強靭な翼がボディを破壊するB777Xの怪 ― 2019年12月02日 01:02
強靭な翼がボディを破壊するB777Xの怪
地上で見る飛行機は、胴体に翼が付いているように見える(目の錯覚とかではなく、実際、そうですけど)。
しかし、飛んでいる時は逆なわけで、翼に胴体がぶら下がっている。
まあ、胴体だって多少は揚力を発生させているかもしれないけど、空の上で飛行機の何百トンもの重量を支えているのは、翼の方だ。
一昨日、777Xの強度試験における破断の記事を書いたが、シアトルタイムズの元記事を読むと、更に気になる記述が出ていた。
(ボーイング777Xの胴体は9月のストレステスト中に劇的に分裂しました:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.seattletimes.com/business/boeing-aerospace/boeing-777xs-fuselage-split-dramatically-during-september-stress-test/
「ボーイングが1995年にオリジナルの777モデルをテストしたとき、アルミニウムの翼が限界荷重の1.54倍でカチッと音がするまでそれは動き続けました。787では、1.5で停止し、複合翼を再び下に戻すことを選択しました。一対の複合翼を破壊すると、空中に不健康な繊維が放出される可能性があります。そのため、777Xにも複合翼があり、これが今回の計画でした。」
「詳細に詳しい人によると、中央胴体、翼のすぐ後ろ、および着陸装置の車輪が格納されている井戸の下で、極端な圧縮荷重により飛行機のアルミニウムの皮が曲がって破裂しました。」
「写真は、機体の外皮が飛行機の側面の一部を分割し、乗客のドアの周りに伸びる曲がりくねった構造の領域を示しています。」
「事件の翌日、不完全な情報に基づいて、シアトルタイムズと他のメディアは、貨物ドアが吹き飛ばされたと誤って報告しました。」
「外側に蝶番を付けている飛行機の貨物ドアとは異なり、旅客機の乗客用ドアは、内側にのみ開くプラグタイプのドアであり、閉じている穴よりも大きくなっています。しかし、777Xウィングのすぐ後ろにあるその乗客のドアの周りの構造が非常に損傷していたため、圧力がドアを吹き飛ばし、床に落ちました。」
なるほど、貨物室のドアではなく、客室のドアがぶっ壊れてしまったというのは初耳だ。
イメージ的には最悪だな(貨物室のドアだったらいいってもんじゃないけど・・・)。
現行の777は、翼の方が先に壊れた模様だ。
「1995年にオリジナルの777モデルをテストしたとき、アルミニウムの翼が限界荷重の1.54倍でカチッと音がするまでそれは動き続けました。」(再掲)
そう、従来は、1.5倍の負荷を軽くクリアしていたわけで、限界性能を確認するために、壊れるまで負荷を掛け続けたわけだ。
20世紀は、機械の王国の世紀だからな。
もちろん、777は、キャティアと呼ばれるプログラムの中で設計された。
木製(未確認)のモックアップは、主翼など一部しか作られず、ネットワークで世界中を結び、昼夜兼行で設計が行われた。
(THE MAKINGスペシャル版 (1)ボーイング777のできるまで:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=fZuJvvHKIDg&feature=emb_logo
「大型機でありながら、双発エンジン搭載というのがこの機体の最大の特徴です。日本・オーストラリア・イギリスなど世界中の技術が結集。ボーイング777が完成するまでを克明に追います。」
それでも、限界負荷試験は実機で行われ、見事に合格している。
映像では、主翼と胴体の結合部分に弾力性を持たせていることが紹介されている(26分56秒辺りから)。
また、今回破断した主翼後部にかけては、ランディングギアの格納庫があることも分かる(32分23秒辺り)。
「中央胴体、翼のすぐ後ろ、および着陸装置の車輪が格納されている井戸の下で、極端な圧縮荷重により飛行機のアルミニウムの皮が曲がって破裂しました。」(再掲)
787シリーズの負荷試験を行う際には、複合素材を用いた翼の破壊を懸念して、合格ラインに達したら、ぶっ壊れる前に中止するという選択をした。
「787では、1.5で停止し、複合翼を再び下に戻すことを選択しました。一対の複合翼を破壊すると、空中に不健康な繊維が放出される可能性があります。」(再掲)
壊れるまで負荷を掛けたら、787も、ひょっとしたらボディ側が破損した可能性もある。
複合素材を使った主翼の強靭さが、接合部を通じて想定外の力をボディに及ぼしてぶっ壊したわけだ。
「翼が上向き、胴体が下向き:
テストがクライマックスに近づくと、重くされたプーリーがジェットの巨大なカーボン複合材の翼を静止位置から28フィート以上上に曲げました。」
「同時に、胴体は数百万ポンドの力で前端と後端で下向きに曲げられました。また、飛行機の内部は通常のレベルを超えて約10ポンド/平方インチに加圧されました。これは通常、このテストの要件ではありませんが、ボーイングが行うことを選択したものです。」
「翼と胴体にかかる曲げ力の組み合わせにより、細部が敏感であるため匿名性を求めた人によると、胴体の下部中心線、つまりキールに高い圧縮荷重が発生しました。」
機体は負荷に耐えきれずに破断したわけだ。
ドアが吹っ飛んだのは二次的な問題だというけど、機体の開口部に当たるドア周りは、高い強度を持たせて設計しているはずだからな(未確認)。
それが変形するような状況になったというのは、素人目には尋常でないような気がする。
加圧状況が通常以上になっていたことが原因なのか、それともそうではなかったのか。
「連邦航空局(FAA)の安全技術者は、機関からの許可なしに匿名で話しており、パンクは目標負荷の非常に近くで発生したため、失敗とはほとんど見なされないと述べました。」
「FAAのスポークスマンLynn Lunsford氏によると、安全機関は777Xがテスト失敗後の要件をどのように満たすことができるかについて、ボーイングとの会話を続けています。」
「FAAは、製造業者に設計および認証基準を満たすことを要求しています」と、Lunsford氏は述べています。「彼らがそれをどのように選択するかは、彼ら次第です。」
実機による再テストを行うかどうかの選択は、FAAではなくボーイングが決めるというのだ(そうなのか?)。
FAAじゃ、決められないんだろうな(そんなあ!)。
初期の製造に懸念がある787の構造強度については、別途記事にするかも知れない。
A380やA350、A320などの構造部材にも複合材料が使われている。
それらは、今回のような負荷試験を行い、安全性を「実地に」確認している(たぶん:ここ、重要です!)。
今回のように、今まで先にぶっ壊れると考えられていた主翼が無事で、胴体の方がやられるという事態は、想定の範囲外だったに違いない。
「そのため、777Xにも複合翼があり、これが今回の計画でした。」(再掲)
にもかかわらず、規制当局は「失敗とはほとんど見なされない」とか、「どのように選択するかは、彼ら次第」とか寝言をほざいているのだ。
やれやれ・・・。
今回の壊れ方は、事前に行われたであろうシミュレーションとは異なる壊れ方になった。
