石廊など2016年06月14日 07:54

石廊など


100mを超える長さの巨大な輸送船、イロウ丸。

昨日は、ハファダイレックの後、久しぶりに石廊に潜る。

加藤先生のリードで、船室を通り抜けたり、マストの隙間をくぐったりするんだが、イントラを含め、この2人は、穴さえあれば入りたがるので弱っている。

浮沈子は、外から見ているだけで十分なんだがな。

通り抜けている時に、着底してしまったらイントラに後で注意された。

それどころじゃない。

一刻も早く通り抜けたいので、必死である。

この船は、ファンダイビングでもよく潜られているようで、浮沈子も以前に1度だけ来たことがある。

その時に比べたら、透視度も良く、CCRの性能をいかんなく発揮して、甲板近くをうろつくことが出来た。

ハファダイレックは、急速潜降した際のPO2の変化を確認するという教育上の課題を実施するために、10m位から、一気に25mまで潜降した。

PO2は1.3のハイポジションに切り替えてからだが、1.5以上に跳ね上がった。

というわけで、通常潜降では、ゆっくり潜りましょうという話になるわけだな。

呼吸による酸素の消費が、潜降による酸素分圧の増加と同等程度以下であるのが望ましい。

ドンと上昇して、危険なPO2の範囲に突入したら、ディリュエントフラッシュしまくって薄めるしかない。

この辺は、今後、シミュレーションの中でやることになる。

何種類ものディリュエントガスを持ち込むダイビングになれば、どのガスで行うかという選択も出てくる。

そういう話が、普通に出てくるようになって、講習はいよいよテクニカルダイビングの様相を呈してくる。

今回、浮沈子はディリュエントの消費が多い。

つーか、浮力の調整に使いまくっている。

ボトムでは、ADVを閉めてマニュアルで給気しているので、本来の用途ではミニマムしか使っていないし、文字通りミニマムボリュームは取れている。

ボトム付近は、それ程深度を変えているわけではないので、結局、浅いところに戻ってきてからの調整に使っていることになる。

そんなに、使ってたっけえ?。

昨日のイロウでは、70くらい使った。

通常は、多くても30位のはず・・・。

実際、ボトムに降りた時点では、20位しか減っていなかった。

まあ、浮力調整では、消費を気にせずにバンバン出し入れしているからな。

潜り抜けをしたりする前には、安定するまで無駄な消費をしている。

突入する時点では、完全にバランスしていないと不安だ。

それでも着底してしまったわけで、深度コントロールには悩んでいる。

足が下がってしまうというのも問題だ。

改善されていない。

今日は、その2つを課題にして、意識的に潜ろう。

そう、今日は、予定ではイロウ2本ということになっている。

ボートを占有して、レックダイビング三昧というわけだな。

贅沢な話だ。

つーか、イントラと加藤先生の調査ダイビングにつき合わされているともいう。

お二人にお伴させて頂くのは、へっぽこCCRダイバーの浮沈子としては非常に光栄なんだが、穴さえあれば入りたがるのは困ったものだ・・・。

まあいい。

もちろん、テクニカルレベルのCCR運用に不可欠な精密な浮力コントロールのトレーニングという建前ではある。

入りたいところに、入りまくる2人の後を、必死に付いていくだけだがな。

それでも、40分程度のダイビングで、これ程の充実感を味わったことはない。

ハファダイレックも面白いし、ビミョーな傾斜の外廊下を行ったり来たりするのは、いい練習になるが、イロウ程の充実感はなかった。

まあ、慣れてきたということもあるんだがな。

ハファダイレックの水底では、ドデカイエイ2匹が、求愛中だった。

我々3人は、お邪魔虫だったようだが、デカイメスの周りをうろつくオスは、それどころではなく必死だったな。

もちろん、こんなダイビングをしていても、NDLは15分程度を残しているし、減圧停止にはならない(シミュレーションはしてますが)。

今日からは、減圧計画を書くための腕に着けるプレートをはめていくことになっている。

とりあえずは、何も書かない。

どれ程邪魔になるかとか、ちゃんと見えるかとか、そういう着け心地の確認というわけだ。

昨日から、1リットルのミネラルウォーターを、水分補給用として渡される。

