ボーイングは不道徳なのか ― 2019年11月01日 01:23
ボーイングは不道徳なのか
(米ボーイング、安全より利益優先と非難され 米上院公聴会)
https://www.bbc.com/japanese/50230371
「墜落事故の遺族の多くが公聴会に出席した。遺族はBBCの取材に対し、マレンバーグ氏は責任を逃れようとしているように感じた、辞任すべきだと述べた。」
「エチオピア航空機事故で家族5人を亡くしたポール・ンジョロゲさんは、「2度の事故による346人の死への責任を負うと、マレンバーグ氏に明確に言ってもらいたい。事故は防げたはずだ」と述べた。」
「同じくエチオピア航空機の事故で亡くなったサムヤ・ストゥモさんのきょうだいアドナンさんは、マレンバーグ氏は辞任して「刑務所に入る」べきだと述べた。」
浮沈子の家族や親戚には、幸いにして航空機事故の犠牲者はいない。
そのままでは、欠陥機の烙印を押されることが明らかな737MAXを手っ取り早く就航させるために生煮えのMCASを導入し、更にNG(ネクストジェネレーション)シリーズと変わるところはありませんと嘘八百を並べ立てて、キャリアに売り込んだ罪は重い。
杜撰な設計と重要事項の隠ぺいにより、結果的に346人の犠牲者を生んだ。
今また、そのMCASをちょろっと弄り、移行訓練を多少強化して運航再開を狙っている。
誤解を生まないために、従来のNGシリーズと比べてみようか。
燃費の悪いエンジンを積んだNGシリーズは、離陸時の全力加速時に旋回したりしても、機首上げ失速を起こすことはない。
推力線と機体の揚力とがバランスしていて、何の仕掛けを施さなくても安定した上昇が可能だ。
その点では、100パーセントの安全を誇っている。
今日掲載されている記事を見ると、経年劣化で部品に亀裂が入ってしまうらしいから、全面的に信頼するわけにはいかないだろうけどな。
(ボーイング「737NG」最大50機に亀裂、運航見合わせへ)
https://www.afpbb.com/articles/-/3252445
「先にボーイングは737NGの胴体に翼を取り付ける部品に問題が見つかったと米規制当局に報告」
ここが破断すれば、当然飛行機は墜落する。
やれやれ・・・。
まあいい。
少なくとも、離陸時の機首上げ失速の心配はない。
問題なのは、燃費だけで、ライバルのA320ネオにシェアを奪われるだけの話だ(それが何だ?)。
どれだけMCASを改良しようとも、AOAセンサー(ベーン式の迎え角センサー)が、バードストライクなどで損傷すれば、離陸の際の急上昇時に正常な作動を期待することはできない。
そして、パイロットの手に委ねられるのは、本来、MCASによってキャンセルされるはずの機首上げ失速しやすい空力的欠陥機ということになる。
(737MAXで「過失」認める、ボーイングCEOが議会証言へ)
https://jp.reuters.com/article/ethiopia-airplane-congress-idJPKBN1X728B
「その上で「当局は最も厳しい基準で審査して初めて運航再開を認めるべきだ」とし、運航再開後の737MAX機は「最も安全な航空機の1つになる」との見方を示した。」
どこが安全なものか。
MCAS絡みの部分だけ見れば、旧型のNGシリーズの方がはるかに安全だ(亀裂の入った翼取り付け部分を除けばね)。
燃費優先で、改造にコストが掛からず、移行訓練なしでキャリアの負担も少ないMAXは、飛ぶように売れた。
ウソで塗り固めて売り込んだのは、おそらく事実だろう。
その点では、弁解の余地はない。
しかし、再運航を狙って、おざなりの改良で良しとするのはいささか疑問だ(浮沈子的には、やむを得ないと考えてますけど)。
まして、その欠陥を内包しながら、「最も安全な航空機」などとうそぶく神経を疑う。
せいぜい、従来の「空飛ぶ棺桶」が、空飛ぶレンガになった程度に過ぎない(フライングブリックというのは、ボルボのかつてのあだ名だけどな)。
しかも、その評価を行う規制当局は骨抜きのままで、業界主導の体制は今後も貫くというから、鉄面皮にも程があるというものだ。
ボーイングは不道徳な会社なのか?。
そうとも言えるし、そうでないとも言える。
そもそも、安くて乗り心地がいい飛行機に乗りたいなどという我々の我儘が元だからな。
コストを削り、安全を犠牲にし、その安全を担保するはずの規制当局を骨抜きにし、弁護士には金を払うが技術者にはケツを向けるとんでもない会社をのさばらせた。
その構図が変わらない限り、航空機事故は繰り返される。
改良されたMAXでも、NG以下の安全性しかない。
それを、最も安全な航空機というなら、他は推して知るべしだからな。
そして、自家用ジェットを買えない我々には、選択の余地はない。
エアバスだって、同じ穴の狢だ。
シェアを獲得するためには、あざといことだって、躊躇わずに行うに違いない。
それを規制し、安全を担保してくれるはずの規制当局がまともに機能しないようにすることだって、平気で行うに違いないのだ。
もちろん事故が頻発するような事態になれば、さすがのキャリアも敬遠するだろうから、全く無法地帯なわけではない。
346人の犠牲者は、貴重な教訓を残している。
347人目は、あなただと・・・。
ぶつからない自動車、沈まない船、落ちない飛行機、爆発しないロケット・・・。
残念ながら、そんなものはない。
現実には、そのリスクと共存し、利便性と秤に掛けて、現実的な選択を行うしかないのだ。
そして、多くの場合、選択肢は限られている。
航空機の安全は妥協の産物だ。
MCASによる動的安定性を許容した時点で、誤作動や不作動によるリスクを受け入れることになる。
機体を完全に再設計し、静的安定性を持った航空機を導入するのがいいに決まっている(ついでに、つばさの取り付け部品も交換してね!)。
そうしない限り、「最も安全な航空機」なんて絵空事だ。
キャリアやメーカーにとって、「最も金儲けができる航空機」であることは確かだろうけどな。
そして、それを促しているのは、最終消費者である我々自身だ。
FAAが自前で審査を行うようにするには、新たに1万人の職員が必要になると言われている。
(米FAA、航空機の認証審査を内部で行えば18億ドルかかると指摘)
https://jp.reuters.com/article/faa-elwell-boeing-idJPKCN1R902R
「米連邦航空局(FAA)のエルウェル局長代行は27日に開かれた上院の委員会での公聴会で、航空機の安全性認証審査を外部委託せずに全て内部で行うことになった場合、18億ドルの費用が発生し、新たに1万人の職員が必要になるとの見方を示した。」
勢い付いて、新たな法律を作ろうとか言っている議会が、その予算を認める気がないことは明らかだ。
それを認めたって、態勢が整備されるまでは、長い期間が掛かる。
今日明日に、当局による安全性の担保機能が盤石になるわけじゃあない。
航空機大国の米国にして、この体たらくだからな。
それに追随するのが精一杯の我が国なんて、問題外だ(MRJ=スペースジェットは、いつになっても飛ばないしな)。
(三菱スペースジェット、試験機完成遅れ 6度目延期が現実味:追加)
https://www.aviationwire.jp/archives/188938
「10月31日に地域航空会社3社を持つ米トランス・ステーツ・ホールディングス(TSH)が最大100機購入する契約をキャンセルした」
欧州はどうなんだろう?。
ボンバルディアを擁するカナダは?。
エンブラエルを擁するブラジルとかは?。
787のバッテリー問題以来、浮沈子はB社の対応に不信感を拭い切れないでいる。
この会社には、飛行機という人命を預かる機械を作る資格がないのではないか。
メーカーとしての誇りも、義務感も、責任感も感じられない。
株価と、収益と、シェアだけが価値なわけだ。
安全?。
