スーパーバード8 ― 2017年01月27日 08:05
スーパーバード8
通信衛星や放送衛星には、区分所有というのがある。
マンションのようなもんだな。
そして、あたかも、その衛星が丸ごと自分ちであるかのように宣伝する・・・。
(Superbird-B2 後継機の調達について)
http://www.sptvjsat.com/wp-content/uploads/Web140425_SB_B2.pdf
「通信衛星 Superbird-B2 の後継機について、その調達に必要な諸契約の手続きを完了しましたので、お知らせいたします。」
「スカパーJSAT はその後継機(『Superbird-8』と呼称)を調達」
やや分かり辛い。
これは、実はきらめき1号のことだ。
浮沈子も、ちょっと混乱した。
(防衛省、Xバンド通信衛星「きらめき1号」の年内打ち上げを断念・運搬途中の損傷が確認)
http://market.newsln.jp/news/201606171707000000.html
「スカパーJSATは、子会社である株式会社ディー・エス・エヌが、防衛省より受注した「Xバンド衛星通信中継機能等の整備・運営事業」に関連し、同社より衛星調達業務を請け負っております。今般、本事業衛星1号機を打上場所であるギアナ宇宙センターへ輸送中に、輸送コンテナが変形する事象が発生したことが確認されました。調査の結果、1号機及びそれに相乗りする自社衛星Superbird-8への損傷も認められたため、今年度中の衛星打ち上げは困難と見込まれます。」
これは、区分所有における表現の問題だな。
区分所有している自社衛星部分だから、独自の名前を付けてもいいが、物理的には1機の衛星だからな。
スカパーは、インテルサットの衛星についても区分所有していて、独自の名前を付けている。
(JCSAT-85)
http://www.jsat.net/jp/contour/jcsat-85.html
「米国インテルサット社が保有する衛星(Intelsat 15)のKuバンド中継機の一部を当社が区分所有しています。」
片やきらめき1号と名乗り、此方スーパーバード8と名乗る。
が、実は同じ衛星だ。
つまり、たまたまBOD方式による調達をかけたから、区分所有になってややこしくなったわけで、今までのB2と実態は変わらないということだ。
なーんだ・・・。
よくよく考えてみれば、今回打ち上げられた独自衛星については、Dの代替ではないことになるんじゃないのか。
浮沈子は、てっきりスーパーバードD(スカパー名:N-SAT-110)の代替だと思ってたんだがな。
この衛星については、既にJCSAT-110Rというバックアップが上がっている(2011年 8月7日:ちなみに、この衛星も区分所有)。
つまり、従来、3機の民間衛星(B2、D、C2)に分散していたトランスポンダーは、きらめき1号と3号に集約され、今回打ち上げとなった2号機は、全く新規ということになる。
衛星の軌道をみても、それは明らかだ。
・B2:東経162度(スーパーバード8も同じ)
・D:東経110度
・C2:東経144度
公表されているわけではないが、きらめき2号はインド洋上に配置されることになっているらしい。
(防衛通信衛星を打ち上げ H2Aロケットに搭載 種子島)
http://www.sankei.com/life/news/170124/lif1701240026-n1.html
「きらめき2号はうち1基の後継機で、順調にいけばインド洋上空の静止軌道で3月から運用する。」
故意か過失かは分からないが、またまた、産経に騙されてしまったわけだな。
つまり、きらめき2号は、どの衛星の後継機でもない、真っ新な独立した軍事衛星として上がったわけだ。
まあ、もちろん、産経も騙された口だろう(そうなのかあ?)。
防衛省自体が、現行2機の代替として調達をかけていたわけだからな(産経の記事では、どちらの衛星の後継機かは、明記されていない)。
予算上、数を揃える必要があったのかもしれない。
現行3機から、そのまま3機に置き換えるわけだから、通りもいいというわけだ。
しかしてその実体は、現行3機を2機に集約して、1機増設ということになった。
で、場所はインド洋上空。