自分の管理は自分で行うということだな。

そういうメニューになっているようだ。

そんなことも含めて、徐々にテクニカルダイビングらしくなってきている。

昨夜は疲れが出たのか、夕食前に横になったら、そのまま寝込んで夜中に目覚めた。

真夜中では、食べに行くこともできず、3時ころまで眠れなかったが、今朝は比較的スッキリ目覚めることが出来た。

部屋の中を、アシナガバチが飛び回っていたので、大格闘の末、気の毒だが成仏していただいた(化けて出るなよ!)。

一体、どこから入ったんだろう?。

窓は締め切っているし、ドアから入ったとしか思えない。

廊下は開けは無しになっているので、何でも入ってくる。

一晩、飛び回っていたのかもしれないと考えると、あまりいい気分ではないな。

無用な殺生とは思わない。

生死を掛けた戦いだ。

向こうも必死なら、こちらも必死である。

勝負は時の運・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

というわけで、今朝は、散歩にも行かず、飢餓状態の胃袋に朝食を押し込んで、5日目になる1日1杯のコーヒーを流し込む。

もう、その状態にも慣れてきた。

タダの水だって(パラオでは、ただではありませんが)、目を閉じて念じて飲めば、コーヒーの味がする(わけないじゃん!?)。

浮上の時の浮力コントロールにも、早く慣れるといいんだがな。

今のところ、エントリーエキジットでは、殆どストレスがない。

右のおでこのサイナス(前頭洞)が、ちょっと抜けにくかったりしたが、有り難いことにスクイーズにはなっていない。

ゆっくりと潜降すれば、耳抜きもスムーズだ。

今日も順調だといいな。

スキルについては、徐々に身に着いて行けばいい。

慌てることはない。

次回の日程は未定だが、いずれにしても9月のシルバーウイークの後ということになる。

器材は、殆どを今回持ち帰る予定だ。

カウンターラングの中袋を含め、本体を除く部品をメンテナンスする。

テックサイドマウント用の器材は、そっくり置いて行ってもいい(レギュレーター重いしな)。

1個くらいは、持ち帰ろうかな。

SMS50は、持って帰ろう。

年内に具体的な計画はないが、パラオで使うことはない。

ここでは、ここでしかできないダイビングを行う。

少し、日本でも潜りたいしな。

富戸にナイトロックスが入ったというので、ちっと吸ってみたい気もするしな。

さて、そろそろ準備して、沈船三昧(イロウ三昧?)の準備でもしよう・・・。

石廊三昧2016年06月14日 17:14

石廊三昧


お弁当を持って、野郎3人でピクニック気分だ(ブキミー・・・)。

アーノルドとアシスタントの計5人で、最新のハミングバードの魚探を積んだマーキュリー115馬力2機掛けのボートでかっ飛ぶ。

もちろん、イロウだ。

2本とも、ここで潜る。

加藤先生をガイド役にして、昨日と同じようなパターンで潜る。

2本とも、通り抜けをやらされた(もとい、やらせていただいた)。

今日は、着底せずに通り抜けたが、もうもうとシルトを巻き上げしまう。

足が下がっているために、下を叩いているそうだ。

ははあ、それで着底せずに済んだわけか・・・。

中性浮力、トリム、フィンワークは、ダイビングの3大スキルといわれる。

レベルに応じて、要求される精度は異なるが、浮沈子はプラスマイナス10cm位を要求されている。

大甘の精度だが、それすら満たせていない。

水底で、安定していてゆっくりとでも泳いでいればいいが、止まったとたんに浮くか、沈むかになる。

ということは、泳ぎで誤魔化しているところがあるということだ。

今日から、腕に着けるスレートをしている。

もちろん、何か書いてあるわけではない。

左腕に付けているが、ヘッドアップディスプレイが邪魔して、思い切り腕を突き出さないと見えない。

そういうもんなんだそうだが、ちょっと気になる。

明日は、右腕に付けてみよう。

ペトレルとの干渉が気になるけどな。

まあ、どうでもいいんですが。

そのうち、どうでもよくなくなる。

それに頼って浮上しなければならなくなるかもしれない。

その時に、見えなかったりしたらシャレにならない。

