Oリング ― 2014年07月07日 14:24
Oリング
マーク6には、ユーザーがメンテナンスすることが出来る(ということは、メンテナンスしなければならない!)Oリングが、何個付いているのだろうか?。
マニュアルで確認することが出来るものを数えてみよう。
なお、ここでは、タンクやレギュレーターなど(BC、ホース類含む)は割愛する。
基本的には、付けたり外したりするところに付いている筈なので、前に調べた組み立て手順を元にする。
「組み立て手順:
1 スクラバーを本体に入れる。
2 BC、ハーネスを本体に付ける。
3 カウンターラングを付ける。
4 呼吸回路を取り付ける。
5 タンクを付ける。
6 電子モジュールを付ける。
7 タンクにファーストステージを付ける。
8 ベイルアウト用中圧ホースをマウスピースに付ける。
9 HUDを付ける。
10 パワーインフレーターに中圧ホースを付ける。
11 オーバープレッシャーバルブを右に回して閉める。
12 呼吸回路のネガティブチェックを行う。
13 スマートバッテリーを付ける(スタートアッププロシージャーが始まる)。」
1のスクラバーは、上下に蓋があり、上蓋には2個、底蓋には3個ついている(5個)。
2は省略。
3のカウンターラング自体にはOリングはなさそうだが、4の組み立てには合計8か所のじゃばらホースの接合部分に、1個ずつ付いている(8個)。
左右2か所のTポートにも1個ずつある(2個)。
5のタンクは省略。
6の電子モジュールには、酸素センサー自体に1個ずつ付いている(2個)。
センサーベースには、2個ずつ付いている(4個)。
電子モジュールを本体に付けるところに2重にでかいのが付いている(2個)。
以下、省略。
ということは、5+8+2+2+4+2で23個のOリングがあるわけだ。
もちろん、タンクにはファーストステージを付けるところにあるし、ホース類にはコネクターのところに付いている。
BCのパワーインフレーターにも使われているが、これらはオープンサーキットと変わるところはない。
23個というのは、マーク6独自のOリングということになる。
平面型は、スクラバーの上蓋上面に1個使われているだけで、他の22個は全て側面型である。
じゃばらホースの8個、センサーベースのデュアル4個、底蓋のデュアル2個、電子モジュールのデュアル2個は、それぞれ同一仕様と思われる。
酸素センサーに付いている2個は、まあ、取り替えたりすることはないだろう。
ここは、電子モジュールの内部(コネクター含む)に、湿気や結露が入るのを防ぐ役割がある。
センサーベースのデュアルも同じだな。
センサーの固定の役割もある。
キャニスターに上下の蓋を固定するための側面型Oリングは、たぶん同じ仕様と思われる(未確認)。
インスピと共通のところもあるが、じゃばらホースの接合部はインスピでは2重(デュアル)になっていたり、マニュアルインフレーターのところにOリングがあったりする(これが曲者で、よく漏れるんだよなあ)。
マーク6は、R仕様のカウンターラングにはマニュアルインフレーターないけど。
電子モジュールは、インスピが一重(シングル)なのに対して、マーク6はデュアルだ。
Tポートは、インスピをばらしたことがないので分からないが、マーク6では、カウンターラングから工具なしで取り外せるというのは、メンテナンス的には好ましいかもしれない。
このあたりは、設計思想の違いといえよう。
ユーザーに、どこまで弄らせるか。
逆に、日常的にどこまで弄らせる必要があるかということか。
スマートバッテリーにもOリングがあったな(モレ!:画像参照)。
このほかにも、マウスピースの中には当然Oリングがあるだろうが、ユーザーによるメンテナンスの対象外なのかも知れない。
この辺りは、未確認なのでなんともいえないな。
インスピの通常のマウスピースは、ネジを緩めてばらすことができ、Oリングを交換することが出来る。
Oリングの取り扱いやメンテナンスについては、マニュアルのPDFページで17ページ目に記載がある。
(POSEIDON MKVI USER MANUAL)
http://www.poseidon.com/sites/all/files/user_manual_mkvi_ver_26_0.pdf
「For face and radial o-rings to properly work, the diver is responsible for ensuring the following:
・The o-ring is clean and free of debris and scratches (no cuts, gouges, dust, dirt, sand, hair, etc.)
・The o-ring is lubricated with an approved o-ring grease.
・The sealing surfaces are clean and free of debris, scratches and gouges.
・The sealing surfaces are lubricated with an approved o-ring grease.
・The retainer mechanism (e.g. hand screws, hand nuts, or threaded shells) is securely in place.」
(顔と正しく動作する放射状のOリングの場合は、ダイバーが保証する責任があり次のとおりです。
・Oリングは、清潔で破片や傷のない(無カットしない、削り過ぎ、ほこり、汚れ、砂、髪の毛、)
・Oリングが承認されたOリンググリスで潤滑されている。
・シール面は清潔で残骸、傷や削り過ぎは無料です。
・シール面は、承認されたOリンググリースで潤滑される。
・リテーナメカニズム(例えば手のネジ、手のナット、またはネジシェル)がしっかりとある所定の位置に。:自動翻訳のまま)
意外に見落とされがちなのは、Oリングが嵌っている溝の汚れやキズだ。
もちろん、こっちの方もシール面であるわけで、グリスアップするために外した時にはチェックするようにしたい(してますか?)。
Oリングの当たり面と同様のメンテナンスが必要である。
だって、両方でシールしてるんだから。
ホース類のOリングなんかは、小さいのでなかなか外してメンテするわけにもいかないし、グリス塗って終わりにしている。
下手に外すと、それだけでOリングにキズが付くということもある。
溝に圧着されているので、汚れが入りにくく、キズが付きにくいということもある。
しかし、少なくともOリングの交換時には、溝の中の古いグリスを拭き取って、キズなどをチェックすべきだろう。
ちなみに、Oリングとは、ゴムの断面がO型をしているからで、わっかの形がO型だからではない。
(Oリング)
http://ja.wikipedia.org/wiki/O%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
「Oリング (O-ring、オーリング)とは、断面がO形(円形)の環型をした密封用(シール用)機械部品のこと。」
マーク6の電子モジュールと本体の間のデュアルOリングは、「形は四角」だが、立派な「O」リングである。
リブリーザーの気密・水密を支えるOリングは、ある意味で、最も重要な部品であるといえる。
Oリングが確保しているシールが破れれば、リブリーザーは成立しない。
ユーザーによるメンテナンスが容易に行える部品だし、大した手間でもない。
インスピのじゃばらホースの接合部は、コネクターをばらさないとメンテナンス出来なかったが、マーク6はコネクターがずらせるので、簡単にメンテできる(その分、キズが付きやすいというデメリットもある)。
酸素に晒される部品なので、専用のグリスが必要だが、大した金額ではないし、殆ど消耗しない。
ケチケチせずに、適量を塗布して使用すべきだ(付け過ぎもダメ)。
たかがOリング、されどOリングであるな。
マーク6には、ユーザーがメンテナンスすることが出来る(ということは、メンテナンスしなければならない!)Oリングが、何個付いているのだろうか?。
マニュアルで確認することが出来るものを数えてみよう。
なお、ここでは、タンクやレギュレーターなど(BC、ホース類含む)は割愛する。
基本的には、付けたり外したりするところに付いている筈なので、前に調べた組み立て手順を元にする。
「組み立て手順:
1 スクラバーを本体に入れる。
2 BC、ハーネスを本体に付ける。
3 カウンターラングを付ける。
4 呼吸回路を取り付ける。
5 タンクを付ける。
6 電子モジュールを付ける。
7 タンクにファーストステージを付ける。
8 ベイルアウト用中圧ホースをマウスピースに付ける。
9 HUDを付ける。
10 パワーインフレーターに中圧ホースを付ける。
11 オーバープレッシャーバルブを右に回して閉める。
12 呼吸回路のネガティブチェックを行う。
13 スマートバッテリーを付ける(スタートアッププロシージャーが始まる)。」
1のスクラバーは、上下に蓋があり、上蓋には2個、底蓋には3個ついている(5個)。
2は省略。
3のカウンターラング自体にはOリングはなさそうだが、4の組み立てには合計8か所のじゃばらホースの接合部分に、1個ずつ付いている(8個)。
左右2か所のTポートにも1個ずつある(2個)。
5のタンクは省略。
6の電子モジュールには、酸素センサー自体に1個ずつ付いている(2個)。
センサーベースには、2個ずつ付いている(4個)。
電子モジュールを本体に付けるところに2重にでかいのが付いている(2個)。
以下、省略。
ということは、5+8+2+2+4+2で23個のOリングがあるわけだ。
もちろん、タンクにはファーストステージを付けるところにあるし、ホース類にはコネクターのところに付いている。
BCのパワーインフレーターにも使われているが、これらはオープンサーキットと変わるところはない。
23個というのは、マーク6独自のOリングということになる。
平面型は、スクラバーの上蓋上面に1個使われているだけで、他の22個は全て側面型である。
じゃばらホースの8個、センサーベースのデュアル4個、底蓋のデュアル2個、電子モジュールのデュアル2個は、それぞれ同一仕様と思われる。
酸素センサーに付いている2個は、まあ、取り替えたりすることはないだろう。
ここは、電子モジュールの内部(コネクター含む)に、湿気や結露が入るのを防ぐ役割がある。
センサーベースのデュアルも同じだな。
センサーの固定の役割もある。
キャニスターに上下の蓋を固定するための側面型Oリングは、たぶん同じ仕様と思われる(未確認)。
インスピと共通のところもあるが、じゃばらホースの接合部はインスピでは2重(デュアル)になっていたり、マニュアルインフレーターのところにOリングがあったりする(これが曲者で、よく漏れるんだよなあ)。
マーク6は、R仕様のカウンターラングにはマニュアルインフレーターないけど。
電子モジュールは、インスピが一重(シングル)なのに対して、マーク6はデュアルだ。
Tポートは、インスピをばらしたことがないので分からないが、マーク6では、カウンターラングから工具なしで取り外せるというのは、メンテナンス的には好ましいかもしれない。
このあたりは、設計思想の違いといえよう。
ユーザーに、どこまで弄らせるか。
逆に、日常的にどこまで弄らせる必要があるかということか。
スマートバッテリーにもOリングがあったな(モレ!:画像参照)。
このほかにも、マウスピースの中には当然Oリングがあるだろうが、ユーザーによるメンテナンスの対象外なのかも知れない。
この辺りは、未確認なのでなんともいえないな。
インスピの通常のマウスピースは、ネジを緩めてばらすことができ、Oリングを交換することが出来る。
Oリングの取り扱いやメンテナンスについては、マニュアルのPDFページで17ページ目に記載がある。
(POSEIDON MKVI USER MANUAL)
http://www.poseidon.com/sites/all/files/user_manual_mkvi_ver_26_0.pdf
「For face and radial o-rings to properly work, the diver is responsible for ensuring the following:
・The o-ring is clean and free of debris and scratches (no cuts, gouges, dust, dirt, sand, hair, etc.)
