140万2014年09月24日 04:01

140万
140万


CDCがブチ切れた!。

(来年1月に感染140万人も=エボラ熱放置なら-米CDC)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014092400031

(Estimating the Future Number of Cases in the Ebola Epidemic — Liberia and Sierra Leone, 2014–2015:元記事)
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/su63e0923a1.htm

メディアは、競うように配信している。

(Ebola Cases Could Reach 1.4 Million in 4 Months, C.D.C. Estimates:ニューヨークタイムズ)
http://www.nytimes.com/2014/09/24/health/ebola-cases-could-reach-14-million-in-4-months-cdc-estimates.html?_r=0

(Ebola cases could reach 550,000 to 1.4 million by late January - CDC:ロイター)
http://uk.reuters.com/article/2014/09/23/uk-health-ebola-cdc-idUKKCN0HI1KI20140923

これに先立って、WHOは、11月には2万人に達すると発表していた。

(エボラ出血熱:感染者数11月初めに2万人超 WHO)
http://mainichi.jp/select/news/20140923k0000e030194000c.html

(Study warns swift action needed to curb exponential climb in Ebola outbreak:元記事)
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2014/ebola-study/en/

(Ebola Virus Disease in West Africa — The First 9 Months of the Epidemic and Forward Projections:原論文)
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1411100?query=featured_home#t=articleTop

まあ、殆どインパクトはなくなってしまった。

140万対2万じゃ、話にならんよ・・・。

さらに、インパクトがなくなったのは、この記事。

(岸田外相、エボラ出血熱の専門家 追加派遣を検討)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20140923-00000043-jnn-pol

「感染が拡大するエボラ出血熱について、岸田外務大臣は訪問中のニューヨークで最大23人の専門家を追加派遣することを検討していると明らかにしました。」

我が国には、リベリアから自衛隊の派遣要請が来ているというが、これがその答えなんだろうか。

(エボラ熱で日本に緊急医療隊要請 リベリア大統領が首相に書簡)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014092201002025.html

「エボラ出血熱の犠牲者が1400人を超えた西アフリカ・リベリアのサーリーフ大統領が今月10日付で、安倍晋三首相に書簡を送り、感染者治療のため自衛隊などからなる緊急医療隊の派遣を要請したことが22日、分かった。」

政府は、この件については一切のコメントを発表していない。

握り潰すつもりだったんだろうか?。

積極的平和主義の実態は、そういうことか。

まあいい。

今に始まったことじゃないんだ。

で、55万とリークしておいて、140万マックスで発表するというCDCの広報戦術のうまさに、感心している場合ではない。

(Questions and Answers: Estimating the Future Number of Cases in the Ebola Epidemic—Liberia and Sierra Leone, 2014–2015)
http://www.cdc.gov/vhf/ebola/outbreaks/2014-west-africa/qa-mmwr-estimating-future-cases.html

70パーセントの患者が入院すれば、感染は終息するというが、現在の想定患者数を最大で21000人と見込んでいるのだから、今現在で1万5千床のベッドが必要なんじゃないのか?(半分は死亡し、残りの半分は退院するが)。

米軍が設置しようとしている1700床のベッドは、その1割程度に過ぎない(というより、最大9月末で、1日当たり必要なベッド数に過ぎない)。

つまり、このレポートは、WHOの集計なんか当てにならないのは当然で、それに基づいて計画された米軍の対策は、焼け石に水だといっているのだ。

例の推計も参考にしているようだな。

(予測)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/09/17/7436858

9月24日(今日じゃん!)に1万人に達するといわれていたが、公表されている数字はそれよりも少ない(6000人くらいか)。

エボラのスピードが、投入されている人的資源によって抑制されているのか、それとも集計モレが拡大しているだけなのか。

ニューヨークタイムズの記事の中に、エボラが西アフリカの風土病になるとWHOが指摘しているとある。

「The WHO report also, for the first time, raised the possibility that the disease would not be stopped but would become endemic in West Africa, meaning that it could become a constant presence there.」

記事の最後では、ホームケア(在宅医療)での感染抑止が最後の手段だとされている。

天然痘の時がそうだったらしい。

介護者は、天然痘に生き残った人々だった(彼らは、免疫を獲得していたので介護しても再感染しなかった)。

エボラでも、治癒した感染者が介護者になることを想定している。

在宅による患者の封じ込めと、エボラが風土病となった西アフリカ地域・・・。

なんか、今後の見通しが見えてきたな。

スピード202014年09月24日 10:37

スピード20
スピード20


(Timeline of reported cases and deaths)
http://en.wikipedia.org/wiki/Ebola_virus_epidemic_in_West_Africa#Timeline_of_reported_cases_and_deaths

