SLSはどうなったのか ― 2018年02月14日 21:24
SLSはどうなったのか
(Trump budget aims to kick-start lunar exploration, cancels space telescope)
https://spaceflightnow.com/2018/02/12/trump-budget-aims-to-kick-start-lunar-exploration-but-cancels-major-space-telescope/
米国の予算がどうなるかという話の中に、SLSも出てくる。
「NASA managers in November said they expected EM-1’s launch to slip until 2020.」(11月のNASAのマネージャーは、EM-1の打ち上げが2020年まで滑ると予想していると述べた。:自動翻訳のまま:以下、同じ)
一応、公式には、2019年の打ち上げということになっているようだ。
(NASA confirms first flight of Space Launch System will slip to 2019)
https://spaceflightnow.com/2017/04/28/nasa-confirms-first-flight-of-space-launch-system-will-slip-to-2019/
「NASA’s top human spaceflight official says the maiden flight of the Space Launch System, a behemoth booster designed to loft astronauts on expeditions into deep space, will be delayed from November 2018 until some time in 2019, according to a report published by a U.S. government watchdog Thursday.」(米航空宇宙局(NASA)の最高宇宙飛行士は、宇宙飛行士の宇宙飛行士をロケット宇宙飛行士に任命する宇宙飛行士の飛行機は、2018年11月から2019年にかけて延期される、と発表した木曜日。)
(NASA expects first Space Launch System flight to slip into 2020)
https://spaceflightnow.com/2017/11/20/nasa-expects-first-space-launch-system-flight-to-slip-into-2020/
「After a multi-month assessment of the program’s recent progress, managers set a best-case launch target in December 2019. 」(プログラムの最近の進捗状況を複数回評価した後、マネージャーは2019年12月に最良の打ち上げ目標を設定しました。)
「Officials now expect the Space Launch System, Orion capsule and ground systems to be ready for the maiden flight — named Exploration Mission-1 — by June 2020. 」(当局は、2020年6月までに、宇宙発射システム、オリオンカプセルおよび地上システムが処女飛行のために準備されることを期待しています。)
目標が近づくと、ちょこっとだけ延期されるんだがな。
去年の今ごろは、有人飛行を前倒しできないかどうかを検討していた。
冗談じゃない。
当初(2011年頃)、2017年に予定されていた無人飛行さえ、2020年とか言い出しているわけだから、有人飛行なんて2030年くらいにならないと実現しないかもしれない(そんなに遅れんのかあ?)。
そもそも、SLSの構成要素はどうなっていて、どれがどのくらい進展しているのかが分からないとな。
一つ前の記事の中に図面があって、構成要素の名称が掲げられていたので、それをリストアップしてみる。
・Launch abort system
・Crew module
・Service module
・Encapsulated service module panels
・Spacecraft adapter
・MPCV/stage adapter(MSA)
・Interim Cryogenic Propulsion Stage(ICPS)
・Launch vehicle/stage adaptor
・Core stage
・RS-25 Engines
・Solid Rocket Booster
・ローンチアボートシステムは、作動試験を行っている最中。
(NASA Moves Up Critical Crew Safety Launch Abort Test)
https://www.nasa.gov/feature/nasa-moves-up-critical-crew-safety-launch-abort-test
・クルーモジュールは製作中(ドンガラは、2014年に打ち上げテスト済み)。
