ。
1本吸ったくらいでは、どうということはないだろう。
2本でも大丈夫だ。
3本だって同じ。
10本でも大した違いはないだろう。
ええい、100本でも、1000本でも持って来い!・・・。
依存症とは、そういうものだ。
薬物依存の場合、それを手に入れるためなら、犯罪も厭わなくなり、生活が破綻する。
喫煙が精神障害を誘発することはないらしいが、一方で依存症は立派な精神疾患である。
(依存症)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87
「精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う特定の行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める抑えがたい欲求である渇望が生じ、その刺激を追い求める行動が優位となり、その刺激がないと不快な精神的、身体的症状を生じる精神的、身体的、行動的な状態のこと。」
まあ、詳しくは読んでください。
タバコは、世界的な産業になっていて、JTも国内での販売が頭打ちになって、世界市場への展開を模索している。
(JT副社長:無煙たばこを強化、買収も視野-規制の広がりで)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MU2RB31A74E901.html
「世界の無煙たばこの市場規模は136億ドル(約1兆3200億円)と、過去10年で約80%伸びた。一方、同年の紙巻きたばこの市場規模は6969億ドル(約67兆7200億円)で、依然大きな差がある。」
以前、コーヒーについて調べた(浮沈子は、この薬物の依存からは、生涯抜け出せないだろうと諦めている)。
(コーヒー依存)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/01/7235146
「驚くべき統計として、世界でコーヒー豆の貿易額は年間800億ドルを超えており、コーヒーは1次産品としては石油につぐ巨大市場を占めている。」
(全世界で10兆円規模のコーヒー市場に参入できることの意味)
http://blog.goo.ne.jp/ogosaka201211/e/d3c33e8715b12d89a23e6ce5df8eff99
「消費量810万トンのコーヒー(豆)が1キロあたり1200円で小売りされていると仮定すれば、810万トン×1000(Kg)×1200円=9兆7200万円となり、言われている通りコーヒーは10兆円産業ということになります。」
「スターバックスでは1kg1264円で仕入れたコーヒー(豆)を300円×100杯=30000円にしてビジネスをしているのです。」
この計算では、最終消費では遥かに大きい規模になる(20倍以上)。
まあ、コーヒー豆全部がスタバで消費されているわけではない。
あんなもん、世の中になくても何の支障もない代物だが、タバコ産業も負けずにデカイ!。
ダイビングにおいて、喫煙は陸上よりも遥かにリスクが高く、ダイバーのくせにタバコ吸ってるなんて、もってのほかである。
(喫煙とダイビング)
http://www.diversclinic.jp/2/tabako/tabaco2.html
(ダイバーの喫煙について:CCRユーザーの方です)
http://www.geocities.jp/nagareko_diving_team/tech/08_tabaco/index.html
最近は、スタッフ全員がノースモーカーであることをアピールするショップも登場している。
(Breeze石垣島:STAFF)
http://breeze-ishigaki.com/shop/staff.html
「Breeze石垣島のスタッフに喫煙者はいません。
スタッフの吸うタバコの煙で船の上で嫌な思いをした経験ございませんか?
陸も船上もタンクのエアーもおいしい空気をいっぱい吸ってくださいね!」
DANも、この辺りの取り組みに力を入れてはどうだろうか。
(「メディカルチェック」)
http://www.daydream.to/palau/medicalcheck.pdf
この前お世話になったデイドリームのホームページに記載されている、DANのチェックシートだが、13ページにこうある。
「Ⅵ 45 歳以上の方のみの質問です。
1 タバコを吸っていますか?
タバコを吸う:タバコを吸う方は、ダイビング中にトラブルを起こしやすいことが知られています。
タバコは、呼吸機能を低下させ、中耳腔や副鼻腔のスクイズを起こしやすくし、心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクも高くします。米国では、ダイビング中の死亡の代表的な原因にもあげられています。
この項目に「はい」とチェックしても、医師を受診する必要はありませんが、タバコを吸わない方よりダイビング中の身体的なトラブルを起こすリスクが高いことを知っておく必要があります。」
ちょっと甘過ぎのような気がするんだが・・・。
先日届いたDAN会報誌アラートダイバー56号の17ページには、小泉章子医師の喫煙に対する持論が載っている。
「・・・また、今回の相談者でも、喫煙をする方が多く見られました。タバコは心筋梗塞と関連があるといわれます。DAN USAのデータでは、潜水中に死亡したダイバーの15%以上で、タバコが関連していたという結果が出ています。」
「潜水中の事故を減らすためにもダイバーの禁煙は絶対に必要というのが私の持論です。」
浮沈子は、会員なのでホームページからバックナンバーを見ることができるが、55号の14ページにも禁煙のススメが書かれている(元記事は、米国らしい)。
「DAN Americaの会報誌から、興味深い記事を転用してお届けする「海外のAlert Diverより」。この数年の間に掲載された潜水医学に関するQ&Aの中から、日本でも適応する内容を抜粋してご紹介いたします。DAN Americaのドクターや医療情報専門家から、さまざまな知識を学びましょう。」
お手元にある方は、是非ご覧いただきたい。
禁煙は、失敗の連続とも書かれている。
浮沈子を含め、過去に何度も失敗を重ねてようやく禁煙したという方が殆どなのではないか。
「俺は、毎日禁煙してるよ!」
愛煙家の決め台詞だな。
「タバコをやめれば、わずか20分後に心拍数が下がりますが、12時間後、有毒ガスである一酸化炭素の血中レベルは通常に戻ります。肺の機能は改善され、循環系は3ヶ月以内によくなり始めます。1年後、心不全になるリスクは半分に低下します。そして、5年~15年で、脳卒中のリスクは非喫煙者のリスクと同じになるでしょう」
浮沈子は、そろそろ非喫煙者と同じリスクになる。
ダイビングを契機にやめたわけではないが、それも禁煙の動機になるかもしれない。
CCRで濃い目の酸素を吸った方が、タバコの有毒ガスを吸い込むよりも、身体にはいいかも知れない。
しかし、それでもなお、今、こうして喫煙の弊害を調べ、禁煙することのメリットを書いている瞬間も、浮沈子は吸いたい。
ニコチンの精神依存の残存性は、驚くべきものだ。
多くの国家で、未成年者に対する喫煙を法律で禁じている(浮沈子の周囲には、二十歳になったら止めるという未成年喫煙者が多数いましたが:当然、止めた人はいません!)。
成長途上にある未成年者にとって、喫煙はアルコールと共に年齢規制を掛けられている。
法規制があるだけではなく、それだけ毒性が高いことも明らかになっている(アルコールなんて、明らかな精神疾患の因子もあるし)。
ダイビングを契機として、悪しき習慣から足を洗うというのもいいかも知れない。
また、ダイビングショップやサービスでも、禁煙に努め、あるいは、禁煙に向けてのサービスを展開するというのも、社会貢献に繋がるような気がする。
石垣のショップのように、そんな取り組みを始めているところが実際にあるのだ。
(禁煙ショップ&サービス)
http://homepage2.nifty.com/lonver/nonsmoke.htm
へえ、こんなページもあったんだ。
ショップやサービスは、お客さんあっての商売だから、なかなか難しい面もあるだろうが、せめて分煙とか、それが出来なければマナーとしての禁煙とかを促していかなければならないだろう。
しかし、それよりも、何よりも、ダイバー自身が自覚して禁煙に向かって直ちに行動することである。
なあに、何も難しいことはない。
灰皿とライター(カルチェだろうが、ジッポだろうが)を捨てて、吸い残したタバコを燃えるゴミで出せばいいだけだ。
新たな投資は1円も必要ない。
今、この瞬間に出来ることだ。
無論、お金を使って苦痛を和らげたければ、禁煙外来の門を叩くべきだろう。
(禁煙外来)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%81%E7%85%99%E5%A4%96%E6%9D%A5
「禁煙外来で用いられる禁煙薬はあくまでも禁煙補助剤であり、医師や看護師などによるカウンセリング療法が禁煙成功率を上げる鍵となっている。」
「保険適用後に禁煙治療に対して医療費の抑制とする観点から、保険適用取り消しも視野に入れた検証調査が行われた。その調査の中で5回全て受診した場合の1年禁煙継続率は45.7%、途中で治療を辞めた人を含めた全体の1年禁煙率は32.6%とされた。このことから、厚生労働省は、一定の効果を認めた。」
禁煙外来の門を叩いても、7割が脱落しているという状況である。
保険適用になるのは、ある程度以上のヘビースモーカーだが、医療管理下に置かれ、プログラムを終了しても、過半数が脱落する。
これに、1年以上禁煙して、再び喫煙習慣に戻ってしまう人を加えると、さらに成功率は下がることになる。
浮沈子は、世の中からタバコがなくなるなどという安易な期待は持っていない。
喫煙という習慣がコロンブスによって西欧社会にもたらされてから、500年以上も経っているのだ。
(タバコはコロンブスがアメリカから持ち帰ったと聞きましたが、本当ですか。)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1210078202
記事内のJTへのリンクは切れている。
(文化/たばこの歴史世界史:これかな)
http://www.jti.co.jp/tobacco-world/journal/history/world/02_1.html
まあ、どんなにがんばっても、あと100年はなくならないだろうな。
最近は電子タバコという新しい仕掛けで、ニコチンを吸い込むことが始まっている。
有毒で精神依存性が高い薬物だ。
(ニコチン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%81%E3%83%B3
「天然由来の物質であり、即効性の非常に強い神経毒性を持つ。半数致死量は人で0.5mg~1.0mg/kgと猛毒で、その毒性は青酸カリの倍以上に匹敵する。」
「ニコチンは主に中枢神経および末梢に存在するニコチン性アセチルコリン受容体 (nAChR) に作用することで薬理作用を顕すと考えられている。nAChRは中枢神経の広範囲に分布しているため、ニコチンは脳の広い範囲に影響を与える。」
(電子たばこ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93
「専用カートリッジ内の液体を電熱線の発熱により霧状化し、その微粒子を吸引することでたばこの代替とする製品である。」
どうやら、日本たばこ産業が作っているプルームというのは、電子タバコとは似て非なるものらしい。
「日本たばこ産業が、構造が違うニコチン入りの電子たばこを販売しているため、日本国内では欧米でいうところの電子たばこを、「電子たばこ」という表現で販売するのは誤解が生じやすく疑問が残る。」
(プルーム (喫煙具))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A0_(%E5%96%AB%E7%85%99%E5%85%B7)
「タバコ葉を電気により加熱することでニコチンやその他の成分を蒸発させ吸引する喫煙具である。」
「電子たばことの違いは吸引する素材が液体ではなく、たばこ葉および香料を直接加熱・吸引すること」
これは、タバコそのものであるな。
紙巻の毒性を緩和し、副流煙の害を軽減しているに過ぎない。
電子タバコは、液体を加熱して吸うので、ニコチンなしのものもあるらしい。
