SM-3ブロック2A迎撃失敗2018年02月02日 00:50

SM-3ブロック2A迎撃失敗


気になるニュースだが、失敗したことより何より、標的が気になる。

(SM‐3ブロック2Aが初の迎撃試験に成功:ブロック2Aが持つ2つの意味:昨年2月の第1回迎撃テスト)
http://blogos.com/article/208789/

「試験は、現地時間2月3日午後10時30分、ハワイのカウアイ島ミサイル試験場から準中距離弾道ミサイル標的が発射され、イージス駆逐艦「ジョン・ポール・ジョーンズ」がイージス・ベースライン9.C2ウェポン・システム(BMD5.1)を用いて自身のAN/SPY-1D(V)レーダーにて標的を探知、追跡。SM-3ブロック2Aを発射し、標的を迎撃することに成功しました。」

詳細は不明だが、この記述を見る限りは、かなり実践的な感じに読める。

(THAAD実験成功とSM3失敗 ミサイル防衛の転機:2017年6月21日ハワイでの第2回迎撃テスト)
http://www.thutmosev.com/archives/71762373.html

「2回目が失敗したのは、より難易度が高い標的に挑戦したからだった。」

ロフテッド軌道を描く弾道ミサイルに対応しようとして失敗したんだそうだ。

こういう失敗なら、まあ、気分的には許容範囲だ(浮沈子は専門家ではないので、「気分」でしか判断できない)。

元々、全ての弾道ミサイルを迎撃できると思ってはいないからな。

しかし、今回の失敗は異なる。

(米軍、ミサイル迎撃実験に失敗 日米開発の新型SM3=米当局者)
http://blogos.com/article/274914/

「航空機から発射されたミサイルに模した標的を撃墜できなかった。」

ちょっと待ってくれ。

さっきの記事には、こんなことが書いてあるぞ。

「目標は弾道ミサイルではなく、輸送機が飛行する程度の高度で飛行し、低速で飛んできたと想像できる。」(サードミサイルの標的の話)

「先ほどのSM3ブロック2Aの目標は時速10000キロで落下してきたのに対し、せいぜいその10分の1の速度だったかも知れない。」

「成功して当たり前のぬるい実験であり、実験というよりもデモンストレーションに近かった。」

今回のブロック2Aは、「成功して当たり前のぬるい実験」に失敗したということなのかあ?。

連荘での失敗はまずかろうと、難易度を下げて成功をアピールするつもりが、かえって仇になってしまった感じだな。

もっとも、実験の条件とかは分からないし、ブロック2Aは開発中だから、特異な条件での実験に失敗したということなのかもしれないが、「気分的」には看過しえない大失態に映る。