壊れると予想されていた主翼は無事で、壊れないと思われていたボディがぶっ壊れた。
それだけでも、構造設計やシミュレーションプログラムのバグが懸念される。
当局のテスト要件に含まれないボディの加圧まで行って、自信満々!(そうなのかあ?)。
挙句の果てにドカンといったわけだ。
飛行機のボディは、軽量化を追求してペナペナに作られている。
もちろん、必要な強度は確保されているんだろうが、それ程のマージンがあるわけじゃない。
ザ・メイキングのなかでも、削ったり溶かしたりして、外板自体はミリ単位でしかない。
複合材料を多用した、21世紀の旅客機のボディ構造がどうなっているかは知らない(未調査)。
(意外と知らない、最新鋭旅客機のすごい技術)
https://toyokeizai.net/articles/-/81044?page=3
「私たちも最初は不安で、どんな壊れ方をするのか確かめるために、材料を用意してたたいて壊してみようという話になりました。ところが、ハンマーでたたいて壊そうとしても、自分の手が痛くなるばかりで一向に壊れない。」
手で持ったハンマーでたたいて壊れないから大丈夫なのかあ?。
「それで『強度も大丈夫、これなら心配ない』と全員で納得した経緯があります」
浮沈子は、絶対納得できないけどな。
まあ、どうでもいいんですが。
仮にだ、B社の素晴らしい(たぶん)シミュレーションプログラムとか構造計算プログラムでボディ側をガッチリ補強したらどうなるのか。
今度は、その強靭なボディが、主翼を破壊してしまうかも知れないじゃないの(そんなあ!)。
そんでもって、今度は主翼を補強して・・・。
複合材料を使った主翼とボディの接続部分が心配になって来るな。
初めに書いたように、アルミ合金だろうが複合材料だろうが、飛行機は翼が飛んでいるのだ。
ボディは、それにぶら下がっている。
その接合部の強度は、安全の要であり、飛行機の生命線だ。
B777Xが就航し、初期トラブルが出尽くして落ち着くまで、浮沈子的には様子を見たいところだ。
現行の777が出た頃、業界内部ではトリプルセブンならぬトラブルセブンと言われていたようだしな。
人の作りしものに完全なものなどない。
予期せぬことが起きるのではないかと、常に用心し、謙虚に向かい合い、保守的に運用するに限る。
物理の神様への貢ぎ物として差し出されてはたまらんからな・・・。
地上で見る飛行機は、胴体に翼が付いているように見える(目の錯覚とかではなく、実際、そうですけど)。
しかし、飛んでいる時は逆なわけで、翼に胴体がぶら下がっている。
まあ、胴体だって多少は揚力を発生させているかもしれないけど、空の上で飛行機の何百トンもの重量を支えているのは、翼の方だ。
一昨日、777Xの強度試験における破断の記事を書いたが、シアトルタイムズの元記事を読むと、更に気になる記述が出ていた。
(ボーイング777Xの胴体は9月のストレステスト中に劇的に分裂しました:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.seattletimes.com/business/boeing-aerospace/boeing-777xs-fuselage-split-dramatically-during-september-stress-test/
「ボーイングが1995年にオリジナルの777モデルをテストしたとき、アルミニウムの翼が限界荷重の1.54倍でカチッと音がするまでそれは動き続けました。787では、1.5で停止し、複合翼を再び下に戻すことを選択しました。一対の複合翼を破壊すると、空中に不健康な繊維が放出される可能性があります。そのため、777Xにも複合翼があり、これが今回の計画でした。」
「詳細に詳しい人によると、中央胴体、翼のすぐ後ろ、および着陸装置の車輪が格納されている井戸の下で、極端な圧縮荷重により飛行機のアルミニウムの皮が曲がって破裂しました。」
「写真は、機体の外皮が飛行機の側面の一部を分割し、乗客のドアの周りに伸びる曲がりくねった構造の領域を示しています。」
「事件の翌日、不完全な情報に基づいて、シアトルタイムズと他のメディアは、貨物ドアが吹き飛ばされたと誤って報告しました。」
「外側に蝶番を付けている飛行機の貨物ドアとは異なり、旅客機の乗客用ドアは、内側にのみ開くプラグタイプのドアであり、閉じている穴よりも大きくなっています。しかし、777Xウィングのすぐ後ろにあるその乗客のドアの周りの構造が非常に損傷していたため、圧力がドアを吹き飛ばし、床に落ちました。」
なるほど、貨物室のドアではなく、客室のドアがぶっ壊れてしまったというのは初耳だ。
イメージ的には最悪だな(貨物室のドアだったらいいってもんじゃないけど・・・)。
現行の777は、翼の方が先に壊れた模様だ。
「1995年にオリジナルの777モデルをテストしたとき、アルミニウムの翼が限界荷重の1.54倍でカチッと音がするまでそれは動き続けました。」(再掲)
そう、従来は、1.5倍の負荷を軽くクリアしていたわけで、限界性能を確認するために、壊れるまで負荷を掛け続けたわけだ。
20世紀は、機械の王国の世紀だからな。
もちろん、777は、キャティアと呼ばれるプログラムの中で設計された。
木製(未確認)のモックアップは、主翼など一部しか作られず、ネットワークで世界中を結び、昼夜兼行で設計が行われた。
(THE MAKINGスペシャル版 (1)ボーイング777のできるまで:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=fZuJvvHKIDg&feature=emb_logo
「大型機でありながら、双発エンジン搭載というのがこの機体の最大の特徴です。日本・オーストラリア・イギリスなど世界中の技術が結集。ボーイング777が完成するまでを克明に追います。」
それでも、限界負荷試験は実機で行われ、見事に合格している。
映像では、主翼と胴体の結合部分に弾力性を持たせていることが紹介されている(26分56秒辺りから)。
また、今回破断した主翼後部にかけては、ランディングギアの格納庫があることも分かる(32分23秒辺り)。
「中央胴体、翼のすぐ後ろ、および着陸装置の車輪が格納されている井戸の下で、極端な圧縮荷重により飛行機のアルミニウムの皮が曲がって破裂しました。」(再掲)
787シリーズの負荷試験を行う際には、複合素材を用いた翼の破壊を懸念して、合格ラインに達したら、ぶっ壊れる前に中止するという選択をした。
「787では、1.5で停止し、複合翼を再び下に戻すことを選択しました。一対の複合翼を破壊すると、空中に不健康な繊維が放出される可能性があります。」(再掲)
壊れるまで負荷を掛けたら、787も、ひょっとしたらボディ側が破損した可能性もある。
複合素材を使った主翼の強靭さが、接合部を通じて想定外の力をボディに及ぼしてぶっ壊したわけだ。
「翼が上向き、胴体が下向き:
テストがクライマックスに近づくと、重くされたプーリーがジェットの巨大なカーボン複合材の翼を静止位置から28フィート以上上に曲げました。」
「同時に、胴体は数百万ポンドの力で前端と後端で下向きに曲げられました。また、飛行機の内部は通常のレベルを超えて約10ポンド/平方インチに加圧されました。これは通常、このテストの要件ではありませんが、ボーイングが行うことを選択したものです。」