「電子たばこが喫煙具だけではなく、ニコチン無添加の風味を楽しむカートリッジがあり各種菓子味など未成年者にとっても魅力的な風味があることも議論の対象」とある。
(たばこ消費国トップ10)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304126704580058701508669516#10
「世界保健機関(WTO)の「タバコ・アトラス」によると、世界の成人人口の20%近くが喫煙している。入手可能な直近のデータ(2009年)では、年間のたばこ消費量が5兆9000億本で過去10年間で13%増加。1人当たりの年間たばこ消費本数の国別トップ10を紹介する。」
「順位:国名:本数(年間一人当たり)
1:セルビア:2861
2:ブルガリア:2822
3:ギリシャ:2795
4:ロシア:2786
5:モルドバ:2479
6:ウクライナ:2401
7:スロベニア:2369
8:ボスニア・ヘルツェゴビナ:2278
9:ベラルーシ:2266
10:モンテネグロ:2157」
(The Tobacco Atlas:ここから2014年版ダウンロードできます)
http://www.tobaccoatlas.org/
英語版の51ページから58ページに掛けて、各国の資料がある。
ちなみに我が国の年間消費量(一人当たり)は、1841本である(52ページ)。
国際的に、タバコの害をなくそうというのは確かな流れになりつつある。
この流れは、変えようがないだろう。
健康にいいタバコを発明して、吸えば吸うほど癌が予防できるとか、ニコチンを含まないタバコ(植物)を遺伝子操作で育種するとか、ダイビング後に吸うと減圧症になりにくくなるとか・・・。
メーカーには、そんなハイテクタバコを開発してもらわなければならんだろう。
間違っても、発展途上国に売りさばいて、先進国の売り上げを取り返そうなどとしてはならない。
何度も繰り返して恐縮だが、完全禁煙して10年以上になる浮沈子は、未だに禁断症状(離脱症状)に苦しんでいる。
この記事を書きながら、ネットでタバコを吸うシーンが出てくると、思わず引き込まれてしまう。
ちょっと辛くなってきたので、ここまでにする・・・。
(喫煙率、ついに20%割れ JT調査、推計2059万人:追加)
http://www.asahi.com/articles/ASG7Z5J9GG7ZULFA01T.html?iref=comtop_list_nat_n04
(2014年「全国たばこ喫煙者率調査」、男女計で19.7%:追加:元記事)
http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2014/0730_01.html
タバコの害については、世の中でさんざん指摘されているので、ここでは深くは触れない。
(今後のたばこ対策の基本的考え方について)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/12/s1225-6a.html
10年近く前に厚生労働省の諮問機関が出したペーパーだが、未だに喫煙は容認されていて、喫煙者の健康を蝕み続けているのみならず、受動喫煙を通じて周囲の健康も阻害している。
傷害罪だな。
良くて過失傷害。
浮沈子も、20年余り高額納税者だったので、人様のことをとやかく言うつもりはないが、現在はきっぱりと禁煙し、10年以上継続している。
しかし、ハッキリ言って、今でも吸いたい!。
このブログを打っているこの瞬間も、スパスパやりたい!!。
指が、唇が、あのフィルターの感触を覚えているし、煙を吸い込んで鼻から出す時の鼻腔粘膜が、あの刺激を求めてムズムズしている。
何より、脳細胞が、酸素欠乏状態になった時のえもいわれぬ陶酔感をしっかりと刻み込んでいて、再び喫煙することへの絶ち難い誘惑を繰り返してくる。
喫煙者の快感、そして、禁煙の苦痛は、浮沈子自身が身を持って良く分かっている。
この苦しみから逃れるのは簡単だ。
吸ってしまえばいいのだ。
1本吸ったくらいでは、どうということはないだろう。
2本でも大丈夫だ。
3本だって同じ。
10本でも大した違いはないだろう。
ええい、100本でも、1000本でも持って来い!・・・。
依存症とは、そういうものだ。
薬物依存の場合、それを手に入れるためなら、犯罪も厭わなくなり、生活が破綻する。
喫煙が精神障害を誘発することはないらしいが、一方で依存症は立派な精神疾患である。
(依存症)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87
「精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う特定の行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める抑えがたい欲求である渇望が生じ、その刺激を追い求める行動が優位となり、その刺激がないと不快な精神的、身体的症状を生じる精神的、身体的、行動的な状態のこと。」
まあ、詳しくは読んでください。
タバコは、世界的な産業になっていて、JTも国内での販売が頭打ちになって、世界市場への展開を模索している。
(JT副社長:無煙たばこを強化、買収も視野-規制の広がりで)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MU2RB31A74E901.html
「世界の無煙たばこの市場規模は136億ドル(約1兆3200億円)と、過去10年で約80%伸びた。一方、同年の紙巻きたばこの市場規模は6969億ドル(約67兆7200億円)で、依然大きな差がある。」
以前、コーヒーについて調べた(浮沈子は、この薬物の依存からは、生涯抜け出せないだろうと諦めている)。
(コーヒー依存)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/01/7235146
「驚くべき統計として、世界でコーヒー豆の貿易額は年間800億ドルを超えており、コーヒーは1次産品としては石油につぐ巨大市場を占めている。」
(全世界で10兆円規模のコーヒー市場に参入できることの意味)
http://blog.goo.ne.jp/ogosaka201211/e/d3c33e8715b12d89a23e6ce5df8eff99
「消費量810万トンのコーヒー(豆)が1キロあたり1200円で小売りされていると仮定すれば、810万トン×1000(Kg)×1200円=9兆7200万円となり、言われている通りコーヒーは10兆円産業ということになります。」
「スターバックスでは1kg1264円で仕入れたコーヒー(豆)を300円×100杯=30000円にしてビジネスをしているのです。」
この計算では、最終消費では遥かに大きい規模になる(20倍以上)。
まあ、コーヒー豆全部がスタバで消費されているわけではない。
あんなもん、世の中になくても何の支障もない代物だが、タバコ産業も負けずにデカイ!。
ダイビングにおいて、喫煙は陸上よりも遥かにリスクが高く、ダイバーのくせにタバコ吸ってるなんて、もってのほかである。
(喫煙とダイビング)
http://www.diversclinic.jp/2/tabako/tabaco2.html
(ダイバーの喫煙について:CCRユーザーの方です)
http://www.geocities.jp/nagareko_diving_team/tech/08_tabaco/index.html
最近は、スタッフ全員がノースモーカーであることをアピールするショップも登場している。
(Breeze石垣島:STAFF)
http://breeze-ishigaki.com/shop/staff.html
「Breeze石垣島のスタッフに喫煙者はいません。
スタッフの吸うタバコの煙で船の上で嫌な思いをした経験ございませんか?
陸も船上もタンクのエアーもおいしい空気をいっぱい吸ってくださいね!」
DANも、この辺りの取り組みに力を入れてはどうだろうか。
(「メディカルチェック」)
http://www.daydream.to/palau/medicalcheck.pdf
この前お世話になったデイドリームのホームページに記載されている、DANのチェックシートだが、13ページにこうある。
「Ⅵ 45 歳以上の方のみの質問です。
1 タバコを吸っていますか?
タバコを吸う:タバコを吸う方は、ダイビング中にトラブルを起こしやすいことが知られています。
タバコは、呼吸機能を低下させ、中耳腔や副鼻腔のスクイズを起こしやすくし、心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクも高くします。米国では、ダイビング中の死亡の代表的な原因にもあげられています。
この項目に「はい」とチェックしても、医師を受診する必要はありませんが、タバコを吸わない方よりダイビング中の身体的なトラブルを起こすリスクが高いことを知っておく必要があります。」
ちょっと甘過ぎのような気がするんだが・・・。
先日届いたDAN会報誌アラートダイバー56号の17ページには、小泉章子医師の喫煙に対する持論が載っている。
「・・・また、今回の相談者でも、喫煙をする方が多く見られました。タバコは心筋梗塞と関連があるといわれます。DAN USAのデータでは、潜水中に死亡したダイバーの15%以上で、タバコが関連していたという結果が出ています。」
「潜水中の事故を減らすためにもダイバーの禁煙は絶対に必要というのが私の持論です。」
浮沈子は、会員なのでホームページからバックナンバーを見ることができるが、55号の14ページにも禁煙のススメが書かれている(元記事は、米国らしい)。
「DAN Americaの会報誌から、興味深い記事を転用してお届けする「海外のAlert Diverより」。この数年の間に掲載された潜水医学に関するQ&Aの中から、日本でも適応する内容を抜粋してご紹介いたします。DAN Americaのドクターや医療情報専門家から、さまざまな知識を学びましょう。」
お手元にある方は、是非ご覧いただきたい。
禁煙は、失敗の連続とも書かれている。
浮沈子を含め、過去に何度も失敗を重ねてようやく禁煙したという方が殆どなのではないか。
「俺は、毎日禁煙してるよ!」
愛煙家の決め台詞だな。
「タバコをやめれば、わずか20分後に心拍数が下がりますが、12時間後、有毒ガスである一酸化炭素の血中レベルは通常に戻ります。肺の機能は改善され、循環系は3ヶ月以内によくなり始めます。1年後、心不全になるリスクは半分に低下します。そして、5年~15年で、脳卒中のリスクは非喫煙者のリスクと同じになるでしょう」
浮沈子は、そろそろ非喫煙者と同じリスクになる。
ダイビングを契機にやめたわけではないが、それも禁煙の動機になるかもしれない。
CCRで濃い目の酸素を吸った方が、タバコの有毒ガスを吸い込むよりも、身体にはいいかも知れない。
しかし、それでもなお、今、こうして喫煙の弊害を調べ、禁煙することのメリットを書いている瞬間も、浮沈子は吸いたい。
ニコチンの精神依存の残存性は、驚くべきものだ。
多くの国家で、未成年者に対する喫煙を法律で禁じている(浮沈子の周囲には、二十歳になったら止めるという未成年喫煙者が多数いましたが:当然、止めた人はいません!)。
成長途上にある未成年者にとって、喫煙はアルコールと共に年齢規制を掛けられている。
法規制があるだけではなく、それだけ毒性が高いことも明らかになっている(アルコールなんて、明らかな精神疾患の因子もあるし)。
ダイビングを契機として、悪しき習慣から足を洗うというのもいいかも知れない。
また、ダイビングショップやサービスでも、禁煙に努め、あるいは、禁煙に向けてのサービスを展開するというのも、社会貢献に繋がるような気がする。
石垣のショップのように、そんな取り組みを始めているところが実際にあるのだ。
(禁煙ショップ&サービス)
http://homepage2.nifty.com/lonver/nonsmoke.htm
へえ、こんなページもあったんだ。
ショップやサービスは、お客さんあっての商売だから、なかなか難しい面もあるだろうが、せめて分煙とか、それが出来なければマナーとしての禁煙とかを促していかなければならないだろう。
しかし、それよりも、何よりも、ダイバー自身が自覚して禁煙に向かって直ちに行動することである。
なあに、何も難しいことはない。
灰皿とライター(カルチェだろうが、ジッポだろうが)を捨てて、吸い残したタバコを燃えるゴミで出せばいいだけだ。
新たな投資は1円も必要ない。
今、この瞬間に出来ることだ。