米国(レイセオン)との共同開発なんだが、重工(三菱)の開発範囲での問題なのかどうかは分からない。

高い金払って買うわけだからな。

ちゃんと当たるやつを作ってもらいたいものだ。

ネットでは、たぶん、大いに盛り上がっているのかもしれないけど、浮沈子は詳しくないし、あまり興味も湧かない。

飛んでくるミサイルに体当たりして落とそうなどという話自体、本当に可能なのかどうか信じられないからな。

撃つ方は、囮弾頭とかばらまくだろうし、迎え撃つ方はそれらを見分けて、本物だけに当てようとする。

盾と矛との終わりなき開発競争・・・。

まあ、浮沈子から見れば、矛と矛みたいなもんだけどな。

それでも、弾道ミサイルは、まだ易しいんだそうだ。

速いと言ったって、弾道だから計算できるからな。

極超音速で飛来する新しい巡航ミサイルは、なかなか迎撃できないらしい。

コース変わるしな。

レーダー映りにくいし。

ステルス化するかもしれないしな。

今回、航空機から発射したミサイル標的が、そういうヤツだったとしたら、まあ、気分的には許容範囲なんだがな。

実際、当たるんだろうか?。

当たるも八卦、当たらぬも八卦・・・。

1cm2018年02月02日 07:46

1cm


雪は雪。

1cmでも積雪は積雪。

東京は、寒いが平穏な朝を迎えた。

何よりなことだ。

日陰に融け残っていた雪も、全て融け去って、寒さだけが残る。

今日も、10度に届かない寒さだ(最高気温は3.8度:追加)。

暫くは、こんな天気が続く。

今日は、何の予定もない。

のんびり過ごすもよし、みぞれが上がったら、自転車を漕いでフィットネスに行くも良し。

寒いからな、電車にしようかな(なんじゃく・・・)。

泳いだ後に、自転車で帰って来るのは、やはり辛い時がある。

自転車で行って、電車で帰って来るのがベストなんだが、そういうわけにはいかない。

電車の中に持ち込める折り畳み自転車を買うというのもあるが、そこまでするかということもある。

(折りたたみ自転車おすすめ8選!電車のルール·料金·選び方を解説)
https://camphack.nap-camp.com/1910

ちょっと古いが、参考になった。

浮沈子は、パスだな・・・。

暖かくなったら、徒歩で通うことも考えている。

そうすれば、帰りは電車という選択肢もある。

でも、まあ、往復自転車というのが、総合的には妥当なところだ。

雨の日だけ、電車にすればいい。

近所にフィットネスがあった時には、毎日通っていたけど、プールがなかったからな。

水に浮いていると、それだけで癒される。

昨日は夜になってから行ったが、今日は午前中から行って、少しゆっくりして来ようか。

ジジイの密かな楽しみ・・・。

重厚長大VS軽薄短小2018年02月02日 22:25

重厚長大VS軽薄短小
重厚長大VS軽薄短小


ロケットの世界も、だんだんそういう風に変わっていくんだろうか。

明日は、去年の1月に打ち上げられて失敗したSS-520 4号機のリベンジで、同5号機の打ち上げが行われる。

この打ち上げについては、何度か記事にしていて、浮沈子的には余り好意的ではない。

実験という扱いになっているが、いろいろなメディアは、小型ロケットの開発という点で注目している。

(JAXA、ミニロケット再打ち上げ12月25日に
製造にキヤノン電子が参加)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23395260T11C17A1000000/

打ち上げが延期される前の記事だが、製造メーカーの一つとして、キャノン電子の名前が出てくる。

「キヤノン電子は飛行を制御するコンピューターやセンサーなどの制御機器を担当している。打ち上げに成功すれば、宇宙ビジネス事業の拡大につながる。」

順序は逆になったが、キャノン電子は自分のところでロケットビジネスを始めようとしているようだ。

(『新世代小型ロケット開発企画株式会社』の設立について)
https://www.canon-elec.co.jp/news-backnmbr/detail/20170809_pressrelease.pdf

「出資比率:
・キヤノン電子株式会社 70%
・株式会社 IHI エアロスペース 10%
・株式会社日本政策投資銀行 10%
・清水建設株式会社 10%」

清水建設が出資しているところに注目だな。

(【宇宙へ】目指すは月面の資源開発! 清水建設がispaceに出資)
https://www.kensetsunews.com/web-kan/138440

「清水建設は1987年に国内のゼネコンでは初めて宇宙開発室を設置。月面での活動を想定し、月の砂の性状や低重力下でのコンクリート打設などの研究を続けている。」

リニアで談合してただけじゃなかったんだ・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

月面建設事業なら分からないでもないが、小型ロケットというのは、やや場違いな感じもする。

(民間ロケット発射場を計画 日本初、21年にも和歌山に 小型衛星打ち上げ)
http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260047-n1.html