それは、保険会社とか弁護士が考えることで、ビジネスの根幹ではない。
そう考えているのではないかと疑うような対応が多過ぎる。
来年まで運航再開が伸びるようなら、737MAXの生産は停止される公算が高い。
(事故機種の運航再開、越年も ボーイング生産停止の可能性)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51343820U9A021C1TJ2000/
「ボーイングは越年すれば生産停止を検討」
夏ごろから、そういう話は出ている。
(ボーイング、運航停止長引けば737MAX生産停止も)
https://jp.wsj.com/articles/SB11529455906466464454504585446400408173506
「米航空機大手ボーイングのデニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は(7月)24日、最新鋭小型旅客機「737 MAX(マックス) 」の運航停止が10-12月期(第4四半期)の初め以降まで長引いた場合、さらなる減産あるいは生産停止に至る可能性があると述べた。」
議会証言の状況を見ると、越年は確実な感じだがな。
(マレンバーグ会長「安全はボーイングの核心」 737 MAXソフトウェア改修へ)
https://www.aviationwire.jp/archives/168563
「安全はボーイングの核心であり、私たちの飛行機によって安全で安心できる旅行を保証することは永続的な価値で、すべての人に対するゆるぎない責任だ」
絵空事に聞こえるのは、浮沈子の幻聴のせいなんだろうか・・・。
(米ボーイング、安全より利益優先と非難され 米上院公聴会)
https://www.bbc.com/japanese/50230371
「墜落事故の遺族の多くが公聴会に出席した。遺族はBBCの取材に対し、マレンバーグ氏は責任を逃れようとしているように感じた、辞任すべきだと述べた。」
「エチオピア航空機事故で家族5人を亡くしたポール・ンジョロゲさんは、「2度の事故による346人の死への責任を負うと、マレンバーグ氏に明確に言ってもらいたい。事故は防げたはずだ」と述べた。」
「同じくエチオピア航空機の事故で亡くなったサムヤ・ストゥモさんのきょうだいアドナンさんは、マレンバーグ氏は辞任して「刑務所に入る」べきだと述べた。」
浮沈子の家族や親戚には、幸いにして航空機事故の犠牲者はいない。
そのままでは、欠陥機の烙印を押されることが明らかな737MAXを手っ取り早く就航させるために生煮えのMCASを導入し、更にNG(ネクストジェネレーション)シリーズと変わるところはありませんと嘘八百を並べ立てて、キャリアに売り込んだ罪は重い。
杜撰な設計と重要事項の隠ぺいにより、結果的に346人の犠牲者を生んだ。
今また、そのMCASをちょろっと弄り、移行訓練を多少強化して運航再開を狙っている。
誤解を生まないために、従来のNGシリーズと比べてみようか。
燃費の悪いエンジンを積んだNGシリーズは、離陸時の全力加速時に旋回したりしても、機首上げ失速を起こすことはない。
推力線と機体の揚力とがバランスしていて、何の仕掛けを施さなくても安定した上昇が可能だ。
その点では、100パーセントの安全を誇っている。
今日掲載されている記事を見ると、経年劣化で部品に亀裂が入ってしまうらしいから、全面的に信頼するわけにはいかないだろうけどな。
(ボーイング「737NG」最大50機に亀裂、運航見合わせへ)
https://www.afpbb.com/articles/-/3252445
「先にボーイングは737NGの胴体に翼を取り付ける部品に問題が見つかったと米規制当局に報告」
ここが破断すれば、当然飛行機は墜落する。
やれやれ・・・。
まあいい。
少なくとも、離陸時の機首上げ失速の心配はない。
問題なのは、燃費だけで、ライバルのA320ネオにシェアを奪われるだけの話だ(それが何だ?)。
どれだけMCASを改良しようとも、AOAセンサー(ベーン式の迎え角センサー)が、バードストライクなどで損傷すれば、離陸の際の急上昇時に正常な作動を期待することはできない。
そして、パイロットの手に委ねられるのは、本来、MCASによってキャンセルされるはずの機首上げ失速しやすい空力的欠陥機ということになる。
(737MAXで「過失」認める、ボーイングCEOが議会証言へ)
https://jp.reuters.com/article/ethiopia-airplane-congress-idJPKBN1X728B
「その上で「当局は最も厳しい基準で審査して初めて運航再開を認めるべきだ」とし、運航再開後の737MAX機は「最も安全な航空機の1つになる」との見方を示した。」
どこが安全なものか。
MCAS絡みの部分だけ見れば、旧型のNGシリーズの方がはるかに安全だ(亀裂の入った翼取り付け部分を除けばね)。
燃費優先で、改造にコストが掛からず、移行訓練なしでキャリアの負担も少ないMAXは、飛ぶように売れた。
ウソで塗り固めて売り込んだのは、おそらく事実だろう。
その点では、弁解の余地はない。
しかし、再運航を狙って、おざなりの改良で良しとするのはいささか疑問だ(浮沈子的には、やむを得ないと考えてますけど)。
まして、その欠陥を内包しながら、「最も安全な航空機」などとうそぶく神経を疑う。
せいぜい、従来の「空飛ぶ棺桶」が、空飛ぶレンガになった程度に過ぎない(フライングブリックというのは、ボルボのかつてのあだ名だけどな)。
しかも、その評価を行う規制当局は骨抜きのままで、業界主導の体制は今後も貫くというから、鉄面皮にも程があるというものだ。
ボーイングは不道徳な会社なのか?。
そうとも言えるし、そうでないとも言える。
そもそも、安くて乗り心地がいい飛行機に乗りたいなどという我々の我儘が元だからな。
コストを削り、安全を犠牲にし、その安全を担保するはずの規制当局を骨抜きにし、弁護士には金を払うが技術者にはケツを向けるとんでもない会社をのさばらせた。
その構図が変わらない限り、航空機事故は繰り返される。
改良されたMAXでも、NG以下の安全性しかない。
それを、最も安全な航空機というなら、他は推して知るべしだからな。
そして、自家用ジェットを買えない我々には、選択の余地はない。
エアバスだって、同じ穴の狢だ。
シェアを獲得するためには、あざといことだって、躊躇わずに行うに違いない。
それを規制し、安全を担保してくれるはずの規制当局がまともに機能しないようにすることだって、平気で行うに違いないのだ。
もちろん事故が頻発するような事態になれば、さすがのキャリアも敬遠するだろうから、全く無法地帯なわけではない。
346人の犠牲者は、貴重な教訓を残している。
347人目は、あなただと・・・。
ぶつからない自動車、沈まない船、落ちない飛行機、爆発しないロケット・・・。
残念ながら、そんなものはない。
現実には、そのリスクと共存し、利便性と秤に掛けて、現実的な選択を行うしかないのだ。
そして、多くの場合、選択肢は限られている。
航空機の安全は妥協の産物だ。
MCASによる動的安定性を許容した時点で、誤作動や不作動によるリスクを受け入れることになる。
機体を完全に再設計し、静的安定性を持った航空機を導入するのがいいに決まっている(ついでに、つばさの取り付け部品も交換してね!)。
そうしない限り、「最も安全な航空機」なんて絵空事だ。
キャリアやメーカーにとって、「最も金儲けができる航空機」であることは確かだろうけどな。
そして、それを促しているのは、最終消費者である我々自身だ。
FAAが自前で審査を行うようにするには、新たに1万人の職員が必要になると言われている。
(米FAA、航空機の認証審査を内部で行えば18億ドルかかると指摘)