・The o-ring is lubricated with an approved o-ring grease.
・The sealing surfaces are clean and free of debris, scratches and gouges.
・The sealing surfaces are lubricated with an approved o-ring grease.
・The retainer mechanism (e.g. hand screws, hand nuts, or threaded shells) is securely in place.」
(顔と正しく動作する放射状のOリングの場合は、ダイバーが保証する責任があり次のとおりです。
・Oリングは、清潔で破片や傷のない(無カットしない、削り過ぎ、ほこり、汚れ、砂、髪の毛、)
・Oリングが承認されたOリンググリスで潤滑されている。
・シール面は清潔で残骸、傷や削り過ぎは無料です。
・シール面は、承認されたOリンググリースで潤滑される。
・リテーナメカニズム(例えば手のネジ、手のナット、またはネジシェル)がしっかりとある所定の位置に。:自動翻訳のまま)
意外に見落とされがちなのは、Oリングが嵌っている溝の汚れやキズだ。
もちろん、こっちの方もシール面であるわけで、グリスアップするために外した時にはチェックするようにしたい(してますか?)。
Oリングの当たり面と同様のメンテナンスが必要である。
だって、両方でシールしてるんだから。
ホース類のOリングなんかは、小さいのでなかなか外してメンテするわけにもいかないし、グリス塗って終わりにしている。
下手に外すと、それだけでOリングにキズが付くということもある。
溝に圧着されているので、汚れが入りにくく、キズが付きにくいということもある。
しかし、少なくともOリングの交換時には、溝の中の古いグリスを拭き取って、キズなどをチェックすべきだろう。
ちなみに、Oリングとは、ゴムの断面がO型をしているからで、わっかの形がO型だからではない。
(Oリング)
http://ja.wikipedia.org/wiki/O%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
「Oリング (O-ring、オーリング)とは、断面がO形(円形)の環型をした密封用(シール用)機械部品のこと。」
マーク6の電子モジュールと本体の間のデュアルOリングは、「形は四角」だが、立派な「O」リングである。
リブリーザーの気密・水密を支えるOリングは、ある意味で、最も重要な部品であるといえる。
Oリングが確保しているシールが破れれば、リブリーザーは成立しない。
ユーザーによるメンテナンスが容易に行える部品だし、大した手間でもない。
インスピのじゃばらホースの接合部は、コネクターをばらさないとメンテナンス出来なかったが、マーク6はコネクターがずらせるので、簡単にメンテできる(その分、キズが付きやすいというデメリットもある)。
酸素に晒される部品なので、専用のグリスが必要だが、大した金額ではないし、殆ど消耗しない。
ケチケチせずに、適量を塗布して使用すべきだ(付け過ぎもダメ)。
たかがOリング、されどOリングであるな。
ハイポキシア ― 2014年07月07日 23:17
ハイポキシア
(低酸素症)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8E%E9%85%B8%E7%B4%A0%E7%97%87
「低酸素症(ていさんそしょう、Hypoxia)とは、生体の組織に十分酸素が行きわたらず、組織の酸化による代謝が不十分である状態のこと。」
「軽度の低酸素症ならば、血液中の赤血球が増加し、心拍出量と心拍数が増加し、すぐに回復するが、 脳に低酸素が生じた場合、呼吸機能が減退、神経の働きが鈍くなるなどの症状があらわれる。
重症の場合、中枢神経に障害が発生し最悪の場合死亡する。」
循環式呼吸器であるリブリーザーで、最も恐ろしい呼吸障害といっていい。
肺胞内の呼吸ガスのPO2が低下し、極端な場合は、体の中から肺胞の壁を通して血液中の酸素が逆流する。
意識を失うのは一瞬だ。
そして溺死・・・。
(POSEIDON MKVI USER MANUAL)
http://www.poseidon.com/sites/all/files/user_manual_mkvi_ver_26_0.pdf
マニュアルのPDF57ページに、この警告が載っていて、浮沈子は首を傾げた。
「WARNING:
In the event that there is insufficient diluent supply to effect a safe ascent to the surface in open-circuit mode while the HUD vibrator is activated, then continue the ascent to the surface in closed-circuit mode.」
(警告:
安全を達成するための十分な希釈剤供給がある場合に開放モードで表面に浮上しながらHUDバイブレーター活性化され、その後、閉回路モードで表面に上昇を続けています。:自動翻訳のまま)
この自動翻訳(某大手インターネット広告会社系翻訳サイト)では、insufficientを「十分な」と訳しているが、もちろん「不十分な」が正しい(逆じゃん!)。
つまり、ヘッドアップディスプレイが振動して、オープンサーキットモードに切り替えて水面に浮上しなけりゃならない状況なのに、ディリュエントガスが足りなくてその方法では浮上できない時には、クローズドサーキットモードのまま、水面に浮上しろといっているのだ!。
仮に、水深40m(マーク6の最大運用深度:絶対圧で5ATA)で、酸素分圧が標準の1.2ATAのセットポイントだった場合、ソレノイドバルブがぶっ壊れていて、そのまま酸素が供給されずに浮上すると、水面直前では、0.24ATAというちょっとヤバイ値になる。
それでも、水面上の0.21を上回っているので、直ちに低酸素症になるわけではないが、0.4を維持することになっているハズのCCRで、この値の混合ガスを吸うことになるのだ。
しかし、これは、浮上中、全く酸素を消費しないゾンビの話であり、実際には確実にこの値を下回る。
呼吸回路中にあるガスの量なんて高が知れている(10リットルくらい?)ので、酸素はあっという間に消費されて、1分間に9m、安全停止に3分間などという悠長な浮上をしていたら、確実にハイポキシアになるだろう。
浮沈子は、インスピでは、100気圧3リットルの酸素タンクで1時間潜って30バールくらい吸う。
1気圧で換算すると、90リットルの消費だ。
1分間当たり、1.5リットルの酸素を消費している。
これは、CCRの場合、深度に関係ない消費量だ。
40m(5ATA)で、1.2ATAの酸素分圧だったら、呼吸回路全体で仮に10リットルの容積があったとして、全体の容積が1気圧換算で50リットルだから、およそ4分の1強で12リットル強である。
単純計算では8分強あるので、いいような気がするが、さらに問題なのは、浮上に伴って膨張する回路内のガスを捨てなければならない!。
水底から浮上するためには、水面換算で40リットルものガスを捨てる計算となり、その中にある10リットル(25パーセント)の貴重な酸素を水中にぶちまけるのだ!。
誤差を承知で、ざっと(本当にざっと)計算してみよう。
浮上中も吸っているので、ややっこしいが、動的に見ていくと、30mでは10リットルぶちまけて、その中の酸素は2.5リットル(上記で25パーセントだから)。
残りの酸素は9.5リットル。
簡単のため、1分間に10m浮上したとすると、このうち1.5リットルは吸ってしまっている。
だから、全体で40リットル、うち酸素8リットル(20パーセント)。
20mでは、さらに10リットルぶちまけて、その中の酸素は2リットル(上記で20パーセントだから)。
残りの酸素は6リットルで、このうち1.5リットルは吸ってしまっている。
だから、全体で30リットル、うち酸素は4.5リットル(15パーセント)。
10mでは、さらに10リットルぶちまけて、その中の酸素は1.5リットル(上記で15パーセントだから)。
残りの酸素は3リットルで、このうち1.5リットルは吸ってしまっている。
だから、全体で20リットル、うち酸素は1.5リットル(7.5パーセント)。
水深10mの時点で、水面換算20リットルの回路内のガスに対して、1.5リットルの酸素しかないのだ。