「国連平和維持活動(PKO)への参加などで自衛隊の活動地域が拡大する中、指揮・統制力の向上が期待される。」
トランスポンダーの搭載本数は未公表だが、必要にして十分な通信能力を確保しているんだろう(たぶん)。
しかし、当然、スーパーバード8(きらめき1号)よりは軽い。
だから、H2Aで上がった。
しかし、H2A204は、静止軌道上に6トンの打ち上げ能力を有する。
(H-IIAロケット)
http://h2a.mhi.co.jp/lineup/h2a/index.html
まあ、正確にはGTO(静止遷移軌道)だけどな。
今回、どの軌道に入れたかは分からない。
衛星側の燃料を節約する観点からは、ロングコースト静止トランスファ軌道の方がいいけど、そうすると4820kgになる。
15年の耐用年数を確保する観点からは、こっちで上げたとみるべきなのかもしれない。
まあ、どうでもいいんですが。
スーパーバード8として上がるのは、確かにB2の代替だ。
配置も東経162度と決まっている。
そうすると、C2後継機として配置されるきらめき3号は、東経144度でいいんだろうか?。
被ってるしな。
通信需要から考えれば、また、バックアップとしても、同じような経度に配置しておく意味はある。
そのまま、置き換えで行くのかもしれない。
スーパーバード9(?)は、30本くらいのトランスポンダーを積むことになる(C2は、28本+アルファ)。
もちろん、H2Aでは上がらない(たぶん)。
15年の耐用年数を満たし、しこたま中継器を積んで、ニューギニアのちょい北辺りに据えられるんだろう。
いろいろ調べて、様々なことが分かってきた。
防衛省がいろいろ画策していることや、スカパー側から見た衛星の実情も見えてきた。
民間企業としては、安い打ち上げを使いたいというのは当然だが、打ち上げのタイミングを自由に設定したいという需要があることも知った。
衛星バスについても、個別の衛星の需要にどれだけ応えられるかということがポイントだ。
民間であれ、軍需であれ、そこのところは変わらない。
Xバンドであることと、独自の暗号を掛けていること、3軍で異なる通信方式(プロトコル?)を調整する機能が付いていることくらいだろう(そうなのかあ?)。
Xバンド専用軍事衛星は上がったが、民間相乗りの衛星は来年になる。
そして、その後もきらめき3号が上がる。
浮沈子的には、H3で上げられればいいと思っているが、スカパーはファルコン9で上げたいだろうな。
それにしても、増大する通信需要を15年の長きに渡って、たった3機の衛星で賄えるのかという疑問は残る。
今後、4号機以降の展開、低軌道衛星の投入も考えていかざるを得ないだろう。
そこでもPFIなのかあ?。
そして、民間に丸投げする中で、国産ロケットの使用を追求しなければならないのかあ?。
我が国の国防というのは、国家の安寧を図るための、のっぴきならない話ではなく、橋を架けたり道路を作ったりする公共事業マターなのかもしれない。
そういう風潮になってきている。
隣の国では、我が国の国土を飛び越えていくICBMの開発に余念がないし、ちっこい離島を巡って、核心的利益を振りかざす国もある。
ズレてる・・・。
我が国が、再び他国を侵略するための戦争を起こす意図があれば別だが、防衛のための戦力を保持するのは当然だ。
もちろん、過大な戦力を持つ必要はないが、十分な実力がなければ役には立たない。
必要最小限ではダメだろう。
しかも、どの程度必要なのかは、時代と共に変化していく。
即応するためには、マージンが必要だろう。
ドンパチやらかすだけの時代は過去になった。
戦場における情報戦にこそ、勝利しなければならない。
戦略的にも戦術的にも、情報基盤の重要性は増すばかりだ。
全てを衛星で賄うことは現実的ではないが、残存性が高く、広域をカバーできることを考えれば、もっと重視されてもいいと思うんだがな。
別に、軍事衛星をジャンジャン上げるだけが能ではないだろう。
我が国が保有する民間衛星全てに、Xバンド中継器を搭載するよう「追求」することも出来るかもしれない。
国防なくして、商売なし!。
まあいい。
そういう視点で見ると、今回の打ち上げは、いろいろ考えさせるものがある。
浮沈子自身が無関心だったことの反省も込めて、防衛通信網の今後に注目だな。