ゴーヤ弁当(アイランド焼肉製)を平らげて、ボートの上でごろ寝して、贅沢な水面休息時間を取る。

野郎5人でうだうだする。

1時間半余りの休憩ののち、2本目に突入。

ボートも、ポイントも、なんと、今日はデイドリームコロール店も、浮沈子だけのために動いている。

独り占めだ。

贅沢なダイビングであるな。

明日は、スタッフの研修を兼ねて潜るが、ボート上のお客さんは浮沈子だけ。

他のお客さんは、いつものように、たぶんゲメリス方面だろう(ブルーコーナー、ブルーホールなど)。

最近は、ジャーマンチャネルにマンタがいないんだそうだ。

別のところで見たという。

クリーニングステーションを変えてしまったのかもしれない。

お客さんにも、前にマンタが出ていたところと紹介しているそうだ。

なんか寂しい話だ。

こっちの方は、大物揃いの沈船で、100m超えるのがゴロゴロしている。

しかしなあ、沈船のお客さんが増えてくると、CCRの講習をのんびり続けることもできなくなるかもしれないしなあ。

悩ましいところだ。

3時前に、ショップを後にして、一休みして、今日はちゃんと夕食を食べに行くことにした。

それまで、ブログを書いている。

アイランド焼肉という店名なのに、今回、焼き肉は頼んでいない。

今日は、カープレストランにでも行こうかな。

久々に、カツカレーを食いたくなってきた。

どう考えても、カロリーオーバーだが、ディリュエントをたんまり使ったので、いいことにしよう(殆ど浮力調整の泡と消えたわけだな)。

イントラが呆れて、明日は、ベイルアウト用タンクを少し使おうということになった。

本日の残圧は、10バール!。

こんなに使ったのも初めてだな。

2本目は、80バールくらい使った。

浮上に掛かる前は、40未満の使用量だったので、25m位の浮上で50バールも使ったことになる。

本来なら、使用量はゼロのはずだ・・・。

穴でも開いてるんじゃないかと思う程の使用量だ。

ADVは閉じているので、カウンターラングに入ることはない。

マニュアルでは足していないので、全て浮力調整に使ったことになる。

信じられない!。

15m、12m、9m、6mと、止まるたびに、出したり入れたりを繰り返している。

こんなに、へたくそだったっけえ?。

まあ、2本目だから、後がないので、景気よく使ったということはある。

それにしてもだ。

まあいい。

課題山積だが、やることがなくて困ることだけはない。

あと3日で、どれ程習熟するか。

中性浮力、トリム、フィンワーク・・・。

アンテロープの4階のクラブハウスは、今日は浮沈子だけが泊まっているようだ。

今夜遅くに、新しいお客さんが来るんだろう。

今日を入れてもあと4日だ。

そして、梅雨時の日本に帰る。

次回は、秋の声を聞いてからになるのかな。

ダイビングの島、観光の島、そして、地元の人たちの島。

マラカルの埠頭には、コンテナ船が留まっていて、荷卸しが忙しい。

龍馬も戻ってきていて、今夜のお客さんの受け入れ準備をしている。

お客さんは、入れ代わり立ち代わりで、特別な日々を求めてやってくる。

DD7(黄色い船)がアンテロープ近くの岸壁に横付けした。

ドデカイステンレスの水タンクを、スターンのオープンスペースに積んで出かけて行った。

龍馬に積むらしいな。

どこに積むんだろうな。

コロール店のお客さんがいない日でも、龍馬は動いている。

コロール店でも、シャワー室の扉の修理をしていた。

特別な日々を提供するための、ふつーの日々・・・。

そんななかで、たった一人のお客さんだった浮沈子は、贅沢ものだ。

カープレストラン再訪2016年06月14日 19:12

カープレストラン再訪


オープンと書いてあっても、間近に行かないと、開いているのか不安になってしまう。

今日は、禁を破って、糖質たっぷり、カロリー抜群のカツカレーを食べに、ケルベロスが守るカープレストランへ乗り込む。

タイミングが良かったのか、イヌに絡まれないでやって来られた(初体験!)。

直ぐ後から来た、日本人のお客さんたちは、吠えられてたな。

夜の6時。

ここのオーシャンビューも素敵なんだろうが、窓には格子が嵌っているし、ネットも掛かっているし、ヤシの木が邪魔だし、何といっても東向きで、夕日を見ながらのディナーというわけにはいかない。

