巨大電脳工場2012年10月19日 04:07

巨大電脳工場
巨大電脳工場


このパソコンの向こうにある世界、インターネットの電網の彼方にある物理的な実体が、(少なくとも私にとっては)初めて明らかになった。

(米グーグル、データセンター内部を公開 ストリートビューで仮想訪問も)
http://www.sbbit.jp/article/cont1/25562?ref=rsspick&google_editors_picks=true

これは、工場である。膨大な電力を消費し、大量の熱を放出する電気仕掛けの脳。

人間の脳と似て、物理的な器官としての脳を眺めていても、顕微鏡で神経細胞を観察しても、そこで行われている複雑で多様な要素処理と、その結果生成される世界を知ることはできない。

いや、厳密にその信号をトレースすることができれば、そして、その意味するところを正確に再構築できれば、人間の脳も、このデータセンターも、本質的に理解することができるだろう。

人間の脳は、体重の2パーセントの質量でありながら、呼吸によって取り入れた酸素の20パーセントを消費する。

(脳:循環・代謝)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3#.E5.BE.AA.E7.92.B0.E3.83.BB.E4.BB.A3.E8.AC.9D

もちろん、体重の多い方(誰?)では、質量の割合は異なるであろうし、あまり酸素を消費しない方(誰?)もいるかもしれない。

「内頸動脈と椎骨動脈はそれぞれ大小の枝を出して脳の各所を栄養し、ウィリスの動脈輪と呼ばれる環状の吻合を作って互いに連絡している。このため内頸動脈に血流障害が起こっても椎骨動脈からの血流が脳の全体に行き渡る」という、解剖学の基礎的な知識を、初めて知った。

頚動脈の血流を止めても、マニホールドであるウイリス輪を介して脳血流は維持されていて、ちょっと首を絞めたくらいでは簡単には死なないようになっているわけだな(危ないことを考えているわけではない・・・)。

もやもや病の原因にもなる閉塞が起こったり、動脈瘤ができて破裂すりゃあ大変なことになるウイリス輪という血管構造が、なぜ脳の深いところにあるのかがやっとわかった。

「血液の循環量は心拍出量の15%」「グルコース(ブドウ糖)の消費量は全身の25%と、いずれも質量に対して非常に多い」ともある。

高瀬舟という小説がある。

(高瀬舟 (小説))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E7%80%AC%E8%88%9F_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC)

(高瀬舟:青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/691_15352.html

やっぱ、頚動脈を切って、出血多量になれば椎骨動脈からの血流も途絶えて脳は死んでしまう。

電脳の栄養は、もちろん電気である。電気が途絶えれば、電脳は死ぬ。グローバルブレインを実現するインターネットも、電気がなければ役に立たない。

やがては、異なるデバイスに置き換わって、砂糖水とかアルコールをかければ動くようになるかもしれないが、当分は電気でしょう。巨大電脳工場は、間違いなく電気に依存している。

同時に、その膨大な発熱を処理する冷却システムも重要だ。グーグルは、運河の水や海水を利用して冷やしているという。

昨今は、カッカして頭を冷やした方がいい人も多いが、電脳の場合は、死活問題である。電子デバイスは熱には弱い。

電源と冷却が重要なわけだな。

施設の残存性を考えると、火災は元より、地震や津波、破壊工作や飛行機の墜落事故対策(航空路の近くに作らないとか?)も必要になってくる。

(日立データセンターの西日本における最大拠点、「岡山第3センタ」を開設)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2012/10/1018.html

もちろん、物理的な対応だけでなく、外部からのサイバーテロ、内部の人間によるチョンボなどにも対応しなければならない。

立地の問題については、寒冷地に作ることで空調コストを下げるというプランもあるようだ。

(データセンター)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC

まあ、しかし、なんだなあ、重要な設備であることはもちろんなのだが、ここでは「熱」以外のものは生産されない。何か物を作っているわけではないし、サービスの提供といっても、顧客は遠いネットワークの彼方にいて実感できないし。

元々の形態が電話交換機だというから仕方ないが。人間の脳だって、それ単体で機能しているわけではなく、内臓感覚をはじめとする感覚神経系からの入力や、各種出力系を通じて行われるデバイス制御(キーボード打つとか、しゃべるとか)があって、生存に寄与しているのだから。

データセンターと人間の脳が、類似しているかどうかの議論はさておき、仮想の世界に遊ぶだけでなく、時には、この端末の向こうにある実体に思いを致すことも必要だろう。

フェラーリの形(その2)2012年10月19日 23:31

フェラーリの形(その2)
フェラーリの形(その2)


400ⅰとかいうやつがあって、ドアは2枚なんだが、シートは4つ、V12気筒なんだが、300馬力そこそこで、なんと、オートマ。さらに、フロントエンジンである。実用的な、フェラーリである。

(フェラーリ・400:400i)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BB400#400i

売りに出ている個体は少ない。

(フェラーリ400i(グリーン))
http://www.carsensor.net/usedcar/detail/CU0006114655/index.html?TRCD=200002

今、横浜で整備中だという。

クレドさんの扱いで、物を見てから考えようと思っている。

本当に12気筒爆発しているか、車体周り、足回り、GM製のオートマ大丈夫か?。写真を見る限り、あまり手を入れているようには見えないが、変なものを付けられて、ひどいことになっているよりはいいかもしれない。

ピニンファリーナのデザインだという。

(ピニンファリーナ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A

リストの中に書いてないけど、たぶん大丈夫。間違いなく、ピニンファリーナデザインである。エンブレムもついてるし、なによりカッコイイ!。レオナルド・フィオラバンティの手によるといわれている。

上品なデザインで、高級車である。だから、壊れた時の修理費や、日常の維持費は大変だろうな。

専務さんに聞いてみたが、あまりお薦めという感じではなかった。

画像は、モデューロとかいうショーモデルだが、鮮明に記憶に残っている。こんな品のよいデザインがあったんだと思う。

今風ではない。鋭い、低く構えた直線的なデザインが好まれたモダンな感じだ。20世紀の匂いがする。

デザインが、機能と分離して、ミスマッチであることが「美」であるとされていた時代のシンボルである。この、まともに走りそうのないクルマに、5リットル12気筒のエンジンが積まれている。

(フェラーリ・モデューロ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AD

フェラーリというと、ガチガチのスポーツカーで、スーパーカーで、絶対的に速くていい音出してぶっ飛んでいくイメージしかなかったが、こんな伸びやかなクルマもあったんだ。

4人乗りのFRクーペも、捨てたもんじゃない。