「翼と胴体にかかる曲げ力の組み合わせにより、細部が敏感であるため匿名性を求めた人によると、胴体の下部中心線、つまりキールに高い圧縮荷重が発生しました。」
機体は負荷に耐えきれずに破断したわけだ。
ドアが吹っ飛んだのは二次的な問題だというけど、機体の開口部に当たるドア周りは、高い強度を持たせて設計しているはずだからな(未確認)。
それが変形するような状況になったというのは、素人目には尋常でないような気がする。
加圧状況が通常以上になっていたことが原因なのか、それともそうではなかったのか。
「連邦航空局(FAA)の安全技術者は、機関からの許可なしに匿名で話しており、パンクは目標負荷の非常に近くで発生したため、失敗とはほとんど見なされないと述べました。」
「FAAのスポークスマンLynn Lunsford氏によると、安全機関は777Xがテスト失敗後の要件をどのように満たすことができるかについて、ボーイングとの会話を続けています。」
「FAAは、製造業者に設計および認証基準を満たすことを要求しています」と、Lunsford氏は述べています。「彼らがそれをどのように選択するかは、彼ら次第です。」
実機による再テストを行うかどうかの選択は、FAAではなくボーイングが決めるというのだ(そうなのか?)。
FAAじゃ、決められないんだろうな(そんなあ!)。
初期の製造に懸念がある787の構造強度については、別途記事にするかも知れない。
A380やA350、A320などの構造部材にも複合材料が使われている。
それらは、今回のような負荷試験を行い、安全性を「実地に」確認している(たぶん:ここ、重要です!)。
今回のように、今まで先にぶっ壊れると考えられていた主翼が無事で、胴体の方がやられるという事態は、想定の範囲外だったに違いない。
「そのため、777Xにも複合翼があり、これが今回の計画でした。」(再掲)
にもかかわらず、規制当局は「失敗とはほとんど見なされない」とか、「どのように選択するかは、彼ら次第」とか寝言をほざいているのだ。
やれやれ・・・。
今回の壊れ方は、事前に行われたであろうシミュレーションとは異なる壊れ方になった。
壊れると予想されていた主翼は無事で、壊れないと思われていたボディがぶっ壊れた。
それだけでも、構造設計やシミュレーションプログラムのバグが懸念される。
当局のテスト要件に含まれないボディの加圧まで行って、自信満々!(そうなのかあ?)。
挙句の果てにドカンといったわけだ。
飛行機のボディは、軽量化を追求してペナペナに作られている。
もちろん、必要な強度は確保されているんだろうが、それ程のマージンがあるわけじゃない。
ザ・メイキングのなかでも、削ったり溶かしたりして、外板自体はミリ単位でしかない。
複合材料を多用した、21世紀の旅客機のボディ構造がどうなっているかは知らない(未調査)。
(意外と知らない、最新鋭旅客機のすごい技術)
https://toyokeizai.net/articles/-/81044?page=3
「私たちも最初は不安で、どんな壊れ方をするのか確かめるために、材料を用意してたたいて壊してみようという話になりました。ところが、ハンマーでたたいて壊そうとしても、自分の手が痛くなるばかりで一向に壊れない。」
手で持ったハンマーでたたいて壊れないから大丈夫なのかあ?。
「それで『強度も大丈夫、これなら心配ない』と全員で納得した経緯があります」
浮沈子は、絶対納得できないけどな。
まあ、どうでもいいんですが。
仮にだ、B社の素晴らしい(たぶん)シミュレーションプログラムとか構造計算プログラムでボディ側をガッチリ補強したらどうなるのか。
今度は、その強靭なボディが、主翼を破壊してしまうかも知れないじゃないの(そんなあ!)。
そんでもって、今度は主翼を補強して・・・。
複合材料を使った主翼とボディの接続部分が心配になって来るな。
初めに書いたように、アルミ合金だろうが複合材料だろうが、飛行機は翼が飛んでいるのだ。
ボディは、それにぶら下がっている。
その接合部の強度は、安全の要であり、飛行機の生命線だ。
B777Xが就航し、初期トラブルが出尽くして落ち着くまで、浮沈子的には様子を見たいところだ。
現行の777が出た頃、業界内部ではトリプルセブンならぬトラブルセブンと言われていたようだしな。
人の作りしものに完全なものなどない。
予期せぬことが起きるのではないかと、常に用心し、謙虚に向かい合い、保守的に運用するに限る。
物理の神様への貢ぎ物として差し出されてはたまらんからな・・・。
仮想の中の現実と現実の中の仮想 ― 2019年12月02日 11:22
仮想の中の現実と現実の中の仮想
FAAがB777Xの限界強度試験を再度行わずに、補強された構造計算だけで合格を出すという話に噛みついてから、いろいろ考えた。
浮沈子は、専門家じゃないし、下手の考え休むに似たりだが、何も考えないよりはいい。
物理の時間には、公式を覚えたり、それを適用したりして計算するけど、それらは現実の世界とは異なる仮想の条件が与えられていて、その世界で行われる架空の話だ。
現実の世界は、様々な要素が絡み、机上の計算とは異なる結果を生む。
部材の特性とか、接合方法とか、様々な要素を織り込んで、部分的な実地試験のデータとすり合わせて補正して、しかし、それでもインテグレートされた状況での実際の挙動は、組み合わせた状態でやってみなければ分からない。
しかし、何でも実地にやればいいかと言えば、そうとも限らない。
例えば、件の強度試験についても、実際に問題になるのは上空1万メートルとかの環境だが、試験はそういう環境では行われない。
実地試験といったって、完全に再現されるわけじゃないし、強度試験のような場合は、試験自体が実際とは異なる状況下で行われる。
ある意味、実地に行われるシミュレーションだ。
だから、実際に掛かる負荷に対して、余剰の負荷を加えて、まあ、このくらいでいいかという安心マージン(つーのかあ?)を得るわけだ。
1.5倍というのが正解なのかは分からない。
現行の777は、1.54倍で主翼が「ドカン!」といったし、787は複合素材製の主翼がぶっ飛んで人体に有害な繊維がまき散らされることを懸念して1.5倍で止めて撤退した(その前のテストでは、翼と胴体の接合部が破壊されたことも)。
777Xは、残念ながら1.48倍で、翼ではなくボディの方がぶっ壊れた。
上空で想定される最大の力は、それよりも少ないが、試験は地上で行われている。
ボーイングが、敢えて機内を加圧して行ったというのは、少しでも上空での実際の環境を再現して、強度試験のリアリティを高めようという、志の高い話なわけだ。
787では飛行中のキャビンの圧力を、通常、高度3000m相当に与圧するところを、1800m相当に高めている。
おそらく、777Xも同じ程度の与圧を行うんだろう。
現行の777よりも高いわけで、ひょっとしたら787の時も、試験の際に加圧していたかもしれない(未確認)。
B社だって、何でもかんでもテキトーにやって、当局をだまくらかしてぼろ儲けしようとしているわけじゃあない。
やるべきことはキッチリやったうえで、頂くものは頂くという健全な態度がないわけではないのだ。
そうでなければ、市場で生き残ることはできない。
737MAXの件は、まず、メーカーサイドでそこんところが疎かになったこと、加えて、最後の砦であるはずの規制当局が機能しなかったこと、その背景に、メーカーと当局の「プロフェッショナルな関係」があったことが問題なわけだ。
