プロの器材 ― 2013年04月16日 22:59
プロの器材(こっ、これかあ!?:イントラのギョサンとフォースフィン)
リブリーザーについては、このブログのメインテーマとしてさんざん取り上げてきた(クルマじゃなかんたんだ・・・)。
循環式の呼吸器で、水中で使うことも出来る。
宇宙空間でも普通に使っている。
アポロが飛んだ1960年代からある呼吸器だから(もちろん、もっと前からある)、もはや半世紀以上になるが、レジャーダイビングで使用されるようになったのは20世紀の終わり頃からである。
本格的に普及しだしたのは、やはりインスピレーションが発売されてからだろう。
浅い水中でしか使えない、酸素式のリブリーザーは早くからあった。軍事用として使われたという。
まあ、インスピも、開発には英国海軍が関わっているらしい。
循環式呼吸器のメリットは、その圧倒的な運用時間の長さである(軍事用では6時間のもある)。
人間が呼吸で消費する酸素を追加し、呼気として吐き出す二酸化炭素を除去するという、まことに理に適った仕組みである。
この機構を実装するに当って、コンピューターの発達の寄与は大きい。電子制御式のリブリーザーの実用化によって、初めて、それまで概念でしかなかった究極の呼吸器が誕生した。
要素技術は今後もブラッシュアップされていくだろうが、基本原理は変わらない。いや、変えようがない。
魚のように、水中の溶存酸素をエラ呼吸する仕組みが実用化されるまで、当分の間、その優位性が脅かされることはない。
もちろん、実用性とか、経済性とか、残念ながら信頼性とかで、既存のオープンサーキットに劣る点が多々あることは素直に認める。
特に、器材の信頼性を担保する上で、オープンサーキットのバックアップを前提とした運用が必須となっていることは事実である。
(0415 simple)
http://jsuga.exblog.jp/20291257/
ダイビングのベテランである須賀さんのブログでも、厳しい指摘を受けている。
「複雑なシステム、複雑な機構を使いこなすことは、とても面白いし、それは、ダイビングの楽しみの重要な要素であるから、それで良い。つまり、遊びとして楽しく面白い。しかしプロのダイバーが、この機材を仕事に使うことは決してないだろう。」
「プロの潜水機としては、やはり、使用する目的が効率的に達成できて安全性が保たれるならば、シンプルな方が良い。」
おっしゃるとおりである。
同じ目的が達成されるならば、安上がりの方がいいに決まっている。コストを削減して収益の増大を図るのがプロというものだ。金儲けの手段としての潜水器ならば、オープンサーキットは第一選択である。
いや、今までは、確かにそうだった。
しかし、これからの業務潜水は、リブリーザー無しには考えられなくなるだろうというのが、浮沈子の持論である。
水上からの支援を受けずに、長時間の作業を安全に、しかも、安価に行える潜水器として、引っ張りだこになるはずである。
ネックは、やはり信頼性だろう。
ここは、是非とも国産リブリーザーの開発を待ちたいところである(生産は中国でしょうな)。
高価格がネックになることはない。
量産すれば、ベースキットで20万円を切るところまでいくと確信する。ファースト2個は必須なので、この分を下回ることは出来ないが、電子部品は安くできる。
コアの部分の値段は、そんなに高くはない(殆んど開発費か?)。
レジャーダイビングでは、サイドマウント化により、様々なバリエーションを展開することも可能だ。
昔、なぜ時計も着替えないの?、というキャッチ・コピーがあったような気がする。
(新たなライフスタイルを生み出したコピーライティングとデザイン)
http://www.ndc.co.jp/selection/79seiko.html
そのうち、日替わりでリブリーザーをとっかえひっかえして潜る時代が来るかもしれない(ホントかあ?)。
まあ、業務潜水ではそんなことにはならんだろうが。
須賀さんのブログの中に、40m潜水というのが出てくる。
現在のダイビング指導団体の殆んどが、この深度をレクリエーショナルダイビングの限界としている。
理由は1つ。
簡単に、減圧ダイビングになってしまうからである。
しかし、理論的には減圧ダイビングにならないスクーバ・ダイビングなど有り得ない。
10メートルでも減圧症になる。
全てのダイビングは、減圧ダイビングなのである。
指導団体や、業務潜水を監督するお役所は、この科学的事実を無視して、「無限圧潜水」などという非科学的用語を乱用しているが、そのうちこのことが労災上の争点となるに違いない。
現に、最近のレクリエーショナルダイビングでは、ディープストップとか、安全停止とかいって、正々堂々と減圧ダイビングを実践している!。
業務潜水でも、海外の真っ当な業者は当然のように減圧する。
ベルやステージを用いて、管理された減圧を行うのは、常識である。
我が国や、東アジア地区の業務潜水だけが、世界から取り残された前近代的な殺人的労務を強要し続けている。
潜水は、人間の肉体にとって過酷なのだ。その弊害は、目に見えず、長期間に渡り蓄積して肉体を蝕む。
(標準減圧表改正の根拠となる理論:眞野先生ですな)
http://www.asahi-net.or.jp/~br2y-mn/2006/2006-1.pdf
「作業(漁業)潜水をしているヘルメット・ダイバーは無菌性骨
壊死に罹患する事例が多い。」と明記されている。
「減圧停止を必要とする作業水深(圧力)は水深8m(0.08MPa)から始められるべきである。」とも書かれている。
酸素による減圧も、安全を確保した上で原則化されるかもしれない。
そういう時代なのである。
窒素の弊害を可能な限り減らし、酸素の恩恵を可能な限り与えてくれるリブリーザーは、信頼性さえ確保できれば、作業潜水に最も適した器材なのだ。
本当は、プロのダイバーこそが、この器材を使うべきなのである。
