三猿と三尸2013年12月07日 20:11

三猿と三尸
三猿と三尸


(三猿:さんざる・さんえん)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E7%8C%BF

「「見ざる、聞かざる、言わざる」という叡智の3つの秘密を示しているとされる。」とある。

由来については諸説あり、ハッキリしないらしい。

「『論語』に「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」(礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ)という一節がある」ともある。

行わざる、というのもあるということか。

「庚申の「申=さる」である、庚申信仰で人の悪事を監視して天帝に報告する三匹の「三尸虫」を封じるため、悪事を見聞きせず、話さない三匹の猿を出したなどの説もある。」

(三尸:さんし)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%B0%B8%E8%99%AB

「上尸・中尸・下尸の三種類で、上尸の虫は道士の姿、中尸の虫は獣の姿、下尸の虫は牛の頭に人の足の姿をしている。大きさはどれも2寸で、人間が生れ落ちるときから体内にいるとされる。」

「60日に一度の庚申の日に眠ると三尸が体から抜け出し、天帝にその人間の罪悪を告げ、その人間の命を縮めるとされることから、庚申の夜は眠らずにすごすようになった。一人では夜を過ごすことは難しいことから、地域で庚申講とよばれる集まりをつくり、会場を決めて集団で庚申待ちが行われるようになった。」

こんなことがあるとは、知らなかったな。

庚申信仰というのは、なかなか現世的で、浮沈子好みの習俗のようだ。

真っ当な宗教なら、罪悪をなさないようにと諭すところだろうが、告げ口させないようにするというのが、実に楽しい発想であるな。

「庚申待ちは平安貴族の間に始まり、近世に入っては、近隣の庚申講の人々が集まって夜通し酒宴を行うという風習が民間にも広まった。」

益々素敵だ!。

まあいい。

三猿(さんざる)の方は、日光東照宮の彫刻などで、世界的にも知られているが、三尸(さんし)の方は、殆んど知られていないのではないか(浮沈子が知らないだけかあ?)。

どうも、告げ口するという意味では、評判が良くないのかも知れないな。

それよりも、三猿の方が、奥ゆかしくていいのだろう。

特に、統治する側に立てば、不都合なことを見てみぬ振りをしてもらった方がいいに決まっている。

本来の意味は、良いことを見て、良いことを聞いて、良いことを言うということなのだと、浮沈子は理解している。

その裏の表現として、悪事については、「見ざる、聞かざる、言わざる」ということであって、為政者のための言葉ではない。

昨日、特定秘密保護法が可決され、国家機密が漏洩する危機は、少しは減ったかもしれないが、罰則の最高刑が死刑まである米国だって、ダダモレなわけだから、安心するのは気が早いということである。

正しい意味に於ける国家機密については、三猿がよろしい。

(秘密保護法は軍事小国・日本の「必要悪」)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39354

浮沈子は、別に「悪」とは思わないが、国家の情報が全て国民のものであるという見地からすれば、そういう見方も有り得るが、その秘匿行為が国民のために行われ、秘匿された情報を有効に活用して国民の安全や福祉の向上に役立てることが出来れば、「善」であり、そのように運用されれば「必要善」というべきであろう。

佐々淳行氏は、ずいぶんと楽観的に考えているが、浮沈子はそこまで官僚組織を信頼する気にはならないな。

我が身と我が組織を守るための秘匿は、当然のように行われるに決まっている!。

それどころか、値段が吊り上がった特定秘密をしこたま持って、ロシア辺りに亡命する輩が出てこないとも限らない(実際に、米国でいたし・・・)。

ひょっとすると、それが真の狙いなのかあ?。

まあ、どうでもいいんですが。

庚申信仰の話ではないが、人間の性は、概ね性悪説で間違いない。

政治家を始め、報道機関やジャーナリストなど、国民の知る権利の行使を生業としている人々は、大いに三尸(さんし)となって頂いて、悪行を天下に知らしめてもらいたい。

真の国家機密と、名ばかりの国家機密を取り違えて、国を誤らせる奸臣を、のさばらせてはならないのだ。

国民もまた、三猿の本旨である、良いことを見て、聞いて、言って、さらに行うべきであって、この法律が、正しく運用されるために知るべきことを知っていく義務が生じたことを肝に銘じなければならない。

佐々氏は、日本版CIAではなく、日本版KGBが必要だという。

「私はむしろロシアのKGBの日本版と言いたい。米国では秘密保護法やスパイ防止法による「守り=盾」はFBIが担っており、CIAは情報収集・諜報活動といった「攻め=剣」の役割をしている。KGBはこの剣と盾を併せ持っており、日本の国家中央情報局も剣と盾の両面を持つべきだと思うのです。」