浮沈子は、777Xの話の中に、同じ臭いを嗅いでいる。
強度試験をシミュレーターの中で済ますのが悪いとは言えないかもしれない。
実地試験だって、ある意味、シミュレーションなわけで、だからこそ、機内を加圧して行ったボーイングは、その要件を加えることによりメーカーとしての責任を果たそうとしているわけだ。
黙って、最小限度の項目だけで済まして、ちゃっかり合格するよりは、実際の環境に近い状態でぶっ壊れた方がいいに決まっている。
必要な設計変更を行い、補強し、構造計算して確認する。
終局荷重の98パーセントの負荷でぶっ壊れたことが、実地の再試験を行うかどうかの判断にどの程度影響しているのかは知らない。
シミュレーションで十分だというFAAの技術者の話に呆れ返ったが、必ずしもそうとは言えないかもしれない。
得られたデータを外挿して、補強前の状態でボディ側の破壊をシミュレートできれば、ある意味、プログラムのバグは解消されたという根拠になる(未確認)。
そんでもって、それを使って補強後の状態でのシミュレーションで壊れなければ、合格出していいのかもしれない(未確認)。
しかしだな、やっぱ、実地試験をもう一回やるに越したことはない。
もちろん、加圧下で。
実地試験が、実際の運用環境のシミュレーションに過ぎないとしても、これまでの実績から、それをパスした航空機に重大な構造上の問題が発生していないという正当性があるからな。
当局が定める規制値は、当初は1.5倍とか、テキトーな感じで「エイヤッ!」って決めたのかもしれないけど(そんなあ!)、それに基づく実績を積み重ねることによって、現実の有効値としての意味を持つことになる。
1.48倍じゃ、ダメなわけだ。
その検証方法として適正なのが、実地試験なのか、修正済みのシミュレーターなのかは知らない。
規制当局には、愚直に対応してもらいたいもんだな。
数年後、浮沈子が777Xに乗る時に、ヤバくなければそれでいい。
技術や、それを評価する方法は、時代とともに変化する。
変化しては困るのは、それを行う人間の態度の方だろう。
まあ、それも、そのうち、AIとやらが行うようになるんだろう。
人間は、AIが決めたルールの中で、飼われるだけの存在になるのだ。
浮沈子が生きている間に、そんな時代が来るのかもしれない。
人間が培った技術の終焉、人類の文明の終わり。
そうなったら、この手のブログを書き続ける意味もなくなるだろう。
ああ、そうか、ブログだって、AIに書いてもらえばいいわけだ・・・。
(安全率:追加)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%8E%87
「航空宇宙の安全率:
航空宇宙工学では、安全率が1.15 - 1.25倍と極めて低い。これは安全のための設備や余裕が、そのまま機体重量に直結し、経済性の悪化につながるためである。」
1.5倍というのは、航空機関係としては高めなんだな・・・。
(航空機構造認証における課題とシミュレーション援用による効率化への期待:追加)
http://www.plum.mech.tohoku.ac.jp/jisedai/seminar2/kuraishi.pdf
メーカーが何を考えているかがよく分る資料だな・・・。
(航空機の安全性~翼の強度試験成功!……でもあんまり喜んでいない。なぜ?~:追加)
http://www.aero.jaxa.jp/publication/column/0209.html
「B777の試験では「153%」とアナウンスされた直後に主翼が大音響と共に破壊しました。」
主翼が先に壊れたことと、153パーセントの負荷だったと記載されている記事。
でも、以下の動画では154と言ってるけどな・・・。
(Boeing 777 Wing Test:追加:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=Ai2HmvAXcU0
2分22秒で、ドカンといっている(映像は複数回繰り返されています)。
(エアバス、A350主翼の終極荷重試験を実施:追加)
https://www.aviationwire.jp/archives/31085
「試験では運用で予想される値の1.5倍の荷重が加えられ、A350の翼端が5メートル以上たわんだ。」
A350は、ちゃんと合格している。
(ボーイング787が信じられないほどの翼の屈曲試験に合格:追加)
https://www.wired.com/2010/03/boeing-787-passes-incredible-wing-flex-test/
787も合格!。
(ボーイング787主翼の破壊試験:追加)
http://subal-m45.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/787-d806.html
でも、初めは壊れてしまったということも(翼と胴体との接合部であることに注意!)。
FAAがB777Xの限界強度試験を再度行わずに、補強された構造計算だけで合格を出すという話に噛みついてから、いろいろ考えた。
浮沈子は、専門家じゃないし、下手の考え休むに似たりだが、何も考えないよりはいい。
物理の時間には、公式を覚えたり、それを適用したりして計算するけど、それらは現実の世界とは異なる仮想の条件が与えられていて、その世界で行われる架空の話だ。
現実の世界は、様々な要素が絡み、机上の計算とは異なる結果を生む。
部材の特性とか、接合方法とか、様々な要素を織り込んで、部分的な実地試験のデータとすり合わせて補正して、しかし、それでもインテグレートされた状況での実際の挙動は、組み合わせた状態でやってみなければ分からない。
しかし、何でも実地にやればいいかと言えば、そうとも限らない。
例えば、件の強度試験についても、実際に問題になるのは上空1万メートルとかの環境だが、試験はそういう環境では行われない。
実地試験といったって、完全に再現されるわけじゃないし、強度試験のような場合は、試験自体が実際とは異なる状況下で行われる。
ある意味、実地に行われるシミュレーションだ。
だから、実際に掛かる負荷に対して、余剰の負荷を加えて、まあ、このくらいでいいかという安心マージン(つーのかあ?)を得るわけだ。
1.5倍というのが正解なのかは分からない。
現行の777は、1.54倍で主翼が「ドカン!」といったし、787は複合素材製の主翼がぶっ飛んで人体に有害な繊維がまき散らされることを懸念して1.5倍で止めて撤退した(その前のテストでは、翼と胴体の接合部が破壊されたことも)。
777Xは、残念ながら1.48倍で、翼ではなくボディの方がぶっ壊れた。
上空で想定される最大の力は、それよりも少ないが、試験は地上で行われている。
ボーイングが、敢えて機内を加圧して行ったというのは、少しでも上空での実際の環境を再現して、強度試験のリアリティを高めようという、志の高い話なわけだ。
787では飛行中のキャビンの圧力を、通常、高度3000m相当に与圧するところを、1800m相当に高めている。
おそらく、777Xも同じ程度の与圧を行うんだろう。
現行の777よりも高いわけで、ひょっとしたら787の時も、試験の際に加圧していたかもしれない(未確認)。