無論、お金を使って苦痛を和らげたければ、禁煙外来の門を叩くべきだろう。
(禁煙外来)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%81%E7%85%99%E5%A4%96%E6%9D%A5
「禁煙外来で用いられる禁煙薬はあくまでも禁煙補助剤であり、医師や看護師などによるカウンセリング療法が禁煙成功率を上げる鍵となっている。」
「保険適用後に禁煙治療に対して医療費の抑制とする観点から、保険適用取り消しも視野に入れた検証調査が行われた。その調査の中で5回全て受診した場合の1年禁煙継続率は45.7%、途中で治療を辞めた人を含めた全体の1年禁煙率は32.6%とされた。このことから、厚生労働省は、一定の効果を認めた。」
禁煙外来の門を叩いても、7割が脱落しているという状況である。
保険適用になるのは、ある程度以上のヘビースモーカーだが、医療管理下に置かれ、プログラムを終了しても、過半数が脱落する。
これに、1年以上禁煙して、再び喫煙習慣に戻ってしまう人を加えると、さらに成功率は下がることになる。
浮沈子は、世の中からタバコがなくなるなどという安易な期待は持っていない。
喫煙という習慣がコロンブスによって西欧社会にもたらされてから、500年以上も経っているのだ。
(タバコはコロンブスがアメリカから持ち帰ったと聞きましたが、本当ですか。)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1210078202
記事内のJTへのリンクは切れている。
(文化/たばこの歴史世界史:これかな)
http://www.jti.co.jp/tobacco-world/journal/history/world/02_1.html
まあ、どんなにがんばっても、あと100年はなくならないだろうな。
最近は電子タバコという新しい仕掛けで、ニコチンを吸い込むことが始まっている。
有毒で精神依存性が高い薬物だ。
(ニコチン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%81%E3%83%B3
「天然由来の物質であり、即効性の非常に強い神経毒性を持つ。半数致死量は人で0.5mg~1.0mg/kgと猛毒で、その毒性は青酸カリの倍以上に匹敵する。」
「ニコチンは主に中枢神経および末梢に存在するニコチン性アセチルコリン受容体 (nAChR) に作用することで薬理作用を顕すと考えられている。nAChRは中枢神経の広範囲に分布しているため、ニコチンは脳の広い範囲に影響を与える。」
(電子たばこ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93
「専用カートリッジ内の液体を電熱線の発熱により霧状化し、その微粒子を吸引することでたばこの代替とする製品である。」
どうやら、日本たばこ産業が作っているプルームというのは、電子タバコとは似て非なるものらしい。
「日本たばこ産業が、構造が違うニコチン入りの電子たばこを販売しているため、日本国内では欧米でいうところの電子たばこを、「電子たばこ」という表現で販売するのは誤解が生じやすく疑問が残る。」
(プルーム (喫煙具))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A0_(%E5%96%AB%E7%85%99%E5%85%B7)
「タバコ葉を電気により加熱することでニコチンやその他の成分を蒸発させ吸引する喫煙具である。」
「電子たばことの違いは吸引する素材が液体ではなく、たばこ葉および香料を直接加熱・吸引すること」
これは、タバコそのものであるな。
紙巻の毒性を緩和し、副流煙の害を軽減しているに過ぎない。
電子タバコは、液体を加熱して吸うので、ニコチンなしのものもあるらしい。
「電子たばこが喫煙具だけではなく、ニコチン無添加の風味を楽しむカートリッジがあり各種菓子味など未成年者にとっても魅力的な風味があることも議論の対象」とある。
(たばこ消費国トップ10)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304126704580058701508669516#10
「世界保健機関(WTO)の「タバコ・アトラス」によると、世界の成人人口の20%近くが喫煙している。入手可能な直近のデータ(2009年)では、年間のたばこ消費量が5兆9000億本で過去10年間で13%増加。1人当たりの年間たばこ消費本数の国別トップ10を紹介する。」
「順位:国名:本数(年間一人当たり)
1:セルビア:2861
2:ブルガリア:2822
3:ギリシャ:2795
4:ロシア:2786
5:モルドバ:2479
6:ウクライナ:2401
7:スロベニア:2369
8:ボスニア・ヘルツェゴビナ:2278
9:ベラルーシ:2266
10:モンテネグロ:2157」
(The Tobacco Atlas:ここから2014年版ダウンロードできます)
http://www.tobaccoatlas.org/
英語版の51ページから58ページに掛けて、各国の資料がある。
ちなみに我が国の年間消費量(一人当たり)は、1841本である(52ページ)。
国際的に、タバコの害をなくそうというのは確かな流れになりつつある。
この流れは、変えようがないだろう。
健康にいいタバコを発明して、吸えば吸うほど癌が予防できるとか、ニコチンを含まないタバコ(植物)を遺伝子操作で育種するとか、ダイビング後に吸うと減圧症になりにくくなるとか・・・。
メーカーには、そんなハイテクタバコを開発してもらわなければならんだろう。
間違っても、発展途上国に売りさばいて、先進国の売り上げを取り返そうなどとしてはならない。
何度も繰り返して恐縮だが、完全禁煙して10年以上になる浮沈子は、未だに禁断症状(離脱症状)に苦しんでいる。
この記事を書きながら、ネットでタバコを吸うシーンが出てくると、思わず引き込まれてしまう。
ちょっと辛くなってきたので、ここまでにする・・・。
(喫煙率、ついに20%割れ JT調査、推計2059万人:追加)
http://www.asahi.com/articles/ASG7Z5J9GG7ZULFA01T.html?iref=comtop_list_nat_n04
(2014年「全国たばこ喫煙者率調査」、男女計で19.7%:追加:元記事)
http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2014/0730_01.html
断酒 ― 2014年07月30日 18:09
断酒
禁酒としなかったのには訳がある。
(禁酒と断酒の違いを教えて下さい。)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1364460533
「●禁酒
・誰かに酒を飲まさないようにすること。
・飲まないように我慢していること。
・酒を飲む人から酒をとり上げようとすること。
・酒のない社会を目指すこと。」
「●断酒とは?
・自分自身で、酒を飲まない生き方を選び、実践すること。
・酒を飲まないだけでなく、より心の健康を増進させる(成長する)為の努力を通じ、アルコール依存症から回復していくこと。
・素面で生きること。
・世の中の酒は他人の問題だからとやかく言わないが、自分は酒を飲まない生き方を目指すこと。」
「*禁酒は、酒との闘い、断酒は、アルコール依存症者自身の生き方の選択。
・人は変えられないが、自分の生き方は自分の努力で変えられるものです。」
あのー、浮沈子は、人の努力で自分の生き方を変えてもらいたいんですけど・・・。
まあいい。
人類の歴史は、酒の歴史でもある。
(酒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%92
タバコと違って、大っぴらに効用が謳われている。
「効用:
・食欲の増進
・ストレスの解消
・コミュニケーションの円滑化
・疲労回復
・健康食品として
・死亡率の低下」
最後の死亡率の低下というのは、摂取量との兼ね合いがある。
「日本人の場合全くアルコールを飲まない場合よりも、一日あたりの純アルコール摂取量として、男性の場合10~19g、女性の場合微量~9gのアルコールを習慣的に摂取した場合に最も死亡率が低くなるとされている。しかし同時に、これらの量を超えてアルコールを摂取し続けた場合は、全くアルコールを飲まないのと同程度か、それ以上に死亡率が高まるとしている」
10gのアルコールというのは、ビールだとコップに2杯だ。
ワインだったら、グラスに3分の1くらいか。
うーん、そんなんで飲んだ気にはなれない。
アルコールの害については、今さらいうまでもない。
「健康への影響など:
・アルコール依存症
・がん
・肝臓ガン
・食道ガン
・喉頭ガン
・喉頭(コウトウ)がん
・口腔ガン
・脳の萎縮」
脳の萎縮については、先ほどの少量の飲酒を継続的に行っている人にも、リスクが確認されているようだ。
「「適量」と呼ばれている少量の飲酒であっても、脳の萎縮が起こり、過去の飲酒の影響も残り続けるため、脳の萎縮という観点から見れば、アルコールに適量は存在しないと言える。」
社会的なリスクについても、指摘されている。
「飲酒と社会:
・暴力
・自殺
・飲酒運転による死亡事故
・貧困
・社会的損失」
「飲酒が全面的に禁止されることは少ないが、一部の厳格なイスラム教国は例外である。」
「またアメリカには、飲料用アルコールの製造・販売等を禁止するアメリカ合衆国憲法の改正(俗に言う「禁酒法」)が行われていた時期があり、現在でも一部の郡では酒類の販売が禁じられている。」
「日曜日に酒類の販売を制限している自治体も多い。」
「また、インディアン居留地ではアルコール依存症を防止するために飲酒を禁じているところがある。」
「また、欧米などでは、屋外や公園などの公共の場所での飲酒を禁止しているところが多く、日本の花見のような光景は見られないことが多い。」
まあ、どんな社会でも、度を越して羽目を外すことを許容するのは限られている。
「イスラム教国の例:
・サウジアラビア
飲酒・所持・国内持込は全面禁止。
・クウェート/イラン/イエメン/イラク/アフガニスタン
飲酒は全面禁止。
・アラブ首長国連邦
内務省の許可の下、非イスラム教徒の外国人のみが、飲酒を認められる。
・パキスタン/バングラデシュ
イスラム教徒の飲酒は禁止であるが、一部の飲食店などは飲酒が認められる。」
しかし、こんな記述もある。
「イスラム教では、飲酒の効用は認めつつも酒癖や健康上などの弊害が多いことを理由に飲酒を避けることを強く推奨していることに加え、酒に酔って神にお祈りすることを禁じているため1日に5回もの頻繁なお祈りが義務付けられたムスリムには酔っている時間がなく、飲酒はできないことになっている。」
「しかし実際には多くのムスリムが適度な飲酒なら問題ないと考え、飲酒を楽しんでおり、事実上黙認されている。イスラム世界でもキリスト教徒やユダヤ教徒による醸造は許されたことが多く、飲酒文化が保持された。」
「古来より飲酒をするムスリムは非常に多く、ルバイヤートなどでは飲酒の快楽が述べられている。現代でも比較的世俗的なトルコ、エジプトなどでは飲酒が盛んである。」
(イスラム教における飲酒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E6%95%99%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E9%A3%B2%E9%85%92
「イスラム法では飲酒を明確に禁止している。」
「公式行事での飲酒は避けることが多く、日本を訪問したイスラム圏の元首や王族などが皇居で催される宮中晩餐会や午餐会での乾杯の際用いられる通常ならシャンパンを同色のりんごジュースやジンジャーエールなどで代用することもしばしばあるという。」
ただし、実体としては飲酒の習慣はあるようだ。
宗教が絡むというのも、酒に特有の現象だな。
脳を麻痺させ、理性を失わせるアルコールというのは、神に対する冒涜なのだろう。
一神教では、その傾向が特に強いのかもしれない。
「酒は、神が人間に与えた麻薬だ」
先日、ルマン観戦でご一緒した方が、そう喝破されていた。
人間は、放っておくと、どんどん賢くなって、神に近づいてしまうので、酒を与えて適度にボーっとさせておくのだという。
浮沈子が酒を止めたのは、大深度潜水(概ね40m以上)の直後のビールを禁じられたからだが、その時だけ止めて、他では飲むという器用なことは出来ないと思った。