「小型衛星の打ち上げサービスの事業化を目指している。発射場建設の事業費は数十億円になる見込みだ。」

うーん、別に、こんな小金を目当てに参画したわけじゃないんだろう。

まあいい。

いずれにしても、明日の打ち上げの背後には、生臭い話が転がっているわけだ。

重厚長大の見本のような宇宙ロケットだが、エレクトロンなどは、ちょろっと作ってしまったからな(あの会社(ロケットラボ)も、元は観測ロケット作ってた会社だけどな)。

炭素繊維強化プラスチックなどの複合材料でガワを作り、エンジンは3Dプリンターを使って作っているらしい。

まあ、ドラゴン2のスーパードラコエンジンも、3Dプリンターだけどな。

エレクトロンは、エンジンに燃料や酸素を送るポンプも、ターボポンプではなく、電動モーターで回す(だからエレクトロン)。

電池はリチウム電池で、使い捨てだ(2段目用のは、途中で投棄される)。

150kgの衛星を、500kmの軌道に投入することが出来る。

まあ、このくらいの性能がないと、ちょっと使い物にはならないような気がするんだがな。

キャノン電子も、ゆくゆくはそういうロケットを作りたいのかもしれない。

3kgの衛星1機上げるのに、5億円も使ってたんじゃあ商売にはならないからな。

というわけで、国民の税金を使ってキャノン電子の未来の事業に貢献するために(えーと、もちろん、その成果はインターステラテクノロジズ株式会社ほかにも還元されることになってますが)、明日の打ち上げは粛々と行われる。

清水は、あれだな、長年宇宙に関わる研究とかしてきたから、付き合いで出資したのかもしれないしな(未確認)。

子会社には、宇宙開発に関する動向調査、企業戦略立案、イベント企画などの業務を行う宇宙専門のコンサルタント会社(シー・エス・ピー・ジャパン株式会社?)もあるようだからな。

つーか、そこがコンサルするんだろう。

(宇宙政策委員会 第9回宇宙産業部会
海外における新たな宇宙ビジネスの動向
2014年4月24日)
http://www8.cao.go.jp/space/comittee/sangyou-dai9/siryou3.pdf

怪しげな資料だ。

2023年になれば、小型衛星の打ち上げ需要が年間460機になるとかいう話も、どーせ、この辺りがでっちあげたんだろう(ネタ元は、多分以下)。

(2017 Nano/Microsatellite Market Forecast:資料ページで9ページ目に、それらしきグラフがあります)
http://www.spaceworkscommercial.com/wp-content/uploads/2018/01/SpaceWorks_Nano_Microsatellite_Market_Forecast_2017.pdf

需要は事業会社が創り上げるのではなく、コンサルや企画会社がでっちあげるものなのだ(そうなのかあ?)。

何か華が欲しい役所の予算を、そのでっちあげた架空の需要に突っ込めば、呼び水として形になるかもしれないが、金の切れ目は縁の切れ目だからな。

文字通り、軌道に乗らなければそれまでの話だ・・・。

軽薄短小の小型ロケット事業は、立ち上げも簡単だが、手じまいも早い。

脈がないと見極められたら、あっという間に資金は引き上げられる。

大型ロケットみたいに、国家の面子とか関係ないしな。

明日の打ち上げについて、確認しておかなければならないことがもう一つある。

打ち上げられる衛星(TRICOM-1R)は、高度200km程度で軌道投入される(衛星軌道:180×1500km、軌道傾斜角:31°)。

もちろん、推進剤とかは積んでいないから、放り出されたままだろう。

これって、ペリジーでは超低高度軌道衛星(つばめ)の試験高度に突っ込んでいる。

極めて薄いとはいえ、大気が漂っているわけだから、あっという間に高度を下げて、燃え尽きてしまうことは確実だ。

予定では、1か月となっている。

(SS-520 5号機のミッション概要)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/060/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2017/10/12/1396928_13.pdf

「衛星寿命 30日(2σ)」

2シグマというのは、確率分布関係の用語らしい。

大体、その位という感じか。

追跡できなくなっても、ステルス衛星になるわけではない(トーゼンです)。

お隠れになるという意味では、同じことだがな・・・。

頭痛がする寒さ2018年02月03日 09:08

頭痛がする寒さ
頭痛がする寒さ


朝の目覚めは、頭痛。

寒くて頭痛がして目が覚める感じ。

熱発とかしてるのかもしれない。

こんな日は、暖かいものを食べて、安静にしているに限る。

今朝の最低気温は1.6度くらいだから、めちゃくちゃ寒いわけではない。

むしろ、明日からの方が寒くなるらしい。

(「大寒波」再び 大荒れ・大雪・極寒へ)
http://www.tenki.jp/forecaster/diary/t_yoshida/2018/02/02/92951.html