と、怒涛のカツカレーと、ニンニクの薬味と、オマケで小さいバナナが2本付いてきた!!(←2本)。

ちょっと芯がある感じのバナナだったな。

ニンニクの薬味は、明日のことを考えずに完食する。

CCRが臭いまくるだろうが、人様に迷惑をかけるわけではない。

カツカレーは、でっかい肉が入っていて、やや薬くさい味だが、一応食べられる。

量が欲しい時にはこれに限るな。

昨日は夕食抜きで寝てしまったので、今日はしっかり2日分食べた感じだ。

明日のスケジュールも、たぶん今日と同じだろうから、早めに上がってくるに違いない。

今回、最終日は、フィッシャーマンと決めている。

ヴィータに先に行ってしまったので、ちょっと順序を間違えた気がしないでもないが、一応、デイドリーム直営店なので、行かないわけにもいくまい・・・。

行かなくってもいいか・・・。

外は暗くなり、夜の帳が降りてくる。

東向きのカープレストランは、ただ暗くなるだけ・・・。

まあいい。

ローカルが気軽に来られる店という感じだ。

フィッシャーマンも、そういう感じの店なんだそうだ。

獲れたての白身魚の蒸し焼きや、マングローブ貝のバター焼きもいいが、何か、こう、物足りない感じがする。

浮沈子がアルコールを飲まないせいなのに違いないが、下戸でも楽しめる店を求める方が間違っているんだろうか?。

だって、ヴィータは、パラオに来たら必ず行きたい店だもんな。

パームベイのステーキだって、いい感じのメニューだしな。

10ドルでお釣りがくるカープレストランよりは数倍高いが、それにしたって、無茶苦茶高いわけではない。

フィッシャーマンが悪いというわけではないけれど、いろいろな点で、見劣りしてしまうことは確かだ。

ダイビングサービスとしてのデイドリームのクオリティを、陸上でも期待してしまうのは贅沢なんだろうか?。

酒を飲まずに、美味しいものを、少しだけ頂きたい時に、気軽に寄れる店がいい(腹いっぱい食いたいなら、カープレストランに限る)。

そんなパラオのレストランを、浮沈子は来るたびに探し続けているのだ。

ヘレンクルーズ2016その1(航海始まる)2016年06月14日 20:49

ヘレンクルーズ2016その1(航海始まる)


龍馬1号を下船して、1週間が経った。

既に忘却の彼方に消えてしまって、ログブックにだけ残っている情報をかき集めても、何も面白いことはない。

南の島の、荒らされていない美しいサンゴ礁と、そこに棲息する色とりどりの魚たち。

そして、大物狙いのダイバー達・・・。

いつものパターンだな。

浮沈子は、概ね15m辺りを泳いでいて、遥か下の方を泳ぐトップガイドの秋野さんを見失わないようにするのが精一杯だ。

カメラは持ち込んでいるが、何も撮らないで上がってきたこともある。

というわけで、龍馬1号に乗るのも、ヘレンに行くのも初めての浮沈子は、見るもの聞くものが珍しいというのは当然としても、海の中は見慣れた風景だったわけだ。

つーか、区別がつかない。

マンタの大群が出たとか、ジンベイ見たとか、シルキーシャークに囲まれたといったことはなかった。

何頭かのタイマイは見たが、サメはブラックチップのオスが1匹だけ。

秋野さんによれば、オスは珍しいんだそうだ。

というわけで、航海の始まりは4月のパラオの訪問に遡る。

次回の日程を決める時に、一度は行ってみたかった絶海の孤島であるヘレン環礁、そして、一度は乗ってみたかった龍馬1号の夢を同時に適えるチャンスが、イントラの講習と時期を接して催行されるという情報を得る。