だって、一番飲みたいときに飲めないんだから・・・。
基本的に意志が弱いので、どうせなら、スパッと止めてしまった方が守れそうな気がしたからということもある。
そのころは、既にアルコール依存になり始めていたということもある。
アルコール依存の症状の一つに、酒を飲まないという選択肢がなくなるということがあるらしい。
(アルコール依存症)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87
「一見すると本人が自分の判断で好んで飲酒しているようにみえ、患者自身も好きで飲酒していると錯誤している場合が多い。」
「アルコール依存症になった者が元の機会飲酒者に戻ることはほとんど不可能であるとされている。」
「たとえ身体的に回復し、数年にわたる断酒を続けていた者であっても、一口でも飲酒をすることによって再び元の強迫的飲酒状態に戻ってしまう可能性が非常に高い。」
「そして、進行性の病気であるためにさらに症状は悪化していく。つまり、悪くなることはあっても、決して良くなることはない病気であり、寛解(かんかい)の状態で再発つまり再飲酒をどう防ぐかが治療の重要な点となる。」
浮沈子は、生きている限り酒を飲むことはないだろう。
酒のない人生である。
しかし、それは、人生のない酒より余程いい。
「一度アルコール依存症になってしまうと治療は難しく、根本的な治療法といえるものは現在のところ断酒しかない。」
「しかし本人の意志だけでは解決することが難しいため、周囲の理解や協力が求められる。重度の場合は入院治療が必要な場合もある。」
「但しそれでも完治することはない不治の疾患であり、断酒をして何年、十何年と長期間経過した後でも、たった一口酒を飲んだだけで、遅かれ早かれまた以前の状態に逆戻りしてしまう。」
「そのため、治療によって回復した場合であっても、アルコール依存症者が一生涯断酒を続けることは大変な困難を要する。」
こんな記述もある。
「2002年に国立アルコール乱用・依存症研究所は、アルコール依存症の会合に参加する4,422人のグループに対して調査を行った。」
「結果、1年後には一部の人々は低リスクの飲酒を行っていると著者は判断したが、いまだ25.5パーセントのグループは治療を受けていた。」
「詳細は25パーセントはいまだ(はいまだ)依存のまま、27.3パーセントはいくつか症状が残っており部分寛解、11.8パーセントは症状が現れることなく飲酒を続けている(飲酒は再発可能性を増加させる)、35.9パーセント完全回復、17.7パーセントは低リスク飲酒者、18.2パーセントは断酒」
35.9パーセントの完全回復というのは、何を指しているのかが不明だが、再発可能性を孕んだままでいるということなのだろうか。
(2001-2002 Survey Finds That Many Recover From Alcoholism:元ネタ)
http://www.nih.gov/news/pr/jan2005/niaaa-18.htm
NIHだったんですねえ。
久里浜辺りかと思ったんだが。
(久里浜医療センター)
http://www.kurihama-med.jp/
これを見ると、浮沈子はネット依存の方が問題かもしれないな。
さて、ダイビングとアルコールの関係については、水中という環境が危険であるために、判断力を失わせる薬物は禁忌であり、ダイビング前のアルコールは当然禁じられている。
これについては、知る限りのどの指導団体でも同じだ。
前日の飲酒も控えめにすることが求められている。
なぜなら、水中では体内に残っているアルコールの効果が増幅されることが知られているからだ。
ダイビングの前の晩は飲まないのがよろしい。
(アルコールの処理にかかる時間:キリンビールのページ)
http://www.kirin.co.jp/csv/arp/fundamental/time.html
「アルコールの処理にかかる時間=純アルコール量/肝臓の処理能力」
「一般に体重60~70kgの人のアルコール処理能力は1時間に純アルコール約5gとされています。」
「WHO(世界保健機関)では、10gの純アルコールを含む飲料を1ドリンクと定義しています。」
「1ドリンク相当量:
ビール 中びん1/2本
日本酒 1/2合
ウイスキー シングル1杯」
つまり、単純計算で、中びん1本のビールが醒めるまでに、2時間かかるというわけだ。
人によっても違ってくるが、中びん4本飲んだら、翌朝にはまだ残っていると考えた方がいいだろう。
(原因&誘因)
http://www.divingmedicine.jp/decompression/d_2.html
このページは、もっと厳しい。
「前夜ビール1本または日本酒1合以上飲んでいたらチェック」
2ドリンクで8時間空けてもリスクファクターになるというこどだ。
4本(8ドリンク)なんて飲んだら、ダイビング中止であるな。
(減圧症)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%9B%E5%9C%A7%E7%97%87
「予防:
潜水直後の飲酒は減圧症を招きやすく危険である。」
あれま、ちゃんと書いてあるな。
(ダイバーの飲酒について)
http://www.geocities.jp/nagareko_diving_team/tech/07_alcol/index.html
前回も登場の、CCRユーザーの方である。
この記事を読むと、ダイビング前後の飲酒なんて有り得ないことが分かる。
まあ、それでなくても窒素酔い(最近は、ガス昏睡という)があるので、水中でアルコールの影響があるなんて事は絶対に避けるべきだ。
もう、自殺行為である。
脱水とか考えれば、コーヒーだってダメなんだろうが、こればっかりは浮沈子は止められない。
(WHO世界戦略への経緯)
http://alhonet.jp/who.html
「WHO世界戦略への経緯:
・2003年頃
「たばこ規制枠組み条約」が採択。
アルコールをめぐる議論が高まり始める。
・2004年
「世界で250万人がアルコールに関連した原因で死亡(32万人の15~29歳の若者を含む)」「アルコールの有害な使用は、すべての死の3.8%を占める」とする報告書がまとまる。
・2005年
有効な戦略とプログラムを、開発・実施・評価するよう加盟国に要請
・時期不明
スウェーデンが他の42カ国とともに、たばこのような国際基準を求める共同提案を提出。
・時期不明
危機感をもった世界の大手酒類メーカーは連携して、自主規制による対策で十分であるとアピール。
・時期不明
アメリカ・日本など消極派の反対で、国際基準づくりには合意が得られず
・2010年5月
「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」採択」
広告規制や、安売りや飲み放題の禁止や制限、課税や最低価格制による酒の価格引き上げなどを含む、幅広い対策を求めている。
(アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略)
http://alhonet.jp/pdf/who2010.pdf
この中に、興味深い記述があった(36ページから37ページ)。
「強力なエビデンスの裏付けがあるのは、血中アルコール濃度に十分な制限(0.02%-0.05%)を加えることが飲酒運転による大事故の低減に効果的であるという結論である。徹底した無作為の呼気検査、つまり一つは定期的に警官が運転者を無作為に停止させ、血中アルコール濃度の検査を行なうもの、もう一つは、選択的呼気検査というもので、自動車を停止させて飲酒運転の疑いがある運転手には呼気検査を受けさせるというものだが、この二つの方法により、アルコール関連の傷害や死亡事故は低減している。」
我が国では普通に行われている取締りである。
「血中アルコール濃度が許容値を超えた場合は行政により運転免許を停止し、アルコールに関連した病気には強制的にカウンセリングや治療を受けさせ、飲酒運転常習者にはイグニション・インターロックを使用させることなどが、ある程度有効であるという。」
インターロックかあ。
CCRにアルコールセンサーを付ければ、可能だな。
タイプAとかいって、PADI指定のモデルを作ってはどうか(Aはもちろん、アルコールのA!)。
プレブリージングをせずに潜ってしまったら、元も子もないんだが。
まあ、どうでもいいんですが。
ダイビングとアルコールは、飲酒の習慣がある方にとっては、切っても切れない関係にあるといえる。
潜る前はともかく、エキジット後の一杯がなければ、一体何のために潜るのか。
浮沈子は、3年半前まで、それを楽しみに潜ってきただけに、その気持ちは良く分かる。
そして、ダイビングを続ける楽しみと、アルコールを身体に入れて、脳やその他の臓器の機能を阻害し続けることを量りに掛けて、ダイビングを選んだ。
もう二度と、機会飲酒の習慣には戻れない。
きっと、再び依存状態になってしまって、ダイビングが出来ないことになるだろう。
喫煙と違って、浮沈子の場合は断酒を継続することに、それほど苦痛は感じないで済んでいる。
重症化する前に、依存を断ち切ったのが良かったかもしれない。
ちなみに、断酒する直前は、休肝日を週に1日設けて、それ以外は、生ビールの中ジョッキーを2杯、晩酌に飲むという状態だった。
職場の飲み会を月に1回行う以外は、殆ど飲まなかったのだが、毎日1杯飲むようになり、それが2杯になった時、ヤバイと気付いた(その店には、それ以後は行っていません)。
ダイビングをきっかけにはしたが、依存の兆候を自覚できていたことが大きい。
タイのピピで、アイリッシュコーヒーに結構なアルコールが入っていたのを飲んだ以外(飲んでから気付いたんですが)、1滴のアルコールも飲まずに過ごしている。
スーパーやコンビニで酒類のコーナーを通り過ぎても、誘惑に駆られるようなことはない(この時期、たまに、缶ビールが気になることはありますが)。
テレビを見なくなったというのも大きいかもしれないな。
酒類の広告は、時期的に集中して流れていたような記憶がある。
しかし、タバコと違って、アルコールの規制は、困難を極める。
有史以来、人類の絶ち難い欲求を、適正にコントロールするというのは社会の課題であり続けている。
しかし、ことダイビングについては、自動車運転と同様の規制が求められているといえよう。
法的規制が掛かるのを待つのか、自主的に規制していくのか。
それは、禁酒ではなく、断酒であるべきだと浮沈子は考えている。
ダイビングの現場にいて、他人が酒を飲むのを止めさせるということは、なかなか困難である。
ただ、明らかにアルコールの影響が残っているダイバーとバディを組まされそうになったら、浮沈子は(ご本人ではなく)ショップやサービスに理由を言って、丁重にお断りしようと思っている。
そういうダイバーを、ショップやサービスがどう扱うべきかというところから、問題提起しつつ対応を促していくしかあるまい。
幸い、去年から今年前半に掛けての一連のオープンサーキットダイビングでは、そのような状況に陥ることはなかった。
自己責任を果たすには、自己管理を行うしかない。
自己管理は、自己点検と自己評価、そして明確な自己基準に従った自己決定あるのみである。
浮沈子にも、いつかダイビングを諦める時が来る。
何度も書くが、ダイバーの末路は2つしかない。
ダイバー止めるか、人間止めるか。
ダイバーの末路として、穏やかに引退する日が来ることは覚悟している。
その朝、もう二度と再びフィンを履くことはないと自ら決める時、一点の曇りなく清明に決断できるかどうか。
うじうじして、迷いに迷って、思い切り後ろ髪引かれながら(前髪、ないんで・・・)、いやいや諦めることになるのか。
まあ、後の方だろうな。
でも、それでも、誰に迷惑を掛けることもなく、無事に引退できればそれでいい。
酒に酔って判断を誤ったり、環状動脈詰まって心臓が止まったり、頭の中の血管が詰まったり、破れたりして、他のダイバーを巻き込んで事故って引退するよりは100倍いい。
それまでのダイビングの一つ一つを大切にしていきたい。
禁酒としなかったのには訳がある。
(禁酒と断酒の違いを教えて下さい。)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1364460533
「●禁酒
・誰かに酒を飲まさないようにすること。
・飲まないように我慢していること。
・酒を飲む人から酒をとり上げようとすること。
・酒のない社会を目指すこと。」
「●断酒とは?