7.5パーセントで、絶対圧2気圧だから、0.15ATAとなって、目出度くハイポキシアになる(0.16ATA切るとヤバイ)。
ああ、なんとかぎりぎり大丈夫といいたかったのだが、水面近く(10m辺り)で低酸素症だなあ。
目の前が、すーっと暗くなって、いい気持ちで溺れ死ぬ・・・。
浮沈子は、だから酸素タンクからマニュアルインフレーションできないやつは買わないのだ。
無論、40mまでの運用では、PADIでさえ(!)、ベイルアウト用タンクの携行を義務付けている。
当然だろう!。
CCRは、運用命(いのち)である。
しかし、メーカーの取説に堂々と書いてしまっているというのはいかがなものか。
たとえ酸素が切れていても、オンボードのディリュエントガスが少しでも残っていて、マニュアルインフレーション可能ならば、SCR運用で、(うまく出来れば)3倍長持ちさせて浮上することは可能だ。
ディリュエント側のマニュアルインフレーターがなくても、ADVからの給気とベントバルブからの排気を使って、似たようなことは可能かもしれない。
ディリュエントもすっからかんなら、浮上しながらBCから吸って、呼吸回路内に吐き出して、SCR運用するしかない。
生き残るためには、BC内の雑菌による肺炎なんかにかまってはいられない。
リブリーザーの呼吸回路の残存性を、骨までしゃぶって浮上する。
やっぱ、マニュアルインフレーターがあった方が、いいんじゃね?。
PADIが、ハイパーオキシアの事故を恐れて、タイプRのリブリーザーから、ことごとくマニュアルインフレーターを取り去ったことは、一つの考え方だ。
しかし、それは同時に、ハイポキシアの対応策を、オープンサーキットによるバックアップに限定することを意味する。
浮沈子は、ベイルアウト用の予備の呼吸源の携行は、CCRの場合、どんな深度でも不可欠だと考えている。
いや、オープンサーキットでも不可欠だな。
それは、もう1台、CCRを持っていくってこと(サイドマウントで?)でもいいんですけど・・・。
その上で、やはり、ハイパーオキシアのリスクを負っても、マニュアルインフレーションの機能を持たせるべきだと考えている。
そうでなければ、CCRは単に潜水時間を延長するための道具にしか過ぎないことになってしまう(マニュアルの冒頭には、ちゃんとそう書いてありますけど)。
「8.5(PDFページで8ページ目)
The Poseidon MKVI is designed to extend the duration of recreational dives.」
(8.5
ポセイドンMKVIは、レクリエーションダイビングの期間を延長するように設計されています。:自動翻訳のまま)
まあいい。
浮沈子が、何かの間違いでインストラクターになって、CCRを教えることになったとしても、タダではここまで教えないな。
その代わり、レクリエーショナルレベルの認定者には、脅したり賺したりしてテクニカルレベルの講習を受講するように促すだろう(本当に脅したりはしませんが)。
CCRで潜るということの意味は、ここまで使えて、初めて分かるんだと。
今日の昼過ぎ、柏崎さんからメールが来て、講習用にレンタルしたマーク6の調子が悪く、代替機を手配中なんだそうだ。
うーん、やっぱセブンじゃないとだめなのか?。
どうやら、その代替機がまともに動くかどうかも怪しいらしい・・・。
マーク6の評価がボロクソだったというのも、頷けるというものだ。
そういえば、今日は、7月7日じゃないか!。
セブンの発注を、早くしろというお告げなのかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
ダイビングにおけるハイポキシアについては、このページに記事があった。
(Hypoxia)
http://www.medtogo.com/hypoxia.html
「症状は息切れ、錯乱、ろれつが回らない、視覚的な変化、極度の疲労、および頭痛。」
ダイビング中の生理については、まだまだ分からないことが多い。
なかなか人体実験も出来ないし、統計的なデータを得るのも容易ではない。
猫も杓子もダイコン付けて潜るようになったし、データもパソコンに入力して整理するんだから、ネットに上げてビッグデータとして処理する方法を考えてもいいんじゃないかと思うんだが。
まあ、CCRじゃあ、全然ビッグにならないだろうが。
(低酸素症)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8E%E9%85%B8%E7%B4%A0%E7%97%87
「低酸素症(ていさんそしょう、Hypoxia)とは、生体の組織に十分酸素が行きわたらず、組織の酸化による代謝が不十分である状態のこと。」
「軽度の低酸素症ならば、血液中の赤血球が増加し、心拍出量と心拍数が増加し、すぐに回復するが、 脳に低酸素が生じた場合、呼吸機能が減退、神経の働きが鈍くなるなどの症状があらわれる。
重症の場合、中枢神経に障害が発生し最悪の場合死亡する。」
循環式呼吸器であるリブリーザーで、最も恐ろしい呼吸障害といっていい。
肺胞内の呼吸ガスのPO2が低下し、極端な場合は、体の中から肺胞の壁を通して血液中の酸素が逆流する。
意識を失うのは一瞬だ。
そして溺死・・・。
(POSEIDON MKVI USER MANUAL)
http://www.poseidon.com/sites/all/files/user_manual_mkvi_ver_26_0.pdf
マニュアルのPDF57ページに、この警告が載っていて、浮沈子は首を傾げた。
「WARNING:
In the event that there is insufficient diluent supply to effect a safe ascent to the surface in open-circuit mode while the HUD vibrator is activated, then continue the ascent to the surface in closed-circuit mode.」
(警告:
安全を達成するための十分な希釈剤供給がある場合に開放モードで表面に浮上しながらHUDバイブレーター活性化され、その後、閉回路モードで表面に上昇を続けています。:自動翻訳のまま)
この自動翻訳(某大手インターネット広告会社系翻訳サイト)では、insufficientを「十分な」と訳しているが、もちろん「不十分な」が正しい(逆じゃん!)。
つまり、ヘッドアップディスプレイが振動して、オープンサーキットモードに切り替えて水面に浮上しなけりゃならない状況なのに、ディリュエントガスが足りなくてその方法では浮上できない時には、クローズドサーキットモードのまま、水面に浮上しろといっているのだ!。
仮に、水深40m(マーク6の最大運用深度:絶対圧で5ATA)で、酸素分圧が標準の1.2ATAのセットポイントだった場合、ソレノイドバルブがぶっ壊れていて、そのまま酸素が供給されずに浮上すると、水面直前では、0.24ATAというちょっとヤバイ値になる。
それでも、水面上の0.21を上回っているので、直ちに低酸素症になるわけではないが、0.4を維持することになっているハズのCCRで、この値の混合ガスを吸うことになるのだ。
しかし、これは、浮上中、全く酸素を消費しないゾンビの話であり、実際には確実にこの値を下回る。
呼吸回路中にあるガスの量なんて高が知れている(10リットルくらい?)ので、酸素はあっという間に消費されて、1分間に9m、安全停止に3分間などという悠長な浮上をしていたら、確実にハイポキシアになるだろう。
浮沈子は、インスピでは、100気圧3リットルの酸素タンクで1時間潜って30バールくらい吸う。
1気圧で換算すると、90リットルの消費だ。
1分間当たり、1.5リットルの酸素を消費している。
これは、CCRの場合、深度に関係ない消費量だ。
40m(5ATA)で、1.2ATAの酸素分圧だったら、呼吸回路全体で仮に10リットルの容積があったとして、全体の容積が1気圧換算で50リットルだから、およそ4分の1強で12リットル強である。
単純計算では8分強あるので、いいような気がするが、さらに問題なのは、浮上に伴って膨張する回路内のガスを捨てなければならない!。
水底から浮上するためには、水面換算で40リットルものガスを捨てる計算となり、その中にある10リットル(25パーセント)の貴重な酸素を水中にぶちまけるのだ!。
誤差を承知で、ざっと(本当にざっと)計算してみよう。
浮上中も吸っているので、ややっこしいが、動的に見ていくと、30mでは10リットルぶちまけて、その中の酸素は2.5リットル(上記で25パーセントだから)。