https://jp.reuters.com/article/faa-elwell-boeing-idJPKCN1R902R
「米連邦航空局(FAA)のエルウェル局長代行は27日に開かれた上院の委員会での公聴会で、航空機の安全性認証審査を外部委託せずに全て内部で行うことになった場合、18億ドルの費用が発生し、新たに1万人の職員が必要になるとの見方を示した。」
勢い付いて、新たな法律を作ろうとか言っている議会が、その予算を認める気がないことは明らかだ。
それを認めたって、態勢が整備されるまでは、長い期間が掛かる。
今日明日に、当局による安全性の担保機能が盤石になるわけじゃあない。
航空機大国の米国にして、この体たらくだからな。
それに追随するのが精一杯の我が国なんて、問題外だ(MRJ=スペースジェットは、いつになっても飛ばないしな)。
(三菱スペースジェット、試験機完成遅れ 6度目延期が現実味:追加)
https://www.aviationwire.jp/archives/188938
「10月31日に地域航空会社3社を持つ米トランス・ステーツ・ホールディングス(TSH)が最大100機購入する契約をキャンセルした」
欧州はどうなんだろう?。
ボンバルディアを擁するカナダは?。
エンブラエルを擁するブラジルとかは?。
787のバッテリー問題以来、浮沈子はB社の対応に不信感を拭い切れないでいる。
この会社には、飛行機という人命を預かる機械を作る資格がないのではないか。
メーカーとしての誇りも、義務感も、責任感も感じられない。
株価と、収益と、シェアだけが価値なわけだ。
安全?。
それは、保険会社とか弁護士が考えることで、ビジネスの根幹ではない。
そう考えているのではないかと疑うような対応が多過ぎる。
来年まで運航再開が伸びるようなら、737MAXの生産は停止される公算が高い。
(事故機種の運航再開、越年も ボーイング生産停止の可能性)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51343820U9A021C1TJ2000/
「ボーイングは越年すれば生産停止を検討」
夏ごろから、そういう話は出ている。
(ボーイング、運航停止長引けば737MAX生産停止も)
https://jp.wsj.com/articles/SB11529455906466464454504585446400408173506
「米航空機大手ボーイングのデニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は(7月)24日、最新鋭小型旅客機「737 MAX(マックス) 」の運航停止が10-12月期(第4四半期)の初め以降まで長引いた場合、さらなる減産あるいは生産停止に至る可能性があると述べた。」
議会証言の状況を見ると、越年は確実な感じだがな。
(マレンバーグ会長「安全はボーイングの核心」 737 MAXソフトウェア改修へ)
https://www.aviationwire.jp/archives/168563
「安全はボーイングの核心であり、私たちの飛行機によって安全で安心できる旅行を保証することは永続的な価値で、すべての人に対するゆるぎない責任だ」
絵空事に聞こえるのは、浮沈子の幻聴のせいなんだろうか・・・。
DPV依存してはいけないって書いてあるけど無理だな ― 2019年11月01日 18:11
DPV依存してはいけないって書いてあるけど無理だな
頂いたカードの裏には、以下のように書いてある。
「Non-DPV dependent.」
「no overhead diving」
まあ、オーバーヘッド環境には、頼まれても行かないから問題ない。
DPVに依存してはいけないというのは、本来それなしでは帰ってこられないような運用(行った先で電池が切れるとか、ガス切れになるとか)をしてはいけないという意味だ。
しかし、一度その味をしめたら、きちんとした潜水計画を立てて運用する意味でのDPV依存(中毒?)からは容易に抜け出せない。
週末は、ファンダメンタルズの講習に3日間サポートとして入るけど、それが終わったらAV1を戻しに富戸に行くついでに潜ってこようと思っている。
荻原さんからは、DPVを傍らにぶら下げてファンダメンタルズのスキルをこなすことを勧められたが、丁重にお断りした。
浮沈子には、まだ、新しい要素を加えるには早すぎる。
素のファンダメンタルズのスキルを安定させていく方が先だ。
それがちゃんと出来るようになったら、DPVをお供にしてもいいかも。
せっかく合格したんだから、GUE推奨タイプでなくても、活用しない手はない。
最近は、軽くて使いやすいタイプも出ているようだしな。
ふつーのファンダイブで、DPVで楽してどこが悪い?。
ヘタクソなフィンキックより、DPVでガスを節約しながら安全に潜るのが正しい(フィンキックも、練習しましょう!)。
いや、実に楽しい。
陸上での運搬とかを考えなければ、どこに行くにも携えていきたいアイテムだな。
ドライスーツでCCR吸いながらDPVする。
今年の冬は、それを目標にしよう(出来んのかあ?)。
今年でダメなら、また来年でもいい。
いつかはものにして、楽ちんで、静かで、寒い海でも暖かなダイビングを楽しみたいものだ・・・。
頂いたカードの裏には、以下のように書いてある。
「Non-DPV dependent.」
「no overhead diving」
まあ、オーバーヘッド環境には、頼まれても行かないから問題ない。
DPVに依存してはいけないというのは、本来それなしでは帰ってこられないような運用(行った先で電池が切れるとか、ガス切れになるとか)をしてはいけないという意味だ。
しかし、一度その味をしめたら、きちんとした潜水計画を立てて運用する意味でのDPV依存(中毒?)からは容易に抜け出せない。
週末は、ファンダメンタルズの講習に3日間サポートとして入るけど、それが終わったらAV1を戻しに富戸に行くついでに潜ってこようと思っている。
荻原さんからは、DPVを傍らにぶら下げてファンダメンタルズのスキルをこなすことを勧められたが、丁重にお断りした。
浮沈子には、まだ、新しい要素を加えるには早すぎる。
素のファンダメンタルズのスキルを安定させていく方が先だ。
それがちゃんと出来るようになったら、DPVをお供にしてもいいかも。
せっかく合格したんだから、GUE推奨タイプでなくても、活用しない手はない。
最近は、軽くて使いやすいタイプも出ているようだしな。
ふつーのファンダイブで、DPVで楽してどこが悪い?。
ヘタクソなフィンキックより、DPVでガスを節約しながら安全に潜るのが正しい(フィンキックも、練習しましょう!)。
いや、実に楽しい。
陸上での運搬とかを考えなければ、どこに行くにも携えていきたいアイテムだな。
ドライスーツでCCR吸いながらDPVする。
今年の冬は、それを目標にしよう(出来んのかあ?)。
今年でダメなら、また来年でもいい。
いつかはものにして、楽ちんで、静かで、寒い海でも暖かなダイビングを楽しみたいものだ・・・。
イントロテックのテキストを読む ― 2019年11月06日 09:15
イントロテックのテキストを読む
講習を受けたのは、ほぼ2年前だ。
(年内最後の筋肉痛)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/12/16/8749421
「海に浸かる前に、ベンチに腹ばいになってフィンワークの練習から。
もう、これだけで筋肉痛確定だな。
ちゃんとフィンワークを教わるのは、初めてだからな。」
「月刊ダイバー」の取材で来ていたフルケイブダイバーの方と潜った。
既にテック40は持っていたが、基礎が出来ていない浮沈子は、名ばかりのテックダイバーだった(過去形かあ?)。
今や、押しも押されぬGUEファンダメンタルズテックパスダイバーとなった(ひょっとして、こっちも名ばかり?)。