・自分自身で、酒を飲まない生き方を選び、実践すること。
・酒を飲まないだけでなく、より心の健康を増進させる(成長する)為の努力を通じ、アルコール依存症から回復していくこと。
・素面で生きること。
・世の中の酒は他人の問題だからとやかく言わないが、自分は酒を飲まない生き方を目指すこと。」
「*禁酒は、酒との闘い、断酒は、アルコール依存症者自身の生き方の選択。
・人は変えられないが、自分の生き方は自分の努力で変えられるものです。」
あのー、浮沈子は、人の努力で自分の生き方を変えてもらいたいんですけど・・・。
まあいい。
人類の歴史は、酒の歴史でもある。
(酒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%92
タバコと違って、大っぴらに効用が謳われている。
「効用:
・食欲の増進
・ストレスの解消
・コミュニケーションの円滑化
・疲労回復
・健康食品として
・死亡率の低下」
最後の死亡率の低下というのは、摂取量との兼ね合いがある。
「日本人の場合全くアルコールを飲まない場合よりも、一日あたりの純アルコール摂取量として、男性の場合10~19g、女性の場合微量~9gのアルコールを習慣的に摂取した場合に最も死亡率が低くなるとされている。しかし同時に、これらの量を超えてアルコールを摂取し続けた場合は、全くアルコールを飲まないのと同程度か、それ以上に死亡率が高まるとしている」
10gのアルコールというのは、ビールだとコップに2杯だ。
ワインだったら、グラスに3分の1くらいか。
うーん、そんなんで飲んだ気にはなれない。
アルコールの害については、今さらいうまでもない。
「健康への影響など:
・アルコール依存症
・がん
・肝臓ガン
・食道ガン
・喉頭ガン
・喉頭(コウトウ)がん
・口腔ガン
・脳の萎縮」
脳の萎縮については、先ほどの少量の飲酒を継続的に行っている人にも、リスクが確認されているようだ。
「「適量」と呼ばれている少量の飲酒であっても、脳の萎縮が起こり、過去の飲酒の影響も残り続けるため、脳の萎縮という観点から見れば、アルコールに適量は存在しないと言える。」
社会的なリスクについても、指摘されている。
「飲酒と社会:
・暴力
・自殺
・飲酒運転による死亡事故
・貧困
・社会的損失」
「飲酒が全面的に禁止されることは少ないが、一部の厳格なイスラム教国は例外である。」
「またアメリカには、飲料用アルコールの製造・販売等を禁止するアメリカ合衆国憲法の改正(俗に言う「禁酒法」)が行われていた時期があり、現在でも一部の郡では酒類の販売が禁じられている。」
「日曜日に酒類の販売を制限している自治体も多い。」
「また、インディアン居留地ではアルコール依存症を防止するために飲酒を禁じているところがある。」
「また、欧米などでは、屋外や公園などの公共の場所での飲酒を禁止しているところが多く、日本の花見のような光景は見られないことが多い。」
まあ、どんな社会でも、度を越して羽目を外すことを許容するのは限られている。
「イスラム教国の例:
・サウジアラビア
飲酒・所持・国内持込は全面禁止。
・クウェート/イラン/イエメン/イラク/アフガニスタン
飲酒は全面禁止。
・アラブ首長国連邦
内務省の許可の下、非イスラム教徒の外国人のみが、飲酒を認められる。
・パキスタン/バングラデシュ
イスラム教徒の飲酒は禁止であるが、一部の飲食店などは飲酒が認められる。」
しかし、こんな記述もある。
「イスラム教では、飲酒の効用は認めつつも酒癖や健康上などの弊害が多いことを理由に飲酒を避けることを強く推奨していることに加え、酒に酔って神にお祈りすることを禁じているため1日に5回もの頻繁なお祈りが義務付けられたムスリムには酔っている時間がなく、飲酒はできないことになっている。」
「しかし実際には多くのムスリムが適度な飲酒なら問題ないと考え、飲酒を楽しんでおり、事実上黙認されている。イスラム世界でもキリスト教徒やユダヤ教徒による醸造は許されたことが多く、飲酒文化が保持された。」
「古来より飲酒をするムスリムは非常に多く、ルバイヤートなどでは飲酒の快楽が述べられている。現代でも比較的世俗的なトルコ、エジプトなどでは飲酒が盛んである。」
(イスラム教における飲酒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E6%95%99%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E9%A3%B2%E9%85%92
「イスラム法では飲酒を明確に禁止している。」
「公式行事での飲酒は避けることが多く、日本を訪問したイスラム圏の元首や王族などが皇居で催される宮中晩餐会や午餐会での乾杯の際用いられる通常ならシャンパンを同色のりんごジュースやジンジャーエールなどで代用することもしばしばあるという。」
ただし、実体としては飲酒の習慣はあるようだ。
宗教が絡むというのも、酒に特有の現象だな。
脳を麻痺させ、理性を失わせるアルコールというのは、神に対する冒涜なのだろう。
一神教では、その傾向が特に強いのかもしれない。
「酒は、神が人間に与えた麻薬だ」
先日、ルマン観戦でご一緒した方が、そう喝破されていた。
人間は、放っておくと、どんどん賢くなって、神に近づいてしまうので、酒を与えて適度にボーっとさせておくのだという。
浮沈子が酒を止めたのは、大深度潜水(概ね40m以上)の直後のビールを禁じられたからだが、その時だけ止めて、他では飲むという器用なことは出来ないと思った。
だって、一番飲みたいときに飲めないんだから・・・。
基本的に意志が弱いので、どうせなら、スパッと止めてしまった方が守れそうな気がしたからということもある。
そのころは、既にアルコール依存になり始めていたということもある。
アルコール依存の症状の一つに、酒を飲まないという選択肢がなくなるということがあるらしい。
(アルコール依存症)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87
「一見すると本人が自分の判断で好んで飲酒しているようにみえ、患者自身も好きで飲酒していると錯誤している場合が多い。」
「アルコール依存症になった者が元の機会飲酒者に戻ることはほとんど不可能であるとされている。」
「たとえ身体的に回復し、数年にわたる断酒を続けていた者であっても、一口でも飲酒をすることによって再び元の強迫的飲酒状態に戻ってしまう可能性が非常に高い。」
「そして、進行性の病気であるためにさらに症状は悪化していく。つまり、悪くなることはあっても、決して良くなることはない病気であり、寛解(かんかい)の状態で再発つまり再飲酒をどう防ぐかが治療の重要な点となる。」
浮沈子は、生きている限り酒を飲むことはないだろう。
酒のない人生である。
しかし、それは、人生のない酒より余程いい。
「一度アルコール依存症になってしまうと治療は難しく、根本的な治療法といえるものは現在のところ断酒しかない。」
「しかし本人の意志だけでは解決することが難しいため、周囲の理解や協力が求められる。重度の場合は入院治療が必要な場合もある。」
「但しそれでも完治することはない不治の疾患であり、断酒をして何年、十何年と長期間経過した後でも、たった一口酒を飲んだだけで、遅かれ早かれまた以前の状態に逆戻りしてしまう。」
「そのため、治療によって回復した場合であっても、アルコール依存症者が一生涯断酒を続けることは大変な困難を要する。」
こんな記述もある。
「2002年に国立アルコール乱用・依存症研究所は、アルコール依存症の会合に参加する4,422人のグループに対して調査を行った。」
「結果、1年後には一部の人々は低リスクの飲酒を行っていると著者は判断したが、いまだ25.5パーセントのグループは治療を受けていた。」
「詳細は25パーセントはいまだ(はいまだ)依存のまま、27.3パーセントはいくつか症状が残っており部分寛解、11.8パーセントは症状が現れることなく飲酒を続けている(飲酒は再発可能性を増加させる)、35.9パーセント完全回復、17.7パーセントは低リスク飲酒者、18.2パーセントは断酒」
35.9パーセントの完全回復というのは、何を指しているのかが不明だが、再発可能性を孕んだままでいるということなのだろうか。
(2001-2002 Survey Finds That Many Recover From Alcoholism:元ネタ)
http://www.nih.gov/news/pr/jan2005/niaaa-18.htm
NIHだったんですねえ。
久里浜辺りかと思ったんだが。
(久里浜医療センター)
http://www.kurihama-med.jp/
これを見ると、浮沈子はネット依存の方が問題かもしれないな。
さて、ダイビングとアルコールの関係については、水中という環境が危険であるために、判断力を失わせる薬物は禁忌であり、ダイビング前のアルコールは当然禁じられている。
これについては、知る限りのどの指導団体でも同じだ。
前日の飲酒も控えめにすることが求められている。
なぜなら、水中では体内に残っているアルコールの効果が増幅されることが知られているからだ。
ダイビングの前の晩は飲まないのがよろしい。
(アルコールの処理にかかる時間:キリンビールのページ)
http://www.kirin.co.jp/csv/arp/fundamental/time.html
「アルコールの処理にかかる時間=純アルコール量/肝臓の処理能力」
「一般に体重60~70kgの人のアルコール処理能力は1時間に純アルコール約5gとされています。」
「WHO(世界保健機関)では、10gの純アルコールを含む飲料を1ドリンクと定義しています。」
「1ドリンク相当量:
ビール 中びん1/2本
日本酒 1/2合
ウイスキー シングル1杯」
つまり、単純計算で、中びん1本のビールが醒めるまでに、2時間かかるというわけだ。
人によっても違ってくるが、中びん4本飲んだら、翌朝にはまだ残っていると考えた方がいいだろう。
(原因&誘因)
http://www.divingmedicine.jp/decompression/d_2.html
このページは、もっと厳しい。
「前夜ビール1本または日本酒1合以上飲んでいたらチェック」
2ドリンクで8時間空けてもリスクファクターになるというこどだ。
4本(8ドリンク)なんて飲んだら、ダイビング中止であるな。
(減圧症)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%9B%E5%9C%A7%E7%97%87
「予防:
潜水直後の飲酒は減圧症を招きやすく危険である。」
あれま、ちゃんと書いてあるな。
(ダイバーの飲酒について)
http://www.geocities.jp/nagareko_diving_team/tech/07_alcol/index.html