B社だって、何でもかんでもテキトーにやって、当局をだまくらかしてぼろ儲けしようとしているわけじゃあない。
やるべきことはキッチリやったうえで、頂くものは頂くという健全な態度がないわけではないのだ。
そうでなければ、市場で生き残ることはできない。
737MAXの件は、まず、メーカーサイドでそこんところが疎かになったこと、加えて、最後の砦であるはずの規制当局が機能しなかったこと、その背景に、メーカーと当局の「プロフェッショナルな関係」があったことが問題なわけだ。
浮沈子は、777Xの話の中に、同じ臭いを嗅いでいる。
強度試験をシミュレーターの中で済ますのが悪いとは言えないかもしれない。
実地試験だって、ある意味、シミュレーションなわけで、だからこそ、機内を加圧して行ったボーイングは、その要件を加えることによりメーカーとしての責任を果たそうとしているわけだ。
黙って、最小限度の項目だけで済まして、ちゃっかり合格するよりは、実際の環境に近い状態でぶっ壊れた方がいいに決まっている。
必要な設計変更を行い、補強し、構造計算して確認する。
終局荷重の98パーセントの負荷でぶっ壊れたことが、実地の再試験を行うかどうかの判断にどの程度影響しているのかは知らない。
シミュレーションで十分だというFAAの技術者の話に呆れ返ったが、必ずしもそうとは言えないかもしれない。
得られたデータを外挿して、補強前の状態でボディ側の破壊をシミュレートできれば、ある意味、プログラムのバグは解消されたという根拠になる(未確認)。
そんでもって、それを使って補強後の状態でのシミュレーションで壊れなければ、合格出していいのかもしれない(未確認)。
しかしだな、やっぱ、実地試験をもう一回やるに越したことはない。
もちろん、加圧下で。
実地試験が、実際の運用環境のシミュレーションに過ぎないとしても、これまでの実績から、それをパスした航空機に重大な構造上の問題が発生していないという正当性があるからな。
当局が定める規制値は、当初は1.5倍とか、テキトーな感じで「エイヤッ!」って決めたのかもしれないけど(そんなあ!)、それに基づく実績を積み重ねることによって、現実の有効値としての意味を持つことになる。
1.48倍じゃ、ダメなわけだ。
その検証方法として適正なのが、実地試験なのか、修正済みのシミュレーターなのかは知らない。
規制当局には、愚直に対応してもらいたいもんだな。
数年後、浮沈子が777Xに乗る時に、ヤバくなければそれでいい。
技術や、それを評価する方法は、時代とともに変化する。
変化しては困るのは、それを行う人間の態度の方だろう。
まあ、それも、そのうち、AIとやらが行うようになるんだろう。
人間は、AIが決めたルールの中で、飼われるだけの存在になるのだ。
浮沈子が生きている間に、そんな時代が来るのかもしれない。
人間が培った技術の終焉、人類の文明の終わり。
そうなったら、この手のブログを書き続ける意味もなくなるだろう。
ああ、そうか、ブログだって、AIに書いてもらえばいいわけだ・・・。
(安全率:追加)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%8E%87
「航空宇宙の安全率:
航空宇宙工学では、安全率が1.15 - 1.25倍と極めて低い。これは安全のための設備や余裕が、そのまま機体重量に直結し、経済性の悪化につながるためである。」
1.5倍というのは、航空機関係としては高めなんだな・・・。
(航空機構造認証における課題とシミュレーション援用による効率化への期待:追加)
http://www.plum.mech.tohoku.ac.jp/jisedai/seminar2/kuraishi.pdf
メーカーが何を考えているかがよく分る資料だな・・・。
(航空機の安全性~翼の強度試験成功!……でもあんまり喜んでいない。なぜ?~:追加)
http://www.aero.jaxa.jp/publication/column/0209.html
「B777の試験では「153%」とアナウンスされた直後に主翼が大音響と共に破壊しました。」
主翼が先に壊れたことと、153パーセントの負荷だったと記載されている記事。
でも、以下の動画では154と言ってるけどな・・・。
(Boeing 777 Wing Test:追加:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=Ai2HmvAXcU0
2分22秒で、ドカンといっている(映像は複数回繰り返されています)。
(エアバス、A350主翼の終極荷重試験を実施:追加)
https://www.aviationwire.jp/archives/31085
「試験では運用で予想される値の1.5倍の荷重が加えられ、A350の翼端が5メートル以上たわんだ。」
A350は、ちゃんと合格している。
(ボーイング787が信じられないほどの翼の屈曲試験に合格:追加)
https://www.wired.com/2010/03/boeing-787-passes-incredible-wing-flex-test/
787も合格!。
(ボーイング787主翼の破壊試験:追加)
http://subal-m45.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/787-d806.html
でも、初めは壊れてしまったということも(翼と胴体との接合部であることに注意!)。
脳が認識する仮想としての現実 ― 2019年12月02日 13:44
脳が認識する仮想としての現実
航空機の強度試験に於けるシミュレーションの話を考えていて、以前取り上げていたVRの話を思い出した。
考えてみれば、仮想の空間の中に、現実世界を作り上げるというのは奇妙な話だ。
浮沈子が好きな話に胡蝶の夢というのがある。
(胡蝶の夢)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%A1%E8%9D%B6%E3%81%AE%E5%A4%A2
「夢の中の自分が現実か現実の方が夢なのかといった説話」
ウィキにはぐちゃぐちゃと解説が書いてあるが、鬱陶しいだけだな。
浮沈子的解釈は異なる。
脳が認識しているのは、全て仮想なのだ。
視覚とか聴覚といったセンサー、脳が受け取る大部分の情報だと言われる内臓からの信号、脳自身の信号である記憶、知識、概念、クオリアを含めたあらゆる「現実」は、全て仮想だ。
だからこそ、VRは成立する。
リアリティを作り上げているのは、脳自身だからな。
高精細なモニターとか、立体音響などは、没入感を助けるだけで、本質じゃあない。
極端な例を挙げれば、単なる記号の羅列に過ぎない小説とか読んで泣いたり笑ったりするしな。
脳が仮想現実を作り上げる能力は、驚くべきものだ。
その能力があんま高いと、リアルな世界で生きられなくなって、病院送りになったりもするしな。
電波が見えたり、自分がナポレオンだとか言ってみたり・・・。
荘子は、自分が蝶になったという「夢」を見たらしいが、ホントは違うんじゃないのかあ?。
まあいい。
蝶といえば、モンシロチョウの話もある。
(モンシロチョウ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%A6
