通信衛星2014年01月06日 19:33

通信衛星
通信衛星


(通信衛星)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E4%BF%A1%E8%A1%9B%E6%98%9F

「その出力が大きく、使用目的が衛星からの直接放送であるものを特に放送衛星(BSまたはDBS)という。」

まあ、通信衛星と同じようなもんだということがわかる。

しかし、明確に異なるのが軌道である。

浮沈子は、こういった用途の衛星は、みんな静止軌道上にひしめいているのかと思っていたのだが、少なくとも通信衛星については、楕円軌道上に居るやつもあるのだと、初めて知った。

「テルスター衛星は2時間37分で周回する、軌道傾斜角45度の楕円軌道(遠地点約5,600km、近地点約950km)に投入された。テルスターはAT&Tに所属するがこれはAT&T、ベル研究所、アメリカ航空宇宙局、英国郵政省、フランス郵政省間の衛星通信技術を開発するための多国間合意によるものである。」

「最初の地球同期軌道に投入された通信衛星は1963年7月26日にソーデルタで打ち上げられたシンコム2号である。シンコム2号の軌道は地球同期軌道だが傾いた(すなわち軌道傾斜角がゼロでない)軌道で、通信には追尾装置を必要とした。最初の静止通信衛星、すなわち固定した衛星通信アンテナで補足可能な通信衛星は1964年8月19日に打ち上げられたシンコム3号である。これは国際間通信用であったが、広大な国土を持つ国では国内通信用の通信衛星が用いられるようになった。ソビエト連邦はモルニヤ衛星を使ったが、1973年に打ち上げられたカナダのアニク1号は世界初の国内通信用の静止通信衛星であった。」

モルニヤ軌道というのもあって、ソ連(当時)のような高緯度の地域をカバーする衛星は、この軌道のほうが使いやすいようだ。

(モルニヤ軌道)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%A4%E8%BB%8C%E9%81%93

(モルニヤ (人工衛星))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%A4%E8%A1%9B%E6%98%9F

「モルニヤ衛星1機だけでは常時通信可能なシステムとしては機能しないため、現実には何機かを組み合わせて衛星コンステレーションを構築した上で使用する。モルニヤ衛星が天頂付近にとどまる時間は限られているので、複数のモルニヤ衛星が交代に天頂に昇るようにしなければならない。」

「モルニヤ衛星は2005年6月に最後の打ち上げが行われた。2006年からは後継のメリディアン衛星シリーズの打ち上げが行われており、徐々にモルニヤ衛星と交代しているところである。」

(メリディアン (人工衛星):Meridian、子午線、経線の意味))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3_(%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%A1%9B%E6%98%9F)

ちなみに、モルニヤとは、雷の意味だそうだ。

地球同期軌道(対地同期軌道)と静止軌道の違いも分かりづらい。

(対地同期軌道)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E5%9C%B0%E5%90%8C%E6%9C%9F%E8%BB%8C%E9%81%93

「地球の自転周期と一致する軌道周期をもつ地球周回軌道のことである。この同期の意味は、同期軌道上の衛星が地上の一地点の観察者から見て毎日同じ時刻に空の同じ一点にあるということである。赤道上空の同期軌道をとくに静止軌道という。
準同期軌道は地球の自転周期の半分(11時間58分)の軌道周期である。一例としてモルニヤ軌道や全地球測位システムの衛星軌道がある。」

この記事の中に、アナレンマという言葉が出てくる。

「楕円軌道は地上局や受信者の視野に通信衛星を収めるために軌道設計される。楕円対地同期軌道上の衛星は空にアナレンマを描きながら地上局の視野の中で信号を発信する。離心率の大きな楕円軌道の場合、地上局には衛星追跡のためのステアリング機能が必要になる。」

(アナレンマ:画像参照:古代ギリシャ語で、日時計の台座の意)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E