前回も登場の、CCRユーザーの方である。
この記事を読むと、ダイビング前後の飲酒なんて有り得ないことが分かる。
まあ、それでなくても窒素酔い(最近は、ガス昏睡という)があるので、水中でアルコールの影響があるなんて事は絶対に避けるべきだ。
もう、自殺行為である。
脱水とか考えれば、コーヒーだってダメなんだろうが、こればっかりは浮沈子は止められない。
(WHO世界戦略への経緯)
http://alhonet.jp/who.html
「WHO世界戦略への経緯:
・2003年頃
「たばこ規制枠組み条約」が採択。
アルコールをめぐる議論が高まり始める。
・2004年
「世界で250万人がアルコールに関連した原因で死亡(32万人の15~29歳の若者を含む)」「アルコールの有害な使用は、すべての死の3.8%を占める」とする報告書がまとまる。
・2005年
有効な戦略とプログラムを、開発・実施・評価するよう加盟国に要請
・時期不明
スウェーデンが他の42カ国とともに、たばこのような国際基準を求める共同提案を提出。
・時期不明
危機感をもった世界の大手酒類メーカーは連携して、自主規制による対策で十分であるとアピール。
・時期不明
アメリカ・日本など消極派の反対で、国際基準づくりには合意が得られず
・2010年5月
「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」採択」
広告規制や、安売りや飲み放題の禁止や制限、課税や最低価格制による酒の価格引き上げなどを含む、幅広い対策を求めている。
(アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略)
http://alhonet.jp/pdf/who2010.pdf
この中に、興味深い記述があった(36ページから37ページ)。
「強力なエビデンスの裏付けがあるのは、血中アルコール濃度に十分な制限(0.02%-0.05%)を加えることが飲酒運転による大事故の低減に効果的であるという結論である。徹底した無作為の呼気検査、つまり一つは定期的に警官が運転者を無作為に停止させ、血中アルコール濃度の検査を行なうもの、もう一つは、選択的呼気検査というもので、自動車を停止させて飲酒運転の疑いがある運転手には呼気検査を受けさせるというものだが、この二つの方法により、アルコール関連の傷害や死亡事故は低減している。」
我が国では普通に行われている取締りである。
「血中アルコール濃度が許容値を超えた場合は行政により運転免許を停止し、アルコールに関連した病気には強制的にカウンセリングや治療を受けさせ、飲酒運転常習者にはイグニション・インターロックを使用させることなどが、ある程度有効であるという。」
インターロックかあ。
CCRにアルコールセンサーを付ければ、可能だな。
タイプAとかいって、PADI指定のモデルを作ってはどうか(Aはもちろん、アルコールのA!)。
プレブリージングをせずに潜ってしまったら、元も子もないんだが。
まあ、どうでもいいんですが。
ダイビングとアルコールは、飲酒の習慣がある方にとっては、切っても切れない関係にあるといえる。
潜る前はともかく、エキジット後の一杯がなければ、一体何のために潜るのか。
浮沈子は、3年半前まで、それを楽しみに潜ってきただけに、その気持ちは良く分かる。
そして、ダイビングを続ける楽しみと、アルコールを身体に入れて、脳やその他の臓器の機能を阻害し続けることを量りに掛けて、ダイビングを選んだ。
もう二度と、機会飲酒の習慣には戻れない。
きっと、再び依存状態になってしまって、ダイビングが出来ないことになるだろう。
喫煙と違って、浮沈子の場合は断酒を継続することに、それほど苦痛は感じないで済んでいる。
重症化する前に、依存を断ち切ったのが良かったかもしれない。
ちなみに、断酒する直前は、休肝日を週に1日設けて、それ以外は、生ビールの中ジョッキーを2杯、晩酌に飲むという状態だった。
職場の飲み会を月に1回行う以外は、殆ど飲まなかったのだが、毎日1杯飲むようになり、それが2杯になった時、ヤバイと気付いた(その店には、それ以後は行っていません)。
ダイビングをきっかけにはしたが、依存の兆候を自覚できていたことが大きい。
タイのピピで、アイリッシュコーヒーに結構なアルコールが入っていたのを飲んだ以外(飲んでから気付いたんですが)、1滴のアルコールも飲まずに過ごしている。
スーパーやコンビニで酒類のコーナーを通り過ぎても、誘惑に駆られるようなことはない(この時期、たまに、缶ビールが気になることはありますが)。
テレビを見なくなったというのも大きいかもしれないな。
酒類の広告は、時期的に集中して流れていたような記憶がある。
しかし、タバコと違って、アルコールの規制は、困難を極める。
有史以来、人類の絶ち難い欲求を、適正にコントロールするというのは社会の課題であり続けている。
しかし、ことダイビングについては、自動車運転と同様の規制が求められているといえよう。
法的規制が掛かるのを待つのか、自主的に規制していくのか。
それは、禁酒ではなく、断酒であるべきだと浮沈子は考えている。
ダイビングの現場にいて、他人が酒を飲むのを止めさせるということは、なかなか困難である。
ただ、明らかにアルコールの影響が残っているダイバーとバディを組まされそうになったら、浮沈子は(ご本人ではなく)ショップやサービスに理由を言って、丁重にお断りしようと思っている。
そういうダイバーを、ショップやサービスがどう扱うべきかというところから、問題提起しつつ対応を促していくしかあるまい。
幸い、去年から今年前半に掛けての一連のオープンサーキットダイビングでは、そのような状況に陥ることはなかった。
自己責任を果たすには、自己管理を行うしかない。
自己管理は、自己点検と自己評価、そして明確な自己基準に従った自己決定あるのみである。
浮沈子にも、いつかダイビングを諦める時が来る。
何度も書くが、ダイバーの末路は2つしかない。
ダイバー止めるか、人間止めるか。
ダイバーの末路として、穏やかに引退する日が来ることは覚悟している。
その朝、もう二度と再びフィンを履くことはないと自ら決める時、一点の曇りなく清明に決断できるかどうか。
うじうじして、迷いに迷って、思い切り後ろ髪引かれながら(前髪、ないんで・・・)、いやいや諦めることになるのか。
まあ、後の方だろうな。
でも、それでも、誰に迷惑を掛けることもなく、無事に引退できればそれでいい。
酒に酔って判断を誤ったり、環状動脈詰まって心臓が止まったり、頭の中の血管が詰まったり、破れたりして、他のダイバーを巻き込んで事故って引退するよりは100倍いい。
それまでのダイビングの一つ一つを大切にしていきたい。
選択的「嗜好」? ― 2014年07月30日 21:42
選択的「嗜好」?
タバコ、酒と、ダイビングに関わる禁忌について書いてきた。
(禁煙)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/07/30/7401783
(断酒)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/07/30/7401907
呼吸器系の疾患、心疾患など、明らかな疾病の場合や、医薬品の潜水との適合については、医師の診断やダイビングへの適性の確認が求められるだろうが、薬物でも嗜好品やアルコールの摂取については、ダイビングとの関わりについて、明確にされることが余りにも少ない。
タバコも酒も絶対ダメ。
浮沈子の立場は明快だ。
条件は何もない。
ダイビングを取るか、酒やタバコを取るか、二つに一つ(三つに一つ?)だ。
きっぱりとして、一点の曇りもない。
ダイビングから足を洗った暁には、酒もタバコも狂ったように再開してしまうかもしれない。
まあ、それじゃあ元も子もないんですが。
ダイビングをきっかけに止めたアルコールについては、元々依存が始まっていたこともあり、せっかく止められたのだから、ダイビングから離れることがあっても継続して断酒していきたいものだ。
タバコは、正直言って自信がない。
ただ、こっちの方は、先進国全体が禁煙に向かって規制を強化しているので、他人の努力に乗っかっていけるかもしれないという希望はある。
今時の愛煙家は大変だろう・・・。
まあいい。
さて、浮沈子としては、気になる嗜好品があって、これもダイビングとの関わりを指摘されたことがある。
(コーヒー依存)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/01/7235146
無類のコーヒー好きの浮沈子は、西伊豆の井田でのアドバンス講習の際、インストラクターをしていただいたASDIの鷹野さんに、ダイビング前のコーヒーは脱水を引き起こすから飲まない方がいいと注意を受けた(結局、そん時も飲んじゃいましたけど)。
「ダイビングとの関連では、利尿作用が明らかであることから、ダイビング前のコーヒーの摂取は薦められてはいない。
浮沈子は、ASDIの鷹野さんの講習を受けた際に、このことを指摘され、その後しばらく控えていたが、いつの間にか元に戻ってしまって、ガブガブ飲んでいる。
そもそも、ダイビングは朝早くから集合して、大体はボートに乗り込み、眠い目をこすりながら、1本潜ってようやく目が覚めるというのが通常である(浮沈子の場合)。
当然、コーヒーの「中枢神経興奮作用(精神の高揚・眠気防止)・骨格筋運動亢進作用(筋肉の疲労を取る)」という効果を期待しているわけで、朝のコーヒーは欠かせない。
その代わりに、水を飲めとかいわれても、そうガブガブ飲めるものではない。
先月のピピ島周辺のダイビングの際は、ボートやショップで、コーヒーと水の両方をがぶ飲みした。
現実的な解決方法ではある・・・。」
(カフェイン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3
「1819年(一説には1820年)にドイツのフリードリープ・フェルディナント・ルンゲによってコーヒーから世界で初めて単離された。」
「作用:
主な作用は、中枢神経を興奮させることによる覚醒作用及び強心作用、脂肪酸増加作用による呼吸量と熱発生作用による皮下脂肪燃焼効果、脳細動脈収縮作用、利尿作用などがある。医薬品にも使われ、眠気、倦怠感に効果があるが、副作用として不眠、めまいがあらわれることもある。」
利尿作用というのが、明記されている。
で、本稿の標題の元々のテーマは、「選択的思考」である。
(選択的思考)
https://www.google.co.jp/search?q=
「望ましい証拠だけを取り出して論じる一方で、仮説にとって望ましくない証拠は無視するプロセスである。」
で、カフェインの利尿作用から、脱水を起こし、減圧症のリスクを高めるから、コーヒーは飲まない方がいいという大方の常識には目もくれず、こんなネタを仕入れてきた。
(コーヒーを飲みまくると利尿作用で脱水症状に陥るというのは本当か?)