これは、乗らざるを得ないだろう。

3日間ほど間が空くが、ボーッとしていてもいいし、ゲメリス方面にファンダイブしてもいいし、その後、CCRの講習を受ければいいと考えた。

長期のパラオ滞在のつよーい味方、アンテロープのクラブハウスを見つけたので、もう、怖いものはない。

航空券の申し込みを五反田のHISでしてから、ホテルの確定の手続き、4月下旬のクルージングの支払いを済ませて、さて、間の3日間、何をして過ごそうかと考えて、せっかくなので日本でやりかけのテックサイドマウントをパラオでやろうと考えた。

加藤先生には、随分調整していただいたようで、何とか3日間を有効に使うことが出来た。

感謝!。

そんなこんなで、ゴールデンウイークを挟んで、日程がフィックスし、さらにフィットネスの継続と、活動量計の導入、摂取カロリーの管理と糖質制限など、形から入る浮沈子のいつものパターンが続いて、あっという間に5月31日がやってきた。

そう、ヘレンクルーズに出発する日だ。

今回は、持ち帰る荷物の都合もあるので、なるべくコンパクトにしなければならないが、20日に渡る海外旅行なので、予備を含めてダイビング器材は大量になった。

なんとか、1パッケージ(23kg)に収めて、後は手荷物に放り込んだ(おっも・・・)。

10kgくらいはあるだろうな。

ライト(4個)、電池(多数)、パソコン(2台)、ダイコン(3台)、その他もろもろ・・・。

例によって、この時期のデルタはガラガラで、3つのシートを独り占めして、余裕でパラオに着いた。

余り揺れた記憶がない。

前回は、相当揺れた記憶があるので、それと比較して、印象がないのかもしれない。

定刻前にランディングし、暑い中を、長い渡り廊下を歩いて入国管理を通る。

荷物も、ダイビングバッグ1個なので、カートには積まずにインパックツアーの窓口に行く。

荷物が早く出た浮沈子は、早速出口を出て左手の一角で他のお客さんを待つ。

この中に、龍馬1号に乗船する方たちもいるに違いないと、次々と現れるツアー客の値踏みをする(さもしい根性・・・)。

若いカップルは、自動的に除外だな。

ジジババ限定で色分けしてみると、数人が残った。

概ね当たりで、デイドリームの前の船着き場で降ろされる。

浮沈子は、前回預けた荷物が積まれているかどうか不安だったので、垣内さんに聞いてみたら、既に船室の方に運んであると聞いてほっとする。

つーか、店のカギは、誰も持っていないということだった。

テンダーで龍馬に横付けし、初めて乗船する。

船をやっていた浮沈子は、ちょっと感動ものだ。

デカイ双胴船、6気筒ジーゼル2基掛け、外洋航海もできる装備、広々とした甲板、評判の高い料理、外洋では揺れるという方の評判も高い!?。

その、まさに本物の龍馬1号(ちなみに、2号はありません)に乗り込んだわけだ。

船室のカギを渡されたが、航海中掛けることはなかった。

スタンダードルームのC。

今回は、一人で2人部屋を占有する。

料金は同じだ。

ラッキー!。

つーか、いびきのうるさい浮沈子と相部屋になった方こそ、アンラッキーだったわけで、11名の先客は、みんなラッキーだったわけだ。

乗船時の注意を受け、船室に入り、積み込まれていた預け荷物を確認する。

BCだけあればいい・・・。

当然、全部揃っていた。乗船は日付が変わって、6月1日午前2時。

何人かの酒好き、話好きの方たちと、お話の輪に入れて頂いたが、毎月のように乗られている方や、ヘレンクルーズ4回目などというつわもの揃い、チュークのロゴの入ったTシャツの方もいて、もう、ベテランダイバーズの方々に圧倒されっぱなし・・・。

このクルーズ中に、揃って500本記念のご夫婦もいたりして、もう一つのダイビングの究極の姿を見る思いだ。

そうこうしているうちに、船が動き出した気配を感じてデッキに出てみると、後ろに2隻のテンダーを曳航しながら、既に舫を解いていた龍馬1号は、ゆっくりとコロールを出港していた。

