誤った方向 ― 2013年02月28日 15:18
誤った方向
「こうした発火事故があっても、リチウムイオン電池を航空機に載せるべきではないとは思わない。これは誤った方向だ」と、ちょっとギョッとする見解が表明されているのはこのページ。
(〔焦点〕米ボーイング787型機電池トラブル、FAAの認可の適切性めぐり議論)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK831817720130123
1か月以上前の記事だが、電池の専門家は、意外にもリチウムイオン電池の航空機への採用に寛容である。
「エアバスは「A380」にリチウムイオン電池を使用しているが、FAAの「特別な条件」を満たしたうえで使用許可を得ているからだ。」とある。
A380も、そのうち運行停止になるかもしれない。
浮沈子のような素人は、空気より重い飛行機が空を飛ぶだけでケシカランと思っているので、搭載されているバッテリーが炭化して使い物にならなくなると聞いただけで、そんなもん積んで飛ばすなんて、「誤った方向」だと、反射的に思ってしまう。
もう、とっくに手放したが、以前乗っていた初代プリウスは、ニッケル水素電池であった。幸い、火を噴くことはなかったが、最近はトヨタもリチウムイオン電池を積むようになってきたので、こちらが方向性としては正しいのだろう。
そして、たとえ火を噴いたとしても、他のシステムが正常に動き、火災が発生したり、有毒ガスが機内に充満したりしなければ、「安全なバッテリー」ということになるのだろう。
JALやANAの「事案」は、特別なレアケースで、他のバッテリーは心配ないのかもしれない。
タレス社は、この間沈黙を守っている。沈黙は「金(かね?)」。
(来週、初の回答提示も=787対策案で当局—米紙)
http://news.biglobe.ne.jp/economy/0227/jj_130227_9615672784.html
記事によれば、運行再開へのスケジュールが示されるという。
もう、時間の問題になった。
(ボーイング、国交省に説明へ=787バッテリー改善策)
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0228/jj_130228_5873232600.html
土木屋の大臣にボーイングの民間機部門の最高経営責任者が、何を説明したかは、まだ報じられていないが、この時期に他国の規制当局のトップに会いに来るというのは、運行再開の目処が付いたからに他ならない。
「国際航空パイロット協会(ALPA)は、」(中略)「787型機の認可手続きの際には「こうした機器の発火はいかなる状況においても受け入れられない」と主張した。」とある。
機長さんは、やっぱり真面目ですねえ!。
しかし、その対応が、「リチウムイオン電池の発火を消し止めるため、乗務員に消火器を持たせたり訓練を施すことを義務付けるよう要請した。」というのは、ちょっと違うような気もする。電解液から酸素が発生するので、通常の消火器では消せないし(燃焼の3要素は、可燃性物質・酸素・温度で、この場合は温度を下げるしか手が無い)。
ALPAは、調査継続中はコメントしないそうだが、乗客の安全を守る最後の砦かもしれない。
世界中のパイロットが、B787の運行再開に反対して、搭乗を拒否するということもあり得る。
だから、例えば、バッテリーシステムを冗長化して、2系統なり3系統で運用し、液体窒素の消化システム(うーん、航空機に搭載できるのかあ?)を備えて、発火した際にはバッテリー系統を瞬時に切り替えて、液体窒素のなかにドブ漬けする。もちろん、気化した窒素で、バッテリー室の空気を換気して、万が一の延焼も食い止め、最寄の空港に不時着する(最悪、3時間飛行する)。
このシステムの作動を、1万回くらい試験して、確実なものにしてくれれば、運行再開を検討してもいいかも知れない。
「航空ジャーナリストの青木謙知氏は、こうした危険性は皆が承知していたが、何度も試験が行われたからこそ、最終的に採用された、と指摘。安全でないのであれば認可されなかっただろう、と話している。」そうだ。
(青木謙知)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E8%AC%99%E7%9F%A5
違うような気がする。
「航空安全コンサルタントで、日本航空(9201.T: 株価, ニュース, レポート)の運航・整備・安全推進部門での現場経験を持つ佐久間秀武氏は、結局はなぜ認可されたのかという点に行き着くと指摘。当然、本当に安全なのかという声もあったが、(FAAは)認可し日本の航空各社も疑問視しなかったと述べた。」とある。
(佐久間秀武:代表の経歴参照)
http://www.hufac.co.jp/index3.html
この方は、ヒューマンエラーのエキスパートであるようだ。FAAの認可や、キャリアの機材採用決定におけるヒューマンエラーについて掘り下げていけば、「無意識のうちに危険を容認するメカニズム」に対して、面白い研究ができるかもしれない。
意識的に危険を容認したのであれば、犯罪に近い。
浮沈子が思うに、FAAは、B社に洗脳されてしまったのではないか?。1000万時間に1回の出火ならば、そして、その際にも致命的な状況には陥らないと説明され、信じてしまったなら、「ま、いっか・・・」とか思ってしまうんじゃないか。
