介入 ― 2014年09月09日 06:58
介入
リベリアが燃えている。
(Ebola situation in Liberia: non-conventional interventions needed)
http://www.who.int/mediacentre/news/ebola/8-september-2014/en/
「新たな症例数は指数関数的に増加している。」
まあ、想定の範囲内だな。
タクシーとかが感染拡大の温床になっているという。
ちと、恐くて乗れないな。
感染者と死者の速報値が報道されている。
(Liberia and Sierra Leone update Ebola case counts)
http://www.examiner.com/article/liberia-and-sierra-leon-update-ebola-case-counts
「・・・,there have been 4,282 illnesses since the outbreak began in March and 2,212 Ebola deaths.」
この記事のリンクから、リベリアの感染者等の情報の出所を見つけた。
(Ministry of Health & Social Welfare
Republic of Liberia)
http://www.mohsw.gov.lr/index.php
リベリア保健省のページの右側に、毎日の集計が出ている。
WHOの取りまとめの数字とは、微妙にずれているが、傾向と対策上は支障はない。
9月6日の数字は、感染者2038、死者1213である。
(Liberia Ebola SitRep no. 114 Ministry of Health and Social WelfareSept. 6, 2014)
http://www.mohsw.gov.lr/documents/Liberia%20Ebola%20SitRep%20114%20Sept%206,%202014.pdf
シエラレオネのプレスリリースもある。
(The Republic of Sierra Leone Open Government Initiative:PRESS RELEASE...)
http://ogi.gov.sl/content/press-release-6
「累積(内訳等省略:9月7日付):
•確認された症例:1,276
•考えられる症例:37
•疑い症例:96
合計:1409
•確認された死者:426
•考えられる死者:37
•疑われる死者:11
合計:474」
あとは、ギニアの出所を突き止めれば、WHOのちんたらした集計を待たなくてもいいんだが(フランス語なんで、ちょっと・・・)。
なぜか、探しても見つからない。
見つけたら、なんとか数字を引っ張り出したい。
記事には合計数が載っているので、引き算してギニアの数を出した。
国名:感染者:死亡者:日付
ギニア:812+23:517+8:9月6日?
リベリア:2038:1213:9月6日
シエラレオネ:1409:474:9月7日
ギニアの集計日が不明だが、9月7日現在では、もう少し多いだろう。
(在ギニア日本国大使館)
http://www.gn.emb-japan.go.jp/j/
日付は遅いが、一応ここにも数字は出ている。
シエラレオネは随分増えている。
リベリアは、勝手にしやがれ状態が続いている。
(勝手にしやがれ 沢田研二:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=FMZ2Z2ts5sc
すいません、浮沈子のカラオケの十八番なもんで。
まあいい。
WHOが特別視するのも無理はない。
英国が軍隊を派遣するという記事もある。
(Ebola: British military sent to tackle West Africa)
http://www.bbc.co.uk/news/health-29113530
まあ、規模はショボイだろうが、とりあえずは形が大事だ。
「Many thousands of new cases are expected in Liberia over the coming 3 weeks.」
WHOのレポートには、驚嘆すべき内容が書かれている。
数千の新しい感染が、この3週間のうちに、リベリアだけで予想されるというのだ。
怪しげなブロガーが、ヨタ記事の中で書いているのではない。
WHOの公式のレポートの中に、明記されているのである。
懸念が現実となり、悪夢が始まろうとしている。
これが、致死性が高い疾病の、しかも、接触感染のスピードとは思えないな。
「non-conventional interventions needed」(非従来型の介入が必要)
一事不再理とか、前例がないとか、役人みたいなこといってると、世界の潮流にはついていけない。
今月末には、たぶんあっさりと、8000人を超える感染者を計上することになる。
来月上旬には、1万人を超える・・・。
と、まあ、ここまでは想定内だが、その後の展開は対応次第だ。
シエラレオネは、必要なら複数回の禁足令を出すっていうし、リベリアだって、何するか分からない状況だ。