先週末の3連休で、一緒に受講していた他の2人のダイバーも無事にテックパス通過。
新たに誕生したファンダメンタルズテックパスダイバーが3人となった。
喜ばしい。
もっとも、2人ともPADIではTec Trimix 65やTec 50のダイバーなわけで、ファンダメンタルズのテックパスのレベルがそれなりに高いことが分かる。
昨日は富戸に移動して、口直しにドライスーツ、シングルタンクでアポロのAV1を駆る。
自動車のバッテリー充電器で13.2ボルトまで充電した、秋月電子取り扱いの安物バッテリーを試す(AV1純正の充電器では、11ボルトくらいまでしか充電できないので)。
ややパワー不足の感じは否めないが(山口さんは、そうは感じていないという)、50分以上の富戸のダイビングを2本、ふつーにこなした。
終了後、バッテリーの電圧を計ってみたら、10.5ボルトに落ちていた。
ほぼ限界だな。
バーンテストとしては十分だろう。
またしばらくの間は、富戸で預かってもらって活用して頂こう。
富戸の前泊の夜中、先日送られてきたイントロテックの日本語版テキストを読む。
初版ならではの誤植やミスプリもあるけど、内容的にはよくまとまっていて、巷に溢れているテクニカルダイビングに対する誤解を解くための有用なツールに仕上がっている。
多くのダイバーがこのコースを受講して、テクニカルダイビングの魅力を知ることになれば好ましい。
その上で、本格的にテクニカルダイビングに取り組むのか、浮沈子のように、普段はスポーツダイビング(PADIでいうレクリエーショナルダイビング)をしていて、テクニカルダイビングの講習を受けながらスキルアップを目指すのか、テックなんて性に合わないからやめよーとそっぽを向くのかを決めればいい。
浮沈子は、受講して良かったと思っているし、それがきっかけでファンダメンタルズにチャレンジする気にもなった。
多少はスキルアップすることも出来たかもしれないしな(うーん、怪しい・・・)。
楽しいダイビングは、とりあえず一段落。
来月には、ドライスーツでのファンダメンタルズスキルの練習会と、年末にはDPV1の再受講が決まった。
お情けで頂いたDPV1だからな(そうなのかあ?)。
自分が納得するまで、アフターケアなり再受講を繰り返して身に付けておきたい。
カードをゲットしたのに、何故同じコースを受け直すのか。
歳をとってからのスキルアップだからな。
一度では、なかなか身に付かないのだ。
今回のファンダメンタルズテックパスチャレンジのサポートでも、若い2人(共に30代!)の上達の早さには目を見張るものがあった。
浮沈子が、何度も繰り返してようやく出来るようになるスキルを、1度か2度で身に付けてしまい、確実に繰り返して行うことができるようになる(マスタリーですな)。
羨ましくもあり、悔しくもある。
竹内軍曹のお力を得て、事前に何度も予習のダイビングを行い、ひいひいいいながら本番に臨み、見事落第した挙句、更にトレーニングを積んで再受講してようやくギリギリ合格し、更にアフターケアの再受講でも苦労している浮沈子なわけだ。
それでも、講習自体が楽しいし、その結果、スキルアップしてストレスなく潜れるようになればそれでいい。
今朝の筋肉痛は、その代償として支払う価値がある・・・。
イテテッ!。
テクニカルダイビングを続けるかどうかは分からない(ちなみに、ファンダメンタルズやDPV1は、テクニカルダイビングではありません)。
しかし、この1年余りのテックパス挑戦の中で決めたのは、テクニカルダイビングの「講習」は受け続けるということだ。
普段はふつーのダイビングして、講習はテック。
指導団体はどこでもいいが、しっかりと身に付けられるコースがいいな。
来年は、プエルトガレラでGUEテック1の講習に参加することにした。
荻原さんのIEも兼ねているというからな。
新しいテクニカルダイビングインストラクターの誕生に関わることができるというのも、浮沈子にとっては喜びなのだ(そんで、また落第?)。
それだって、かまわない。
また、再受講すればいい。
スキルや知識が伴わない、名ばかりのテックダイバーになれば、命がいくつあっても足りないからな。
しかも、その技量を維持するためには、繰り返しトレーニングを続けたり、フィットネスを維持し続ける必要がある。
テクニカルダイバーになることよりも、テクニカルダイバーであり続けることの方が、たぶん、何倍も大変なことなのに違いない。
リスクの高いダイビングを続ければ、その中でトラブルに見舞われることも出てくるだろう。
無理をせず、自分の技量の範囲の中で、保守的に潜らなければテクニカルダイバーとして潜り続けることも出来なくなってしまう。
歳とって始めた浮沈子はなおさらだ。
テクニカルダイビングの入り口で、長い長い足踏みを続けよう。
若いもんは、どんどん先に進んで、遥か彼方に霞んでいくに違いない(透視度悪し?)。
壁にぶち当たれば、いくらでも叩き続けよう。
踊り場を楽しむ。
才能と若さと意欲に溢れたダイバーだけがテクニカルダイバーではないことの見本になる。
人の何倍もの時間を掛け、何倍もの努力を続け、そのプロセスを楽しみながら少しずつ技量を身に付けていく。
そんなテクニカルダイバーがいたって、いいじゃないの?。
ダイビングは競争じゃない。
得点を競ったり、着順を争ったりするスポーツじゃない。
まあ、いってみれば、ラジオ体操のようなもんだな(そうなのかあ?)。
TDIのテキストには、そもそもスポーツダイビング(テクニカルダイビングではないダイビングのこと)の制限自体が、テクニカルダイビングを含む広範囲なダイビングの中から生まれてきたものだと書いてある。
つまり、トレーニングや器材を限定して、手っ取り早く簡便に潜れるようにとカスタマイズされたのがスポーツダイビング、取り残されたその他のダイビングがテクニカルダイビングというわけだ(そういうことかあ?)。
もともとは、指導団体による区分なんてないのだ。
ダイビングは一つ。
ちょっと危険か、むちゃくちゃ危険か、死ぬほど危険か(そうだったっけえ?)。
どこで線を引くのが正解かは分からない。
人によっても、その人のダイビングのライフサイクルの中でも、その日の体調によっても変わってくるに違いない。
正しいトレーニングを受け、正しい器材を用いて、保守的に潜らなければ、ふつーのダイビングだって死ぬほど危険なダイビングになりかねない。
適性があり、適正な訓練を受けたテクニカルダイバーが、必要最小限の適切な冗長性を備えた器材で、控えめな計画を立てて潜るテクニカルダイビングの方が、よっぽど安全性が高いということはあり得る。
それでも、テクニカルダイビングが潜在的に高いリスクをはらんでいることに違いはない。
直上浮上が出来ない環境(仮想天井を含む)での潜水は、水中で生きられない人間にとっては絶対的に危険なのだ。
テクニカルダイビングは、そういうヤバイ環境でのダイビングを可能にする。
可能にはするけど、リスクをゼロにすることはできない。
直上浮上できる環境で潜ることとは、質的な違いがあることは確かだ。
737MAXのMCASのような話だな。
どんなに高度な仕掛けを使っても、構造的に推力線と揚力がバランスしているNGシリーズやA320ネオの安全性に到達することはできない。
まあいい。
この辺の話については、稿を改めて書くことにしよう。
講習を受けたのは、ほぼ2年前だ。
(年内最後の筋肉痛)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/12/16/8749421
「海に浸かる前に、ベンチに腹ばいになってフィンワークの練習から。
もう、これだけで筋肉痛確定だな。
ちゃんとフィンワークを教わるのは、初めてだからな。」
「月刊ダイバー」の取材で来ていたフルケイブダイバーの方と潜った。