「翅に紫外線を当てるとメスの翅が白く、オスの翅が黒く見えるため、オスメスの区別がよりはっきりする。紫外線は人間には見えないが、モンシロチョウには見えると考えられていて、モンシロチョウはこの色の違いでオスメスの判別をしているとみられる。」
そうか、モンシロチョウのオスは、メスの白い翅見てハアハアしてるわけか(子供は分かんなくていいです!)。
人間のメス(失礼!)が、紫外線を反射する日焼け止め塗るのは、そのせいかもな(モンシロチョウのオス誘惑してどーする?)。
まあ、どうでもいいんですが。
他の生物に、人間の意識と同じようなものがあるかどうかは知らないが、彼らもまた、同じ様に彼らなりの仮想世界に住んでいるんだろう。
モンシロチョウの仮想世界、犬や猫の仮想世界、ゾウリムシの仮想世界などなど。
外来の刺激に反応して、何らかの変化を起こすシステムは、それなりの仮想世界を有するといってもいいかも知れない。
ただの一臓器に過ぎない脳が仮想世界を有するというなら、生化学的にはより複雑な仕組みを持つ肝臓とかだって、独自の仮想世界を持っているに違いない。
ちきしょうめ、今日はアルコールをしこたま処理しなくちゃならん、勘弁してくれー・・・。
残業までさせられると、脳の方は、それを二日酔いと認識するわけだな。
やれやれ・・・。
生命の器官である臓器が、刺激ー反応系の仮想世界を持つということになれば、個々の細胞だって十分仮想世界を持つと言える。
単細胞生物もそうだし、生命かどうか議論があるウイルスだって、十分だ。
ある環境に置かれれば、バンバン増殖しちまうしな。
先日の風邪はつらかったからな・・・。
いや、生物系に限らないかもしれない。
仮想世界は、無生物にだって存在する。
分かりやすいのは、やはりコンピューターとかだろう。
入力に応じて、出力を返す計算機だ。
自動販売機だって、お金を入れてボタンを押せば商品が出てくる(最近は、カードやスマホで買えるようですが)。
刺激ー反応系の仮想世界は、彼らの中にもあるのかもしれない。
浮沈子の好きな映画にブレードランナー(第一作)というのがある。
(ブレードランナー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC
「1982年公開のSF映画。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としている。」
SFの世界では、非生物(つーのかあ?)であるアンドロイドが意識を持つのは当たり前という感じだが、そこんとこを突き詰めた話なのかもしれない(精神を安定させるために、偽の記憶を持たせたりするしな)。
少なくとも、独自の仮想世界を持つことは確かだ。
複雑であるかそうでないかは、仮想世界の存在とは本質的には関係ない。
より複雑であれば、人間の脳が持つ仮想世界に似ているかもしれないという期待はある。
しかし、単純だからといって、そこに仮想世界がないとは言えない。
電灯のスイッチにも、仮想世界がある(オンとオフだけですが)。
今日のブログでは、仮想世界と呼んでいるが、意識と言い換えてもいいかも知れない。
ただし、意識というと、どうしても人間臭くなるからな。
モンシロチョウの意識というと、???となるが、彼らの仮想世界ということなら、まあ、受容できないことはない。
生命という特異な化学反応系を、無生物を含めた仮想世界仮説から捉え直してもいいのかもしれない。
更に極論すれば、非生物である物質に仮想世界があるなら、分子や原子、それらを構成する素粒子や場にも、仮想世界は存在する。
極域の夜空に妖しく舞う赤や緑(人間の目には白色っぽく見えるらしい)のオーロラが見えるのは、太陽からの荷電粒子によって地球磁場が乱され、高空(100kmから400km)に漂う酸素原子とか(の電子)が励起され、電子が元の軌道に戻る際に発する特定波長の光子などのせいだという。
太陽にも仮想世界があり、地球磁場にも仮想世界がある。
もちろん、原子状酸素にも。
ここでいう仮想世界は、単なる物理法則と置き換えることが可能かもしれないけど、身も蓋もない話だな。
いつだったか、シミュレーション仮説について調べたこともあった。
(シミュレーション仮説)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC
「・過去に関するシミュレーションが多数実行されると想定することは妥当である。
・そうであれば、そのようなシミュレーションの中でさらにシミュレーションが行われ、再帰的に派生していくだろう。
・従って、我々が多数のシミュレーションのいずれかに存在しているか、実際の宇宙に存在しているかは不明であり、可能性としてはシミュレーション内の方が高い。」
浮沈子には、ワケワカの話だな・・・。
今日の記事は、この世がシミュレーションだと言っているわけではない(言ってないわけでもないけど)。
とりあえずは無関係だ。
観測される宇宙には、観測機器自体の仮想世界があり、その部品の仮想世界があり、それらからの刺激(観測結果)を認識する人間の仮想世界と共に、無数の仮想世界の重層が組み込まれているということだ。
シミュレーションであれ、仮想世界であれ、何らかの物理的束縛を受けている(それ自体がシミュレーション?)。
与太ブログを綴る浮沈子も、空復という束縛から逃れることはできない。
仮に、それが仮想世界の話であったとしてもだ。
マトリックスの中には、仮想世界の方で有名人になったり上手いものを食った方がいいというシーンが出てくる。
大賛成だな(そうなのかあ?)。
ヨタ記事はこのくらいにして、仮想世界の昼飯でも食ってこよう・・・。
航空機の強度試験に於けるシミュレーションの話を考えていて、以前取り上げていたVRの話を思い出した。
考えてみれば、仮想の空間の中に、現実世界を作り上げるというのは奇妙な話だ。
浮沈子が好きな話に胡蝶の夢というのがある。
(胡蝶の夢)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%A1%E8%9D%B6%E3%81%AE%E5%A4%A2
「夢の中の自分が現実か現実の方が夢なのかといった説話」
ウィキにはぐちゃぐちゃと解説が書いてあるが、鬱陶しいだけだな。
浮沈子的解釈は異なる。
脳が認識しているのは、全て仮想なのだ。
視覚とか聴覚といったセンサー、脳が受け取る大部分の情報だと言われる内臓からの信号、脳自身の信号である記憶、知識、概念、クオリアを含めたあらゆる「現実」は、全て仮想だ。
だからこそ、VRは成立する。
リアリティを作り上げているのは、脳自身だからな。
高精細なモニターとか、立体音響などは、没入感を助けるだけで、本質じゃあない。
極端な例を挙げれば、単なる記号の羅列に過ぎない小説とか読んで泣いたり笑ったりするしな。
脳が仮想現実を作り上げる能力は、驚くべきものだ。
その能力があんま高いと、リアルな世界で生きられなくなって、病院送りになったりもするしな。
電波が見えたり、自分がナポレオンだとか言ってみたり・・・。
荘子は、自分が蝶になったという「夢」を見たらしいが、ホントは違うんじゃないのかあ?。
まあいい。
蝶といえば、モンシロチョウの話もある。
(モンシロチョウ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%A6
