忘れ去られるもの2018年02月04日 00:46

忘れ去られるもの
忘れ去られるもの


さっそく、淵野辺のJAXA相模原キャンパスに行ってきた(行動的!or衝動的?→単なる暇人)。

駅から歩いて行ったんだが、帰りはバスに乗った(なんじゃく・・・)。

スタンプラリーをやったら、2枠埋まらなかったので、受付のおねーさんに聞いたら、向かいにある相模原市立博物館で押すんだという。

よく読むと、そう書いてある。

老眼鏡掛けないと読めないようなジジイは、スタンプラリーすんなよ!?。

まあいい。

まだ、展示品とかもこれから充実させる感じだ。

現物展示がなく、パネルだけのところもあった。

しばらくしたら、もう一度行ってみよう。

内容的には、宇宙研究所関係の展示に限られていて、我が国の宇宙開発を概観できるわけではない。

まだ、そういう縄張り意識が残っているんだろうな。

個体ロケットにしたって、JAXA全体としてはイプシロンを作って継続していることになっているが、あれは、宇宙研究所のものではない。

宇宙研としては、M-Vロケットを取り上げられてしまった格好になっている。

唯一手元に残っているのは、今日打ち上げられたSS-520くらいのものだ。

(Souped-up sounding rocket lifts off from Japan with tiny satellite)
https://spaceflightnow.com/2018/02/02/ss-520-5-tricom-1r-test-launch/

「It was supposed to release a small satellite into orbit seven-and-a-half minutes later, but no immediate word on the outcome of the flight was available from the Japan Aerospace Exploration Agency.」(7分30秒後に小さな衛星を軌道に乗せることになっていたが、飛行の結果についての即時の言葉は、宇宙開発事業団から入手できなかった。:自動翻訳のまま)

そう、自動翻訳だと、宇宙開発事業団になるんだよなあ・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

電柱ロケットの件については、別途記事にするつもりだ。

見学の受付が済んだころがちょうど打上時刻だったが、ライブ映像は通信障害で上手く見られなかった。

色々見て、写真も撮ってきたけど、印象に残ったのは屋外展示のM-Vロケットの説明パネル(また、コアなところを・・・)。

表題の上部に、ロケット名のフリガナを書いたと思しきシールの残骸が残っている(そこかあ?)。

「(みゅ)ーふ(ぁい)ぶ」と読めるような気もする(って、英語表記にそう書いてあるし・・・)。

説明パネルの納品の際には、ふりがながなく、誰かが気を利かせて後から貼り付けたのかもしれない。

あるいは、納品時からシールだったのか(甘い納品検査?)。

剥がれてきても、誰も直さないし、綺麗に剥がしてしまおうともしない。

展示されたのは、2008年10月11日だというから、そろそろ10年になる。

実機とはいえ、中身のないドンガラだけだからな。

部品取りや、燃焼試験に使われたガワだけを、展示用に加工して置いてあるだけだ。

隣に、M-3SⅡロケット(模型)も置いてあるが、両方模型だと言われても素人には分からないだろう。

忘れ去られていく巨大固体燃料ロケット。

そして、さらに忘れ去られていくふりがなシール・・・。

固体燃料ロケットとは言いながら、M-Vは姿勢制御等に、様々な仕掛けを使っている。

(M―V 型ロケットの推力方向制御(TVC)装置)
http://www.isas.jaxa.jp/publications/hokokuSP/hokokuSP47/211-246.pdf

この記事の筆者の一人である森田泰弘氏は、イプシロンの初代プロジェクトマネージャーになった。

(イプシロンで宇宙への敷居を下げる
〜最高の使い勝手と乗り心地で世界と勝負)
http://www.rocket.jaxa.jp/supports/project/epsilon_morita.html

浮沈子は、イプシロンのことはほとんど調べていないけど、いつかちゃんと書かないといけないと思っている(思いだけでは、記事は書けませんが)。

固体燃料ロケットの歴史は、宇宙研の歴史であり、M-Vの終了で、その歴史は閉じた。

展示物の中には、再使用ロケットRVT-9の実機(まあ、これもドンガラですが)が置かれていた。

現在行われている観測ロケット(弾道ロケット)については、やがて再使用ロケットに置き換えられていくに違いない。

(「再使用観測ロケット」開発の最新情報、小型ながら高性能なレーダー衛星)
https://news.mynavi.jp/article/jaxa_opencampus2017-3/

「実験機は、再使用観測ロケットよりも小さく、またロケットエンジンも再使用観測ロケットに4基積む予定のものを1基だけ積む。目標は高度数km~数十kmほどまで上昇して帰還する技術の実証にあり、すでに開発を始めており、来年度(2018年度)の打ち上げを予定」

こいつの燃料は水素だからな。

液酸と混ぜて燃やす。

出てくるのは水だけだ。

実験機器の回収も行え、研究の進展にも貢献できるだろう。

固体燃料ロケットは、まずは観測ロケットから消えてなくなるかもしれないな。

超低高度軌道衛星が100km台に下がって来るからな。

ますます、ニッチな空間観測になる。

気球が50km位までだからな。

気球以上、人工衛星未満の世界だ。

今のところ、あまり役に立たない高度だけどな。

飛行機は飛べないし、人工衛星はすぐ落ちる。

始末に負えない領域だからな。

弾道飛行で、なんちゃって宇宙旅行くらいにしか使い道がないかもな。

そのロケットに、観測機器載せてしまえば、再使用観測ロケットもいらなくなるかもしれない。

つーか、再使用観測ロケットに、人間を乗せて飛ばすようなもんだからな。

世界的に見れば、固体燃料ロケットはまだまだ現役だし、これからの可能性もある。

アリアンのブースターや、それを利用したベガロケットもあるし、インドのPSLVやGSLVも基本は固体燃料ロケットだ。

高性能を追求するあまり、高コスト体質に陥ったM-Vは、ひっそりと幕を下ろした。

キャノン電子が、どういうロケットを作って来るかは分からないが、新会社にIHIが名を連ねているくらいだから、固体燃料ロケットで始めるつもりなんだろう。

これからの進展に注目だな・・・。

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