米軍が乗り込んでくるだろうし、英国軍も合流する。
フランスは、意地でも出張ってくるだろうし。
中国は?、ロシアは?、そして、我が国はどうする?。
6000億円の札びらで横っ面ひっぱたいて、バングラディシュを非常任理事国の立候補から引き摺り下ろし、安保理の改革するとかいってて、本当に大丈夫なのかあ?。
オタクは、エボラの時、何してたんですかねえ、とかイヤミいわれて無視されるのが関の山なんじゃね?。
火中の栗を拾わなければ、栗の実を食べることはできない(猿に食われても仕方ない)。
燃え盛る炎の中に飛び込めとはいわない(どうせできないだろうし)。
ヤケド覚悟で、せめて栗でも拾ってみたら?。
(エボラ犠牲者の遺体収容に駆け回る赤十字、リベリア:追加)
http://www.afpbb.com/articles/-/3025342?ctm_campaign=topstory
「私たちの任務は遺体の引き取りなのです。私たちを呼ぶ前にその人が死んでいるのかどうか確認してください。患者の担当はまた違う部署なのです」
「重症の患者が2人いる。救急車を回してくれないか。遺体袋ももっと要る、最低あと6つ。死亡率が高すぎて気分が悪くなってくる」
「1日に15遺体以上を収容するときもある。チームは我々以外にもいるので、赤十字全体では1日に30~50遺体を収容していると思う」
「人が死んでいっている。これがいつ、どのように収束するか、我々には見当もつかない」
現場は、まさに地獄だな。
(リベリアのエボラ感染者、今後数週間でさらに数千人=WHO:追加)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H403Q20140909
「潘基文事務総長は、英国のキャメロン首相、フランスのオランド大統領、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長、および欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領と電話で会談し、一段の支援を求めた。」
我が国には、声も掛からないってことかあ?。
リベリアが燃えている。
(Ebola situation in Liberia: non-conventional interventions needed)
http://www.who.int/mediacentre/news/ebola/8-september-2014/en/
「新たな症例数は指数関数的に増加している。」
まあ、想定の範囲内だな。
タクシーとかが感染拡大の温床になっているという。
ちと、恐くて乗れないな。
感染者と死者の速報値が報道されている。
(Liberia and Sierra Leone update Ebola case counts)
http://www.examiner.com/article/liberia-and-sierra-leon-update-ebola-case-counts
「・・・,there have been 4,282 illnesses since the outbreak began in March and 2,212 Ebola deaths.」
この記事のリンクから、リベリアの感染者等の情報の出所を見つけた。
(Ministry of Health & Social Welfare
Republic of Liberia)
http://www.mohsw.gov.lr/index.php
リベリア保健省のページの右側に、毎日の集計が出ている。
WHOの取りまとめの数字とは、微妙にずれているが、傾向と対策上は支障はない。
9月6日の数字は、感染者2038、死者1213である。
(Liberia Ebola SitRep no. 114 Ministry of Health and Social WelfareSept. 6, 2014)
http://www.mohsw.gov.lr/documents/Liberia%20Ebola%20SitRep%20114%20Sept%206,%202014.pdf
シエラレオネのプレスリリースもある。
(The Republic of Sierra Leone Open Government Initiative:PRESS RELEASE...)
http://ogi.gov.sl/content/press-release-6
「累積(内訳等省略:9月7日付):
•確認された症例:1,276
•考えられる症例:37
•疑い症例:96
合計:1409
•確認された死者:426
•考えられる死者:37
•疑われる死者:11
合計:474」
あとは、ギニアの出所を突き止めれば、WHOのちんたらした集計を待たなくてもいいんだが(フランス語なんで、ちょっと・・・)。
なぜか、探しても見つからない。
見つけたら、なんとか数字を引っ張り出したい。
記事には合計数が載っているので、引き算してギニアの数を出した。
国名:感染者:死亡者:日付
ギニア:812+23:517+8:9月6日?