「翅に紫外線を当てるとメスの翅が白く、オスの翅が黒く見えるため、オスメスの区別がよりはっきりする。紫外線は人間には見えないが、モンシロチョウには見えると考えられていて、モンシロチョウはこの色の違いでオスメスの判別をしているとみられる。」
そうか、モンシロチョウのオスは、メスの白い翅見てハアハアしてるわけか(子供は分かんなくていいです!)。
人間のメス(失礼!)が、紫外線を反射する日焼け止め塗るのは、そのせいかもな(モンシロチョウのオス誘惑してどーする?)。
まあ、どうでもいいんですが。
他の生物に、人間の意識と同じようなものがあるかどうかは知らないが、彼らもまた、同じ様に彼らなりの仮想世界に住んでいるんだろう。
モンシロチョウの仮想世界、犬や猫の仮想世界、ゾウリムシの仮想世界などなど。
外来の刺激に反応して、何らかの変化を起こすシステムは、それなりの仮想世界を有するといってもいいかも知れない。
ただの一臓器に過ぎない脳が仮想世界を有するというなら、生化学的にはより複雑な仕組みを持つ肝臓とかだって、独自の仮想世界を持っているに違いない。
ちきしょうめ、今日はアルコールをしこたま処理しなくちゃならん、勘弁してくれー・・・。
残業までさせられると、脳の方は、それを二日酔いと認識するわけだな。
やれやれ・・・。
生命の器官である臓器が、刺激ー反応系の仮想世界を持つということになれば、個々の細胞だって十分仮想世界を持つと言える。
単細胞生物もそうだし、生命かどうか議論があるウイルスだって、十分だ。
ある環境に置かれれば、バンバン増殖しちまうしな。
先日の風邪はつらかったからな・・・。
いや、生物系に限らないかもしれない。
仮想世界は、無生物にだって存在する。
分かりやすいのは、やはりコンピューターとかだろう。
入力に応じて、出力を返す計算機だ。
自動販売機だって、お金を入れてボタンを押せば商品が出てくる(最近は、カードやスマホで買えるようですが)。
刺激ー反応系の仮想世界は、彼らの中にもあるのかもしれない。
浮沈子の好きな映画にブレードランナー(第一作)というのがある。
(ブレードランナー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC
「1982年公開のSF映画。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としている。」
SFの世界では、非生物(つーのかあ?)であるアンドロイドが意識を持つのは当たり前という感じだが、そこんとこを突き詰めた話なのかもしれない(精神を安定させるために、偽の記憶を持たせたりするしな)。
少なくとも、独自の仮想世界を持つことは確かだ。
複雑であるかそうでないかは、仮想世界の存在とは本質的には関係ない。
より複雑であれば、人間の脳が持つ仮想世界に似ているかもしれないという期待はある。
しかし、単純だからといって、そこに仮想世界がないとは言えない。
電灯のスイッチにも、仮想世界がある(オンとオフだけですが)。
今日のブログでは、仮想世界と呼んでいるが、意識と言い換えてもいいかも知れない。
ただし、意識というと、どうしても人間臭くなるからな。
モンシロチョウの意識というと、???となるが、彼らの仮想世界ということなら、まあ、受容できないことはない。
生命という特異な化学反応系を、無生物を含めた仮想世界仮説から捉え直してもいいのかもしれない。
更に極論すれば、非生物である物質に仮想世界があるなら、分子や原子、それらを構成する素粒子や場にも、仮想世界は存在する。
極域の夜空に妖しく舞う赤や緑(人間の目には白色っぽく見えるらしい)のオーロラが見えるのは、太陽からの荷電粒子によって地球磁場が乱され、高空(100kmから400km)に漂う酸素原子とか(の電子)が励起され、電子が元の軌道に戻る際に発する特定波長の光子などのせいだという。
太陽にも仮想世界があり、地球磁場にも仮想世界がある。
もちろん、原子状酸素にも。
ここでいう仮想世界は、単なる物理法則と置き換えることが可能かもしれないけど、身も蓋もない話だな。
いつだったか、シミュレーション仮説について調べたこともあった。
(シミュレーション仮説)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E4%BB%AE%E8%AA%AC
「・過去に関するシミュレーションが多数実行されると想定することは妥当である。
・そうであれば、そのようなシミュレーションの中でさらにシミュレーションが行われ、再帰的に派生していくだろう。
・従って、我々が多数のシミュレーションのいずれかに存在しているか、実際の宇宙に存在しているかは不明であり、可能性としてはシミュレーション内の方が高い。」
浮沈子には、ワケワカの話だな・・・。
今日の記事は、この世がシミュレーションだと言っているわけではない(言ってないわけでもないけど)。
とりあえずは無関係だ。
観測される宇宙には、観測機器自体の仮想世界があり、その部品の仮想世界があり、それらからの刺激(観測結果)を認識する人間の仮想世界と共に、無数の仮想世界の重層が組み込まれているということだ。
シミュレーションであれ、仮想世界であれ、何らかの物理的束縛を受けている(それ自体がシミュレーション?)。
与太ブログを綴る浮沈子も、空復という束縛から逃れることはできない。
仮に、それが仮想世界の話であったとしてもだ。
マトリックスの中には、仮想世界の方で有名人になったり上手いものを食った方がいいというシーンが出てくる。
大賛成だな(そうなのかあ?)。
ヨタ記事はこのくらいにして、仮想世界の昼飯でも食ってこよう・・・。
伏兵HX-1(仮称)現るも、まあ、来年は飛びそうにもないからな ― 2019年12月02日 23:34
伏兵HX-1(仮称)現るも、まあ、来年は飛びそうにもないからな
そんなことは何処にも書いていない記事から。
(中国、火星探査機「火星一号」の着陸試験に成功 - 2020年に打ち上げへ)
https://news.mynavi.jp/article/20191202-930823/
「火星一号は、火星を周回する周回機と、火星の地表に着陸する着陸機、そして探査車からなる大型の計画である。」
「探査車の質量は約240kgほどで、太陽光で駆動し、航法や探査に使う各種カメラのほか、レーザー誘起ブレークダウン分光計、磁場検出器、地中レーダーなどを搭載する。なお、中国はすでに月に、「玉兎」という探査車を2機送り込んでおり、この火星一号の探査車の開発にもその技術が活用されている。ただし、質量は2倍ほど大きくなっている。」
探査車の名称も分からないし、その目的の中には怪しげな話は見当たらない。
長征5号で来年打ち上げる予定だというが、ロケットは前回の打ち上げ(2017年)に失敗した後、遅れに遅れて、とても来年の打ち上げに使える様子はない(一応今月中に、前回のリベンジミッションとして打ち上げ予定のようです)。
仮に打ち上げに成功したとしても、火星に探査機を送り込むことができるかどうかは未知数だ(中国は、やったことないしな)。
それでも、周回機を送り込めれば快挙になる。
火星周回機では、インドに後れを取ってしまったからな。
今回の計画は、それを一気に覆す意欲的なものだ。
成功すればチャンドラヤーン2で煮え湯を飲まされているインドは、悶絶死確実だな(そうなのかあ?)。