既にテック40は持っていたが、基礎が出来ていない浮沈子は、名ばかりのテックダイバーだった(過去形かあ?)。
今や、押しも押されぬGUEファンダメンタルズテックパスダイバーとなった(ひょっとして、こっちも名ばかり?)。
先週末の3連休で、一緒に受講していた他の2人のダイバーも無事にテックパス通過。
新たに誕生したファンダメンタルズテックパスダイバーが3人となった。
喜ばしい。
もっとも、2人ともPADIではTec Trimix 65やTec 50のダイバーなわけで、ファンダメンタルズのテックパスのレベルがそれなりに高いことが分かる。
昨日は富戸に移動して、口直しにドライスーツ、シングルタンクでアポロのAV1を駆る。
自動車のバッテリー充電器で13.2ボルトまで充電した、秋月電子取り扱いの安物バッテリーを試す(AV1純正の充電器では、11ボルトくらいまでしか充電できないので)。
ややパワー不足の感じは否めないが(山口さんは、そうは感じていないという)、50分以上の富戸のダイビングを2本、ふつーにこなした。
終了後、バッテリーの電圧を計ってみたら、10.5ボルトに落ちていた。
ほぼ限界だな。
バーンテストとしては十分だろう。
またしばらくの間は、富戸で預かってもらって活用して頂こう。
富戸の前泊の夜中、先日送られてきたイントロテックの日本語版テキストを読む。
初版ならではの誤植やミスプリもあるけど、内容的にはよくまとまっていて、巷に溢れているテクニカルダイビングに対する誤解を解くための有用なツールに仕上がっている。
多くのダイバーがこのコースを受講して、テクニカルダイビングの魅力を知ることになれば好ましい。
その上で、本格的にテクニカルダイビングに取り組むのか、浮沈子のように、普段はスポーツダイビング(PADIでいうレクリエーショナルダイビング)をしていて、テクニカルダイビングの講習を受けながらスキルアップを目指すのか、テックなんて性に合わないからやめよーとそっぽを向くのかを決めればいい。
浮沈子は、受講して良かったと思っているし、それがきっかけでファンダメンタルズにチャレンジする気にもなった。
多少はスキルアップすることも出来たかもしれないしな(うーん、怪しい・・・)。
楽しいダイビングは、とりあえず一段落。
来月には、ドライスーツでのファンダメンタルズスキルの練習会と、年末にはDPV1の再受講が決まった。
お情けで頂いたDPV1だからな(そうなのかあ?)。
自分が納得するまで、アフターケアなり再受講を繰り返して身に付けておきたい。
カードをゲットしたのに、何故同じコースを受け直すのか。
歳をとってからのスキルアップだからな。
一度では、なかなか身に付かないのだ。
今回のファンダメンタルズテックパスチャレンジのサポートでも、若い2人(共に30代!)の上達の早さには目を見張るものがあった。
浮沈子が、何度も繰り返してようやく出来るようになるスキルを、1度か2度で身に付けてしまい、確実に繰り返して行うことができるようになる(マスタリーですな)。
羨ましくもあり、悔しくもある。
竹内軍曹のお力を得て、事前に何度も予習のダイビングを行い、ひいひいいいながら本番に臨み、見事落第した挙句、更にトレーニングを積んで再受講してようやくギリギリ合格し、更にアフターケアの再受講でも苦労している浮沈子なわけだ。
それでも、講習自体が楽しいし、その結果、スキルアップしてストレスなく潜れるようになればそれでいい。
今朝の筋肉痛は、その代償として支払う価値がある・・・。
イテテッ!。
テクニカルダイビングを続けるかどうかは分からない(ちなみに、ファンダメンタルズやDPV1は、テクニカルダイビングではありません)。
しかし、この1年余りのテックパス挑戦の中で決めたのは、テクニカルダイビングの「講習」は受け続けるということだ。
普段はふつーのダイビングして、講習はテック。
指導団体はどこでもいいが、しっかりと身に付けられるコースがいいな。
来年は、プエルトガレラでGUEテック1の講習に参加することにした。
荻原さんのIEも兼ねているというからな。
新しいテクニカルダイビングインストラクターの誕生に関わることができるというのも、浮沈子にとっては喜びなのだ(そんで、また落第?)。
それだって、かまわない。
また、再受講すればいい。
スキルや知識が伴わない、名ばかりのテックダイバーになれば、命がいくつあっても足りないからな。
しかも、その技量を維持するためには、繰り返しトレーニングを続けたり、フィットネスを維持し続ける必要がある。
テクニカルダイバーになることよりも、テクニカルダイバーであり続けることの方が、たぶん、何倍も大変なことなのに違いない。
リスクの高いダイビングを続ければ、その中でトラブルに見舞われることも出てくるだろう。
無理をせず、自分の技量の範囲の中で、保守的に潜らなければテクニカルダイバーとして潜り続けることも出来なくなってしまう。
歳とって始めた浮沈子はなおさらだ。
テクニカルダイビングの入り口で、長い長い足踏みを続けよう。
若いもんは、どんどん先に進んで、遥か彼方に霞んでいくに違いない(透視度悪し?)。
壁にぶち当たれば、いくらでも叩き続けよう。
踊り場を楽しむ。
才能と若さと意欲に溢れたダイバーだけがテクニカルダイバーではないことの見本になる。
人の何倍もの時間を掛け、何倍もの努力を続け、そのプロセスを楽しみながら少しずつ技量を身に付けていく。
そんなテクニカルダイバーがいたって、いいじゃないの?。
ダイビングは競争じゃない。
得点を競ったり、着順を争ったりするスポーツじゃない。
まあ、いってみれば、ラジオ体操のようなもんだな(そうなのかあ?)。
TDIのテキストには、そもそもスポーツダイビング(テクニカルダイビングではないダイビングのこと)の制限自体が、テクニカルダイビングを含む広範囲なダイビングの中から生まれてきたものだと書いてある。
つまり、トレーニングや器材を限定して、手っ取り早く簡便に潜れるようにとカスタマイズされたのがスポーツダイビング、取り残されたその他のダイビングがテクニカルダイビングというわけだ(そういうことかあ?)。
もともとは、指導団体による区分なんてないのだ。
ダイビングは一つ。
ちょっと危険か、むちゃくちゃ危険か、死ぬほど危険か(そうだったっけえ?)。
どこで線を引くのが正解かは分からない。
人によっても、その人のダイビングのライフサイクルの中でも、その日の体調によっても変わってくるに違いない。
正しいトレーニングを受け、正しい器材を用いて、保守的に潜らなければ、ふつーのダイビングだって死ぬほど危険なダイビングになりかねない。
適性があり、適正な訓練を受けたテクニカルダイバーが、必要最小限の適切な冗長性を備えた器材で、控えめな計画を立てて潜るテクニカルダイビングの方が、よっぽど安全性が高いということはあり得る。
それでも、テクニカルダイビングが潜在的に高いリスクをはらんでいることに違いはない。
直上浮上が出来ない環境(仮想天井を含む)での潜水は、水中で生きられない人間にとっては絶対的に危険なのだ。
テクニカルダイビングは、そういうヤバイ環境でのダイビングを可能にする。
可能にはするけど、リスクをゼロにすることはできない。
直上浮上できる環境で潜ることとは、質的な違いがあることは確かだ。
737MAXのMCASのような話だな。
どんなに高度な仕掛けを使っても、構造的に推力線と揚力がバランスしているNGシリーズやA320ネオの安全性に到達することはできない。
まあいい。
この辺の話については、稿を改めて書くことにしよう。
DRCエボラの記事を読む ― 2019年11月07日 07:37
DRCエボラの記事を読む
ほぼ毎日のように感染状況を確認しているコンゴ民主共和国(DRC)のエボラ。
今回の流行は、昨年8月に報告され、1年以上の長きに渡っている。
最近は、感染者が減少しつつあり、終息も間近いかと思われるが、安心するのはまだ早いかもしれない。