残りの酸素は9.5リットル。
簡単のため、1分間に10m浮上したとすると、このうち1.5リットルは吸ってしまっている。
だから、全体で40リットル、うち酸素8リットル(20パーセント)。
20mでは、さらに10リットルぶちまけて、その中の酸素は2リットル(上記で20パーセントだから)。
残りの酸素は6リットルで、このうち1.5リットルは吸ってしまっている。
だから、全体で30リットル、うち酸素は4.5リットル(15パーセント)。
10mでは、さらに10リットルぶちまけて、その中の酸素は1.5リットル(上記で15パーセントだから)。
残りの酸素は3リットルで、このうち1.5リットルは吸ってしまっている。
だから、全体で20リットル、うち酸素は1.5リットル(7.5パーセント)。
水深10mの時点で、水面換算20リットルの回路内のガスに対して、1.5リットルの酸素しかないのだ。
7.5パーセントで、絶対圧2気圧だから、0.15ATAとなって、目出度くハイポキシアになる(0.16ATA切るとヤバイ)。
ああ、なんとかぎりぎり大丈夫といいたかったのだが、水面近く(10m辺り)で低酸素症だなあ。
目の前が、すーっと暗くなって、いい気持ちで溺れ死ぬ・・・。
浮沈子は、だから酸素タンクからマニュアルインフレーションできないやつは買わないのだ。
無論、40mまでの運用では、PADIでさえ(!)、ベイルアウト用タンクの携行を義務付けている。
当然だろう!。
CCRは、運用命(いのち)である。
しかし、メーカーの取説に堂々と書いてしまっているというのはいかがなものか。
たとえ酸素が切れていても、オンボードのディリュエントガスが少しでも残っていて、マニュアルインフレーション可能ならば、SCR運用で、(うまく出来れば)3倍長持ちさせて浮上することは可能だ。
ディリュエント側のマニュアルインフレーターがなくても、ADVからの給気とベントバルブからの排気を使って、似たようなことは可能かもしれない。
ディリュエントもすっからかんなら、浮上しながらBCから吸って、呼吸回路内に吐き出して、SCR運用するしかない。
生き残るためには、BC内の雑菌による肺炎なんかにかまってはいられない。
リブリーザーの呼吸回路の残存性を、骨までしゃぶって浮上する。
やっぱ、マニュアルインフレーターがあった方が、いいんじゃね?。
PADIが、ハイパーオキシアの事故を恐れて、タイプRのリブリーザーから、ことごとくマニュアルインフレーターを取り去ったことは、一つの考え方だ。
しかし、それは同時に、ハイポキシアの対応策を、オープンサーキットによるバックアップに限定することを意味する。
浮沈子は、ベイルアウト用の予備の呼吸源の携行は、CCRの場合、どんな深度でも不可欠だと考えている。
いや、オープンサーキットでも不可欠だな。
それは、もう1台、CCRを持っていくってこと(サイドマウントで?)でもいいんですけど・・・。
その上で、やはり、ハイパーオキシアのリスクを負っても、マニュアルインフレーションの機能を持たせるべきだと考えている。
そうでなければ、CCRは単に潜水時間を延長するための道具にしか過ぎないことになってしまう(マニュアルの冒頭には、ちゃんとそう書いてありますけど)。
「8.5(PDFページで8ページ目)
The Poseidon MKVI is designed to extend the duration of recreational dives.」
(8.5
ポセイドンMKVIは、レクリエーションダイビングの期間を延長するように設計されています。:自動翻訳のまま)
まあいい。
浮沈子が、何かの間違いでインストラクターになって、CCRを教えることになったとしても、タダではここまで教えないな。
その代わり、レクリエーショナルレベルの認定者には、脅したり賺したりしてテクニカルレベルの講習を受講するように促すだろう(本当に脅したりはしませんが)。
CCRで潜るということの意味は、ここまで使えて、初めて分かるんだと。
今日の昼過ぎ、柏崎さんからメールが来て、講習用にレンタルしたマーク6の調子が悪く、代替機を手配中なんだそうだ。
うーん、やっぱセブンじゃないとだめなのか?。
どうやら、その代替機がまともに動くかどうかも怪しいらしい・・・。
マーク6の評価がボロクソだったというのも、頷けるというものだ。
そういえば、今日は、7月7日じゃないか!。
セブンの発注を、早くしろというお告げなのかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
ダイビングにおけるハイポキシアについては、このページに記事があった。
(Hypoxia)
http://www.medtogo.com/hypoxia.html
「症状は息切れ、錯乱、ろれつが回らない、視覚的な変化、極度の疲労、および頭痛。」
ダイビング中の生理については、まだまだ分からないことが多い。
なかなか人体実験も出来ないし、統計的なデータを得るのも容易ではない。
猫も杓子もダイコン付けて潜るようになったし、データもパソコンに入力して整理するんだから、ネットに上げてビッグデータとして処理する方法を考えてもいいんじゃないかと思うんだが。
まあ、CCRじゃあ、全然ビッグにならないだろうが。
組み立て ― 2014年07月08日 21:14
組み立て
百聞は一見に如かず。
案ずるより産むが易し。
ロンするより積むが易し(?)。
マーク6の講習1日目。
画像は、浮沈子が組んだ実機である。
ぴたりと嵌ったネジのおかげで、見事にSMS75にバックマウントされた。
あつらえたかのようなフィット感である。
しかし、まだ担いではいない。
今日は、ナレッジレビューと組み立て、プレダイブチェックで終わり。
実技は、明後日の午後になった(やれやれ・・・)。
心配していたスタートアッププロシージャー(コンピューター殿によるテスト)も、何の問題もなくパスして一発で終了。
今日は、組み立てたままの状態で、明後日は、そこから始めることに。
210ページに渡るPADIのリブリーザーマニュアルも入手(英語版)。
これから、毎日、格闘の日々が始まる。
加えて、エマージェンシーファーストレスポンスのインストラクターコースまで申し込んで、山のような資料を買わされた。
これ、読むのかあ?。
読むんだろうな。
この教材を作るのに、どれだけの手間隙掛けているかを考えれば、きちんと理解しないわけにはいかない。
浮沈子は、カードコレクターではないのである。
まあいい。
マーク6の組み立てでは、本体の中に、新たなOリングを発見した。
ソレノイドバルブから回路内に酸素が供給されるところに、赤い小さなOリングが嵌っていた。
うーん、マニュアルにもないOリングであるな。
また、マウスピースの逆止弁の漏れの確認方法が、なかなかユニークだった。
詳細は割愛するが、今度インスピでもやってみよう!。
他には特に戸惑うことはなかったが、例のタンクの残圧の確認の秘密が分かった。
パソコンからの設定で、残圧の上限を決めておくのである。
例えば、100気圧が上限の場合、50気圧の残圧であれば、液晶は50パーセントを示す。
上限を200気圧にしておけば、50気圧しかなければ、液晶は25パーセントを示すわけだ(5パーセント刻みの表示はない!)。
自分が上限値をいくつに設定したかを覚えておかないと、残圧の絶対値を知ることは出来ない。
もちろん、酸素やディリュエントを充填した時に、タンクにゲージを付けて確認することも行う。
酸素の濃度測定も行った(100パーセント超えてたのは、なぜ?)。
ちゃんとキャリブレーションもやって、慎重に測ったのだが・・・。
というわけで、懸案のタンクの残圧を知る方法も分かったわけだ。
しかし、どうも、最大値に対する割合での表示は馴染めないな。
もう一つ、これは、話の中で出てきたスキルで、レクリエーショナルレベルではないのだが、呼吸回路からガスを抜く方法として、マウスピースを頭上に掲げてクローズドサーキットモードにするという荒業を聞いた。
ウソだろう!?。
浮上中、オーバープレッシャーバルブを緩めてカウンターラングを押してもダメ、鼻からの排気もダメ(鼻づまりかあ?)。
そんなスキルは、聞いたこともない。
柏崎さんは、マーチンとかいうインストラクタートレーナーに、CCRテック40で指導を受けたそうだ。
まあ、どうでもいいんですが。
PADIの世界は、なかなかユニークだな。
明後日までに、手順の復習をしておかなければならない。
疑問に感じていた電子モジュールとタンクの取り付けは、マニュアルとは異なり、電子モジュールが先であった。
まあ、どっちでもいいんですが。