陸幕別班にも、やっと日の光が当ることになる。

いや、あまり当り過ぎると、マズイな。

この記事の中の、日本版アルジャジーラという構想も、面白いと思う。

どちらにしても、外務省やNHKが、不甲斐なさ過ぎるということなのではないか。

謙譲の美徳としての三猿、告げ口野郎の三尸(さんし)という固定観念を捨てて、しっかりと戦略的な情報戦を戦うことが大切である。

60日に一度、眠らずに騒いで悪事を続けるよりは、悪を成さず、ぐっすり眠る方がずっといい。

木製のクルマ2013年12月07日 22:55

木製のクルマ
木製のクルマ


モーガンが、木製のボディを架装していることは、有名である。

(モーガン (自動車))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%B3_(%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A)

「現代にはありえない木材によるフレーム(現在は内装の部分のみに木材使用)、手作業による裁断が行われるレザーシートなど、ボディや内装などのほぼ全てがハンドメイドによって仕立て上げられている。」

(モーガンのシャシー・リアウイング)
http://www.morganauto.co.jp/service.html

「モーガンのシャシー
木枠
モーガンのシャシーは木でできているとよく言われますが、フレーム自体は鉄のフレームを使っています。そして室内の部分は写真のように木枠で作られています。」

「リアウイング
リアウイングの制作行程
モーガンのリアウイング(リアフェンダー)の丸みを加工しているところです。特殊なジグに材木をはめ込んで、接着剤を流し込んで、一昼夜そのまま放置します。」

こんなクルマは、きっと、特殊なクルマだと思っていたら、本日、とてつもない情報を入手した。

ハンドルのクセも取れて、200km走行も可能になった83タルガだが、屋根を閉めているときの風切音は、完全には収まっていない。

取り外し式のルーフとフロントウインドウのフレームの隙間から、ピューッという音が聞こえてくる。

まあ、速度警告装置と思えばいいのだが、80km辺りから聞こえ始めて、徐々に盛大になる。

160km以上になると、もう、どうにでもしてくれ!、という音量になり、それ以上では、他のノイズもあって、区別できなくなる。

そこんとこ、なんとかならないか(ゆっくり走ればあ?)ということで、プレステージに相談に行った。

秘策あり!、ということで、いずれ報告する(うまくいったときのみ)。

で、夜の暗闇の中で、一生懸命洗車していたのが、87年型930ターボ・フラットノーズ。

このクルマ、今日の時点では、まだ売れずに残っている。

(中古車・新車情報 ポルシェ 911(Type930) 930 Turbo S Factory Flat nose 4MT 【1464】)
http://www.prestige-tokyo.jp/StockDetail1/shop_185-1/car_526106/cate_0/design_1006/css_1001/shop_disp_1/window_NEW/sns_1.html

以前、このブログでも取り上げている。

(足回りなど)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/10/14/7009085

ふとした会話から、このモンスターマシンのリアブレーキの吸気口に付いているルーバーが、木製であると聞いた!(画像参照)。

きっ、木ですかあ!?。

触ってみても、ちゃんと塗装がしてあるし、トントン叩いてみても、よくわからない(軽い音がする)。

ナイフで削れば分かるだろうが、そんなことは、もちろん出来ない(やりません!)。

へえーっ!、と感心して、帰って調べてみると、こんなページがある。

(930ターボ★フラットノーズ)
http://minkara.carview.co.jp/en/userid/1633675/blog/31634637/

「サイドのルーバーは、ウッドのハズです」

「私も後で調べたのですが、サイドのルーバーというところは、木製みたいですね」

「930フラットノーズは、いろんな意味で凄いですね」

激しく同意だな。

もちろん、木製の内装というのは、英国車を中心に多く見られるし、ある意味で、高級車の記号となっている(最近は、カーボンも流行)。

しかし、この時代、機械の王国であったドイツの、しかもポルシェの超弩級スポーツカーの外装に、木製部品が使われていたというのは、正直言って、驚き以外の何物でもない。

(ペリカンパーツのページ:ホント、木だわ!)
http://forums.pelicanparts.com/6393174-post464.html

掛田さんによれば、この個体はディーラー車で、当時、約2000万円(今なら、いくらになるんだあ?)という、破格のお値段が付いていたんだそうだ。

今の値段は、ASKとなっているので、ここには書けないが、浮沈子のターゲットには絶対ならない値段である。

探しても出てこない、本当の希少車であるな。

このクルマをお買い上げの方は、相当な粋人であると思われるが、ゆめゆめ、ルーバーを削ったりなさらないように・・・。