様々な予想を裏切って、コンスタントな増加に留まっている。

集計漏れが増えているのかもしれないが、エビデンスとしてはこれしかない。

(WHO: EBOLA RESPONSE ROADMAP UPDATE
22 September 2014:ギニアは9月20日)
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/134449/1/roadmapupdate22sept14_eng.pdf?ua=1

(Liberia Ebola SitRep no. 129
Ministry of Health and Social Welfare
Sept. 21, 2014:9月21日)
http://www.mohsw.gov.lr/documents/Liberia%20Ebola%20SitRep%20129%20Sept%2021,%202014.pptx%20New.pdf

(Government of Sierra Leone
Ministry of Health and Sanitation
EBOLA VIRUS DISEASE - SITUATION REPORT (Sit-Rep) – 21 September, 2014:9月20日)
http://health.gov.sl/wp-content/uploads/2014/09/Ebola-Situation-Report_Vol-116.pdf

(EBOLA VIRUS DISEASE OUTBREAK IN NIGERIA
Daily Situation Report No: 53 as of 21st September, 2014:9月21日)
https://www.humanitarianresponse.info/system/files/documents/files/EVD%20SITREP%20No%2053-%2021st%20September%202014.pdf

(Rapport de la Situation Epidémiologique
Sénégal, Epidémie de la maladie à virus Ebola
Situation du 22 septembre 2014:9月22日)
https://wca.humanitarianresponse.info/fr/system/files/documents/files/SITREP-SENEGAL-22Sep-2014.pdf

国名:感染者:死者
ギニア:1008:632
リベリア:3280:1720
シエラレオネ:1876:549
ナイジェリア:20:8
セネガル:1:0
合計:6185:2909

例によって、最新の情報はこれ。

(Rapport de la Situation Epidémiologique
Guinée, Epidémie de la Fièvre Hémorragique Ebola
Situation au 21 Septembre 2014 à 18h00)
https://wca.humanitarianresponse.info/fr/system/files/documents/files/GUINEA_EBOLA_SITREP%20N%20159%20DU%2022%20SEPTEMBRE_2014.VF_.pdf

(EBOLA OUTBREAK UPDATES---September 23, 2014:The Republic of Sierra Leone)
http://ogi.gov.sl/content/press-release-ebola-outbreak-updates-september-23-2014-discharged-cases-%E2%80%A2-t

国名:感染者:死者
ギニア:1022:635(9月21日)
リベリア:3280:1720(9月21日)
シエラレオネ:1967:559(9月23日)
ナイジェリア:20:8(9月21日)
セネガル:1:0(9月22日)
合計:6290:2922