http://gigazine.net/news/20080415_coffee_dehydrated/
「コーヒーにはカフェインが含まれているため、この作用によってトイレが近くなる現象、つまり「利尿作用」が発生します。これによって飲んだ量よりも多くの尿が体から出されてしまい、栄養素も溶けて流れていき、しかも脱水症状に陥ってしまうので、コーヒーは飲めば飲むほど余計に喉が渇く。だからコーヒーを飲むのは良くないし、コーヒーはいくら飲んでも喉の渇きを止めることはできない……というような話がありますが、本当なのでしょうか?」
「コネティカット大学の運動生理学のローレンスE.アームストロング教授が調査したところによると、カフェイン入りの飲料が人間の肉体から体液を奪い取るという概念に対して科学的調査を行うことによって、カフェインは水のように穏やかな利尿作用があるが、適度なカフェイン消費が健康に影響を与えるほどの「流動性の電解質平衡異常」を生むことはないと結論を下しています。」
「また、カフェイン入りの飲料を飲んだ後でも体内にある水分量は一定だそうです。つまり、コーヒーを飲んでも体内の水分量が減ったりはしないということです。」
「それどころか、カフェイン入りの飲料を習慣的に飲むことによって「流動性の電解質平衡異常」を縮小する働きがあることがわかったとのこと。つまり、カフェインを摂取する習慣が規則的であればあるほど、人間の体は流動性を保持するように条件付けられていくらしい。つまり、適度なカフェインの消費は体を脱水症状に陥らせることはなく、毎日必要な水分摂取量に達することを実際に助けているそうです。」
(Does coffee dehydrate you?)
http://wiki.answers.com/Q/Does_coffee_dehydrate_you
(Coffee Makes You Dehydrated: Say What?)
http://archive.today/oKEYR#selection-1883.0-1883.38
いくつかの関連記事はあるが、元ネタへのリンクは切れている。
同じ時期の投稿なので、同じ論文を下敷きにしていると思われる。
最近では、こんな記事もあった。
(コーヒーで脱水は「ウソ」!? コーヒーには「水と同等」の水分補給効果あり!? 1/11/2014)
http://www.rda.co.jp/topics/topics6542.html
(No Evidence of Dehydration with Moderate Daily Coffee Intake: A Counterbalanced Cross-Over Study in a Free-Living Population:元記事)
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0084154
「コーヒーを飲む習慣のある人々で、適度のブラックコーヒーの摂取による水分バランスと水分補給状態への影響を、同量の水の場合との比較で測定しました。」
「まず最初に、3 日間、毎日マグカップ(200ml) 4 杯のブラックコーヒーか水を飲みました。」
「次いで、10 日間の「休薬(休み)」期間を挟み、飲み物を入れ替えて同様の介入をしました。つまり、最初にコーヒーを飲んだ男性は水を、最初に水を飲んだ男性はコーヒーを飲みました。」
「水和状態(水分補給状態)の評価にあたっては、十分に確立された測定法を使用しました。血液や尿の分析はもちろん体重と体内総水分量も測定しました。」
「コーヒーを飲んだ場合と水を飲んだ場合の間に、体内総水分量または水分補給状態に有意な差異がないことを発見しました。」
「さらに、2 つのグループ間で、24 時間の尿量と尿中濃度にも違いは認められませんでした。」
「コーヒーを飲む習慣のある男性で、適度のコーヒー摂取は、具体的には 1 日当たりマグカップ 4 杯(800ml)のコーヒーを飲むことは、同量の水を飲む場合と比べて、幅広い水分補給状態の指標で有意な差異をまったく引き起こさなかった」
「我々は、一般の人々へのコーヒーと脱水に関する健康アドバイスは、この結果を反映して更新されるべきであるという結論に至った」
この記事(元記事も、自動翻訳でざっと見ました)を読む限りでは、実験の方法は適切に思えるし、意図的に結果を誘導したようには見えない。
まあ、選択的思考の産物なので、カフェインの利尿作用を否定するわけではないし、可能性として脱水を引き起こすことも有り得るとは思うが、コーヒーという形で摂取するという実験で、はそういう結果は出ていない。
ただ、元記事には気になる記述もある。
「Urinary sodium was significantly higher in the coffee trial than the water trial on both days.」(尿のナトリウムは、両方の日の水試みよりコーヒー試みにおいて著しくより高かった。:自動翻訳のまま)
カリウムも初日には変動したらしいが、2日目には水との差がなくなっていたという。
ということは、なにかあ、コーヒーと梅干を摂取しろということなのかあ?。
(梅干とコーヒー?!:画像参照)
http://plaza.rakuten.co.jp/lovelyjoy/diary/201007020000/
「コーヒーと梅干。結構合うよ」
いやあ、本当にあるんですねえ!。
しかし、当然、こんな記事もある。
(コーヒーは水分補給にならない!冬の脱水を防ぐ「正しい水知識」)
http://news.mynavi.jp/news/2013/11/24/159/
「食事のあとにコーヒーを飲んだり、夜はお酒を飲まれる方も多いかと思いますが、お酒やコーヒーでは水分補給にならないということを知っておくといいと思います。」
「お酒やコーヒーをたくさん飲んでも、最後のほうは喉が渇いてきますよね。これは利尿作用といって、お酒やコーヒーを摂取した分だけ尿量も増えるので、結局水分は出ていってしまい、水分補給にならないのです。これは、甘い清涼飲料水などでも同じです」
東京警察病院形成外科の澤田彰史先生の話とある。
(アルコールやコーヒーは水分補給になるか)
http://nagata-s.jpn.com/blog/2013/08/20/%E5%A5%B3%E5%AD%90%E5%A4%A7%E7%94%9F%E3%81%AE%E4%BC%91%E6%97%A5%E3%80%802/
「アルコールやコーヒーは水分補給にならないどころか、身体の乾きを加速させてしまいます。」
探してみると、こんな感じの記事ばっかしである。
栄養士の方の答えも、こんな感じ。
(日常生活時の熱中症を防ぐには)
http://www.terumo-taion.jp/health/hyperthermia/02_1.html
「飲みものの利尿作用に要注意
水の代わりに、好きな飲みもので水分補給をしてもいいのですが、利尿作用があるものは避けてください。お茶やコーヒーに含まれるカフェイン、ビールなどの酒類に含まれるアルコールは利尿作用があり、脱水を促進することがありますので、熱中症予防には向きません。」
実験によるエビデンスがあると書いてあるのはこちら。
(熱中症を防ぐ水分補給)
http://j4ef.com/netyuutaisaku/03.html
「お茶やコーヒーに含まれるカフェインには「利尿作用」があり、実験では飲んだ量より出た量が多くなり、水分補給には適している飲み物とはいえません。」
しかし、ちょっと探したくらいでは、実験の記事は見当たらない。
まあ、選択的思考なので。
浮沈子的には、過去に何回かコーヒーを止めようとか、減らそうとか試みたことはある。
その度に離脱症状に悩まされ、体調を崩し、諦めて、また飲みだしてしまった。
紹介した井田のダイビングのあとも、しばらくは控えていたが、結局、元に戻った。
CCRでのダイビングの際は、トイレが近くなるということが殆どない。
これもCCRのメリットとして紹介されることがあるが、人にもよるので、浮沈子には何とも言えない。
循環する温かく湿った空気のせいだというが、南の島で潜ることが多い浮沈子の場合は、オープンサーキットだって特に寒いと感じることはない(普通に、暑いです!)。
コーヒーの利尿作用といっても、所詮、その程度なのかもしれないし、午前中に潜ることが多い浮沈子の場合は、元々尿量が多い時間帯である。
そっちの方の影響が大きいんじゃないか。
現実的な対応としては、水とコーヒーと電解質をバランスよく補給することだな。
(熱中症・脱水症を防ぐ医学的な梅干の効用)
http://allabout.co.jp/gm/gc/300869/2/
梅干、苦手なんだよなあ。
(「カフェインの影響」にまつわる5つのウソ)
http://www.huffingtonpost.jp/2014/04/21/caffeine-myths_n_5188968.html
ここでも、先ほどの研究が取り上げられており、従来の常識を覆すものとして注目されていることが分かる。
いろいろ見てきたが、コーヒーの取りすぎによる弊害も確かにあって、飲みすぎには注意しましょうということらしい。
そりゃあ、何をとっても同じことだろうが、カフェインという生体に特異的な効果を有する物質を摂るわけだから、気をつけるに越したことはなかろう。
少なくとも、ダイビングとの関係では、ナトリウムやカリウムを含んだスポーツドリンクなどと併せて飲んだ方が効果的といえるようだ(梅干、ニガテ・・・)。
タバコ、酒と、ダイビングに関わる禁忌について書いてきた。
(禁煙)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/07/30/7401783
(断酒)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/07/30/7401907
呼吸器系の疾患、心疾患など、明らかな疾病の場合や、医薬品の潜水との適合については、医師の診断やダイビングへの適性の確認が求められるだろうが、薬物でも嗜好品やアルコールの摂取については、ダイビングとの関わりについて、明確にされることが余りにも少ない。
タバコも酒も絶対ダメ。
浮沈子の立場は明快だ。
条件は何もない。
ダイビングを取るか、酒やタバコを取るか、二つに一つ(三つに一つ?)だ。
きっぱりとして、一点の曇りもない。
ダイビングから足を洗った暁には、酒もタバコも狂ったように再開してしまうかもしれない。
まあ、それじゃあ元も子もないんですが。
ダイビングをきっかけに止めたアルコールについては、元々依存が始まっていたこともあり、せっかく止められたのだから、ダイビングから離れることがあっても継続して断酒していきたいものだ。
タバコは、正直言って自信がない。
ただ、こっちの方は、先進国全体が禁煙に向かって規制を強化しているので、他人の努力に乗っかっていけるかもしれないという希望はある。
今時の愛煙家は大変だろう・・・。
まあいい。
さて、浮沈子としては、気になる嗜好品があって、これもダイビングとの関わりを指摘されたことがある。
(コーヒー依存)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/01/7235146
無類のコーヒー好きの浮沈子は、西伊豆の井田でのアドバンス講習の際、インストラクターをしていただいたASDIの鷹野さんに、ダイビング前のコーヒーは脱水を引き起こすから飲まない方がいいと注意を受けた(結局、そん時も飲んじゃいましたけど)。
「ダイビングとの関連では、利尿作用が明らかであることから、ダイビング前のコーヒーの摂取は薦められてはいない。
浮沈子は、ASDIの鷹野さんの講習を受けた際に、このことを指摘され、その後しばらく控えていたが、いつの間にか元に戻ってしまって、ガブガブ飲んでいる。
そもそも、ダイビングは朝早くから集合して、大体はボートに乗り込み、眠い目をこすりながら、1本潜ってようやく目が覚めるというのが通常である(浮沈子の場合)。
当然、コーヒーの「中枢神経興奮作用(精神の高揚・眠気防止)・骨格筋運動亢進作用(筋肉の疲労を取る)」という効果を期待しているわけで、朝のコーヒーは欠かせない。
その代わりに、水を飲めとかいわれても、そうガブガブ飲めるものではない。
先月のピピ島周辺のダイビングの際は、ボートやショップで、コーヒーと水の両方をがぶ飲みした。
現実的な解決方法ではある・・・。」
(カフェイン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3
「1819年(一説には1820年)にドイツのフリードリープ・フェルディナント・ルンゲによってコーヒーから世界で初めて単離された。」
「作用:
主な作用は、中枢神経を興奮させることによる覚醒作用及び強心作用、脂肪酸増加作用による呼吸量と熱発生作用による皮下脂肪燃焼効果、脳細動脈収縮作用、利尿作用などがある。医薬品にも使われ、眠気、倦怠感に効果があるが、副作用として不眠、めまいがあらわれることもある。」
利尿作用というのが、明記されている。
で、本稿の標題の元々のテーマは、「選択的思考」である。
(選択的思考)
https://www.google.co.jp/search?q=
「望ましい証拠だけを取り出して論じる一方で、仮説にとって望ましくない証拠は無視するプロセスである。」
で、カフェインの利尿作用から、脱水を起こし、減圧症のリスクを高めるから、コーヒーは飲まない方がいいという大方の常識には目もくれず、こんなネタを仕入れてきた。
(コーヒーを飲みまくると利尿作用で脱水症状に陥るというのは本当か?)