細かいノウハウがたくさんあって、いちいち覚えていられなかったが、基本的な流れは良く分かった。
実際に組んでみるのが一番である。
柏崎さんが用意している間、SMS75だけ身に付けて、ダイビングプール内でぷかぷか浮かんで遊んだ。
もちろん、BCとしての操作性や機能の確認である。
オーラルインフレーションもやってみた。
ガス抜きの塩梅もいい。
CCRを組んで、実際のダイビングで、細部を確認したら改めて報告する。
感触は悪くないし、調節したクロッチベルトの長さもぴったりだった。
アドバンスまでの講習を終了して、テクニカルを教わるためにセブンを購入する際、最初から、マニュアルインフレーター付きの構成にしてもらうことは可能だということだった。
今日は、いろいろ懸案が解決して、気分もスッキリした。
百聞は一見に如かず。
案ずるより産むが易し。
ロンするより積むが易し(?)。
マーク6の講習1日目。
画像は、浮沈子が組んだ実機である。
ぴたりと嵌ったネジのおかげで、見事にSMS75にバックマウントされた。
あつらえたかのようなフィット感である。
しかし、まだ担いではいない。
今日は、ナレッジレビューと組み立て、プレダイブチェックで終わり。
実技は、明後日の午後になった(やれやれ・・・)。
心配していたスタートアッププロシージャー(コンピューター殿によるテスト)も、何の問題もなくパスして一発で終了。
今日は、組み立てたままの状態で、明後日は、そこから始めることに。
210ページに渡るPADIのリブリーザーマニュアルも入手(英語版)。
これから、毎日、格闘の日々が始まる。
加えて、エマージェンシーファーストレスポンスのインストラクターコースまで申し込んで、山のような資料を買わされた。
これ、読むのかあ?。
読むんだろうな。
この教材を作るのに、どれだけの手間隙掛けているかを考えれば、きちんと理解しないわけにはいかない。
浮沈子は、カードコレクターではないのである。
まあいい。
マーク6の組み立てでは、本体の中に、新たなOリングを発見した。
ソレノイドバルブから回路内に酸素が供給されるところに、赤い小さなOリングが嵌っていた。
うーん、マニュアルにもないOリングであるな。
また、マウスピースの逆止弁の漏れの確認方法が、なかなかユニークだった。
詳細は割愛するが、今度インスピでもやってみよう!。
他には特に戸惑うことはなかったが、例のタンクの残圧の確認の秘密が分かった。
パソコンからの設定で、残圧の上限を決めておくのである。
例えば、100気圧が上限の場合、50気圧の残圧であれば、液晶は50パーセントを示す。
上限を200気圧にしておけば、50気圧しかなければ、液晶は25パーセントを示すわけだ(5パーセント刻みの表示はない!)。
自分が上限値をいくつに設定したかを覚えておかないと、残圧の絶対値を知ることは出来ない。
もちろん、酸素やディリュエントを充填した時に、タンクにゲージを付けて確認することも行う。
酸素の濃度測定も行った(100パーセント超えてたのは、なぜ?)。
ちゃんとキャリブレーションもやって、慎重に測ったのだが・・・。
というわけで、懸案のタンクの残圧を知る方法も分かったわけだ。
しかし、どうも、最大値に対する割合での表示は馴染めないな。
もう一つ、これは、話の中で出てきたスキルで、レクリエーショナルレベルではないのだが、呼吸回路からガスを抜く方法として、マウスピースを頭上に掲げてクローズドサーキットモードにするという荒業を聞いた。
ウソだろう!?。
浮上中、オーバープレッシャーバルブを緩めてカウンターラングを押してもダメ、鼻からの排気もダメ(鼻づまりかあ?)。
そんなスキルは、聞いたこともない。
柏崎さんは、マーチンとかいうインストラクタートレーナーに、CCRテック40で指導を受けたそうだ。
まあ、どうでもいいんですが。
PADIの世界は、なかなかユニークだな。
明後日までに、手順の復習をしておかなければならない。
疑問に感じていた電子モジュールとタンクの取り付けは、マニュアルとは異なり、電子モジュールが先であった。
まあ、どっちでもいいんですが。
細かいノウハウがたくさんあって、いちいち覚えていられなかったが、基本的な流れは良く分かった。
実際に組んでみるのが一番である。
柏崎さんが用意している間、SMS75だけ身に付けて、ダイビングプール内でぷかぷか浮かんで遊んだ。
もちろん、BCとしての操作性や機能の確認である。
オーラルインフレーションもやってみた。
ガス抜きの塩梅もいい。
CCRを組んで、実際のダイビングで、細部を確認したら改めて報告する。
感触は悪くないし、調節したクロッチベルトの長さもぴったりだった。
アドバンスまでの講習を終了して、テクニカルを教わるためにセブンを購入する際、最初から、マニュアルインフレーター付きの構成にしてもらうことは可能だということだった。
今日は、いろいろ懸案が解決して、気分もスッキリした。
赤丸 ― 2014年07月09日 05:55
赤丸
実際に組み立ててみる中で、マーク6についていくつか気付いた点を書いておこう。
画像は、大発見のOリングである。
マニュアルにも書いていないお宝だな!。
酸素の吹き出し口の真下にあって、呼吸回路内に漏れなく酸素を送り込むための気体のシールを担う。
インスピには、これに該当する部品はない。
ソレノイドバルブは、呼吸回路内にむき出しで、そのまま酸素を吐く。
他のCCRも、ネットの画像を見る限り同じだ。
この赤いOリングには、シスルナーの拘りを感じるな。
モレキュラーのソフノダイブ(しかし、欧米人もオヤジギャグが好きなんだな)797が、高品位の細かい顆粒であることも確認した。
ただ詰め込んであるだけではなく、上部にはフィルターも噛ましてあって、プレパッキングの工業製品としては上出来だ。
顆粒が動いてしまって粉々になるような設計ではない。
ビシッと詰まっていて、これなら安心して使えそうだ。
むしろ、従来のソフノライムのように、顆粒が自由に動ける状態での搬送の方が砕けて粉になりやすいわけで、遠からずインスピなども同じ構造になるのではないか。
二酸化炭素センサーも導入したことだし、テンパレチャースティックとお別れしても大丈夫だ。
じゃばらホースは、スパイラル状のじゃばらで、握っても潰れないしっかりしたものである。
コネクターとの接続は接着のようで、インスピのような、かしめる構造ではない。
好きな長さに調節するというわけにはいかないのだ。
この構造では、ネガティブチェックの際に、ホースを潰して戻りを見るという方法が使えない。
呼吸回路内の容積が減ると、じゃばらホースが長手方向に縮んで、布製のカバーにしわが寄るというのがミソである。
なるほど!。
浮沈子は、樹脂とかには詳しくないが、インスピのABS製の部品とは異なる素材が使われているようだ。
ちょっと割れやすそうな感じだが、この辺りの素材の選択のところは、十分に吟味されていることだろう。
ねじ山が噛んでしまうようなこともなく、接続はスムーズにできた。
全体的に作りは悪くない。
耐久性とか、長期的な品質こそ分からないが、インスピと比べても安物感はない。
いろいろな部品の細かいデザインを見ても、手を抜いているような感じはなかった。
オーバープレッシャーバルブは、押しボタンがあるわけではなく、排気の際はカウンターラングを押しながら排気する。
人間の方は、その間息を吐く動作をしなければならない。
オープンサーキットに切り替えて浮上する時、一応、緩めて排気しやすくするという手順が必要だが、浮力のコントロールの観点から、積極的に排気してやることも可能だ。
この際は、人間は呼吸回路の中に組み込まれていないので、普通にオープンサーキットで呼吸しているだけ。
きちんと練習しないと、インスピのくせで、バルブを開ける紐を捜しそうだな。
電気系のコネクターは、柏崎さんははずしたことはないそうだ。
それが無難だろう。
マッシュルームと呼ばれるマウスピースへの中圧ホースの接続が、手締めなのには驚いたが、外れるようなことはないとのことだった。
まあ、通常、圧力かかっているので問題はない。
ヘッドアップディスプレイは、見かけがチャチで、踏んづけて壊してしまいそうだ。
インスピと違って、中にはデバイスが入っているので高そうだな。
うーん、全体的な印象は、いろいろ気になるところもあるが、構造的な部分に限っていえば悪くない。
コンパクトに納めるための工夫が随所にあって、シンプルな構造になるように配慮されている。
ヘビーな用途ではないので、堅牢さという点では不安がないわけではないが、通常使う分には何の問題もないだろう。
カウンターラングとコネクターベースとの取り付けは、インスピと同様の構造だった(たぶん、不織布を圧着しているだけ)。
ここは、これしかないのかあ?
