委託先監督責任2013年06月05日 22:08

委託先監督責任
委託先監督責任


(787型機トラブル、再発防止策を指示…国交省)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130604-OYT1T00598.htm?from=ylist

「日航と全日空は委託元として作業をチェックする責任があるため、監督態勢を点検する必要がある」とある。

配電盤のネジの締め忘れや、直径0.8mmの穴を塞いだテープの剥がし忘れをチェックする「監督態勢」って、なんだろう?。

日頃、委託先の監督に追われる立場の浮沈子(さて、どんな仕事なんでしょう?)に言わせれば、「そんなところまで、チェックできる態勢を敷くくらいなら、自分たちでやる方が効率が高い」ということになる。

今回は特に、製造物である航空機の不具合であり、メーカーの独自の判断による不良部品の交換であり、「顧客」であるキャリアがどこまで責任を負うのかは微妙なところだ。

尻餅事故で破損した胴体後部の圧力隔壁を修理した、前回のJAL123便のヘボ修理とは、ちょっと違うような気がする。

殆んど、日本のキャリアに対するB社の嫌がらせ、人種差別、客扱いしていない奢り、高ぶり、侮蔑、軽蔑、思い上がりを感じる。

(ボーイング787は本当に安全か)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130603/249031/?rank_n

「同社民間航空機部門のレイモンド・コナー社長は3月に来日した時点で、改良型バッテリーの安全性を訴えるとともに、米国連邦航空局(FAA)が787の運航再開を数週間で認めると“予言”している。
 いち民間企業の幹部が、航空業界の許認可を司るFAAの意向を左右できると受け取られかねない発言には驚かされた。」

こんなもんで驚いているようじゃ、世間知らずといわれても仕方ないでしょう!?。

ソニーの某会長が、S社が日本企業であり続けるメリットは、政治が自由に動かせるからだとテレビの番組で明言したり、トヨタの社長が、産業界に不利な報道を行うメディアには、広告を掲載しないと公言したりする我が国の企業倫理を見るに付け、プラグマティズムの本家である米国では、企業がもっと幸せに活動できる「社会基盤」が整っているのは自明であると浮沈子は考えている。

(B787騒動から見えた米ボーイングの変調)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130502/247518/

「B787が数々のトラブルを起こしている背景には、ボーイングによる過度なコストダウン要求が影響を及ぼしているのではないか」

「事故後、初の試験飛行後に会見を開いた米ボーイング・民間航空機部門のレイモンド・コナー社長は、筆者が投げかけた質問に対して、軽く舌打ちした後、こう応じた。」

「我々が最も重視しているのは品質。バッテリートラブルは品質の問題ではなかった」

「コナー社長は結局、軽く舌打ちしただけで、質問の内容には直接言及しなかった。」

ちょっと並べ替えてみると、B社の姿勢が明確に見える。

コストダウンが品質に影響したという指摘は正鵠を得ているが、そのことを公式に認めるわけにはいかない。

バッテリーのトラブルは、折込済みのリスクを「調整」しただけで、品質の悪化がもたらしたトラブルではない(この部分は、浮沈子も正しいと思う。本質的には、同等のリスクをかかえたままだし)とかわすのが利口だ。

世界で売りまくるためには、787の品質には問題ないというスタンスを維持することが大切で、サル(吉川忠行氏のことか?)の質問にまともに答えてやる必要などない(チッ!:軽い舌打ち・・・)。

まあいい。

記事によれば、「両社とも懸念された“787離れ”は見受けられなかった」し、「離陸から30分が過ぎた機内を見渡すと熟睡している人が多く見られた」そうだから、金を払ってくれる荷物(乗客のことですか?)は、「不安がないとは言えないが、特段787に乗ることを気にしていない」ようで、当局やメディアを巻き込んだ情報戦術は、功を奏したわけだ。

格安航空機の市場を支持し、速く、安く、安全になどという、ないものねだりの消費者の需要に応えようとすれば、どこかで何かを(何を?)するしかない。

見えないところで手を抜くのは、洋の東西を問わず、どこの国でも同じである。

浮沈子のように、見えないところに(だけ)金かけて、見てくれボロボロの割高な中古車を喜んで乗るなどというのは、流行らないのだ。

(最終回 委託先の監督をどこまでするか?)
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0502/14/news005.html

ちょっと、見当はずれかもしれないが、委託先監督責任の適用について記事があったので引用しておく。

メーカーに製品の修理を頼む場合は、少し違うのだろうが、参考のため。

国土交通省のお役人は、キャリアに何を求めているんだろうか。

我々のような、乗客(金を払ってくれる荷物?)には、選択の余地はないんだろうか。規制当局は、毅然としてメーカーの指導監督を行い、揺るぎない安全が確保されているという「麗しい伝説」を信じるしかないのか。