ロケットビジネス2017年01月12日 13:33

ロケットビジネス
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JAXAのSS-520 4号機がらみのことは、このブログでも取り上げている。

(電柱ロケット)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/01/09/8312627

(電柱ロケットの怪)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/01/11/8316388

重量が数kg程度の超小型衛星の打ち上げ需要が、世界で年間100機程度という話もある。

ところが、この需要を、1回の打ち上げで捌くロケットの記事があった。

(史上最多、インドが1機のロケットで103機の人工衛星を打ち上げ-その舞台裏-)
http://sorae.jp/02/2017_01_10_pslv.html

「インドの衛星打ち上げロケットPolar Satellite Launch Vehicle:PSLV」

「2017年2月初旬、インドの衛星打ち上げロケット PSLV C37号機が103機の人工衛星を同時に軌道投入すると報じられている。」

「うち3機はインド国内の主衛星CARTOSAT 2Dなど」

「海外受注分の総重量は500~600kgとなる。単純計算で平均6kgで、多くがキューブサットなどの超小型衛星であることがうかがえる。」

ははあ、相乗り打ち上げの桁が違うが、打ち上げのタイミングとしては、主衛星に合わせなければならない。

まあ、今回は、20機追加に合わせて、主衛星のタイミングを合わせたようだ。

まあいい。

この記事を読んでも、超小型衛星に電柱ロケットの出る幕は全くないことが分かる。

そもそも、PSLV自体の価格が安い。

(PSLV)
https://ja.wikipedia.org/wiki/PSLV

「PSLVの一回あたりの打ち上げ費用は1,670万ドルである。」

本日の為替レートは114円46銭だから、20億円弱(安っす!)。

能力的には、イプシロン(2号機)の2倍程度ということになる。

イプシロンが、1機30億円を目指しているらしいから、価格性能比としてはPSLVの方が3倍いいことになる低軌道3トン)。

電柱ロケットの方は、1機5億円で3kgだから、PSLVの方が250倍いいことになる。

話にならんな・・・。

それでも、5億円出しても、好きな時に打ち上げたいという需要があるかも知れない。

そのニッチな市場を狙うのであれば、意味はあるだろう。

それにしても、1度の打ち上げで3桁というのはすごい話だ。

「“シェルパ”と呼ばれる小型衛星を軌道投入するための衛星放出機構」

この衛星ディスペンサーが、どうやらこの打ち上げのカギになる仕掛けのようだ。

(SHERPA)
http://www.spaceflight.com/sherpa/

「SHERPAは、Spaceflightが提供する打ち上げサービスを通じて、小さな宇宙船やホストされたペイロードのためのスペースへのより多くのアクセスを可能にします。」(自動翻訳のまま)

リングの周りに取り付けられた衛星放出機構が、多数の衛星を保持し、適当なタイミングで軌道に放出する。

どんなロケットにも適合するように、設計されているんだろう。

安いロケットを探して、顧客(衛星ビジネス)の需要を統合し、価値を最大にして売りまくるわけだ。

生き馬の目を抜く宇宙ビジネス。

インテグレート命だな。

おそらく、JAXAはそういう世界を見ているわけではないだろう。

そういうのは、民間がやることで、お役所としては、民業圧迫しない隙間を埋める仕事をする・・・。

PSLVは、地球低軌道にフォーカスしたロケットだ。

そこで最大のコスパを発揮している。

初期の失敗はあるが、以降は安定した実績を積み重ねている。

順次、改良も施されているようだしな。

浮沈子は、インドは宇宙開発の台風の目になるとみている。

火星探査機を送り込む技術を持ち、カクヤス打ち上げロケットもある。

今後の展開に、要注目だな・・・。

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