通信衛星や放送衛星には、区分所有というのがある。
マンションのようなもんだな。
そして、あたかも、その衛星が丸ごと自分ちであるかのように宣伝する・・・。
(Superbird-B2 後継機の調達について)
http://www.sptvjsat.com/wp-content/uploads/Web140425_SB_B2.pdf
「通信衛星 Superbird-B2 の後継機について、その調達に必要な諸契約の手続きを完了しましたので、お知らせいたします。」
「スカパーJSAT はその後継機(『Superbird-8』と呼称)を調達」
やや分かり辛い。
これは、実はきらめき1号のことだ。
浮沈子も、ちょっと混乱した。
(防衛省、Xバンド通信衛星「きらめき1号」の年内打ち上げを断念・運搬途中の損傷が確認)
http://market.newsln.jp/news/201606171707000000.html
「スカパーJSATは、子会社である株式会社ディー・エス・エヌが、防衛省より受注した「Xバンド衛星通信中継機能等の整備・運営事業」に関連し、同社より衛星調達業務を請け負っております。今般、本事業衛星1号機を打上場所であるギアナ宇宙センターへ輸送中に、輸送コンテナが変形する事象が発生したことが確認されました。調査の結果、1号機及びそれに相乗りする自社衛星Superbird-8への損傷も認められたため、今年度中の衛星打ち上げは困難と見込まれます。」
これは、区分所有における表現の問題だな。
区分所有している自社衛星部分だから、独自の名前を付けてもいいが、物理的には1機の衛星だからな。
スカパーは、インテルサットの衛星についても区分所有していて、独自の名前を付けている。
(JCSAT-85)
http://www.jsat.net/jp/contour/jcsat-85.html
「米国インテルサット社が保有する衛星(Intelsat 15)のKuバンド中継機の一部を当社が区分所有しています。」
片やきらめき1号と名乗り、此方スーパーバード8と名乗る。
が、実は同じ衛星だ。
つまり、たまたまBOD方式による調達をかけたから、区分所有になってややこしくなったわけで、今までのB2と実態は変わらないということだ。
なーんだ・・・。
よくよく考えてみれば、今回打ち上げられた独自衛星については、Dの代替ではないことになるんじゃないのか。
浮沈子は、てっきりスーパーバードD(スカパー名:N-SAT-110)の代替だと思ってたんだがな。
この衛星については、既にJCSAT-110Rというバックアップが上がっている(2011年 8月7日:ちなみに、この衛星も区分所有)。
つまり、従来、3機の民間衛星(B2、D、C2)に分散していたトランスポンダーは、きらめき1号と3号に集約され、今回打ち上げとなった2号機は、全く新規ということになる。
衛星の軌道をみても、それは明らかだ。
・B2:東経162度(スーパーバード8も同じ)
・D:東経110度
・C2:東経144度
公表されているわけではないが、きらめき2号はインド洋上に配置されることになっているらしい。
(防衛通信衛星を打ち上げ H2Aロケットに搭載 種子島)
http://www.sankei.com/life/news/170124/lif1701240026-n1.html
「きらめき2号はうち1基の後継機で、順調にいけばインド洋上空の静止軌道で3月から運用する。」
故意か過失かは分からないが、またまた、産経に騙されてしまったわけだな。
つまり、きらめき2号は、どの衛星の後継機でもない、真っ新な独立した軍事衛星として上がったわけだ。
まあ、もちろん、産経も騙された口だろう(そうなのかあ?)。
防衛省自体が、現行2機の代替として調達をかけていたわけだからな(産経の記事では、どちらの衛星の後継機かは、明記されていない)。
予算上、数を揃える必要があったのかもしれない。
現行3機から、そのまま3機に置き換えるわけだから、通りもいいというわけだ。
しかしてその実体は、現行3機を2機に集約して、1機増設ということになった。
で、場所はインド洋上空。
「国連平和維持活動(PKO)への参加などで自衛隊の活動地域が拡大する中、指揮・統制力の向上が期待される。」