実際、2万時間に及ぶ試験飛行の中では、同種の事故は起こらなかったようだし。
しかし、ボーイングが正しいとしても、1000機のB787が飛ぶようになれば、5年に1度は発火する(現在50機が飛んで1年で10万時間である)。ボーイングは、5000機位売りたいそうだから、毎年起こるわけだ。FAAは、その確率での重大インシデントを容認したのである。
現在、10万時間で2回起こっていて、出火原因が分からずに運行を再開した場合、200倍の頻度で起こることになるので、3日に2回ほど発生することになる。ニュースにもならんだろう。
ユアサは儲かるだろうなあ!。株でも買おうかなあ!。
この状況を想定しているから、リチウムイオン電池を止めるということは、「誤った方向」ということになるのかあ?。
リチウムイオン電池の交換需要が高まることは、当初から想定の範囲であったわけだ。
ボーイングの広報担当者、マーク・バーテル氏が、「「選択肢を入念に検討した結果、リチウムイオン電池が787型機の性能と設計にとってベストとの判断から採用した」と強調。「現時点でわれわれが把握しているすべての情報を踏まえても、その評価に変わりはない」としている」わけが、やっと分かった。
どおりで、原因の究明ができなくても、B社やユアサの株が下がらないわけだ。飛びさえすれば、どちらも儲かる仕組みができている。
冗談じゃあない!(ユアサの株が買えないから、憤っているわけではない・・・)。
乗客の安全の確保は、最終的には乗客の判断になる。
飛行機は、乗って飛ばなきゃ、安全だ!(安全週間の標語?)。
(米ボーイング幹部、国交相と787型機の長期的な解決策を議論)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE91R02420130228
「リチウムイオン電池の供給元であるジーエス・ユアサ コーポレーション(GSユアサ)(6674.T: 株価, ニュース, レポート)について、よきパートナーであるとしたうえで、両社の間で解決策について見解の相違はないとの考えを示した。」とある。
そうでしょうとも!。
ま、「GSユアサはバッテリーの電圧を管理する仕組みを盛り込むべきと考えている」らしいが。
事後的対策をどれだけしたところで、将来的には3日に2回のバッテリー交換を、世界のどこかでやるハメになることは確実なので、ステンレスの容器も、すぐに交換できるような仕様にしておくべきだろう。
やれやれ、これで一段落か・・・。
「こうした発火事故があっても、リチウムイオン電池を航空機に載せるべきではないとは思わない。これは誤った方向だ」と、ちょっとギョッとする見解が表明されているのはこのページ。
(〔焦点〕米ボーイング787型機電池トラブル、FAAの認可の適切性めぐり議論)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK831817720130123
1か月以上前の記事だが、電池の専門家は、意外にもリチウムイオン電池の航空機への採用に寛容である。
「エアバスは「A380」にリチウムイオン電池を使用しているが、FAAの「特別な条件」を満たしたうえで使用許可を得ているからだ。」とある。
A380も、そのうち運行停止になるかもしれない。
浮沈子のような素人は、空気より重い飛行機が空を飛ぶだけでケシカランと思っているので、搭載されているバッテリーが炭化して使い物にならなくなると聞いただけで、そんなもん積んで飛ばすなんて、「誤った方向」だと、反射的に思ってしまう。
もう、とっくに手放したが、以前乗っていた初代プリウスは、ニッケル水素電池であった。幸い、火を噴くことはなかったが、最近はトヨタもリチウムイオン電池を積むようになってきたので、こちらが方向性としては正しいのだろう。
そして、たとえ火を噴いたとしても、他のシステムが正常に動き、火災が発生したり、有毒ガスが機内に充満したりしなければ、「安全なバッテリー」ということになるのだろう。
JALやANAの「事案」は、特別なレアケースで、他のバッテリーは心配ないのかもしれない。
タレス社は、この間沈黙を守っている。沈黙は「金(かね?)」。
(来週、初の回答提示も=787対策案で当局—米紙)
http://news.biglobe.ne.jp/economy/0227/jj_130227_9615672784.html
記事によれば、運行再開へのスケジュールが示されるという。
もう、時間の問題になった。
(ボーイング、国交省に説明へ=787バッテリー改善策)
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0228/jj_130228_5873232600.html
土木屋の大臣にボーイングの民間機部門の最高経営責任者が、何を説明したかは、まだ報じられていないが、この時期に他国の規制当局のトップに会いに来るというのは、運行再開の目処が付いたからに他ならない。
「国際航空パイロット協会(ALPA)は、」(中略)「787型機の認可手続きの際には「こうした機器の発火はいかなる状況においても受け入れられない」と主張した。」とある。