リベリア:2038:1213:9月6日
シエラレオネ:1409:474:9月7日
ギニアの集計日が不明だが、9月7日現在では、もう少し多いだろう。
(在ギニア日本国大使館)
http://www.gn.emb-japan.go.jp/j/
日付は遅いが、一応ここにも数字は出ている。
シエラレオネは随分増えている。
リベリアは、勝手にしやがれ状態が続いている。
(勝手にしやがれ 沢田研二:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=FMZ2Z2ts5sc
すいません、浮沈子のカラオケの十八番なもんで。
まあいい。
WHOが特別視するのも無理はない。
英国が軍隊を派遣するという記事もある。
(Ebola: British military sent to tackle West Africa)
http://www.bbc.co.uk/news/health-29113530
まあ、規模はショボイだろうが、とりあえずは形が大事だ。
「Many thousands of new cases are expected in Liberia over the coming 3 weeks.」
WHOのレポートには、驚嘆すべき内容が書かれている。
数千の新しい感染が、この3週間のうちに、リベリアだけで予想されるというのだ。
怪しげなブロガーが、ヨタ記事の中で書いているのではない。
WHOの公式のレポートの中に、明記されているのである。
懸念が現実となり、悪夢が始まろうとしている。
これが、致死性が高い疾病の、しかも、接触感染のスピードとは思えないな。
「non-conventional interventions needed」(非従来型の介入が必要)
一事不再理とか、前例がないとか、役人みたいなこといってると、世界の潮流にはついていけない。
今月末には、たぶんあっさりと、8000人を超える感染者を計上することになる。
来月上旬には、1万人を超える・・・。
と、まあ、ここまでは想定内だが、その後の展開は対応次第だ。
シエラレオネは、必要なら複数回の禁足令を出すっていうし、リベリアだって、何するか分からない状況だ。
米軍が乗り込んでくるだろうし、英国軍も合流する。
フランスは、意地でも出張ってくるだろうし。
中国は?、ロシアは?、そして、我が国はどうする?。
6000億円の札びらで横っ面ひっぱたいて、バングラディシュを非常任理事国の立候補から引き摺り下ろし、安保理の改革するとかいってて、本当に大丈夫なのかあ?。
オタクは、エボラの時、何してたんですかねえ、とかイヤミいわれて無視されるのが関の山なんじゃね?。
火中の栗を拾わなければ、栗の実を食べることはできない(猿に食われても仕方ない)。
燃え盛る炎の中に飛び込めとはいわない(どうせできないだろうし)。
ヤケド覚悟で、せめて栗でも拾ってみたら?。
(エボラ犠牲者の遺体収容に駆け回る赤十字、リベリア:追加)
http://www.afpbb.com/articles/-/3025342?ctm_campaign=topstory
「私たちの任務は遺体の引き取りなのです。私たちを呼ぶ前にその人が死んでいるのかどうか確認してください。患者の担当はまた違う部署なのです」
「重症の患者が2人いる。救急車を回してくれないか。遺体袋ももっと要る、最低あと6つ。死亡率が高すぎて気分が悪くなってくる」
「1日に15遺体以上を収容するときもある。チームは我々以外にもいるので、赤十字全体では1日に30~50遺体を収容していると思う」
「人が死んでいっている。これがいつ、どのように収束するか、我々には見当もつかない」
現場は、まさに地獄だな。
(リベリアのエボラ感染者、今後数週間でさらに数千人=WHO:追加)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H403Q20140909
「潘基文事務総長は、英国のキャメロン首相、フランスのオランド大統領、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長、および欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領と電話で会談し、一段の支援を求めた。」
我が国には、声も掛からないってことかあ?。
風説 ― 2014年09月09日 23:52
風説
エボラなんかない!。
欧米人が持ち込んだ疫病だ!。
こういった風説を、無知によるもの、愚かなこととして笑い飛ばしたり、蔑んだりすることはたやすい。
感染者を収容した施設から略奪を行ったり、患者の逃走を図ったりすることを、暴挙と一言で片付けるのは簡単だ。
だって、そうなんだもん!。
実に無知だし、愚かだし、暴挙に違いない。
浮沈子も、そう思ってきたし、そのようにこのブログにも書いてきた。
しかし、なぜそうなのか、それに対して、どうしたらいいのか。
エボラ禍を終息させるために、その無知や愚かさや暴挙に、どう対応したらいいかを真剣に考えることは、まあ、あまり(全然?)なかった。
困ったことだと思いながら、現地で生活している人の目線で考えることをしなかったのは、事実である。
(エボラ出血熱、「植民地支配からの不信感」で対応困難に)
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_all&k=20140909031757a
「病気だけを見て文化的背景を見ていない。それが、対策に対する反応がなかなか見られない理由の1つ」
この話を書きながら、浮沈子はある出来事を思い出す。
(石原環境相「最後は金めでしょ」と発言)
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20140616/index.html