まあいい。
組み立てで、特に気になるような作りの悪さはない。
寸法精度も良く、大きな力が必要なところはなかった。
しかし、逆に見ると、20年近く前に開発されたインスピレーションの設計の優秀さが際立つ。
現代でも、十分に通用する。
電気仕掛けの部分は、どちらもバージョンアップしていくことだろうが、基本構造のところは大きくは変わらない。
CCRの構造は変えようがないということもあるだろうが、プレパッキングを導入して、コンパクトにまとめたという点ではマーク6の勝ちだな。
要は、その違いをしっかり分かって運用すればいいということだ。
逆に、違いを把握して操作しなければ、事故に繋がる。
ナレッジレビューで、とにかく、何かあったらオープンサーキットに切り替えて浮上と習う。
少なくとも、講習中はそうするしかない。
通常の方法でフラッシングしたり、酸素をマニュアルで追加することはできない。
そういえば、柏崎さんのグレードアップした仕様のマウスピースも見せていただいた(セブンです)。
見かけは変わらないが、CCとOCを切り替えるレバーが、カチッといって止まるようになった。
ダイビング中、ずれてしまわない程度の、僅かな抵抗である。
通常の切り替え時には、全く問題ない。
こんな細かいところも進化している。
まあ、ベイルアウトのレギュレーターを咥えるまでの、数呼吸の間の話だ。
こういう細かいところを疎かにしないで、地道に改良してくる姿勢は、インスピと同じだな。
今後も継続してもらいたいものだ。
実際に組み立ててみる中で、マーク6についていくつか気付いた点を書いておこう。
画像は、大発見のOリングである。
マニュアルにも書いていないお宝だな!。
酸素の吹き出し口の真下にあって、呼吸回路内に漏れなく酸素を送り込むための気体のシールを担う。
インスピには、これに該当する部品はない。
ソレノイドバルブは、呼吸回路内にむき出しで、そのまま酸素を吐く。
他のCCRも、ネットの画像を見る限り同じだ。
この赤いOリングには、シスルナーの拘りを感じるな。
モレキュラーのソフノダイブ(しかし、欧米人もオヤジギャグが好きなんだな)797が、高品位の細かい顆粒であることも確認した。
ただ詰め込んであるだけではなく、上部にはフィルターも噛ましてあって、プレパッキングの工業製品としては上出来だ。
顆粒が動いてしまって粉々になるような設計ではない。
ビシッと詰まっていて、これなら安心して使えそうだ。
むしろ、従来のソフノライムのように、顆粒が自由に動ける状態での搬送の方が砕けて粉になりやすいわけで、遠からずインスピなども同じ構造になるのではないか。
二酸化炭素センサーも導入したことだし、テンパレチャースティックとお別れしても大丈夫だ。
じゃばらホースは、スパイラル状のじゃばらで、握っても潰れないしっかりしたものである。
コネクターとの接続は接着のようで、インスピのような、かしめる構造ではない。
好きな長さに調節するというわけにはいかないのだ。
この構造では、ネガティブチェックの際に、ホースを潰して戻りを見るという方法が使えない。
呼吸回路内の容積が減ると、じゃばらホースが長手方向に縮んで、布製のカバーにしわが寄るというのがミソである。
なるほど!。
浮沈子は、樹脂とかには詳しくないが、インスピのABS製の部品とは異なる素材が使われているようだ。
ちょっと割れやすそうな感じだが、この辺りの素材の選択のところは、十分に吟味されていることだろう。
ねじ山が噛んでしまうようなこともなく、接続はスムーズにできた。
全体的に作りは悪くない。
耐久性とか、長期的な品質こそ分からないが、インスピと比べても安物感はない。
いろいろな部品の細かいデザインを見ても、手を抜いているような感じはなかった。
オーバープレッシャーバルブは、押しボタンがあるわけではなく、排気の際はカウンターラングを押しながら排気する。
人間の方は、その間息を吐く動作をしなければならない。
オープンサーキットに切り替えて浮上する時、一応、緩めて排気しやすくするという手順が必要だが、浮力のコントロールの観点から、積極的に排気してやることも可能だ。
この際は、人間は呼吸回路の中に組み込まれていないので、普通にオープンサーキットで呼吸しているだけ。
きちんと練習しないと、インスピのくせで、バルブを開ける紐を捜しそうだな。
電気系のコネクターは、柏崎さんははずしたことはないそうだ。
それが無難だろう。
マッシュルームと呼ばれるマウスピースへの中圧ホースの接続が、手締めなのには驚いたが、外れるようなことはないとのことだった。
まあ、通常、圧力かかっているので問題はない。
ヘッドアップディスプレイは、見かけがチャチで、踏んづけて壊してしまいそうだ。
インスピと違って、中にはデバイスが入っているので高そうだな。
うーん、全体的な印象は、いろいろ気になるところもあるが、構造的な部分に限っていえば悪くない。
コンパクトに納めるための工夫が随所にあって、シンプルな構造になるように配慮されている。
ヘビーな用途ではないので、堅牢さという点では不安がないわけではないが、通常使う分には何の問題もないだろう。
カウンターラングとコネクターベースとの取り付けは、インスピと同様の構造だった(たぶん、不織布を圧着しているだけ)。
ここは、これしかないのかあ?
まあいい。
組み立てで、特に気になるような作りの悪さはない。
寸法精度も良く、大きな力が必要なところはなかった。
しかし、逆に見ると、20年近く前に開発されたインスピレーションの設計の優秀さが際立つ。
現代でも、十分に通用する。
電気仕掛けの部分は、どちらもバージョンアップしていくことだろうが、基本構造のところは大きくは変わらない。
CCRの構造は変えようがないということもあるだろうが、プレパッキングを導入して、コンパクトにまとめたという点ではマーク6の勝ちだな。
要は、その違いをしっかり分かって運用すればいいということだ。
逆に、違いを把握して操作しなければ、事故に繋がる。
ナレッジレビューで、とにかく、何かあったらオープンサーキットに切り替えて浮上と習う。
少なくとも、講習中はそうするしかない。
通常の方法でフラッシングしたり、酸素をマニュアルで追加することはできない。
そういえば、柏崎さんのグレードアップした仕様のマウスピースも見せていただいた(セブンです)。
見かけは変わらないが、CCとOCを切り替えるレバーが、カチッといって止まるようになった。
ダイビング中、ずれてしまわない程度の、僅かな抵抗である。
通常の切り替え時には、全く問題ない。
こんな細かいところも進化している。
まあ、ベイルアウトのレギュレーターを咥えるまでの、数呼吸の間の話だ。
こういう細かいところを疎かにしないで、地道に改良してくる姿勢は、インスピと同じだな。
今後も継続してもらいたいものだ。
スピード ― 2014年07月09日 15:57
スピード
高致死率の感染症は、患者の殆どが死んでしまって、感染源であるウイルスや細菌は生存に失敗する。
宿主との折り合いに成功した大腸菌などは、共存共栄を図って、宿主の自然死まで繁殖を続けることが出来る。
感染の拡大についても、潜伏期間にもよるが、早期に発見し移動を制限すれば、高致死率の感染症ほど制御がしやすいはずだ。
だって、宿主が死んでしまうので、感染の広がりようがないからだ。
大規模な感染拡大が起こるのは、致死率が低く、生き残った感染者からの伝播が次々と鼠算式に増えるパンデミックである。
(パンデミック)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF
感染者数の増加が指数関数的に増えるので、死亡率は少ないが、一定の割合で死ぬので、絶対数は爆発的に増える。
しかし、この考え方が成り立つのは、感染者の隔離に成功し、潜伏期間内の移動が起こらない場合に限る。
どれだけ死亡率が高くても、潜伏期間内に世界中に感染者が散らばって、ウイルスや細菌をばら撒いてしまえば、人類の殆どを殺すことが可能だ。
致死率9割(流行年によって異なる)ともいわれるザイール型エボラ出血熱が、今、アフリカから世界に広がろうとしている。
今年2月に広がり始め、4月には終息するかに見えたが、封じ込めに失敗し、対応が遅れれば中世ヨーロッパを襲ったペストの二の舞になりかねない。
(過去最悪の流行になった西アフリカのエボラ出血熱)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41133
「ついに6月20日、国境なき医師団が、エボラ出血熱の蔓延がすでに制御不能に陥りかけていると発表した。」
「エボラ出血熱というのは、急性熱性疾患で、ウイルスの種類にもよるが、死亡率は50%から90%と非常に高い。」
「7月2日、この原稿を書いているうちに、新しいニュースが流れた。それによると、犠牲者がすでに500人を超えてしまったという。1週間前は、「制御不能になる可能性」だったのが、今回のニュースでは、すでに「制御不能」と報じられている。」
政治的な対応の遅れで、感染がさらに拡大する可能性は高く、西アフリカからの渡航について、先進国が何らかの方策を打たざるを得ないのではないかと浮沈子は見ている。
(エボラ出血熱、史上最悪の規模に…封じ込め困難)
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140709-OYT1T50048.html
「世界保健機関(WHO)によると、6日までのギニア、リベリア、シエラレオネの3か国で確認された感染者は、疑い例も含めて844人。うち518人が死亡した。」
(エボラ出血熱)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%87%BA%E8%A1%80%E7%86%B1
「エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行し、感染したときの致死率は50 - 90%と非常に高い」