機長さんは、やっぱり真面目ですねえ!。
しかし、その対応が、「リチウムイオン電池の発火を消し止めるため、乗務員に消火器を持たせたり訓練を施すことを義務付けるよう要請した。」というのは、ちょっと違うような気もする。電解液から酸素が発生するので、通常の消火器では消せないし(燃焼の3要素は、可燃性物質・酸素・温度で、この場合は温度を下げるしか手が無い)。
ALPAは、調査継続中はコメントしないそうだが、乗客の安全を守る最後の砦かもしれない。
世界中のパイロットが、B787の運行再開に反対して、搭乗を拒否するということもあり得る。
だから、例えば、バッテリーシステムを冗長化して、2系統なり3系統で運用し、液体窒素の消化システム(うーん、航空機に搭載できるのかあ?)を備えて、発火した際にはバッテリー系統を瞬時に切り替えて、液体窒素のなかにドブ漬けする。もちろん、気化した窒素で、バッテリー室の空気を換気して、万が一の延焼も食い止め、最寄の空港に不時着する(最悪、3時間飛行する)。
このシステムの作動を、1万回くらい試験して、確実なものにしてくれれば、運行再開を検討してもいいかも知れない。
「航空ジャーナリストの青木謙知氏は、こうした危険性は皆が承知していたが、何度も試験が行われたからこそ、最終的に採用された、と指摘。安全でないのであれば認可されなかっただろう、と話している。」そうだ。
(青木謙知)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E8%AC%99%E7%9F%A5
違うような気がする。
「航空安全コンサルタントで、日本航空(9201.T: 株価, ニュース, レポート)の運航・整備・安全推進部門での現場経験を持つ佐久間秀武氏は、結局はなぜ認可されたのかという点に行き着くと指摘。当然、本当に安全なのかという声もあったが、(FAAは)認可し日本の航空各社も疑問視しなかったと述べた。」とある。
(佐久間秀武:代表の経歴参照)
http://www.hufac.co.jp/index3.html
この方は、ヒューマンエラーのエキスパートであるようだ。FAAの認可や、キャリアの機材採用決定におけるヒューマンエラーについて掘り下げていけば、「無意識のうちに危険を容認するメカニズム」に対して、面白い研究ができるかもしれない。
意識的に危険を容認したのであれば、犯罪に近い。
浮沈子が思うに、FAAは、B社に洗脳されてしまったのではないか?。1000万時間に1回の出火ならば、そして、その際にも致命的な状況には陥らないと説明され、信じてしまったなら、「ま、いっか・・・」とか思ってしまうんじゃないか。
実際、2万時間に及ぶ試験飛行の中では、同種の事故は起こらなかったようだし。
しかし、ボーイングが正しいとしても、1000機のB787が飛ぶようになれば、5年に1度は発火する(現在50機が飛んで1年で10万時間である)。ボーイングは、5000機位売りたいそうだから、毎年起こるわけだ。FAAは、その確率での重大インシデントを容認したのである。
現在、10万時間で2回起こっていて、出火原因が分からずに運行を再開した場合、200倍の頻度で起こることになるので、3日に2回ほど発生することになる。ニュースにもならんだろう。
ユアサは儲かるだろうなあ!。株でも買おうかなあ!。
この状況を想定しているから、リチウムイオン電池を止めるということは、「誤った方向」ということになるのかあ?。
リチウムイオン電池の交換需要が高まることは、当初から想定の範囲であったわけだ。
ボーイングの広報担当者、マーク・バーテル氏が、「「選択肢を入念に検討した結果、リチウムイオン電池が787型機の性能と設計にとってベストとの判断から採用した」と強調。「現時点でわれわれが把握しているすべての情報を踏まえても、その評価に変わりはない」としている」わけが、やっと分かった。
どおりで、原因の究明ができなくても、B社やユアサの株が下がらないわけだ。飛びさえすれば、どちらも儲かる仕組みができている。
冗談じゃあない!(ユアサの株が買えないから、憤っているわけではない・・・)。
乗客の安全の確保は、最終的には乗客の判断になる。
飛行機は、乗って飛ばなきゃ、安全だ!(安全週間の標語?)。
(米ボーイング幹部、国交相と787型機の長期的な解決策を議論)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE91R02420130228
「リチウムイオン電池の供給元であるジーエス・ユアサ コーポレーション(GSユアサ)(6674.T: 株価, ニュース, レポート)について、よきパートナーであるとしたうえで、両社の間で解決策について見解の相違はないとの考えを示した。」とある。
そうでしょうとも!。
ま、「GSユアサはバッテリーの電圧を管理する仕組みを盛り込むべきと考えている」らしいが。
事後的対策をどれだけしたところで、将来的には3日に2回のバッテリー交換を、世界のどこかでやるハメになることは確実なので、ステンレスの容器も、すぐに交換できるような仕様にしておくべきだろう。
やれやれ、これで一段落か・・・。
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