「福島県内の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設の建設を巡り、石原環境大臣は16日午後、記者団に対し、「最後は金めでしょ」などと述べました。」
(中間貯蔵施設 地元了解へ国の対応が焦点)
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20140616/0452_taiou.html
「国は、福島県双葉町と大熊町のおよそ16平方キロメートルの土地を買い取り、県内の除染で出た土などを保管できる施設を建設することを計画していて、先月末から15日夜までに2つの町の住民などを対象に、16回の説明会を開きました。」
「説明会では、住民から建設用地の買い取りに伴う補償額を具体的に示してほしいという要望や、施設で保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分をするとしているものの、候補地が決まっていないことを懸念する意見などが多く出されました。」
地元の人にとっては、それでなくても散々な目に会っていて、中間貯蔵施設であれ何であれ、これ以上地元に押し付けるのは止めてもらいたいのだろうが、それでも、その思いは他の地域に押し付けたところで、そこでも同じ思いをさせることになるからと、苦渋の決断をしようとしているわけだ。
その矢先の「金目」発言は、おぼっちゃんの石原(前)環境大臣の本音が出たのかもしれない。
最終処分場が決まっているからこその中間貯蔵施設であって、それが決まっていないのに「中間」というのは納得できないとか、受け入れを呑まないと補償額を示さないなど、地元には国に対する根強い不信や不満があるという。
エボラだって、彼らにしてみれば青天の霹靂、突然振ってきた災厄であって、その受容には従来の経緯を含め、様々な障害があるのだ。
上から目線で、無知だから啓発すればいいとか、脅したり、宥めたり、賺したりといった誠実さのない対応を繰り返すことが、問題の解決を遠ざけてはいないだろうか。
MSFは、シエラレオネの禁足令に反対しているという。
そういった強制措置は、患者を遠ざけ、結果的に問題の解決を困難にするだけだと考えているからだ。
国境なき医師団や、他のNGOが受け入れられているのは、地元の人々との信頼関係を築き、地道な活動を根気良く継続しているからであって、札びらで横っ面ひっぱたくような真似はしていないからに違いない。
「彼らがエボラを否定する背景には何があるのかを考えないといけない。それが情報不足と感じていることなのか、あるいは予防策や医療行為に納得していないのか」
この記事に出てくる「セネガルのシェイク・アンタ・ジョップ大学教授で著名な人類学者のシーク・イブラヒム・ニャンゴ氏」という人は、分かりやすく説明してくれているが、本当は遥かに複雑な問題を内包しているのだろう。
以前にも、このブログでは、政治的な背景から十分に対策が行われていないのではないかという話を取り上げた。
(過小評価)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/08/15/7414651
(エボラ熱は「政府のウソ」 政治不信が感染を助長)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75645020U4A810C1000000/?df=2&dg=1
「数カ月前にエボラ熱が発生してからというもの、東部地域の住人の一部の間で、政府は野党の拠点であるこの地域の人口を減らそうとしているという話が飛び交っている。」
シエラレオネの話だが、この記事の中でも、政治的な色合いの濃い話が出てくる。
「人類学者のマリアン・フェルム氏は「人々と政府の間に不信感が渦巻いているのは、何十年にもわたって不透明な統治が行われ、賄賂が横行してきたからだ」と指摘する。シエラレオネ東部でメンデ族とともに暮らす同氏は、「政府はこれまで嘘ばかりついてきた。そんな政府が、病院に行かなければ死ぬと言ったって、信じられるはずがない」と続ける。」
禁足令は、このような状況の中で行われようとしているのだ。
まあいい。
状況は切迫しており、長期的な視野とか、地元の事情を斟酌してなどと、悠長なことを言っていられないというのも確かだ。
しかし、強攻策や、騙しの手口(啓発活動も含めて?)だけでは問題が解決しないことも、また確かである。
「ニャンゴ氏は、医療的なアプローチだけでエボラ出血熱を封じ込めようとしても、「限られた成功」しか得られていないとみている。」
「アフリカの人々が、医療行為に効果がないと思っているわけではない。問題は、自分たちの土地に「新しい文化」を持ち込んで、「ああしろこうしろ」と言われることに対して不信感を持っていることだ。」
人間は、感情の動物である。
こころが通い合わなければ、進んで行動しようという気にはならない。
しかも、複雑な背景を抱え、根強い伝統的な価値観に支えられて、誇り高く生きてきたのだ。
この壁は、ひょっとすると想像以上に高いかもしれない。
そして、それはエボラのスピードを加速させる要因になる。
ちっと真剣に考えなければならないかもしれないな。
エボラなんかない!。
欧米人が持ち込んだ疫病だ!。
こういった風説を、無知によるもの、愚かなこととして笑い飛ばしたり、蔑んだりすることはたやすい。
感染者を収容した施設から略奪を行ったり、患者の逃走を図ったりすることを、暴挙と一言で片付けるのは簡単だ。
だって、そうなんだもん!。
実に無知だし、愚かだし、暴挙に違いない。
浮沈子も、そう思ってきたし、そのようにこのブログにも書いてきた。
しかし、なぜそうなのか、それに対して、どうしたらいいのか。
エボラ禍を終息させるために、その無知や愚かさや暴挙に、どう対応したらいいかを真剣に考えることは、まあ、あまり(全然?)なかった。
困ったことだと思いながら、現地で生活している人の目線で考えることをしなかったのは、事実である。