「アナレンマ(Analemma)とは、均時差によって1年のうちに太陽の位置が8の字型を描いて運動すること。
一年を通して同じ場所で同時刻に太陽を撮影し、画像を合成してはじめて浮かび上がる。」

(均時差)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%87%E6%99%82%E5%B7%AE

「均時差(きんじさ、equation of time)とは、天球上を一定な速さで動くと考えた平均太陽と、実際の太陽との移動の差。」

「・地球が楕円軌道を描いて太陽をまわることにより季節によって公転の角速度が異なること
・赤道が軌道と23°27′傾いていることにより、1日のうちの太陽の運動が東西から少しずれることによる。」

さて、延々と通信衛星の話をしたのは、早ければ、明日朝に、スペースXが通信衛星を打ち上げるというニュースがあったから。

(スペースXとオービタル・サイエンシズが衛星打ち上げでコラボ…NASA契約の民間ISS補給開発企業)
http://response.jp/article/2014/01/06/214175.html

オービタル・サイエンシズといえば、シグナス宇宙船を運用する、スペースXのライバル企業ではないのかあ?。

(オービタル・サイエンシズ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%BA

「ISSへの補給
商業軌道輸送サービス (COTS) の商業補給サービス (CRS) として、19億ドルで8回の打ち上げを実施。
シグナス 物資補給用の無人宇宙船、アンタレスにより打ち上げ」

(アンタレス (ロケット))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%82%B9_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)

「アンタレス(英語: Antares)はアメリカ合衆国のオービタル・サイエンシズ社 (OSC) により開発され、打ち上げられている中型ロケット。2013年4月21日に初打ち上げが行われて成功した」

呉越同舟というのは聞いたことがあるが、呉乗越舟(?)というのは、聞いたことがないな(呉=OSC、越=スペースX)。

まあ、どうでもいいんですが。

このミッションについては、プレスキットが上がっている。

(SpaceX THAICOM 6 Mission Press Kit)
http://www.spacex.com/sites/spacex/files/spacex_thaicom6_presskit.pdf

「Overview
SpaceX’s customer for its THAICOM 6 mission is the satellite communications provider THAICOM. In this flight, the Falcon 9 rocket will deliver the THAICOM 6 satellite to a Geosynchronous Transfer Orbit (GTO). THAICOM 6 is a commercial telecommunications satellite.」

(スペースXのタイコム6ミッションのお客様は、衛星通信プロバイダーのタイコム社様です。この飛行で、ファルコン9ロケットは、静止トランスファ軌道にタイコム6衛星を投入します。タイコム6衛星は、商用通信衛星です。:浮沈子:訳)

「The THAICOM 6 launch window will open at approximately 5:06 p.m. EST on January 6, 2014 from Space Launch Complex 40 at Cape Canaveral Air Force Station, Florida, with additional launch opportunities January 7-12, 2014.」

(タイコム6衛星を打ち上げるタイミングは、米東部時間の2014年1月6日午後5時6分頃からで、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地の40番射点からです。追加のタイミングは、1月7日から12日にかけてあります。:浮沈子:訳)

「If all goes as planned, the THAICOM 6 satellite will be deployed into its geosynchronous transfer orbit approximately 31 minutes after liftoff.」

(もし、まんまと思い通りにいけば、打ち上げ後31分くらいでタイコム6衛星は静止トランスファ軌道に投入されるでしょう!。浮沈子:訳)

続きを読んでみると、衛星は約3トン(3,016 kg)とある(例によって、レスポンスの記事は「打ち上げ重量は3325kg」と間違えている。:どーせ、1ポンドを0.5kgで計算したに決まってんだ!)。

この重さをGTOに上げるとなると、今回も、おそらく1段目の回収作業は行わないだろう。

プレスキットを読む限り、その記述は見当たらない。

どの打ち上げで回収作業が成功するのか、浮沈子は、そこに注目している。

もし成功すれば、衛星ビジネスにコペルニクス的転回をもたらす歴史的なイベントになる。

次回の打ち上げに、期待だな。

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