そんな中、ヤフーの記事にもなっていたので、47ニュースに掲載されていた記事を読んだ(共同通信配信)。
(忘れ去られたコンゴのエボラ熱流行地)
https://this.kiji.is/562816152497849441?c=39546741839462401
「携帯電話の材料で紛争、世界最悪の危機」
副題がいいな。
携帯電話の素子の材料であるタンタルの産出と絡めて、現地の紛争の背景、それがエボラ流行に与える影響、一向に改善されない衛生状況を浮き彫りにしている。
「新規感染者は減り流行も都市部から山間部へ移りつつあるが、劣悪な治安や住民の不信感で医療活動が妨げられ、終息にはしばらく時間がかかりそうだ。」
いくつか目新しい記述もある。
「エボラ熱の流行地域以外も合わせると、コンゴ東部一帯には100以上の武装勢力が乱立しているとされ、市民を殺りくする勢力もある。」
「膨大な資源収益の多くは国庫に納められず、コンゴ政府高官や外国企業に流れ闇に消えている。」
「医療などの行政機能はほとんど存在せず、まともな病院はない。」
「病院に手袋がなく、血まみれの患者を素手で触っていた。同僚の看護師は死んだ。どこの病院も似たような状況だ」
想定の範囲内とはいえ、直接取材に基づく記事だからな。
説得力がある。
「地球上で最も(資源が)豊かな国の一つだが、国民は最も貧しい」
エボラの治療についても情報があった。
「米国立衛生研究所(NIH)などは8月、新薬で患者の約9割が生存したとの研究結果を発表」
初期に投与すれば、助かる確率は高いが、潜伏する患者に初期対応することは難しいという。
「新薬は流行終息の打開策にならない」
やれやれ・・・。
ワクチンも出来、治療薬も現れ始めた。
エボラは治る病気になりつつあるのかもしれない。
そうしてみると、確かに他の病気に医療資源が振り向けられていないというのは、まずい対応のように思える。
「もとから保健システムがもろい中、エボラ熱の流行であらゆる(人的、物的)資源がエボラ対応に割かれている。でも、他の病気のことも忘れてはいけない」
MSF(国境なき医師団)の言うことはもっともな話だ。
1年余りで3000人の死者なんて、統計上の誤差の範囲かも知れない。
この病気が注目されているのは、致死率が高く、今までは有効な治療薬やワクチンがなかったために、大規模な国際感染を起こした場合、全世界がパニックになる恐れがあったからだが、状況は変わりつつある。
その他大勢の病気と同じように、ベースとなる保健医療体制全体の中でとらえる必要が出てきている。
この記事は、そういったエボラに対する新たな視点を示唆していると感じた。
今期の流行が終息する時期は分からない。
新規感染者は確かに減って、週に10人台に収まってきたが、以前にも似たような状況はあったからな。
地球の裏側の、アフリカのど真ん中の国の小さな嵐。
2014年の西アフリカのようなことにはならないと思うけど、この感染症との付き合い方を誤れば、人類は未曽有の危機に直面することになる。
もう暫くは、毎朝の新規感染者の確認を続けることにしよう・・・。
ほぼ毎日のように感染状況を確認しているコンゴ民主共和国(DRC)のエボラ。
今回の流行は、昨年8月に報告され、1年以上の長きに渡っている。
最近は、感染者が減少しつつあり、終息も間近いかと思われるが、安心するのはまだ早いかもしれない。
そんな中、ヤフーの記事にもなっていたので、47ニュースに掲載されていた記事を読んだ(共同通信配信)。
(忘れ去られたコンゴのエボラ熱流行地)
https://this.kiji.is/562816152497849441?c=39546741839462401
「携帯電話の材料で紛争、世界最悪の危機」
副題がいいな。
携帯電話の素子の材料であるタンタルの産出と絡めて、現地の紛争の背景、それがエボラ流行に与える影響、一向に改善されない衛生状況を浮き彫りにしている。
「新規感染者は減り流行も都市部から山間部へ移りつつあるが、劣悪な治安や住民の不信感で医療活動が妨げられ、終息にはしばらく時間がかかりそうだ。」
いくつか目新しい記述もある。
「エボラ熱の流行地域以外も合わせると、コンゴ東部一帯には100以上の武装勢力が乱立しているとされ、市民を殺りくする勢力もある。」
「膨大な資源収益の多くは国庫に納められず、コンゴ政府高官や外国企業に流れ闇に消えている。」
「医療などの行政機能はほとんど存在せず、まともな病院はない。」
「病院に手袋がなく、血まみれの患者を素手で触っていた。同僚の看護師は死んだ。どこの病院も似たような状況だ」
想定の範囲内とはいえ、直接取材に基づく記事だからな。
説得力がある。
「地球上で最も(資源が)豊かな国の一つだが、国民は最も貧しい」
エボラの治療についても情報があった。
「米国立衛生研究所(NIH)などは8月、新薬で患者の約9割が生存したとの研究結果を発表」
初期に投与すれば、助かる確率は高いが、潜伏する患者に初期対応することは難しいという。
「新薬は流行終息の打開策にならない」
やれやれ・・・。
ワクチンも出来、治療薬も現れ始めた。
エボラは治る病気になりつつあるのかもしれない。
そうしてみると、確かに他の病気に医療資源が振り向けられていないというのは、まずい対応のように思える。
「もとから保健システムがもろい中、エボラ熱の流行であらゆる(人的、物的)資源がエボラ対応に割かれている。でも、他の病気のことも忘れてはいけない」
MSF(国境なき医師団)の言うことはもっともな話だ。
1年余りで3000人の死者なんて、統計上の誤差の範囲かも知れない。
この病気が注目されているのは、致死率が高く、今までは有効な治療薬やワクチンがなかったために、大規模な国際感染を起こした場合、全世界がパニックになる恐れがあったからだが、状況は変わりつつある。
その他大勢の病気と同じように、ベースとなる保健医療体制全体の中でとらえる必要が出てきている。
この記事は、そういったエボラに対する新たな視点を示唆していると感じた。
今期の流行が終息する時期は分からない。
新規感染者は確かに減って、週に10人台に収まってきたが、以前にも似たような状況はあったからな。
地球の裏側の、アフリカのど真ん中の国の小さな嵐。
2014年の西アフリカのようなことにはならないと思うけど、この感染症との付き合い方を誤れば、人類は未曽有の危機に直面することになる。
もう暫くは、毎朝の新規感染者の確認を続けることにしよう・・・。
形あるものが全て壊れるのは自然の摂理だが、問題なのは壊れ方の方だな ― 2019年11月08日 17:27
形あるものが全て壊れるのは自然の摂理だが、問題なのは壊れ方の方だな
神ならぬ人の作りしものは全て壊れる。
素材の応力などによる物理的化学的な破壊(腐食とかもあるけど)を含め、元の形を留めなくなって機能を失うだけではなく、最近の電子制御による仕掛けの高度化においては、電子回路の劣化(コンデンサーや配線など)、プログラムのバグの表面化により所期の機能を失うといった新たな要素も登場している。
残念なことに、神が作りし人間もまた、経年劣化で壊れていく(最近、つくづく実感するな:特に脳細胞の劣化かあ?)。
つーか、有性生殖をおこなう個体はすべからく死ぬように出来てるからな。
世代交代を行い、遺伝子の多様性確保と修復のプロセスを経て種としての存続を図るわけだ。
まあ、どうでもいいんですが。
737MAXやリブリーザー、テクニカルダイビングの器材、タイヤの付いたスマホとなった最近の自動車など、人の作りしものの壊れ方について、いろいろ考えている。
素材の機械的強度や、空力などの物理的要素に頼るというのも、考えてみれば人間の勝手だ。
空気より重い飛行機が空を飛ぶとか、水より重い船が浮くとか、タイヤがなければ押しても動かないはずの自動車が走るなど、神様と余程仲良くしなければ実現はできない話だ。