「体内に数個のエボラウィルスが侵入しただけでも容易に発症する。そのため、バイオセーフティーレベルは最高度の4に指定されている。」
「「エボラ出血熱」の恐怖が知られるようになってから30年以上が経つが、これまでの死者数は1,590人(2012年12月現在)で、これは今日でも年間数十万人を超える死者を出しているマラリアやコレラと比較しても格段に少ない。その症状は激しく、致死率も高いが、「他人に感染する前に感染者が死に至るため、蔓延しにくい」とされており、その恐怖は映画や小説で描かれたイメージや、「致死率90%」という数字により誇張されている面もある」
「2005年12月1日付の英科学誌『ネイチャー』にて、ガボンのフランスビル国際医学研究センターなどのチームの調査による「食用コウモリからの感染」を疑う説が発表されている。患者の血液、分泌物、排泄物や唾液などの飛沫が感染源となる。死亡した患者からも感染する。」
「エボラウイルスの感染力は強いが基本的に空気感染をしないため、感染者の体液や血液に触れなければ感染しない。現在までの感染拡大も、死亡した患者の会葬の際や医療器具の不足(注射器や手袋など)により、患者の血液や体液に触れたことによりもたらされたものが多く、空気感染は基本的にない。そのため患者に近づかなければ感染することはない」
「アルコール消毒や石けんによる消毒が容易であり、大きな変異がない限り先進国での大きな流行の可能性は低いと考えられている。」
「エボラ出血熱ウイルスに対するワクチン、ならびに、エボラ出血熱感染症に対して有効かつ直接的な治療法は確立されていない。」
「2010年5月29日、ボストン大学のウイルス学者トーマス・ガイスバートをはじめとした研究チームが、エボラウイルスの中でヒトに対する病原性が最も強いザイール型のエボラウイルスに感染させた中国のアカゲザルの治療に成功したと「The Lancet」誌上で発表した。」
(2014年の西アフリカエボラ大流行)
http://ja.wikipedia.org/wiki/2014%E5%B9%B4%E3%81%AE%E8%A5%BF%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%A4%A7%E6%B5%81%E8%A1%8C
「エボラの流行として大きな特徴がある。
・感染者数、死亡者数ともに過去最悪。 西アフリカでの初めての流行
・史上初めての首都での流行
・致死率が高い「エボラ・ザイール株」の流行」
(Epidemic & Pandemic Alert and Response (EPR):WHOのページ))
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news.html
(Ebola virus disease, West Africa – update 7 July 2014)
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4217-ebola-virus-disease-west-africa-7-july-2014.html
518人の死者を報告しているページである。
この疾病の過去の累計の死者数が、2012年までの統計で1590人だというから、今回の流行が歴史的な意味を持っていることは明らかだ。
念のため、発症者がいる3か国について見ておこう。
(ギニア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%8B%E3%82%A2
「旧フランス植民地の中でも、1958年に他の植民地に先駆けて国民投票で独立した国家である。」
「国民議会は2007年に任期を終えたのち2008年末にクーデター政権により解散された後、依然として国民議会選挙は実施されておらず、2010年に設立された国家暫定評議会 (CNT) が暫定の立法機関となっており、2012年7月現在、国民議会は存在しない。」
(リベリア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A2
「アメリカ合衆国で解放された黒人奴隷によって建国され、1847年に独立し、現在のアフリカの中ではエチオピアに次いで古い国である。」
(シエラレオネ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%8D
「奴隷制から解放された黒人たちの移住地として1808年にイギリスの植民地となり、1961年に独立した。」
各国とも、かつての内戦から復興し、発展期に入ろうとしている。
周辺国や欧米の協力を得て、封じ込めに成功すれば何よりだが、失敗すれば事態は深刻な展開になるだろう。
未だに、鳥インフルエンザがどうなるか予断を許さない状況が続いている中で、エボラのような致死率の高い感染症が、新たな流行のパターンを獲得して蔓延しそうな気配がするな。
人間の活動がウイルスの生活環とリンクして、パンデミックの引き金を引きかねない。
その引き金に、指が掛かった感じがする。
(エボラウイルス疾患について (ファクトシート))
http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2014/05091411.html
この記事の表にある患者数、死者数からトータルでの致死率を見てみよう。
・患者数:
57+7+24+1+32+149+264+12+17+35+143+59+65+425+1+60+31+315+1+52+34+1+284+318=2387(人)
・死亡者数:
29+4+17+1+14+37+187+10+7+29+128+44+53+224+1+45+21+254+0+31+22+1+151+280=1590(人)
致死率は、約67パーセントである。
今回のウイルスは、新株だそうだが、類似のザイール株だけ見てみよう。
「患者20名から採取したサンプルの全長ゲノム配列と系統分類を行った結果、このウイルスはいわゆるエボラのザイール株と97%一致するものの、系統群は異なると推測されている」
・患者数(ザイール株):
32+264+12+35+143+59+65+1+60+31+315+52+1+318=1388(人)
・死亡者数(ザイール株):
14+187+10+29+128+44+53+1+45+21+254+31+1+280=1098(人)
致死率は、79パーセントに跳ね上がる。
今回の流行は、まだ途中集計だが、患者数844人に対して518人という死亡者数だから、約61パーセントの致死率ということになるな。
患者数の捕捉が急速に行われているステージなので、致死率が低く出ているのかもしれない(画像参照)。
浮沈子は、今回の流行について、あまりフォローしていなかったが、今後の行方を注視すべき段階に来たといえよう。
デカメロンで有名な14世紀のヨーロッパにおけるペストの大流行では、2000万人から3000万人が命を落としている。
(14世紀の大流行)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%B9%E3%83%88#14.E4.B8.96.E7.B4.80.E3.81.AE.E5.A4.A7.E6.B5.81.E8.A1.8C
「当時、モンゴル帝国の支配下でユーラシア大陸の東西を結ぶ交易が盛んになったことが、この大流行の背景にあると考えられている。」
現代は航空機によって、24時間以内に全世界に蔓延する可能性がある。
潜伏期間(エボラは2日から21日、通常7日程度)が長く、病状の進行が遅く、宿主の移動による拡散速度が十分に速ければ、致死性が高くてもパンデミックは発生する。
発症してからの経過については、時間的な推移が不明であるが、医療機関に赴いて感染源として隔離されるまでの間が長ければ長いほど、その間に多くの感染者を生む。
体液の濃厚接触による感染といわれているが、感染力は極めて強い。
航空機によるスピード時代に、ウイルス達は、どのように適応してくるのだろうか。
本来の自然宿主(感染しても発症しないで、ウイルスと共生できる生物)から離れて、人間などという直ぐに病気になって死んでしまう宿主に感染し、憎まれ役にされるというのも、ウイルスにしてみれば不本意な話だろう。
高致死率の感染症は、患者の殆どが死んでしまって、感染源であるウイルスや細菌は生存に失敗する。
宿主との折り合いに成功した大腸菌などは、共存共栄を図って、宿主の自然死まで繁殖を続けることが出来る。
感染の拡大についても、潜伏期間にもよるが、早期に発見し移動を制限すれば、高致死率の感染症ほど制御がしやすいはずだ。
だって、宿主が死んでしまうので、感染の広がりようがないからだ。
大規模な感染拡大が起こるのは、致死率が低く、生き残った感染者からの伝播が次々と鼠算式に増えるパンデミックである。
(パンデミック)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF
感染者数の増加が指数関数的に増えるので、死亡率は少ないが、一定の割合で死ぬので、絶対数は爆発的に増える。
しかし、この考え方が成り立つのは、感染者の隔離に成功し、潜伏期間内の移動が起こらない場合に限る。
どれだけ死亡率が高くても、潜伏期間内に世界中に感染者が散らばって、ウイルスや細菌をばら撒いてしまえば、人類の殆どを殺すことが可能だ。
致死率9割(流行年によって異なる)ともいわれるザイール型エボラ出血熱が、今、アフリカから世界に広がろうとしている。
今年2月に広がり始め、4月には終息するかに見えたが、封じ込めに失敗し、対応が遅れれば中世ヨーロッパを襲ったペストの二の舞になりかねない。
(過去最悪の流行になった西アフリカのエボラ出血熱)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41133
