誤解2016年01月07日 01:03

誤解


須賀次郎氏のブログに、CCRのことが出ている。

(0104 80m-1)
http://jsuga.exblog.jp/25238355/

(0106 80-80-2)
http://jsuga.exblog.jp/25244943/

直接お会いしたことはないのだが、ブログにコメントを寄せたことはある。

ほぼ、全てのブログを読んでいる。

ちょっと癖のある文章だし、いささか読み辛いところもあるが、ダイビングの大先輩だし、インスピレーションについては豊田さんを師匠とする兄弟弟子に当たる(時期はずれているので、ご一緒したことはありません)。

そもそものCCRのとっかかりについては、古いブログに出ている。

(114 テクニカルダイビング (1))
http://plaza.rakuten.co.jp/sugajirou/diary/200805050000/

(115 インスピレーション (1))
http://plaza.rakuten.co.jp/sugajirou/diary/200805070000/

(リブリーザー入門 116 インスピレーション2 (3))
http://plaza.rakuten.co.jp/sugajirou/diary/200805140000/

(117 インスピレーション)
http://plaza.rakuten.co.jp/sugajirou/diary/200805170000/

(118 リブリーザー (1))
http://plaza.rakuten.co.jp/sugajirou/diary/200805180000/

(119 リブリーザー (1))
http://plaza.rakuten.co.jp/sugajirou/diary/200805240000/

(リサーチダイビング入門 120 フィーノ (1))
http://plaza.rakuten.co.jp/sugajirou/diary/200805260000/

今読み返すと、ちょっと怪しい記述もある。

最後の記事は、フィーノが出ているのでリンクした。

CCRも、そのくらい軽くなるといいな。

古いブログには、フィリピンのマクタン島にあるコンチキというダイビングサービスの写真があったりして、懐かしくなった。

4年ほど前までは、イントラとここでトレーニングしてたわけだし。

で、今日の記事には、こうある。

「CCRは、炭酸ガス吸収機構、酸素分圧の測定とコントロールに基本的に脆弱なものがあり、それを電子的ハイテクと、サイドに吊るしたベイルアウトタンク「予備の緊急脱出用のタンク」で解決している。」

「リブリーザとは、ジュールベルヌの海底2万マイルのように、海底を歩く潜水機ではないだろうか。」

「何とか2年は練習し、酸素センサーの寿命が疑われるところで、インスピレーションは、あきらめることにした。もう72歳になっていて、35キロのインスピレーションを背負ってエントリー、エキジットを一人でやるのは無理になってきた。」

ちょっと気の毒な体験をされたようだな。

浮沈子も、一人で潜っていたりしたら、同じような経過になっていたかもしれない。

幸い、仕事で潜ることはなく、レジャーダイビングの範疇で楽しんでいるので続いている。

道楽であって、仕事ではない。

ポセイドンが出て、殆どの操作は機械任せになった。

PADIのコースも作られて、減圧なしのレクリエーショナルダイビングでも扱うようになった。

ようやく、CCRを教えてみようかという気になっている。

「電子的ハイテクというのは、僕は、おそろしい。」

そこを何とかするのは、ダイバーのスキルということになる。

ちゃんとしたトレーニングを継続せずに、一人でなんとかしようとして挫折したということだな。

「80歳で80m潜ろうという段になり、リブリーザを使って、誰かに手を引いてもらえば、簡単に潜れる。中川も、後輩の古島もリブリーザを使える。他にも、協力してくれる人も居る。しかし、おんぶにだっこで、80m潜っても、あっけないだけで何にもならない。」

そうだろうか?。

80歳でもCCR使って80m潜れるぞというのは、十分に意義あることだと思うんだがな。

ヘリウム混合ガスシリンダーを束ねて水中に持ち込み、長大な中圧ホースを引きずって、潜降索に捕まりながら潜るというスタイルに拘っているようだが、それに何か意味があるんだろうか?。