それを可能にしてくれる物理の神様のご機嫌を取りつつ、十分なメンテナンスと神のつくりし資源である石油をバンバン燃やして20世紀の文明は走り続けた。
20世紀後半から21世紀初頭にかけて、人間は電子制御を手に入れ、素材の物理特性や空力、水の抵抗、その他諸々を電気の力でグリグリして、物理の神様とケンカするようになった。
PO2を一定に保つエレクトリカルクローズドサーキットリブリーザー(ECCR)、低速でのエネルギー効率が悪いガソリンエンジンを、その領域でモーターの補助を得て燃費を改善するハイブリッド自動車、出力全開で上昇しながら旋回中に機首上げ失速する某社の旅客機・・・。
おっと、MCASでその物理特性をキャンセルするはずだったんだがな。
真っ逆さまに墜落する羽目になった。
船舶でも、揺れを軽減するための動翼を備える客船が流行っているようだしな。
(フィンスタビライザー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%BC
「船の航行時の揺れ(ローリング)を抑える減揺装置の一種」
「フィン・スタビライザーの細かな制御は、実際の船体の遥動を加速度センサーなどによって検知することでおこなわれるのが主体となる。」
そういう仕掛けを可能にしたのは、デジタル制御によるアクチュエーターの駆動などのややっこしい仕掛けだ(ECCRはソレノイドバルブの開閉)。
そして、それがぶっ壊れた時には、制御不能になって人間に襲い掛かることになる。
電池切れしたECCR、モーターが焼き付いたハイブリッド自動車、MCASが暴走した737MAXなどなど。
ロクなもんじゃない。
リブリーザーは、運用でカバーするという前提がある。
つーか、そうせざるを得ない。
オープンサーキットのベイルアウト用タンクを持ち込む。
SCR運用してもいいけど、全没すればそれもできないからな。
ハイブリッド自動車が壊れた時は、まあ、JAFに来てもらうしかない(浮沈子は、初代プリウスのオイルパンを割ったことがあります)。
それも立派な運用による対応だ。
自動車は、止まっちまっても直ちに死ぬことは少ない。
MCASの暴走では、真っ逆さまに墜落することになる。
今回の改良で、ヤバくなったら電子的介入を放棄して、空力的欠陥機をロクな訓練もしてないパイロットに押し付けることにするらしいが、ロクでもない話だ。
テクニカルダイビングの器材トラブルの際には、必要最小限の冗長性で対応し、それを超えるトラブルの場合はチームでカバーする。
壊れた時にどうするか、どういう壊れ方ならバックアップが有効に機能するか、故障の確率はどうか、それに見合ったバックアップ体制になっているか、そのバックアップがダメな時はどうなるのか、そのリスクは明示的に知らされているのか。
使っているのが、適正な訓練を受けたプロ中のプロなのか、中途半端なスキルの名ばかりのプロなのか、正真正銘のド素人なのか。
形あるものの壊れ方、それが人の作りしものの運命なら、あらかじめ、それを想定して対応を考えておくといのが筋だ。
また、壊れる時にバックアップしやすい壊れ方をするような設計も重要になる。
瞬時に破断して、人間の対応能力を超えるようなら、自動的にバックアップに切り替わるような仕掛けも考えておかなければならない(無停電電源とかみたいなやつ)。
それらを含めて、適材適所で冗長性を持たせる必要がある。
もちろん、壊れないのがいいに決まっている。
壊れにくくする改良も重要だ。
高コストで採用できない仕掛けも、技術の普及で廉価に調達できるようになることもある。
バックアップだって、そのうちクラウド経由でAIが対応するようになるに違いない。
その判断が適切だったかどうかは、最早人間には分からない。
ビッグデータを解析して得た結論の正当性を、人間がロジカルに追うことができなくなる。
技術の終焉であり、人間の文明の終焉だ。
我々の文明は、AIの文明に取って代わられようとしている。
CCRで潜っている時に、ヘッドアップディスプレイに警告が出て、故障の際にやるべき手順を指示してくるようになるんだろう(たぶん、合成音声とかでしゃべくるに決まってる!)。
「ピーッ、ピーッ!」
「直ちにベイルアウトに切り替えてください、ユニットが水没してハイパーカプニアの恐れがあります」
・・・とかな。
世も末だな・・・。
もちろん、それを指示するコンピューターは、ソレノイドバルブを駆動するのとは別系統、電源も独立しているに違いない。
潜る直前に、衛星経由のインターネットで最新のソフトにアップグレードされているので、バグを抱え込んでいる可能性も最小化されている(もっとも、新たなバグを抱えちまうかもしれないけどな)。
ベイルアウトへの切り替えも、電動アクチュエーターで自動化されるだろうな。
少なくとも、サニティ呼吸は確保される。
そこからトラブルの原因を確認して、しかるべき手順に人間が切り替えるのはアリかも(そこで間違う可能性は高いけどな)。
非常時に正しい判断を行うことができないのが人間というものだからな。
設計者は、そこまで読まなくてはならない。
出来上がった製品が、誰に、どういう使われ方をするかを考えることなく作られているとしたら、安全は到底確保できない。
浮沈子は、技術者ではないし、システム工学の基礎知識もない。
こういう話は、きっとどこかで誰かが体系化していて、参照されるべき基準が明確になっているに違いない。
世の中は、いつ壊れてもおかしくない機械で溢れかえっているからな。
その基準に照らして、しかるべく設計された機械が、規制当局の認可を経て実用に供されることで、我々の社会の安全は保たれている。
壊れた際の運用も含めた設計や取説が必要だ。
それを実行するためのトレーニングが要求されるなら、免許制でも何でも導入するがよろしい。
新しい分野で、スタンダードが確立されていないなら、情報をオープンにして大いに議論するべきだろう。
特定企業の利益確保も大切だが、その製品が与える社会的影響を考慮して、しかるべきチェックを掛けるのは更に重要だ。
壊れた時に対応する人間の方の問題もあるしな。
737MAXの墜落が、米国で発生しなかったのは、ラインパイロットの経験本数(つーのかあ?)が厳しかったからだと聞いている。
事実、MCAS暴走による異常な機首下げは、何度も報告されていたらしいからな。
FAAの再飛行に関わる審査は、こうした米国の特殊事情を反映したものになる可能性がある。
改良後の737MAXが安全かどうかは、マンマシンシステム全体で評価されなければならない。
そういう、ちゃんとした話になるんだろうか?。
それとも、米国で審査をパスしたから、それでいいやと追従することになるのか。
ダイビングだって、Cカード出なければ、その装備や環境で潜ることはできない。
いや、潜ることはできても、無事に帰ってこられる保証はない。
空の上や海の底は、陸上とは異なる特別の世界だ。
日常の常識(概ね、経営判断とやらのことだけどな)にとらわれることなく、物理の神様のご機嫌を伺いながら、慎重に対応するのがいい。
しっぺ返しは、キョーレツなものになる。
さて、そろそろ、送っていただいたTDIイントロテックのマニュアルの続きでも読みに、レストランに夕食でも食いに行くかな・・・。
神ならぬ人の作りしものは全て壊れる。
素材の応力などによる物理的化学的な破壊(腐食とかもあるけど)を含め、元の形を留めなくなって機能を失うだけではなく、最近の電子制御による仕掛けの高度化においては、電子回路の劣化(コンデンサーや配線など)、プログラムのバグの表面化により所期の機能を失うといった新たな要素も登場している。
残念なことに、神が作りし人間もまた、経年劣化で壊れていく(最近、つくづく実感するな:特に脳細胞の劣化かあ?)。
つーか、有性生殖をおこなう個体はすべからく死ぬように出来てるからな。
世代交代を行い、遺伝子の多様性確保と修復のプロセスを経て種としての存続を図るわけだ。