「4日(日)は立春ですが、春とは名ばかりに。先週、日本列島に襲来した過去最強クラスの寒波に匹敵するような強烈寒気が再び流れ込んでくるでしょう。」

べらぼうめ・・・。

「この先も春はまだまだ遠く、しばらく寒さとの闘いが続きそうです。」

寒さに対する戦闘モードに切り替えて、この冬を乗り切らなければならない。

昨日も、午前中からフィットネスでいつものメニュー。

筋トレ30分、プール1時間で1000m。

水泳教室でご一緒した方と、少し話す。

バタ足で、左右のバランスの違いに苦労しているようだ。

ちょっと力が入り過ぎの感じ。

まあいい。

昨日から、スイミングキャップを替えた。

長年使っていたオレンジ色のやつは、とうとう穴が開いてしまったので、緊急時の予備にして、買い置いていた紺色のやつにした。

目立たないので、海とかでは使わないヤツ。

予備で買ってあったんだが、どこかに行方不明になっていた。

昨年、小笠原に行った時に、予備器材の小物を纏めておいた袋の中にあった。

大捜査線を敷いて、部屋の中じゅうを探したら出てきた。

何処かへ行っていた自転車のテールランプも出てきた。

失せ物出ずる・・・。

なんか、嬉しい(たんじゅん・・・)。

ネットでニュースを見ていたら、JAXAの相模原キャンパスに、展示施設ができたんだそうだ(昨日オープン!)。

(宇宙科学探査交流棟)
http://www.isas.jaxa.jp/visit/index.html

色気も何もない名称だが、愛称をつけるつもりらしい。

入場無料だから、いつか行ってみようかな。

展示内容は、あまりぱっとしたものはない。

「展示フロアマップ:
コーナー名称(テーマ?):主な展示物
・インフォメーション:銀河連邦コーナー
・宇宙科学のあゆみ:ペンシルロケット
・ロケット:M-Vロケット3/4段
・科学衛星・ソーラー電力セイルの技術:イカロス原型モデル
・観測ロケット・大気球・宇宙実験:観測ロケットS-520実寸大(模型)
・大気圏突入技術:「はやぶさ」再突入カプセル
・探査機の運用・管制:管制卓(はやぶさシミュレータ)
・始原天体探査:「はやぶさ2」実寸大(模型)
・月・火星探査:探査ローバ Micro-6
・太陽と惑星環境:「あらせ」熱試験モデル
・天文観測:「あかり」(1/5模型)
・交流エリア:宇宙探査イノベーションハブの活動紹介、相模原市立博物館コーナー
・屋外展示ロケット:M-Vロケット(実機)、M-3SⅡロケット(模型)」

屋外展示にM-Vの実機があるということは、打ち上げられなかったやつがあったということだな。

(M-Vロケット:実績)
https://ja.wikipedia.org/wiki/M-V%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88#%E5%AE%9F%E7%B8%BE

「機体:打上日時(JST):機体構成:状態:積荷:質量(kg):目的:軌道:備考
・2号機:未定のまま中止:M-14、M-24、M-34b、KM-V1、中止:展示:LUNAR-A:ー:月探査機:ー:衛星は搭載予定であるペネトレーターの開発遅延などから2007年に中止」

そういえば、なんかそんな話があったような気もする。

(LUNAR-A)
https://ja.wikipedia.org/wiki/LUNAR-A

「「ペネトレータ」と呼ばれる槍状の観測装置による月内部の探査を主な目的としていた。当初1995年の打ち上げを目指していたものの、計画は大幅に遅延。2007年1月15日、計画中止の方針が示された」