http://gigazine.net/news/20080415_coffee_dehydrated/
「コーヒーにはカフェインが含まれているため、この作用によってトイレが近くなる現象、つまり「利尿作用」が発生します。これによって飲んだ量よりも多くの尿が体から出されてしまい、栄養素も溶けて流れていき、しかも脱水症状に陥ってしまうので、コーヒーは飲めば飲むほど余計に喉が渇く。だからコーヒーを飲むのは良くないし、コーヒーはいくら飲んでも喉の渇きを止めることはできない……というような話がありますが、本当なのでしょうか?」
「コネティカット大学の運動生理学のローレンスE.アームストロング教授が調査したところによると、カフェイン入りの飲料が人間の肉体から体液を奪い取るという概念に対して科学的調査を行うことによって、カフェインは水のように穏やかな利尿作用があるが、適度なカフェイン消費が健康に影響を与えるほどの「流動性の電解質平衡異常」を生むことはないと結論を下しています。」
「また、カフェイン入りの飲料を飲んだ後でも体内にある水分量は一定だそうです。つまり、コーヒーを飲んでも体内の水分量が減ったりはしないということです。」
「それどころか、カフェイン入りの飲料を習慣的に飲むことによって「流動性の電解質平衡異常」を縮小する働きがあることがわかったとのこと。つまり、カフェインを摂取する習慣が規則的であればあるほど、人間の体は流動性を保持するように条件付けられていくらしい。つまり、適度なカフェインの消費は体を脱水症状に陥らせることはなく、毎日必要な水分摂取量に達することを実際に助けているそうです。」
(Does coffee dehydrate you?)
http://wiki.answers.com/Q/Does_coffee_dehydrate_you
(Coffee Makes You Dehydrated: Say What?)
http://archive.today/oKEYR#selection-1883.0-1883.38
いくつかの関連記事はあるが、元ネタへのリンクは切れている。
同じ時期の投稿なので、同じ論文を下敷きにしていると思われる。
最近では、こんな記事もあった。
(コーヒーで脱水は「ウソ」!? コーヒーには「水と同等」の水分補給効果あり!? 1/11/2014)
http://www.rda.co.jp/topics/topics6542.html
(No Evidence of Dehydration with Moderate Daily Coffee Intake: A Counterbalanced Cross-Over Study in a Free-Living Population:元記事)
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0084154
「コーヒーを飲む習慣のある人々で、適度のブラックコーヒーの摂取による水分バランスと水分補給状態への影響を、同量の水の場合との比較で測定しました。」
「まず最初に、3 日間、毎日マグカップ(200ml) 4 杯のブラックコーヒーか水を飲みました。」
「次いで、10 日間の「休薬(休み)」期間を挟み、飲み物を入れ替えて同様の介入をしました。つまり、最初にコーヒーを飲んだ男性は水を、最初に水を飲んだ男性はコーヒーを飲みました。」
「水和状態(水分補給状態)の評価にあたっては、十分に確立された測定法を使用しました。血液や尿の分析はもちろん体重と体内総水分量も測定しました。」
「コーヒーを飲んだ場合と水を飲んだ場合の間に、体内総水分量または水分補給状態に有意な差異がないことを発見しました。」
「さらに、2 つのグループ間で、24 時間の尿量と尿中濃度にも違いは認められませんでした。」
「コーヒーを飲む習慣のある男性で、適度のコーヒー摂取は、具体的には 1 日当たりマグカップ 4 杯(800ml)のコーヒーを飲むことは、同量の水を飲む場合と比べて、幅広い水分補給状態の指標で有意な差異をまったく引き起こさなかった」
「我々は、一般の人々へのコーヒーと脱水に関する健康アドバイスは、この結果を反映して更新されるべきであるという結論に至った」
この記事(元記事も、自動翻訳でざっと見ました)を読む限りでは、実験の方法は適切に思えるし、意図的に結果を誘導したようには見えない。
まあ、選択的思考の産物なので、カフェインの利尿作用を否定するわけではないし、可能性として脱水を引き起こすことも有り得るとは思うが、コーヒーという形で摂取するという実験で、はそういう結果は出ていない。
ただ、元記事には気になる記述もある。
「Urinary sodium was significantly higher in the coffee trial than the water trial on both days.」(尿のナトリウムは、両方の日の水試みよりコーヒー試みにおいて著しくより高かった。:自動翻訳のまま)
カリウムも初日には変動したらしいが、2日目には水との差がなくなっていたという。
ということは、なにかあ、コーヒーと梅干を摂取しろということなのかあ?。
(梅干とコーヒー?!:画像参照)
http://plaza.rakuten.co.jp/lovelyjoy/diary/201007020000/
「コーヒーと梅干。結構合うよ」
いやあ、本当にあるんですねえ!。
しかし、当然、こんな記事もある。
(コーヒーは水分補給にならない!冬の脱水を防ぐ「正しい水知識」)
http://news.mynavi.jp/news/2013/11/24/159/
「食事のあとにコーヒーを飲んだり、夜はお酒を飲まれる方も多いかと思いますが、お酒やコーヒーでは水分補給にならないということを知っておくといいと思います。」
「お酒やコーヒーをたくさん飲んでも、最後のほうは喉が渇いてきますよね。これは利尿作用といって、お酒やコーヒーを摂取した分だけ尿量も増えるので、結局水分は出ていってしまい、水分補給にならないのです。これは、甘い清涼飲料水などでも同じです」
東京警察病院形成外科の澤田彰史先生の話とある。
(アルコールやコーヒーは水分補給になるか)
http://nagata-s.jpn.com/blog/2013/08/20/%E5%A5%B3%E5%AD%90%E5%A4%A7%E7%94%9F%E3%81%AE%E4%BC%91%E6%97%A5%E3%80%802/
「アルコールやコーヒーは水分補給にならないどころか、身体の乾きを加速させてしまいます。」
探してみると、こんな感じの記事ばっかしである。
栄養士の方の答えも、こんな感じ。
(日常生活時の熱中症を防ぐには)
http://www.terumo-taion.jp/health/hyperthermia/02_1.html
「飲みものの利尿作用に要注意
水の代わりに、好きな飲みもので水分補給をしてもいいのですが、利尿作用があるものは避けてください。お茶やコーヒーに含まれるカフェイン、ビールなどの酒類に含まれるアルコールは利尿作用があり、脱水を促進することがありますので、熱中症予防には向きません。」
実験によるエビデンスがあると書いてあるのはこちら。
(熱中症を防ぐ水分補給)
http://j4ef.com/netyuutaisaku/03.html
「お茶やコーヒーに含まれるカフェインには「利尿作用」があり、実験では飲んだ量より出た量が多くなり、水分補給には適している飲み物とはいえません。」
しかし、ちょっと探したくらいでは、実験の記事は見当たらない。
まあ、選択的思考なので。
浮沈子的には、過去に何回かコーヒーを止めようとか、減らそうとか試みたことはある。
その度に離脱症状に悩まされ、体調を崩し、諦めて、また飲みだしてしまった。
紹介した井田のダイビングのあとも、しばらくは控えていたが、結局、元に戻った。
CCRでのダイビングの際は、トイレが近くなるということが殆どない。
これもCCRのメリットとして紹介されることがあるが、人にもよるので、浮沈子には何とも言えない。
循環する温かく湿った空気のせいだというが、南の島で潜ることが多い浮沈子の場合は、オープンサーキットだって特に寒いと感じることはない(普通に、暑いです!)。
コーヒーの利尿作用といっても、所詮、その程度なのかもしれないし、午前中に潜ることが多い浮沈子の場合は、元々尿量が多い時間帯である。
そっちの方の影響が大きいんじゃないか。
現実的な対応としては、水とコーヒーと電解質をバランスよく補給することだな。
(熱中症・脱水症を防ぐ医学的な梅干の効用)
http://allabout.co.jp/gm/gc/300869/2/
梅干、苦手なんだよなあ。
(「カフェインの影響」にまつわる5つのウソ)
http://www.huffingtonpost.jp/2014/04/21/caffeine-myths_n_5188968.html
ここでも、先ほどの研究が取り上げられており、従来の常識を覆すものとして注目されていることが分かる。
いろいろ見てきたが、コーヒーの取りすぎによる弊害も確かにあって、飲みすぎには注意しましょうということらしい。
そりゃあ、何をとっても同じことだろうが、カフェインという生体に特異的な効果を有する物質を摂るわけだから、気をつけるに越したことはなかろう。
少なくとも、ダイビングとの関係では、ナトリウムやカリウムを含んだスポーツドリンクなどと併せて飲んだ方が効果的といえるようだ(梅干、ニガテ・・・)。

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