まあ、どうでもいいんですが。
737MAXやリブリーザー、テクニカルダイビングの器材、タイヤの付いたスマホとなった最近の自動車など、人の作りしものの壊れ方について、いろいろ考えている。
素材の機械的強度や、空力などの物理的要素に頼るというのも、考えてみれば人間の勝手だ。
空気より重い飛行機が空を飛ぶとか、水より重い船が浮くとか、タイヤがなければ押しても動かないはずの自動車が走るなど、神様と余程仲良くしなければ実現はできない話だ。
それを可能にしてくれる物理の神様のご機嫌を取りつつ、十分なメンテナンスと神のつくりし資源である石油をバンバン燃やして20世紀の文明は走り続けた。
20世紀後半から21世紀初頭にかけて、人間は電子制御を手に入れ、素材の物理特性や空力、水の抵抗、その他諸々を電気の力でグリグリして、物理の神様とケンカするようになった。
PO2を一定に保つエレクトリカルクローズドサーキットリブリーザー(ECCR)、低速でのエネルギー効率が悪いガソリンエンジンを、その領域でモーターの補助を得て燃費を改善するハイブリッド自動車、出力全開で上昇しながら旋回中に機首上げ失速する某社の旅客機・・・。
おっと、MCASでその物理特性をキャンセルするはずだったんだがな。
真っ逆さまに墜落する羽目になった。
船舶でも、揺れを軽減するための動翼を備える客船が流行っているようだしな。
(フィンスタビライザー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%BC
「船の航行時の揺れ(ローリング)を抑える減揺装置の一種」
「フィン・スタビライザーの細かな制御は、実際の船体の遥動を加速度センサーなどによって検知することでおこなわれるのが主体となる。」
そういう仕掛けを可能にしたのは、デジタル制御によるアクチュエーターの駆動などのややっこしい仕掛けだ(ECCRはソレノイドバルブの開閉)。
そして、それがぶっ壊れた時には、制御不能になって人間に襲い掛かることになる。
電池切れしたECCR、モーターが焼き付いたハイブリッド自動車、MCASが暴走した737MAXなどなど。
ロクなもんじゃない。
リブリーザーは、運用でカバーするという前提がある。
つーか、そうせざるを得ない。
オープンサーキットのベイルアウト用タンクを持ち込む。
SCR運用してもいいけど、全没すればそれもできないからな。
ハイブリッド自動車が壊れた時は、まあ、JAFに来てもらうしかない(浮沈子は、初代プリウスのオイルパンを割ったことがあります)。
それも立派な運用による対応だ。
自動車は、止まっちまっても直ちに死ぬことは少ない。
MCASの暴走では、真っ逆さまに墜落することになる。
今回の改良で、ヤバくなったら電子的介入を放棄して、空力的欠陥機をロクな訓練もしてないパイロットに押し付けることにするらしいが、ロクでもない話だ。
テクニカルダイビングの器材トラブルの際には、必要最小限の冗長性で対応し、それを超えるトラブルの場合はチームでカバーする。
壊れた時にどうするか、どういう壊れ方ならバックアップが有効に機能するか、故障の確率はどうか、それに見合ったバックアップ体制になっているか、そのバックアップがダメな時はどうなるのか、そのリスクは明示的に知らされているのか。
使っているのが、適正な訓練を受けたプロ中のプロなのか、中途半端なスキルの名ばかりのプロなのか、正真正銘のド素人なのか。
形あるものの壊れ方、それが人の作りしものの運命なら、あらかじめ、それを想定して対応を考えておくといのが筋だ。
また、壊れる時にバックアップしやすい壊れ方をするような設計も重要になる。
瞬時に破断して、人間の対応能力を超えるようなら、自動的にバックアップに切り替わるような仕掛けも考えておかなければならない(無停電電源とかみたいなやつ)。
それらを含めて、適材適所で冗長性を持たせる必要がある。
もちろん、壊れないのがいいに決まっている。
壊れにくくする改良も重要だ。
高コストで採用できない仕掛けも、技術の普及で廉価に調達できるようになることもある。
バックアップだって、そのうちクラウド経由でAIが対応するようになるに違いない。
その判断が適切だったかどうかは、最早人間には分からない。
ビッグデータを解析して得た結論の正当性を、人間がロジカルに追うことができなくなる。
技術の終焉であり、人間の文明の終焉だ。
我々の文明は、AIの文明に取って代わられようとしている。
CCRで潜っている時に、ヘッドアップディスプレイに警告が出て、故障の際にやるべき手順を指示してくるようになるんだろう(たぶん、合成音声とかでしゃべくるに決まってる!)。
「ピーッ、ピーッ!」
「直ちにベイルアウトに切り替えてください、ユニットが水没してハイパーカプニアの恐れがあります」
・・・とかな。
世も末だな・・・。
もちろん、それを指示するコンピューターは、ソレノイドバルブを駆動するのとは別系統、電源も独立しているに違いない。
潜る直前に、衛星経由のインターネットで最新のソフトにアップグレードされているので、バグを抱え込んでいる可能性も最小化されている(もっとも、新たなバグを抱えちまうかもしれないけどな)。
ベイルアウトへの切り替えも、電動アクチュエーターで自動化されるだろうな。
少なくとも、サニティ呼吸は確保される。
そこからトラブルの原因を確認して、しかるべき手順に人間が切り替えるのはアリかも(そこで間違う可能性は高いけどな)。
非常時に正しい判断を行うことができないのが人間というものだからな。
設計者は、そこまで読まなくてはならない。
出来上がった製品が、誰に、どういう使われ方をするかを考えることなく作られているとしたら、安全は到底確保できない。
浮沈子は、技術者ではないし、システム工学の基礎知識もない。
こういう話は、きっとどこかで誰かが体系化していて、参照されるべき基準が明確になっているに違いない。
世の中は、いつ壊れてもおかしくない機械で溢れかえっているからな。
その基準に照らして、しかるべく設計された機械が、規制当局の認可を経て実用に供されることで、我々の社会の安全は保たれている。
壊れた際の運用も含めた設計や取説が必要だ。
それを実行するためのトレーニングが要求されるなら、免許制でも何でも導入するがよろしい。
新しい分野で、スタンダードが確立されていないなら、情報をオープンにして大いに議論するべきだろう。
特定企業の利益確保も大切だが、その製品が与える社会的影響を考慮して、しかるべきチェックを掛けるのは更に重要だ。
壊れた時に対応する人間の方の問題もあるしな。
737MAXの墜落が、米国で発生しなかったのは、ラインパイロットの経験本数(つーのかあ?)が厳しかったからだと聞いている。
事実、MCAS暴走による異常な機首下げは、何度も報告されていたらしいからな。
FAAの再飛行に関わる審査は、こうした米国の特殊事情を反映したものになる可能性がある。
改良後の737MAXが安全かどうかは、マンマシンシステム全体で評価されなければならない。
そういう、ちゃんとした話になるんだろうか?。
それとも、米国で審査をパスしたから、それでいいやと追従することになるのか。
ダイビングだって、Cカード出なければ、その装備や環境で潜ることはできない。
いや、潜ることはできても、無事に帰ってこられる保証はない。
空の上や海の底は、陸上とは異なる特別の世界だ。
日常の常識(概ね、経営判断とやらのことだけどな)にとらわれることなく、物理の神様のご機嫌を伺いながら、慎重に対応するのがいい。
しっぺ返しは、キョーレツなものになる。
さて、そろそろ、送っていただいたTDIイントロテックのマニュアルの続きでも読みに、レストランに夕食でも食いに行くかな・・・。
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