「本探査機に使用される予定であったM-Vロケット2号機も、部品が他のロケットに流用されてしまい、使用不可となった。」

「このLUNAR-A計画に使用される予定であったM-Vロケット2号機は、2008年10月から、神奈川県相模原市のJAXA相模原キャンパス(宇宙科学研究本部)にて展示されている。」

なんだ、部品取りされたドンガラかよ・・・。

折角開発されたペネトレータは、以後、どこからも引き合いがなく、お蔵入りしそうな感じだな・・・。

浮沈子的には、こういう挫折した(まだしてない?)宇宙開発の裏歴史の方が、マニアの関心を引くと思うんだがな。

まあ、どうでもいいんですが。

宇宙開発、特にISASのような科学探査系は、成功事例より失敗や挫折の方が多いだろう。

研究開発なんだから、それでいいんだが、アウトリーチのコンセプトとしては、こそこそ隠したりしないで、そういうのも堂々と展示していく姿勢が欲しいような気がする。

M-Vの展示が、そういう方向性の中で行われているのかどうかは知らない。

デカいからな。

隠しようもないか・・・。

(実機展示:追加)
https://ja.wikipedia.org/wiki/M-V%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88#%E5%AE%9F%E6%A9%9F%E5%B1%95%E7%A4%BA

「第1段は6号機に流用された為に残っておらず、廃止決定前に生産が始まっていた9号機のものが流用されている。」

「第2段には2008年3月に行われた燃焼試験に用いられた2号機の第2段が用いられている。」

「ノーズフェアリングには実物大模型を用いている。」

(注釈より:追加)
https://ja.wikipedia.org/wiki/M-V%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88#cite_note-13

「M-34b(3段目)をノズル周辺の改修の後、6号機に流用」

「KM-V1(4段目:キックステージ)は3号機のものに異常が発生した為に交換された。」

まあ、実機といっても、抜け殻だけだけどな。

忘れ去られるもの2018年02月04日 00:46

忘れ去られるもの
忘れ去られるもの


さっそく、淵野辺のJAXA相模原キャンパスに行ってきた(行動的!or衝動的?→単なる暇人)。

駅から歩いて行ったんだが、帰りはバスに乗った(なんじゃく・・・)。

スタンプラリーをやったら、2枠埋まらなかったので、受付のおねーさんに聞いたら、向かいにある相模原市立博物館で押すんだという。

よく読むと、そう書いてある。

老眼鏡掛けないと読めないようなジジイは、スタンプラリーすんなよ!?。

まあいい。

まだ、展示品とかもこれから充実させる感じだ。

現物展示がなく、パネルだけのところもあった。

しばらくしたら、もう一度行ってみよう。

内容的には、宇宙研究所関係の展示に限られていて、我が国の宇宙開発を概観できるわけではない。

まだ、そういう縄張り意識が残っているんだろうな。

個体ロケットにしたって、JAXA全体としてはイプシロンを作って継続していることになっているが、あれは、宇宙研究所のものではない。

宇宙研としては、M-Vロケットを取り上げられてしまった格好になっている。

唯一手元に残っているのは、今日打ち上げられたSS-520くらいのものだ。

(Souped-up sounding rocket lifts off from Japan with tiny satellite)
https://spaceflightnow.com/2018/02/02/ss-520-5-tricom-1r-test-launch/

「It was supposed to release a small satellite into orbit seven-and-a-half minutes later, but no immediate word on the outcome of the flight was available from the Japan Aerospace Exploration Agency.」(7分30秒後に小さな衛星を軌道に乗せることになっていたが、飛行の結果についての即時の言葉は、宇宙開発事業団から入手できなかった。:自動翻訳のまま)