(Orion Pressure Vessel for Exploration Mission-2)
https://www.nasa.gov/image-feature/orion-pressure-vessel-for-exploration-mission-2
・サービスモジュールは、ESAが作成し、NASAでテスト中。
・その下の部分の3つに分かれるカバーについては不明。
・その下の浅い円錐台状のスペースクラフトアダプターについては完成。
(NASA gives look at hardware on SLS rocket)
http://www.waff.com/story/37387555/nasa-gives-look-at-hardware-on-sls-rocket
・MSAについては未確認。
・EM-1だけに使われる暫定上段ロケットについては、納品済み。
(First SLS hardware turned over to Ground Systems for EM-1 flight)
http://www.spaceflightinsider.com/organizations/nasa/first-sls-hardware-turned-ground-systems-em-1/
・ローンチビークルステージアダプターについてはほぼ完成(2018年出荷予定)。
(Preparing the adaptor – LVSA readies for SLS debut)
https://www.nasaspaceflight.com/2017/09/preparing-adaptor-lvsa-readies-sls-debut/
・コアステージは、作成中(下部のエンジンセクションは強度試験完了)。
(Structural Testing Complete on SLS Core Stage Powerhouse)
https://www.pddnet.com/news/2018/02/structural-testing-complete-sls-core-stage-powerhouse
・エンジンはテスト中(在庫品)。
(RS-25 hot fire opens 2018 testing for SLS engines)
https://www.nasaspaceflight.com/2018/01/rs-25-hot-fire-2018-testing-sls-engines/
・固体燃料ロケットは作成中(たぶん)。
こうして見ると、部品レベルで見ても、完成してたり、テスト中だったりして、一定ではない。
各構成要素を途中まで組み上げた状態で、別個にテストするのかもしれないし、その段階で不具合が見つかれば、また遅れが出る。
今年(2018年)11月予定が、来年12月になり、非公式に再来年6月になってしまっているのも無理もない。
組み上げて、統合テストで引っかかれば、さらに打ち上げは延びる。
無人の打ち上げが、2021年以降にずれ込んだとしても、誰も不思議とは思わないだろうな。
スペースXの月周回飛行がキャンセルされたので、実質的な競争相手はいなくなった。
2020年代をかけて、じっくりと取り組めばいい。
金にならない宇宙開発には、民間企業は手を出さないからな。
実際に無人で上がるのが2020年代の前半、有人飛行に至っては、2030年代になってもおかしくはない。
ISSの廃棄に手間取るようなことがあれば、予算的な影響を受けて、さらに先延ばしになるだろう。
SLSは、何といっても過去の遺産の食い潰しだからな。
1970年代の技術だ。
半世紀前に確立されたテクノロジーを使って、さらにその前のアポロと同じようなことをやろうとしている。
コンピューターの発達で、制御は上手くなったのかもしれないが、制御されている方は変わらないからな。
それを、これから何十年か使い続けるということになる。
それは、自動車とかも同じ事だし、交通機関全般に共通しているかも知れない。
電気自動車なんて、ガソリン車より古いからな。
まあ、どうでもいいんですが。
一向に形にならないSLSについては、NASAだって焦っているに違いないのだ。
(Space Launch System (SLS):動画のまとめ)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLBEXDPatoWBmX3yrpEObbUoNF5rbbNcgX
ちょこっと出来た筒みたいのとか、在庫エンジンのテストの様子とかを、律義に動画にして出している。
もちろん、CGも多い。
早く、ロケットの形を見せたい気持ちが滲み出ているようだ(そおかあ?)。
まあいい。
コアステージの詳細について解説しているビデオがある。
(Inside SLS: Outfitting The World’s Most Powerful Rocket:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=RO2onNNbovA&list=PLBEXDPatoWBmX3yrpEObbUoNF5rbbNcgX&index=1
・エンジンセクション(エンジン4基含む)
・・18マイルのケーブル
・・500個のセンサー
・液体水素タンク(デカい方)
・・733000ガロンの燃料(液酸と合わせて?)