シエラレオネの増加率が高いが、コンスタントな伸びに留まっている。

リベリアも指数関数的な増加からは、若干外れてきた。

ギニアは、感染の規模なりの増加はあるが、全体としては落ち着いてきている。

ナイジェリアとセネガルは、終息した。

地域別の動きもあるので、リベリアの中身を見てみる(画像参照)。

今回から、Grand Bassa郡が100人オーバークラブの仲間に入ったので、カバー率は96パーセントである。

首都モンロビアがあるMontserrado郡の増加傾向に、若干翳りが見え始めたんだろうか。

上記に引用したリベリアの最新の報告には、さらに詳細なモンロビア市内の地区別の感染地図が載っている(9月11日、16日、20日)。

10日足らずのうちに、あっという間に蔓延した状況が分かる。

人口1万人に対する感染者ということなので、感染率を見ているわけだが、下手なホラー映画よりも、背筋が寒くなるな。

この地図に示された地域には、100万もの人々が暮らしていて、病院にもかかれずに死んでいくのだ。

首都モンロビアがあるMontserrado郡の東隣にあるMargibi郡の感染者が、ジリジリと増加しているのも気になる。

既に500を超え、先月まで最大の感染地域であったLofa郡に迫る勢いである。

Lofa郡自体は、感染規模が大きいので、そう簡単には終息しないだろうが、それでも勢いは下がっている。

今月中に逆転するかもしれないな。

初発地に近いところでの流行から、大都市圏での流行に傾向が移ってきている。

これは、ギニアでも、シエラレオネでも見られる。

今回のアウトブレイクの特徴の一つは、首都での感染が起こったことだ。

航空機による、海外への飛び火感染が懸念されているのはこのためである。

現在も、その危険は、なくなっているわけではない。

人非人の浮沈子は、我が身のことしか考えていないので、それだけが心配だ。

その証拠に、今回の流行が起こるまでは、アフリカ中央部でのエボラの発生なんて、気にも留めなかった。

世界が注目しているのも、ひょっとして自国に波及するかもしれないという、その1点である。

自衛隊の派遣を大統領書簡で要請された我が国は、一体、どうするつもりなのか。

まあ、世界はそんなことは期待していないから、札びら切っておけばいいのかも知れない。

しかし、そういう態度で安保理の常任理事国入りを目指すというのは、浮沈子には素直に納得はいかない。

今回の感染は、世界的にはWHOマターでは既に無い。

国連からPKOを通じて、正式の要請があれば出張っていかざるを得なくなるのだろうが、それを待っているというのか。

待ってるんだろうな。

我が国の外交は、米国以外は国連中心主義だから。

(国連中心主義)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%80%A3%E4%B8%AD%E5%BF%83%E4%B8%BB%E7%BE%A9

「日本では『対米従属』の反対の極にある言葉として使用されるが、既に国家観念自体が消滅している事の現れである。」

同感だな。

まして、自衛隊の運用については、いろいろ問題もあるし(武器って、持ってくんでしょうか?)。

喉掻き切られて、浄化槽に放り込まれたりしたらどーする?。

まあ、どうでもいいんですが。

ここは、じっくりと後手に構えて、最小の被害で最大の効果を狙うのが上策と考えているんだろう。

浮沈子は、それなら、エボラの患者を100人位我が国に連れてきて、病床利用率が低迷している病院で治療するというのがいいと思うんだが。

全国遍くある対応可能な病院に入院させて、先進国での治療を施す。

もちろん、未承認薬の投与も行い、最善の治療を施すわけだな。

リスクは殆どないし、全世界の注目を集めることは間違いない。

感染への効果は、殆ど全くないが、元々、自衛隊が行ったって、そんなものは薬にしたくても無い。

1000人とか受け入れれば、少しは効果があるだろうが、決断するなら今だ!。

この提案の肝は、新たな設備投資や、要員の訓練が全く必要ないという点である(当然、準備は出来てるハズなんだが・・・)。

どーしても自衛隊を出したいなら、輸送を担わせるということも出来る。

ショーザフラッグ。

エボラは災害のようなものである。

大規模災害が発生して、インフラが機能しない状況で、ましてや、発生地域内の医療機関が壊滅というなら、地域外に移送して対応するというのが災害対策の基本である。

先進国が、この原則を適用しないのはおかしい。

が、まあ、納得はいくな。

かくいう浮沈子も、たとえば、近所の大病院にエボラ患者が100人来たら、ちょっとビビるな。

70人は死ぬわけだし(WHOのレポートには、追跡された患者の死亡率は70パーセントとある)。

買いだめして、1か月くらいは部屋に篭りきりになるかもしれない。

それでも、今なら、その作戦を実行するチャンスではある。

日本人が、この作戦を実行したら、世界の賞賛を受けることは間違いない。

もっとも、家族ともども連れてくる必要があるわけだし、その家族にしても、感染のリスクがあるので管理下に置かなければならないが、国家の枠を超えて人道援助をするという観点では、コペルニクス的展開には違いない。

現実の政策としては、有り得ないだろうが、一度、きっちり検討してみてはどうか。

「前例の無い状況には、前例の無い手段を」(潘基文)

(「前例のない状況には前例のない手段を」 安保理が決議採択)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140919/erp14091909420005-n1.htm

(「防衛省も支援検討」 エボラ熱で江渡氏:追加)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140926/plc14092613160023-n1.htm

到着2014年09月24日 13:22

到着
到着


(スペース Xドラゴン補給船、げっ歯類飼育施設や宇宙3Dプリンターなどを打ち上げ)
http://response.jp/article/2014/09/23/233159.html

まあ、実際は、とっくの昔に着いていて、ハッチを開けるタイミングになっている。

(Dragon is fully attached to the ISS, its home for the next four weeks. Astronauts will now prepare to open Dragon's hatch to unload cargo, including materials to support more than 255 science experiments.)
https://www.facebook.com/SpaceX/photos/a.10150303260090131.563831.353851465130/10154889148490131/?type=1&theater

「ドラゴン4号機には、キューブサットより一回り大きい50~100kgの小型衛星を放出する新型の「Cyclops(サイクロプス)」が搭載されている。」

レスポンスの記事には、一つ目の巨人の記述がある。

(キュクロープス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%B9

「天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)と天津麻羅(アマツマラ)はともに日本神話に登場する製鉄と鍛冶の神であり、キュクロプスと同じく、一つ眼である。同様に、踏鞴(たたら)製鉄に関連して神に近い巨人であるダイダラボッチも隻眼(せきがん)とされる場合がある。また、妖怪・一本だたらは先の天目一箇神が凋落した姿とも考えられている。これら、製鉄(全世界的にはさらに古きを含めて「製錬」と言うべき)と隻眼(単眼)の関連性は注目に値する。」