そう、自動翻訳だと、宇宙開発事業団になるんだよなあ・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

電柱ロケットの件については、別途記事にするつもりだ。

見学の受付が済んだころがちょうど打上時刻だったが、ライブ映像は通信障害で上手く見られなかった。

色々見て、写真も撮ってきたけど、印象に残ったのは屋外展示のM-Vロケットの説明パネル(また、コアなところを・・・)。

表題の上部に、ロケット名のフリガナを書いたと思しきシールの残骸が残っている(そこかあ?)。

「(みゅ)ーふ(ぁい)ぶ」と読めるような気もする(って、英語表記にそう書いてあるし・・・)。

説明パネルの納品の際には、ふりがながなく、誰かが気を利かせて後から貼り付けたのかもしれない。

あるいは、納品時からシールだったのか(甘い納品検査?)。

剥がれてきても、誰も直さないし、綺麗に剥がしてしまおうともしない。

展示されたのは、2008年10月11日だというから、そろそろ10年になる。

実機とはいえ、中身のないドンガラだけだからな。

部品取りや、燃焼試験に使われたガワだけを、展示用に加工して置いてあるだけだ。

隣に、M-3SⅡロケット(模型)も置いてあるが、両方模型だと言われても素人には分からないだろう。

忘れ去られていく巨大固体燃料ロケット。

そして、さらに忘れ去られていくふりがなシール・・・。

固体燃料ロケットとは言いながら、M-Vは姿勢制御等に、様々な仕掛けを使っている。

(M―V 型ロケットの推力方向制御(TVC)装置)
http://www.isas.jaxa.jp/publications/hokokuSP/hokokuSP47/211-246.pdf

この記事の筆者の一人である森田泰弘氏は、イプシロンの初代プロジェクトマネージャーになった。

(イプシロンで宇宙への敷居を下げる
〜最高の使い勝手と乗り心地で世界と勝負)
http://www.rocket.jaxa.jp/supports/project/epsilon_morita.html

浮沈子は、イプシロンのことはほとんど調べていないけど、いつかちゃんと書かないといけないと思っている(思いだけでは、記事は書けませんが)。

固体燃料ロケットの歴史は、宇宙研の歴史であり、M-Vの終了で、その歴史は閉じた。

展示物の中には、再使用ロケットRVT-9の実機(まあ、これもドンガラですが)が置かれていた。

現在行われている観測ロケット(弾道ロケット)については、やがて再使用ロケットに置き換えられていくに違いない。

(「再使用観測ロケット」開発の最新情報、小型ながら高性能なレーダー衛星)
https://news.mynavi.jp/article/jaxa_opencampus2017-3/

「実験機は、再使用観測ロケットよりも小さく、またロケットエンジンも再使用観測ロケットに4基積む予定のものを1基だけ積む。目標は高度数km~数十kmほどまで上昇して帰還する技術の実証にあり、すでに開発を始めており、来年度(2018年度)の打ち上げを予定」

こいつの燃料は水素だからな。

液酸と混ぜて燃やす。

出てくるのは水だけだ。

実験機器の回収も行え、研究の進展にも貢献できるだろう。

固体燃料ロケットは、まずは観測ロケットから消えてなくなるかもしれないな。

超低高度軌道衛星が100km台に下がって来るからな。

ますます、ニッチな空間観測になる。

気球が50km位までだからな。

気球以上、人工衛星未満の世界だ。

今のところ、あまり役に立たない高度だけどな。

飛行機は飛べないし、人工衛星はすぐ落ちる。

始末に負えない領域だからな。

弾道飛行で、なんちゃって宇宙旅行くらいにしか使い道がないかもな。

そのロケットに、観測機器載せてしまえば、再使用観測ロケットもいらなくなるかもしれない。

つーか、再使用観測ロケットに、人間を乗せて飛ばすようなもんだからな。

世界的に見れば、固体燃料ロケットはまだまだ現役だし、これからの可能性もある。

アリアンのブースターや、それを利用したベガロケットもあるし、インドのPSLVやGSLVも基本は固体燃料ロケットだ。

高性能を追求するあまり、高コスト体質に陥ったM-Vは、ひっそりと幕を下ろした。

キャノン電子が、どういうロケットを作って来るかは分からないが、新会社にIHIが名を連ねているくらいだから、固体燃料ロケットで始めるつもりなんだろう。

これからの進展に注目だな・・・。