「ついに6月20日、国境なき医師団が、エボラ出血熱の蔓延がすでに制御不能に陥りかけていると発表した。」
「エボラ出血熱というのは、急性熱性疾患で、ウイルスの種類にもよるが、死亡率は50%から90%と非常に高い。」
「7月2日、この原稿を書いているうちに、新しいニュースが流れた。それによると、犠牲者がすでに500人を超えてしまったという。1週間前は、「制御不能になる可能性」だったのが、今回のニュースでは、すでに「制御不能」と報じられている。」
政治的な対応の遅れで、感染がさらに拡大する可能性は高く、西アフリカからの渡航について、先進国が何らかの方策を打たざるを得ないのではないかと浮沈子は見ている。
(エボラ出血熱、史上最悪の規模に…封じ込め困難)
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140709-OYT1T50048.html
「世界保健機関(WHO)によると、6日までのギニア、リベリア、シエラレオネの3か国で確認された感染者は、疑い例も含めて844人。うち518人が死亡した。」
(エボラ出血熱)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%87%BA%E8%A1%80%E7%86%B1
「エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行し、感染したときの致死率は50 - 90%と非常に高い」
「体内に数個のエボラウィルスが侵入しただけでも容易に発症する。そのため、バイオセーフティーレベルは最高度の4に指定されている。」
「「エボラ出血熱」の恐怖が知られるようになってから30年以上が経つが、これまでの死者数は1,590人(2012年12月現在)で、これは今日でも年間数十万人を超える死者を出しているマラリアやコレラと比較しても格段に少ない。その症状は激しく、致死率も高いが、「他人に感染する前に感染者が死に至るため、蔓延しにくい」とされており、その恐怖は映画や小説で描かれたイメージや、「致死率90%」という数字により誇張されている面もある」
「2005年12月1日付の英科学誌『ネイチャー』にて、ガボンのフランスビル国際医学研究センターなどのチームの調査による「食用コウモリからの感染」を疑う説が発表されている。患者の血液、分泌物、排泄物や唾液などの飛沫が感染源となる。死亡した患者からも感染する。」
「エボラウイルスの感染力は強いが基本的に空気感染をしないため、感染者の体液や血液に触れなければ感染しない。現在までの感染拡大も、死亡した患者の会葬の際や医療器具の不足(注射器や手袋など)により、患者の血液や体液に触れたことによりもたらされたものが多く、空気感染は基本的にない。そのため患者に近づかなければ感染することはない」
「アルコール消毒や石けんによる消毒が容易であり、大きな変異がない限り先進国での大きな流行の可能性は低いと考えられている。」
「エボラ出血熱ウイルスに対するワクチン、ならびに、エボラ出血熱感染症に対して有効かつ直接的な治療法は確立されていない。」
「2010年5月29日、ボストン大学のウイルス学者トーマス・ガイスバートをはじめとした研究チームが、エボラウイルスの中でヒトに対する病原性が最も強いザイール型のエボラウイルスに感染させた中国のアカゲザルの治療に成功したと「The Lancet」誌上で発表した。」
(2014年の西アフリカエボラ大流行)
http://ja.wikipedia.org/wiki/2014%E5%B9%B4%E3%81%AE%E8%A5%BF%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%A4%A7%E6%B5%81%E8%A1%8C
「エボラの流行として大きな特徴がある。
・感染者数、死亡者数ともに過去最悪。 西アフリカでの初めての流行
・史上初めての首都での流行
・致死率が高い「エボラ・ザイール株」の流行」
(Epidemic & Pandemic Alert and Response (EPR):WHOのページ))
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news.html
(Ebola virus disease, West Africa – update 7 July 2014)
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4217-ebola-virus-disease-west-africa-7-july-2014.html
518人の死者を報告しているページである。
この疾病の過去の累計の死者数が、2012年までの統計で1590人だというから、今回の流行が歴史的な意味を持っていることは明らかだ。
念のため、発症者がいる3か国について見ておこう。
(ギニア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%8B%E3%82%A2
「旧フランス植民地の中でも、1958年に他の植民地に先駆けて国民投票で独立した国家である。」
「国民議会は2007年に任期を終えたのち2008年末にクーデター政権により解散された後、依然として国民議会選挙は実施されておらず、2010年に設立された国家暫定評議会 (CNT) が暫定の立法機関となっており、2012年7月現在、国民議会は存在しない。」
(リベリア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A2
「アメリカ合衆国で解放された黒人奴隷によって建国され、1847年に独立し、現在のアフリカの中ではエチオピアに次いで古い国である。」
(シエラレオネ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%8D
「奴隷制から解放された黒人たちの移住地として1808年にイギリスの植民地となり、1961年に独立した。」
各国とも、かつての内戦から復興し、発展期に入ろうとしている。
周辺国や欧米の協力を得て、封じ込めに成功すれば何よりだが、失敗すれば事態は深刻な展開になるだろう。
未だに、鳥インフルエンザがどうなるか予断を許さない状況が続いている中で、エボラのような致死率の高い感染症が、新たな流行のパターンを獲得して蔓延しそうな気配がするな。
人間の活動がウイルスの生活環とリンクして、パンデミックの引き金を引きかねない。
その引き金に、指が掛かった感じがする。
(エボラウイルス疾患について (ファクトシート))
http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2014/05091411.html
この記事の表にある患者数、死者数からトータルでの致死率を見てみよう。
・患者数:
57+7+24+1+32+149+264+12+17+35+143+59+65+425+1+60+31+315+1+52+34+1+284+318=2387(人)
・死亡者数:
29+4+17+1+14+37+187+10+7+29+128+44+53+224+1+45+21+254+0+31+22+1+151+280=1590(人)
致死率は、約67パーセントである。
今回のウイルスは、新株だそうだが、類似のザイール株だけ見てみよう。
「患者20名から採取したサンプルの全長ゲノム配列と系統分類を行った結果、このウイルスはいわゆるエボラのザイール株と97%一致するものの、系統群は異なると推測されている」
・患者数(ザイール株):
32+264+12+35+143+59+65+1+60+31+315+52+1+318=1388(人)
・死亡者数(ザイール株):
14+187+10+29+128+44+53+1+45+21+254+31+1+280=1098(人)
致死率は、79パーセントに跳ね上がる。
今回の流行は、まだ途中集計だが、患者数844人に対して518人という死亡者数だから、約61パーセントの致死率ということになるな。
患者数の捕捉が急速に行われているステージなので、致死率が低く出ているのかもしれない(画像参照)。
浮沈子は、今回の流行について、あまりフォローしていなかったが、今後の行方を注視すべき段階に来たといえよう。
デカメロンで有名な14世紀のヨーロッパにおけるペストの大流行では、2000万人から3000万人が命を落としている。
(14世紀の大流行)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%B9%E3%83%88#14.E4.B8.96.E7.B4.80.E3.81.AE.E5.A4.A7.E6.B5.81.E8.A1.8C
「当時、モンゴル帝国の支配下でユーラシア大陸の東西を結ぶ交易が盛んになったことが、この大流行の背景にあると考えられている。」
現代は航空機によって、24時間以内に全世界に蔓延する可能性がある。
潜伏期間(エボラは2日から21日、通常7日程度)が長く、病状の進行が遅く、宿主の移動による拡散速度が十分に速ければ、致死性が高くてもパンデミックは発生する。
発症してからの経過については、時間的な推移が不明であるが、医療機関に赴いて感染源として隔離されるまでの間が長ければ長いほど、その間に多くの感染者を生む。
体液の濃厚接触による感染といわれているが、感染力は極めて強い。
航空機によるスピード時代に、ウイルス達は、どのように適応してくるのだろうか。
本来の自然宿主(感染しても発症しないで、ウイルスと共生できる生物)から離れて、人間などという直ぐに病気になって死んでしまう宿主に感染し、憎まれ役にされるというのも、ウイルスにしてみれば不本意な話だろう。
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