ふーん、なんでだろう?。

「地質学的知見からは、「出土したゾウの頭蓋骨化石に由来がある」との説が唱えられている。 ゾウの頭蓋骨の正面には、長大な鼻に見合う巨大な鼻腔が一つ開いている。彼らの眼窩(がんか)は側面に位置している上、鼻腔に比べて遥かに小さい。そのため、「ゾウを見たことの無かった当時の人々が鼻腔を眼窩と勘違いし、“頭部前面に一つ眼を具えた怖ろしげな巨人像”を想起したのではないか」という推論である。なお、ここで言う「当時の人々」とは、よく知られている“自然科学の発達した全盛期のギリシア文明期の人々”のことではなく、“ギリシア文化に連なる不特定のきわめて古い時代に生きた人々”を指す。」

こんな説があるとは知らなかったな。

まあ、どうでもいいんですが。

「サイクロプスは直径約55cmの球形の「Spin Sat」放出を行う予定で、電気を流すと推進力を生みだす新しい衛星向けの固体推進剤の実証試験を行うという。」

「宇宙空間で初めて稼働する3Dプリンターなども搭載して打ち上げられるドラゴン4号機は10月中ごろまでISSに滞在する。さまざまな実験の成果などを搭載して、カリフォルニア沖の洋上に帰還する。」

宇宙から、地上に纏まった荷物を持って降りることが出来る機体は、ドラゴンしかない。

その頃には、エボラが1万人を超えていることは確実な情勢だ。

神話22014年09月24日 16:09

神話2
神話


それが神話になるには、いくつかの原因があるだろうが、正しい知識というのがあまりにも受け入れ難く、神話が取って代わる余地があれば、容易く生じるものなのかもしれない。

(Ebola virus: busting the myths)
http://www.bbc.com/news/health-29311659

BBCは、次のような神話を紹介している。

「MYTH:
・Salt water or raw onions(once a day for three days)can protect you
・a daily drink of condensed milk can keep Ebola away.
・You cannot catch Ebola from a deceased person
・It cannot be caught through sexual contact
・Health care workers brought the disease into affected countries
・Expensive hand sanitizers are needed to kill the disease」

コンデンスミルクって、どっから出てきたんだあ?。

sexual contactではうつらないというのは、やっぱ、文化的背景(スキなんですかねえ?)によるんだろうな。

高価な消毒液が必要というのは、あながち誤りともいえない。

消毒液自体が、きっと高価なのだ。

石鹸で洗うというのは、確かにやらないよりはいいのだろうが、ウイルスのエンベロープを破壊するにはいささか心もとない。

浮沈子は、こんな神話は、まだかわいげがあると考えている。

エボラの感染規模が2万件で済むと公式に発表したどっかの国際機関とか、5億円の追加支援で常任理事国入りを狙う怪しげな国家の方が、罪は重いような気がする。

140万人の感染者が発生するとしながら、直接対応はせずに現地の人々の後方支援だけを行う軍隊とか、国家元首の親書を握り潰そうとした政府も問題だ。

まあ、自分のことだけ考えて、国境を越えて感染が広がらなければ、自然終息に委ねることも止むを得ないと考えている浮沈子も問題だな。

人類は、今、為すべきことを行うべきだろう。

自らに都合の良い神話を流布するのを止め、真実を直視し、抵抗し、挫折し、受け入れるべきだ。

(どうなるエボラ「薬で流行阻止できず」専門家に聞く)
http://www.47news.jp/feature/medical/2014/09/post-1163.html

「世界規模の感染症リスクはむしろ増大しており、態勢を保つ必要性は明白だ。しかし現在の経済情勢で現実にどこまで資金を確保できるかという問題はある」

仮に10億ドルが確保できたとしても、最早、それでは不足だ。

誰もが、西アフリカ(主要3か国)は終わったと感じているだろう。

ここに投資しても、見返りは無い。

致死率70パーセントの風土病が蔓延する国に、だれが投資なんかするものか。

ワクチンも、治療薬もないのに。

捨て金なのである。

21世紀初頭の人類は、そういうことには金を使わない。

これは、残念ながら神話ではない。

冷徹な事実である。

できれば、逆に、神話になってもらいたいんだが。