(エボラ出血熱、「植民地支配からの不信感」で対応困難に)
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_all&k=20140909031757a
「病気だけを見て文化的背景を見ていない。それが、対策に対する反応がなかなか見られない理由の1つ」
この話を書きながら、浮沈子はある出来事を思い出す。
(石原環境相「最後は金めでしょ」と発言)
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20140616/index.html
「福島県内の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設の建設を巡り、石原環境大臣は16日午後、記者団に対し、「最後は金めでしょ」などと述べました。」
(中間貯蔵施設 地元了解へ国の対応が焦点)
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20140616/0452_taiou.html
「国は、福島県双葉町と大熊町のおよそ16平方キロメートルの土地を買い取り、県内の除染で出た土などを保管できる施設を建設することを計画していて、先月末から15日夜までに2つの町の住民などを対象に、16回の説明会を開きました。」
「説明会では、住民から建設用地の買い取りに伴う補償額を具体的に示してほしいという要望や、施設で保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分をするとしているものの、候補地が決まっていないことを懸念する意見などが多く出されました。」
地元の人にとっては、それでなくても散々な目に会っていて、中間貯蔵施設であれ何であれ、これ以上地元に押し付けるのは止めてもらいたいのだろうが、それでも、その思いは他の地域に押し付けたところで、そこでも同じ思いをさせることになるからと、苦渋の決断をしようとしているわけだ。
その矢先の「金目」発言は、おぼっちゃんの石原(前)環境大臣の本音が出たのかもしれない。
最終処分場が決まっているからこその中間貯蔵施設であって、それが決まっていないのに「中間」というのは納得できないとか、受け入れを呑まないと補償額を示さないなど、地元には国に対する根強い不信や不満があるという。
エボラだって、彼らにしてみれば青天の霹靂、突然振ってきた災厄であって、その受容には従来の経緯を含め、様々な障害があるのだ。
上から目線で、無知だから啓発すればいいとか、脅したり、宥めたり、賺したりといった誠実さのない対応を繰り返すことが、問題の解決を遠ざけてはいないだろうか。
MSFは、シエラレオネの禁足令に反対しているという。
そういった強制措置は、患者を遠ざけ、結果的に問題の解決を困難にするだけだと考えているからだ。
国境なき医師団や、他のNGOが受け入れられているのは、地元の人々との信頼関係を築き、地道な活動を根気良く継続しているからであって、札びらで横っ面ひっぱたくような真似はしていないからに違いない。
「彼らがエボラを否定する背景には何があるのかを考えないといけない。それが情報不足と感じていることなのか、あるいは予防策や医療行為に納得していないのか」
この記事に出てくる「セネガルのシェイク・アンタ・ジョップ大学教授で著名な人類学者のシーク・イブラヒム・ニャンゴ氏」という人は、分かりやすく説明してくれているが、本当は遥かに複雑な問題を内包しているのだろう。
以前にも、このブログでは、政治的な背景から十分に対策が行われていないのではないかという話を取り上げた。
(過小評価)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/08/15/7414651
(エボラ熱は「政府のウソ」 政治不信が感染を助長)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75645020U4A810C1000000/?df=2&dg=1
「数カ月前にエボラ熱が発生してからというもの、東部地域の住人の一部の間で、政府は野党の拠点であるこの地域の人口を減らそうとしているという話が飛び交っている。」
シエラレオネの話だが、この記事の中でも、政治的な色合いの濃い話が出てくる。
「人類学者のマリアン・フェルム氏は「人々と政府の間に不信感が渦巻いているのは、何十年にもわたって不透明な統治が行われ、賄賂が横行してきたからだ」と指摘する。シエラレオネ東部でメンデ族とともに暮らす同氏は、「政府はこれまで嘘ばかりついてきた。そんな政府が、病院に行かなければ死ぬと言ったって、信じられるはずがない」と続ける。」
禁足令は、このような状況の中で行われようとしているのだ。
まあいい。
状況は切迫しており、長期的な視野とか、地元の事情を斟酌してなどと、悠長なことを言っていられないというのも確かだ。
しかし、強攻策や、騙しの手口(啓発活動も含めて?)だけでは問題が解決しないことも、また確かである。
「ニャンゴ氏は、医療的なアプローチだけでエボラ出血熱を封じ込めようとしても、「限られた成功」しか得られていないとみている。」
「アフリカの人々が、医療行為に効果がないと思っているわけではない。問題は、自分たちの土地に「新しい文化」を持ち込んで、「ああしろこうしろ」と言われることに対して不信感を持っていることだ。」
人間は、感情の動物である。
こころが通い合わなければ、進んで行動しようという気にはならない。
しかも、複雑な背景を抱え、根強い伝統的な価値観に支えられて、誇り高く生きてきたのだ。
この壁は、ひょっとすると想像以上に高いかもしれない。
そして、それはエボラのスピードを加速させる要因になる。
ちっと真剣に考えなければならないかもしれないな。
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