燃比の時代2012年10月02日 22:51

燃比の時代
燃比の時代


リッター何キロ走るか、というのが、我が国における「燃費」の一般的な表示方法である。

内燃機関の燃焼は、走行条件によって著しく変わるので、従来から走行パターンを共通にして、相互比較が可能になるように表示してきた。

(燃費)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%83%E8%B2%BB

(10・15モード燃費)
http://ja.wikipedia.org/wiki/10%E3%83%BB15%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89%E7%87%83%E8%B2%BB

(JC08モード)
http://ja.wikipedia.org/wiki/JC08%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89

その昔は10モード燃費だったのだが、いつの間にか10・15モード燃費に変わってしまって、またまたJC08モードとやらになるという。

その度に、同じ車の燃費がころころと変わるというのも困ったものだ。実際には、「燃費の表示」が変わるだけで、燃費が変わるわけではない。

ハイブリッド車(プリウスとか)は、少々面倒なことになっているらしい。

(ハイブリッド車がカタログに対して大幅に実燃費が悪いわけは?)
http://gazoo.com/g-blog/tabby/133183/Article.aspx

この話が本当なら、経済産業省とメーカーは、詐欺罪に当たるかもしれない。完全放電したプリウスで、コールドスタートで計測してもらいたいもんだ。

ちなみに、過去に初代プリウスを所有した時の燃費は、概ねリッター15km台。高速道路では、怖くて120km以上は出せないクルマだった(床まで踏んで137km)。軽自動車並みの燃費で、軽自動車並みの最高速。しかし、広さはそこそこあって、コンパクトセダンとしてはギリギリ許容範囲である。

タイヤがプアーで、高速の側壁に激突しそうになって、速攻で売り飛ばした。3代目になって、カックンブレーキとか、多少は改善されているのだろうか(2代目を試乗したことがあるが、初代と同じ感じのクルマだった)。

欧州では、100kmの距離を何リットルの燃料で走れるかを記載している。単なる表示方法の違いなので、電卓さえあれば、たちどころに日本方式の燃費になる。

電気自動車の燃費や、プラグインハイブリッドの場合は、どうやって換算するのだろうか。

米国環境保護庁(EPA)の基準に基づいたEVの燃費表示(MPGe、マイル/ガロン相当)という換算燃費というのがあるらしい。

(ガロンのガソリンと同等のあたりのマイル:グーグルの翻訳なので・・・)
http://en.wikipedia.org/wiki/Miles_per_gallon_gasoline_equivalent

まあ、暇な時にでも、読んでやってください。

500Eに乗るときは、燃費のことは考えない方が精神衛生上良い。私の下手な運転では、街乗りでリッター5km、高速でリッター7km(ちょっと飛ばすので)、均してリッター6kmというところでしょうか。300Eに比べると、それぞれ2kmから3km落ちというところである。

排気量を考えると、順当なところか。下道をゆっくり走るときには、エンジンは1600回転辺りで、ゆるゆると回っている。加速時でも2000回転を超えることは、まずない。

それでも、ガスガズラーの中では優秀な方である。

(米、燃費ワーストランキング2011年モデル…ヴェイロン が堂々の1位)
http://response.jp/article/2010/11/09/147712.html

ちょっと古いんだが、名誉あるワーストワンは、タイトル奪回のヴェイロン。

まっ、当然だわな。高速でリッター6km台なら500Eといい勝負である。8リッタ-エンジンでこれなら、りっぱなもんじゃん!。

しかし、騙されてはいけない。

このクルマが、本気出して高速で走行すると、リッター1kmを切る。もちろん、そんなスピード(時速400km)で常時走るわけはないのだが、100リッターのガソリンタンクを12分で空にする。タンクに穴が開いているようなものだ。

その走行距離はたったの80kmである。

プリウスなら、4リットルのガソリンで走る。25分の1の燃料だ。

健全な大衆車では、実測燃費はリッター10kmから15kmくらいだろう。リッター10kmを切る車にばかり乗っていると、最近では肩身が狭い(ガソリンスタンドでは、大威張りです)。

燃費を比べる「燃比」の時代になった。ちっ!、イヤな時代になったもんだ。大排気量エンジンをドロドロ(こんな音はしませんが)いわせて、世の顰蹙を買いながら走っていると、後ろめたい気持ちになる。

画像は、復活した500Eのエンジンルーム。覗いてみると、新旧取り混ぜた補器類が混在していて、賑やかである。このエンジンが、ガソリンの化学エネルギーを酸素との結合によって取り出すのだ。二酸化炭素や水蒸気(CO、NOx、CH、SOxなども)を大量に生産して、運動エネルギーと熱エネルギー(冬以外は、あんまりいらないんですが)に変換する。

この惑星のビークルは、100年経っても大して変わっちゃいない。

火星の上では、今日も原子力電池を積んだキュリオシティが、せっせと土いじりをしているというのに。このクルマ(?)の燃費って、どのくらいなのかなあ?。

(マーズ・サイエンス・ラボラトリーのページ)
http://www.nasa.gov/mission_pages/msl/index.html