そこんところは、浮沈子には未だに理解できないところだ。

自由に泳ぎ回ることができ、長時間、サカナのように水中で呼吸するというのがスクーバの基本ではないのか。

敢えて、物理的な絆を断ち切って、水中の時間を楽しむ。

もちろん、レクリエーショナルダイビングとしては、そういうことが可能な、穏やかで温かく、透視度の良い海で遊ぶわけで、作業潜水のように過酷な条件で潜るわけではない。

たぶん、そこが最も違うところなんだろうな。

そこに原点があるということなら、ロープと呼吸ホースに拘るというのも分かる。

少なくとも今までは、作業潜水ではCCRの出番はなかった。

今後は、短時間(3時間以下)の作業なら、CCRを使うシチュエーションも増えてくるに違いない。

しかし、当時(12年前)69歳でCCRに挑戦したというのは、浮沈子から見れば大変なことだ。

そのチャレンジ精神には頭が下がる。

もう少し続けていれば良かったのに・・・。

浮沈子も、いずれはCCRで潜れなくなる日が来るんだろうか?。

その前に、なんとかジジババでも扱える、軽い機種を出してもらいたいんだがな。

ポセイドンは、確かに軽くなったが、それでもまだ、浮沈子にとっては重い。

今日もフィットネスクラブに行って、ほぼ1か月ぶりに汗を流した。

先月は、パラオ行きや年末年始で、あまり行くことが出来なかった。

少しでも長く、CCRで潜り続けるためにも、真面目に通わないといかんな。

まあ、どうでもいいんですが。

さて、CCRでの浮力調整や器材の管理、運用については、このブログでもさんざん触れているので、ここでは須賀氏が誤解している点を書いておこう。

CCRは、そもそもオープンサーキットの器材とは、全く異なる。

そりゃあ、高圧ガスをレギュレーターで減圧して吸っていることに違いはないが、タンクの中の気体をそのまま吸うということはない。

「炭酸ガス吸収機構、酸素分圧の測定とコントロールに基本的に脆弱なものがあり」とか書いておられるが、この2点がCCRを成立させるキモの部分である。

脆弱(何と比べて?)というのは誤解だ。

そういう器材だし、それを踏まえて運用すべき器材なだけである。

3時間の連続ダイビング、コンスタントPO2の不活性ガス蓄積に対する優位性、深度に関係ないガス持ちの良さ、泡が出ない静寂なダイビング、湿った暖かい呼吸ガス・・・。

それらのメリットを享受するための器材であり、それが必要なダイバーにとって、他に選択肢はない。

しこたまタンクを抱えて、取り違いのリスクを内包するガススイッチしながらのオープンサーキットでのテクニカルダイビングと比べて、どちらが脆弱(?)というのは一概には言えないのではないか。

確かに、電子機器を水中に持ち込んで、それに頼るというのはリスクがある。

そのためのメンテナンスだし、プレダイブチェックである。

それをパスできなかったら、ダイビングをしなければいいだけだ。

それは、脆弱ということではないだろう。

そういう器材であると、理解すべきだ。

水中で、何か異常があれば、様々な対応手段を駆使して安全に浮上することができる。

最悪、ベイルアウトシリンダーで上がってくることもできる。

大瀬崎の先端で、吹き上げられた記述があるが、片手にカメラを持っていたとある。

まあ、撮影のプロとして諦められない気持ちは分かるが、カメラを捨てて、両手で対応すべきだったな。

ディリュエントガスの不足は、ミニマム・ループ・ボリュームが出来ていないことと、最も基本的な残圧の管理がおろそかになってしまっていることが原因だ。

ベイルアウトで浮上して、減圧時間が足りなくなるようなダイビングを計画するということ自体が、潜る以前の問題である。

アラームに気付かなかったのは、器材が悪いように書いているが、そもそも、1分ないし2分の間にモニターをチェックしていないという基本的スキルの欠如が原因だ。

「新しい型を買って、オーバーウエイトで、潜降索と命綱で潜れば良い」

そういうことではない。

スキルが身につかなければ、CCRで潜ってはいけないのだ。

さすがだと思うのは、その点である。

いろいろ誤解はあるようだが、このままではヤバイという判断は正しかったと思う。

そのまま使い続けたら、きっと重大な事故を起こしていたに違いない。

さすがに、ベテランダイバーだけのことはある。

浮沈子だって、人のことは言えない。

先日のパラオでは、久々のインスピでチョンボの連続だった。

CCRが、オープンサーキットのように簡単に(こっちも、簡単とは言えないけどな)使えると思ったら大間違いだ。

複雑な器材を使いこなすスキルを身に着けて、さらには、それを維持し続けることができて、初めてメリットを享受できる。

70歳で始めたことは、羨ましくもあり、尊敬もする。

72歳で諦めて、オープンサーキットに戻ったことは、さらに尊敬に値するな。

CCRは、誰にでも勧められる器材じゃない。

たぶん、今後も、CCRがCCRである限り、それは変わらない。

常に呼吸ガスを管理し、確実な運用ができなければ、使用すべきではないのだ。

オープンサーキットでは、タンクの中のガスは決まっている。

深度による分圧の変化はあっても、混合比が変わることはない。

CCRは、それが変わる。

おまけに、酸素が足されなくても、二酸化炭素が除去されなくても、回路(ループ)を循環しているので呼吸できてしまう。

脆弱どころではなく、マジヤバなのだ。

浮力のコントロールやミニマムボリュームについても、しかりである。

呼吸による浮力の調整が効かないので、慣れないうちは、あっという間に吹き上がる。

中途半端なスキルで運用すべき器材ではない。

うーん、そうすると、やっぱ、ハイブリッド潜水になるのかあ?。

「①複雑な電子制御をしない。
②体力的に弱いので、重いものは背負わない。
③サーフェスコンタクト、命綱をつける。」

浮沈子的には、サイドマウントで潜るのが、いいような気もするな。

ただし、重いものは背負わないというから、2本差しというわけにはいかない。

もちろん、テクニカルダイバーのサポートがなければ、ガス交換はできない(氏は、テクニカルダイバーじゃないので)。

その深度で吸うべきタンクを、その都度渡してもらって、1本ずつ付けて吸えばいいのだ。

吸い終わったタンクは、サポートに戻せばいい(最低2名は欲しいところだ)。

いずれにしても、おんぶにだっこになる。

40mまでに、ノーモキシックトライミックスに替えて、60mまでにハイポキシックトライミックスに交換する。

滞底時間にもよるが、減圧ではICDにも配慮しなければならない。

80歳で、80mというのは、個人差があるとはいえ、すごい話だ。

是非とも成功させてもらいたいが、ちょっと心配でもある。

浮沈子は、せいぜい、60歳で60mだな。

それすらも、危うい。

CCR絡みの話は、際限がなくなりそうなので、この辺で切り上げるが、久々に読んだ氏の昔のブログは懐かしかったな。

浮沈子が始める頃は、この記事くらいしか実体験を知る術がなかった。

機会があれば、直接お会いしたい気もする。

若造(?)など、相手にしてもらえんかもな。

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