酒宴(既に、相当出来上がっていた方も・・・)は、果てしなく続きそうだったので、浮沈子は暇を告げて部屋に下がった。

今夜は火星大接近の夜だが、コロールは曇り。

パラオでの星空観賞会は、後日となった。

ゆっくりとした船の揺れを感じながら、アネロンニスキャップを1カプセル飲む。

実は、この後は、酔い止めは飲まなかった。

酔わなかったといえばうそになるが、薬を飲むほど酔いはしなかったといえる。

航路的には、トビからメリルに行く時が一番酔ったかもしれない。

燃料を節約するために、4ノット程度で外洋を航行した際、ピッチングとローリングが変わりばんこに来るという最悪のパターンとなった。

また、ログ付けで、船首近い畳の部屋にいた時も酔ったな。

こっちは、もろピッチングだった。

最後の方のログ付けは、船尾に近い、ギャレーの前のテーブルで行った。

が、船酔いらしい船酔いは殆どなかった。

海況は、ほぼベタなぎに近く、西風が卓越するパラオの南西諸島でも、今回の航海には影響はなかった。

プルアナからの最後のディスタンスで、秋野さんと垣内さんが変わりばんこにダウンしたそうだが、酒が足りなかったんじゃないかとか、ダイビングがつつがなく終了して、ホッとしたんだろうなどと、船客はいいたい放題だったな。

が、それらは、皆、後の話である。

船でしか訪れることのできない絶海の孤島。

パラオ南西諸島の最南端にして、赤道まであと数百キロという、浮沈子の生涯最南端の島までの、長い長い航海が始まったのだ。

クルージングだけで約40万円。

宿賃、食事代、ダイビング代、全て込み込みとはいえ、通常のダイビングツアーなら、コロールに2回くらい来ることが出来る。

しかし、ダイブクルーズを終えて振り返れば、それを考えても参加する価値がある。

特に、クルーズ好き、船好き、海好きなら、間違いなくハマる。

ほぼ毎月乗られている方、ヘレンクルーズ4回目の方など、どっぷりと嵌った方もいれば、浮沈子のように、一度は参加して見たかったという初心者も何人かいる。

龍馬1号には乗ったことはあるが、ヘレンは初めてという方もいた。

船客の一人一人に、人生の物語があり、1週間の航海を共にするという、新たな1ページを書き加えることでもある。

わくわくする思いにほだされて、初日の夜がなかなか寝付けなかったのは無理もない。

憧れのヘレン航路・・・。

まず、目指すのは途中にあるソンソロール島(バナ島とソンソロール島が隣り合っている)。

1昼夜以上掛けて、6月2日の早朝に到着する予定と書かれていた。

ギャレーの前のホワイトボードに、ガイドのスター(ペリリュー出身の、龍馬1号のダイビングコーディネーターでもある)が、翌日の予定を書き込んでいく。

海況によっては、ダイビングの時間や本数が変わることもある。

絶対厳守の食事時間との兼ね合いが問題だな。

早朝ダイビングとか、午前中に2本潜る時には、その調整には血の雨が降るだろう(まさかね!)。

船足との兼ね合いもある。

今回の航海では、当初12本のダイビングが予定されていたが、メリルで頑張って4本潜ることが出来て、1本お徳の13本になった。

料金は同じ・・・。

6時間も早く帰港したことを考えると、プルアナでもう1本潜れたかもしれない。

全ては結果論である。

とにかく、出港したのだ。

南の島の、さらに南の島々への旅。

ジェットを吹かして飛んでいくのでもなく、海面を滑空しながら爆走するのでもなく、2隻のテンダーを曳航しながら、最大船速10ノット程度(往路は8ノットくらいか)。

どんぶらこっこ、といっていいペースで、どん亀1号(もとい、龍馬1号)は、パラオの内海を進んでいく。

まだ、外洋には出ていない。

夜は、やがて朝になる(当たり前ですが)。

その朝が来る前に浮沈子は、いつの間にか眠りに落ちていた。

ドロップオフで、中性浮力が取れずに墜落していくという、しょうもない夢にうなされながら・・・。