トランスポンダーの搭載本数は未公表だが、必要にして十分な通信能力を確保しているんだろう(たぶん)。
しかし、当然、スーパーバード8(きらめき1号)よりは軽い。
だから、H2Aで上がった。
しかし、H2A204は、静止軌道上に6トンの打ち上げ能力を有する。
(H-IIAロケット)
http://h2a.mhi.co.jp/lineup/h2a/index.html
まあ、正確にはGTO(静止遷移軌道)だけどな。
今回、どの軌道に入れたかは分からない。
衛星側の燃料を節約する観点からは、ロングコースト静止トランスファ軌道の方がいいけど、そうすると4820kgになる。
15年の耐用年数を確保する観点からは、こっちで上げたとみるべきなのかもしれない。
まあ、どうでもいいんですが。
スーパーバード8として上がるのは、確かにB2の代替だ。
配置も東経162度と決まっている。
そうすると、C2後継機として配置されるきらめき3号は、東経144度でいいんだろうか?。
被ってるしな。
通信需要から考えれば、また、バックアップとしても、同じような経度に配置しておく意味はある。
そのまま、置き換えで行くのかもしれない。
スーパーバード9(?)は、30本くらいのトランスポンダーを積むことになる(C2は、28本+アルファ)。
もちろん、H2Aでは上がらない(たぶん)。
15年の耐用年数を満たし、しこたま中継器を積んで、ニューギニアのちょい北辺りに据えられるんだろう。
いろいろ調べて、様々なことが分かってきた。
防衛省がいろいろ画策していることや、スカパー側から見た衛星の実情も見えてきた。
民間企業としては、安い打ち上げを使いたいというのは当然だが、打ち上げのタイミングを自由に設定したいという需要があることも知った。
衛星バスについても、個別の衛星の需要にどれだけ応えられるかということがポイントだ。
民間であれ、軍需であれ、そこのところは変わらない。
Xバンドであることと、独自の暗号を掛けていること、3軍で異なる通信方式(プロトコル?)を調整する機能が付いていることくらいだろう(そうなのかあ?)。
Xバンド専用軍事衛星は上がったが、民間相乗りの衛星は来年になる。
そして、その後もきらめき3号が上がる。
浮沈子的には、H3で上げられればいいと思っているが、スカパーはファルコン9で上げたいだろうな。
それにしても、増大する通信需要を15年の長きに渡って、たった3機の衛星で賄えるのかという疑問は残る。
今後、4号機以降の展開、低軌道衛星の投入も考えていかざるを得ないだろう。
そこでもPFIなのかあ?。
そして、民間に丸投げする中で、国産ロケットの使用を追求しなければならないのかあ?。
我が国の国防というのは、国家の安寧を図るための、のっぴきならない話ではなく、橋を架けたり道路を作ったりする公共事業マターなのかもしれない。
そういう風潮になってきている。
隣の国では、我が国の国土を飛び越えていくICBMの開発に余念がないし、ちっこい離島を巡って、核心的利益を振りかざす国もある。
ズレてる・・・。
我が国が、再び他国を侵略するための戦争を起こす意図があれば別だが、防衛のための戦力を保持するのは当然だ。
もちろん、過大な戦力を持つ必要はないが、十分な実力がなければ役には立たない。
必要最小限ではダメだろう。
しかも、どの程度必要なのかは、時代と共に変化していく。
即応するためには、マージンが必要だろう。
ドンパチやらかすだけの時代は過去になった。
戦場における情報戦にこそ、勝利しなければならない。
戦略的にも戦術的にも、情報基盤の重要性は増すばかりだ。
全てを衛星で賄うことは現実的ではないが、残存性が高く、広域をカバーできることを考えれば、もっと重視されてもいいと思うんだがな。
別に、軍事衛星をジャンジャン上げるだけが能ではないだろう。
我が国が保有する民間衛星全てに、Xバンド中継器を搭載するよう「追求」することも出来るかもしれない。
国防なくして、商売なし!。
まあいい。
そういう視点で見ると、今回の打ち上げは、いろいろ考えさせるものがある。
浮沈子自身が無関心だったことの反省も込めて、防衛通信網の今後に注目だな。
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