リブリーザーについては、このブログのメインテーマとしてさんざん取り上げてきた(クルマじゃなかんたんだ・・・)。
循環式の呼吸器で、水中で使うことも出来る。
宇宙空間でも普通に使っている。
アポロが飛んだ1960年代からある呼吸器だから(もちろん、もっと前からある)、もはや半世紀以上になるが、レジャーダイビングで使用されるようになったのは20世紀の終わり頃からである。
本格的に普及しだしたのは、やはりインスピレーションが発売されてからだろう。
浅い水中でしか使えない、酸素式のリブリーザーは早くからあった。軍事用として使われたという。
まあ、インスピも、開発には英国海軍が関わっているらしい。
循環式呼吸器のメリットは、その圧倒的な運用時間の長さである(軍事用では6時間のもある)。
人間が呼吸で消費する酸素を追加し、呼気として吐き出す二酸化炭素を除去するという、まことに理に適った仕組みである。
この機構を実装するに当って、コンピューターの発達の寄与は大きい。電子制御式のリブリーザーの実用化によって、初めて、それまで概念でしかなかった究極の呼吸器が誕生した。
要素技術は今後もブラッシュアップされていくだろうが、基本原理は変わらない。いや、変えようがない。
魚のように、水中の溶存酸素をエラ呼吸する仕組みが実用化されるまで、当分の間、その優位性が脅かされることはない。
もちろん、実用性とか、経済性とか、残念ながら信頼性とかで、既存のオープンサーキットに劣る点が多々あることは素直に認める。
特に、器材の信頼性を担保する上で、オープンサーキットのバックアップを前提とした運用が必須となっていることは事実である。
(0415 simple)
http://jsuga.exblog.jp/20291257/
ダイビングのベテランである須賀さんのブログでも、厳しい指摘を受けている。
「複雑なシステム、複雑な機構を使いこなすことは、とても面白いし、それは、ダイビングの楽しみの重要な要素であるから、それで良い。つまり、遊びとして楽しく面白い。しかしプロのダイバーが、この機材を仕事に使うことは決してないだろう。」
「プロの潜水機としては、やはり、使用する目的が効率的に達成できて安全性が保たれるならば、シンプルな方が良い。」
おっしゃるとおりである。
同じ目的が達成されるならば、安上がりの方がいいに決まっている。コストを削減して収益の増大を図るのがプロというものだ。金儲けの手段としての潜水器ならば、オープンサーキットは第一選択である。
いや、今までは、確かにそうだった。
しかし、これからの業務潜水は、リブリーザー無しには考えられなくなるだろうというのが、浮沈子の持論である。
水上からの支援を受けずに、長時間の作業を安全に、しかも、安価に行える潜水器として、引っ張りだこになるはずである。
ネックは、やはり信頼性だろう。
ここは、是非とも国産リブリーザーの開発を待ちたいところである(生産は中国でしょうな)。
高価格がネックになることはない。
量産すれば、ベースキットで20万円を切るところまでいくと確信する。ファースト2個は必須なので、この分を下回ることは出来ないが、電子部品は安くできる。
コアの部分の値段は、そんなに高くはない(殆んど開発費か?)。
レジャーダイビングでは、サイドマウント化により、様々なバリエーションを展開することも可能だ。
昔、なぜ時計も着替えないの?、というキャッチ・コピーがあったような気がする。
(新たなライフスタイルを生み出したコピーライティングとデザイン)
http://www.ndc.co.jp/selection/79seiko.html
そのうち、日替わりでリブリーザーをとっかえひっかえして潜る時代が来るかもしれない(ホントかあ?)。
まあ、業務潜水ではそんなことにはならんだろうが。
須賀さんのブログの中に、40m潜水というのが出てくる。
現在のダイビング指導団体の殆んどが、この深度をレクリエーショナルダイビングの限界としている。
理由は1つ。
簡単に、減圧ダイビングになってしまうからである。
しかし、理論的には減圧ダイビングにならないスクーバ・ダイビングなど有り得ない。
10メートルでも減圧症になる。
全てのダイビングは、減圧ダイビングなのである。
指導団体や、業務潜水を監督するお役所は、この科学的事実を無視して、「無限圧潜水」などという非科学的用語を乱用しているが、そのうちこのことが労災上の争点となるに違いない。
現に、最近のレクリエーショナルダイビングでは、ディープストップとか、安全停止とかいって、正々堂々と減圧ダイビングを実践している!。
業務潜水でも、海外の真っ当な業者は当然のように減圧する。
ベルやステージを用いて、管理された減圧を行うのは、常識である。
我が国や、東アジア地区の業務潜水だけが、世界から取り残された前近代的な殺人的労務を強要し続けている。
潜水は、人間の肉体にとって過酷なのだ。その弊害は、目に見えず、長期間に渡り蓄積して肉体を蝕む。
(標準減圧表改正の根拠となる理論:眞野先生ですな)
http://www.asahi-net.or.jp/~br2y-mn/2006/2006-1.pdf
「作業(漁業)潜水をしているヘルメット・ダイバーは無菌性骨
壊死に罹患する事例が多い。」と明記されている。
「減圧停止を必要とする作業水深(圧力)は水深8m(0.08MPa)から始められるべきである。」とも書かれている。
酸素による減圧も、安全を確保した上で原則化されるかもしれない。
そういう時代なのである。
窒素の弊害を可能な限り減らし、酸素の恩恵を可能な限り与えてくれるリブリーザーは、信頼性さえ確保できれば、作業潜水に最も適した器材なのだ。
本当は、プロのダイバーこそが、この器材を使うべきなのである。
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