カリフォルニア、テキサス、フロリダ:隣の芝生が気になる米国新規確認感染者数の反転増加2020年06月25日 17:41

カリフォルニア、テキサス、フロリダ:隣の芝生が気になる米国新規確認感染者数の反転増加
カリフォルニア、テキサス、フロリダ:隣の芝生が気になる米国新規確認感染者数の反転増加


5月末くらいまで、緩やかに低下を続けていた米国の新規確認感染者数が、6月になって増加に転じた(時期は、まあ、テキトーです)。

各州政府の公式発表に基づくウィキの英語版の全米感染者数、死者数を追っている。

各州別に見ているわけではないけど、ざっと眺め渡したり、各州別ではない米国のパンデミックのページを見たりしながら一喜一憂する。

NYが収まってきて、近隣のニュージャージーとかマサチューセッツとかも収まってきた。

それでも、NYでは毎日600人とか700人の新規感染者を報告している。

我が国の10倍の規模で、人口2千万人の州が感染を広げ続けているのだ。

そのNYのちょうど2倍の人口を有するカリフォルニア州が、爆発的新規感染者数を報告している。

昨日の感染者数は、7149人。

べらぼーめ・・・。

報告が集中しているのかもしれないが、もちろん過去最大。

NYが7千人台を報告したのが3月27日。

その19日後(4月15日)には、11571人という最大感染者数を報告している。

やれやれ・・・。

加州が同様の経過をたどるかどうかは分からない。

徐々に感染者数を増やしながら、長期に渡って継続的な感染が続いている。

流行の中心地はロサンゼルス市周辺の人口密集地域だが、それ以外の地域でも広がってきているようだ。

ロサンゼルス郡は、ドライブスルー方式のPCR検査を、症状の有無にかかわらず全住民を対象に回数無制限かつ無料で実施しているが、その効果は見えてこない。

詳細は調べていないけど、テキサス、フロリダも爆発中だ(いずれも、1日5千人超え)。

米国全体でも、半数の州が増加傾向にあると言われている。

流行の中心地は、東部から西部、南部へと移っている。

ドクターファウチは、ここ数週間の対応が重要といっているが、ボスのトランプさんは検査するから陽性者が増えるといって、検査数を抑制しろと叫んでいるらしい(具体的な政策指示はないようで、例によって単なるボヤキのようですが)。

(米コロナ対策専門家「感染者急増 今後数週間の対応が重要」)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200624/k10012481891000.html

「ファウチ氏は、フロリダ州やテキサス州、それにアリゾナ州など一部の地域で「憂慮すべき感染者の急増が見られる」と指摘しました。」

加州は飛ばしか・・・。

まあいい。

「感染者の隔離や感染ルートの追跡などのため検査を徹底するよう強調」

米国では、例の濃厚接触者追跡アプリの実施が困難なようだ。

(アメリカが接触追跡アプリの導入に足踏みする理由)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/post-93725.php

「本気で接触先を追跡しようと思うなら10万人のプロを動員する必要があると、ジョンズ・ホプキンズ大学の専門家は試算」

「アメリカ人は、たとえ自分の生死に関わるような問題でも政府の介入に抵抗する傾向」

「技術の問題ではない。グーグルとアップルの共同提案を含め、現在の自動化された接触追跡システムは全て、プライバシー擁護派の求める条件を満たしている。むしろ問題なのは、プライバシー保護という要件ゆえに感染拡大の予防に必要な情報の収集が妨げられてしまう事実だ。」

「アメリカには今も昔も、この種のタスクを扱える国家レベルの公衆衛生インフラがない」

「どんなに手を尽くしても、接触追跡アプリ利用者のプライバシーを完全に保護することはできない。」

「公安警察や諜報機関、悪意ある外国の勢力にも、個人の行動追跡データを欲しがる理由が十分にある」

「9.11同時多発テロ後に「一時的」な措置として導入された国民監視メカニズムは、19年後の今も使われている。」

「壁やガラスを隔てていれば、ウイルスに触れる恐れはない。しかしブルートゥースの電波は壁もガラスも突き抜ける。だから、本来は感染リスクのない人にまで自主隔離の警告を送ってしまう可能性がある。逆に、深刻な濃厚接触をキャッチできない可能性もある。感染者がスマホを持たずに出歩いていたら、誰と接触しても分からない。」

つまり、米国では濃厚接触者アプリを導入、運用することは出来ないと言ってるわけだ(そうなのかあ?)。

「今までどおり、人との接触を減らす工夫を続けるべきだし、速やかに検査できる体制を拡充し、国民には密集を避け、必要なら自主隔離をするよう促し、場合によっては強制する。そのほうがずっと効果的だ。」

「感染が落ち着いてからならば、スマホによる接触追跡も役に立つ。どこかで発生した感染の拡大を防げるかもしれない」

それは、皮肉にも真実を突いている。

すれ違う人全員が感染者なら、濃厚接触者追跡アプリは不要だ。

市中感染が落ち着いてきて、個別のクラスターの発生に対応すればいい程度(おお、今の我が国程度じゃん!?)にならないと、実際の運用は困難になる。

対応するスマホを持たない人々(20パーセントだそうです)や、プライバシーの侵害を恐れてアプリを入れない人などは、初めから存在そのものを無視されている。

それでも、ないよりましだというが、浮沈子的にも米国には馴染まないシステムに思える。

トークン方式など、想定の範囲外だ。

感染者になった時には、当局に現物を持ち込んで引き渡さなければならない。

何が記録されているかなんて、素人に分かるわけがない。

感染したことが分かれば、腹いせに叩きつけてぶっ壊すのがオチだろう(そんなあ!)。

自分自身や家族のためではなく、名も知らぬ濃厚接触者のために、俺様は感染者だなどという情報をわざわざ知らせてやるわけがない(そうなのかあ?)。

ニューズウィークの記者も、アプリの導入には懐疑的だ。

ネガティブな理由を山のように挙げている。

しかし、ある意味で、そこにこそ成功のチャンスがあるかも知れない。

接触履歴を経済的な動機につなげることが出来るとか、有料化して金を払った奴だけ助かるとか。

幸い、100パーセント導入されなくても効果は期待できるようだから、金持ちが最大のメリットを享受するために導入を進めて、ビンボー人がそれなりの恩恵を得ることだって可能かもしれない。

倫理的な問題はあるかもしれないが、それこそないよりはマシだ。

21世紀だからな。

紙と鉛筆を手に、聞き取りを行って濃厚接触者を追跡する方法だけでは、何千万(放っておけば、あっという間にその規模になる)というトレースの経路をたどることは不可能だ。

全米の感染者は2,425,975人。

毎日、3万人を超えるペースで増え続けている。

下手をしたら、年内に1000万人の感染者が発生する。

彼らが2週間以内に濃厚接触した人々は、それこそ数千万人に達する。

米国の憂鬱は、まだ、始まりの始まりに過ぎないのかもしれない・・・。

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