・インタータンク(接続部分)
・・14,500個のボルト、ファスナー
・液体酸素タンク
・前方スカートセクション
・・45マイルのケーブル
・・3台のフライトコンピューターモニター
・・1100個のセンサー
・・4個のリチウムイオン電池
ーーーーーーーーーーーー
・トータル
・・750センサー
・・45マイルケーブル
・・100,000ファスナー
それぞれに、いろいろくっ付いているようだ。
合計が合ってないとかは、ご愛敬だ(そうなのかあ?)。
こういう内輪ネタを小出しにしながら、間を持たせないといけないんだが、いつまで持つことやら・・・。
(Trump budget aims to kick-start lunar exploration, cancels space telescope)
https://spaceflightnow.com/2018/02/12/trump-budget-aims-to-kick-start-lunar-exploration-but-cancels-major-space-telescope/
米国の予算がどうなるかという話の中に、SLSも出てくる。
「NASA managers in November said they expected EM-1’s launch to slip until 2020.」(11月のNASAのマネージャーは、EM-1の打ち上げが2020年まで滑ると予想していると述べた。:自動翻訳のまま:以下、同じ)
一応、公式には、2019年の打ち上げということになっているようだ。
(NASA confirms first flight of Space Launch System will slip to 2019)
https://spaceflightnow.com/2017/04/28/nasa-confirms-first-flight-of-space-launch-system-will-slip-to-2019/
「NASA’s top human spaceflight official says the maiden flight of the Space Launch System, a behemoth booster designed to loft astronauts on expeditions into deep space, will be delayed from November 2018 until some time in 2019, according to a report published by a U.S. government watchdog Thursday.」(米航空宇宙局(NASA)の最高宇宙飛行士は、宇宙飛行士の宇宙飛行士をロケット宇宙飛行士に任命する宇宙飛行士の飛行機は、2018年11月から2019年にかけて延期される、と発表した木曜日。)
(NASA expects first Space Launch System flight to slip into 2020)
https://spaceflightnow.com/2017/11/20/nasa-expects-first-space-launch-system-flight-to-slip-into-2020/
「After a multi-month assessment of the program’s recent progress, managers set a best-case launch target in December 2019. 」(プログラムの最近の進捗状況を複数回評価した後、マネージャーは2019年12月に最良の打ち上げ目標を設定しました。)
「Officials now expect the Space Launch System, Orion capsule and ground systems to be ready for the maiden flight — named Exploration Mission-1 — by June 2020. 」(当局は、2020年6月までに、宇宙発射システム、オリオンカプセルおよび地上システムが処女飛行のために準備されることを期待しています。)
目標が近づくと、ちょこっとだけ延期されるんだがな。
去年の今ごろは、有人飛行を前倒しできないかどうかを検討していた。
冗談じゃない。
当初(2011年頃)、2017年に予定されていた無人飛行さえ、2020年とか言い出しているわけだから、有人飛行なんて2030年くらいにならないと実現しないかもしれない(そんなに遅れんのかあ?)。
そもそも、SLSの構成要素はどうなっていて、どれがどのくらい進展しているのかが分からないとな。
一つ前の記事の中に図面があって、構成要素の名称が掲げられていたので、それをリストアップしてみる。
・Launch abort system
・Crew module
・Service module
・Encapsulated service module panels
・Spacecraft adapter
・MPCV/stage adapter(MSA)
・Interim Cryogenic Propulsion Stage(ICPS)
・Launch vehicle/stage adaptor
・Core stage
・RS-25 Engines
・Solid Rocket Booster
・ローンチアボートシステムは、作動試験を行っている最中。
(NASA Moves Up Critical Crew Safety Launch Abort Test)
https://www.nasa.gov/feature/nasa-moves-up-critical-crew-safety-launch-abort-test
・クルーモジュールは製作中(ドンガラは、2014年に打ち上げテスト済み)。
(Orion Pressure Vessel for Exploration Mission-2)
https://www.nasa.gov/image-feature/orion-pressure-vessel-for-exploration-mission-2
・サービスモジュールは、ESAが作成し、NASAでテスト中。
・その下の部分の3つに分かれるカバーについては不明。
・その下の浅い円錐台状のスペースクラフトアダプターについては完成。
(NASA gives look at hardware on SLS rocket)
http://www.waff.com/story/37387555/nasa-gives-look-at-hardware-on-sls-rocket
・MSAについては未確認。
・EM-1だけに使われる暫定上段ロケットについては、納品済み。
(First SLS hardware turned over to Ground Systems for EM-1 flight)
http://www.spaceflightinsider.com/organizations/nasa/first-sls-hardware-turned-ground-systems-em-1/
・ローンチビークルステージアダプターについてはほぼ完成(2018年出荷予定)。
(Preparing the adaptor – LVSA readies for SLS debut)
https://www.nasaspaceflight.com/2017/09/preparing-adaptor-lvsa-readies-sls-debut/
・コアステージは、作成中(下部のエンジンセクションは強度試験完了)。
(Structural Testing Complete on SLS Core Stage Powerhouse)
https://www.pddnet.com/news/2018/02/structural-testing-complete-sls-core-stage-powerhouse
・エンジンはテスト中(在庫品)。
(RS-25 hot fire opens 2018 testing for SLS engines)
https://www.nasaspaceflight.com/2018/01/rs-25-hot-fire-2018-testing-sls-engines/
・固体燃料ロケットは作成中(たぶん)。
こうして見ると、部品レベルで見ても、完成してたり、テスト中だったりして、一定ではない。
各構成要素を途中まで組み上げた状態で、別個にテストするのかもしれないし、その段階で不具合が見つかれば、また遅れが出る。
今年(2018年)11月予定が、来年12月になり、非公式に再来年6月になってしまっているのも無理もない。
組み上げて、統合テストで引っかかれば、さらに打ち上げは延びる。
無人の打ち上げが、2021年以降にずれ込んだとしても、誰も不思議とは思わないだろうな。
スペースXの月周回飛行がキャンセルされたので、実質的な競争相手はいなくなった。
2020年代をかけて、じっくりと取り組めばいい。
金にならない宇宙開発には、民間企業は手を出さないからな。
実際に無人で上がるのが2020年代の前半、有人飛行に至っては、2030年代になってもおかしくはない。
ISSの廃棄に手間取るようなことがあれば、予算的な影響を受けて、さらに先延ばしになるだろう。
SLSは、何といっても過去の遺産の食い潰しだからな。
1970年代の技術だ。
半世紀前に確立されたテクノロジーを使って、さらにその前のアポロと同じようなことをやろうとしている。
コンピューターの発達で、制御は上手くなったのかもしれないが、制御されている方は変わらないからな。
それを、これから何十年か使い続けるということになる。
それは、自動車とかも同じ事だし、交通機関全般に共通しているかも知れない。
電気自動車なんて、ガソリン車より古いからな。
まあ、どうでもいいんですが。
一向に形にならないSLSについては、NASAだって焦っているに違いないのだ。
(Space Launch System (SLS):動画のまとめ)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLBEXDPatoWBmX3yrpEObbUoNF5rbbNcgX
ちょこっと出来た筒みたいのとか、在庫エンジンのテストの様子とかを、律義に動画にして出している。
もちろん、CGも多い。
早く、ロケットの形を見せたい気持ちが滲み出ているようだ(そおかあ?)。
まあいい。
コアステージの詳細について解説しているビデオがある。
(Inside SLS: Outfitting The World’s Most Powerful Rocket:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=RO2onNNbovA&list=PLBEXDPatoWBmX3yrpEObbUoNF5rbbNcgX&index=1
・エンジンセクション(エンジン4基含む)
・・18マイルのケーブル
・・500個のセンサー
・液体水素タンク(デカい方)
・・733000ガロンの燃料(液酸と合わせて?)
・インタータンク(接続部分)
・・14,500個のボルト、ファスナー
・液体酸素タンク
・前方スカートセクション
・・45マイルのケーブル
・・3台のフライトコンピューターモニター
・・1100個のセンサー
・・4個のリチウムイオン電池
ーーーーーーーーーーーー
・トータル
・・750センサー
・・45マイルケーブル
・・100,000ファスナー
それぞれに、いろいろくっ付いているようだ。
合計が合ってないとかは、ご愛敬だ(そうなのかあ?)。
こういう内輪ネタを小出しにしながら、間を持たせないといけないんだが、いつまで持つことやら・・・。
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