(月探索機チャンドラヤーン2号の着陸船墜落をインド政府が公式に認める:追加)
https://gigazine.net/news/20191129-india-acknowledges-crash-chandrayaan2/
「9月8日にはオービターのカメラが着陸予定地点からほど近い場所にあるビクラムを捉えたため、通信の復旧が試みられていました。」
(NASA月周回衛星、月面に墜落したインド着陸船を発見:追加)
https://www.afpbb.com/articles/-/3257777
「着陸船ビクラムが9月6日(インド時間9月7日)に月面に衝突した場所と、数キロにわたって約20か所に破片が散乱している様子などを公開した。」
中国は、なんたって月着陸を果たし、ローバーも走らせている。
植物や動物も月面に送り込んで、鼻息が荒い。
近々、月からのサンプルリターンも計画されているという。
まあ、そんなもんは、米国やロシアが20世紀後半に達成してるからな。
成功したとしても、それ程のインパクトはない。
火星探査車が、サンプルリターンとかしない限り、米欧(ロ)の優位は安泰だ。
それだって、マーズ2020でパッキングしたサンプルを回収できるかどうかは未定だし、浮沈子は良くて2030年代、下手すれば火星に塩漬けになると見ている。
ったく、ちんけな話だと高を括っていたら、とんでもないことが書いてある記事を見つけた。
(中国は2020年に火星にローバーを着陸させる予定:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.inquisitr.com/5253291/china-mars-probe-2020/
「このプロジェクトでは、赤い惑星の表面から岩石や土壌のサンプルを収集し、今後10年で最終的に地球に輸送することを目的として、着陸船、ローバー、衛星を火星に送ります。」
「すべてが計画通りに進んだ場合、HX-1は火星からサンプルを持ち帰る最初の惑星間ミッションになる可能性があります。」
「HX-1ミッション中に収集された貴重なサンプルは、2030年までに地球に届けられる予定です。」
火星のサンプルリターンといえば、惑星探査の聖杯と言われている。
中国は、インドになんか目もくれずに、いきなりトップを狙って博打に出たわけだ。
マジか!?。
(中国は来年、火星への打ち上げを望んでいます。最初の火星の土壌サンプルを地球に持ち帰るという野心的な計画の一部です)
https://www.businessinsider.com/china-mars-spacecraft-launch-2020-rover-sample-return-2019-1
「中国は最近、月の裏側に最初の宇宙船を上陸させ、年末に月のサンプルリターンミッションを開始する予定です。」
「中国国立宇宙局は、2020年半ばに打ち上げられ、2021年初頭に到着する予定のロボット火星ミッションにも取り組んでいます。」
「成功すれば、そのミッションにより、将来の火星ミッションで、2030年までに赤い惑星の土壌と岩石の原始的なサンプルを地球に戻すことができます。」
火星探査の歴史を一気にぶち抜いて、初めての自前のチャレンジでトップに立とうとしている。
しかも、既に2020年代の回収を視野に入れいているわけだ。
具体的な記述が少なく、サンプル採取してパッケージする仕掛けの情報もない。
ひょっとしたら、今後打ち上げられる別の探査機に委ねられているのかも知れないが、それが実現するのは早くても2022年ということになる。
更に、そのサンプルの回収ということになれば、2024年打ち上げだ。
持ち帰るのは、最短でも2026年。
計画の遅れがつきものの中国の宇宙開発を考えれば、10年単位の遅れは十分あり得る。
地球低軌道上の宇宙ステーションや無人の月面基地建設、有人月面探査など、スケジュールが目白押しの中で、如何に聖杯と言えども最優先での実行が可能かどうかだな。
加えて、主力ロケットの不調もある。
長征5号が飛ばなければ、話は始まらない。
浮沈子は、一瞬焦ったけど、落ち着いて考えれば可能性はあっても蓋然性に乏しい話と分かった。
中国が、惑星探査の聖杯を手にするのは、当分先の話だ。
しかし、それを念頭にして惑星探査計画が練られていくこともまた、確かなようだしな。
月に行ったって、そこから何かを持ち帰ったとしても、21世紀ではだれも驚かない。
万博で月の石出して大騒ぎしたのは、もう半世紀も前の話だ。
まあ、2025年の大阪・関西万博に火星の石でも展示することができれば快挙だがな。
長蛇の列は間違いない。
しかし、ひょっとしたら、その列が出来るのは米国とか欧州のパビリオンではなく、五星紅旗が翻る建物になるわけだ。
(2025年日本国際博覧会)
https://ja.wikipedia.org/wiki/2025%E5%B9%B4%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8D%9A%E8%A6%A7%E4%BC%9A
「テーマ:「いのち輝く未来社会のデザイン」」
まあ、どうでもいいんですが。
火星由来の生命とか見つかれば、テーマにも沿っていていうことないけどな。
まず、そうはならないに違いない。
せいぜい、2回目の月の石とか展示して、お茶を濁すことになる。
来年の火星行きは、このほかにも欧州とロシアが行うエクソマーズ2020や、本命のマーズ2020、大穴(!)のアルアマルがある。
2年に1度の火星祭。
昨年は、現在穴掘りで悪戦苦闘しているインサイトだけだったからな。
賑やかになって結構な話だ・・・。
(2016年の中国の宇宙:追加:自動翻訳とはいえ、大層なタイトルだな・・・)
http://www.cnsa.gov.cn/n6758824/n6758845/c6772477/content.html
「第三に、今後5年間の主なタスク:
(D)深宇宙探査:
中国初の火星探査ミッションを実施し、火星の軌道、着陸、パトロール検出などの重要な技術を打ち破ります。最初の火星探査機は2020年に打ち上げられ、共同の軌道探査とパトロール探査を実施します。火星のサンプリングと帰還、小惑星探査、木星システム、惑星侵入検知の計画を実行して、実証と重要な技術研究を深め、適切な時期にプロジェクトの実施を開始し、太陽系の起源と進化、地球外生命情報探査などの主要な科学的問題を研究します。」
うーん、5年計画の中で、さらっと触れられている程度だからな。
そんなことは何処にも書いていない記事から。
(中国、火星探査機「火星一号」の着陸試験に成功 - 2020年に打ち上げへ)
https://news.mynavi.jp/article/20191202-930823/
「火星一号は、火星を周回する周回機と、火星の地表に着陸する着陸機、そして探査車からなる大型の計画である。」
「探査車の質量は約240kgほどで、太陽光で駆動し、航法や探査に使う各種カメラのほか、レーザー誘起ブレークダウン分光計、磁場検出器、地中レーダーなどを搭載する。なお、中国はすでに月に、「玉兎」という探査車を2機送り込んでおり、この火星一号の探査車の開発にもその技術が活用されている。ただし、質量は2倍ほど大きくなっている。」
探査車の名称も分からないし、その目的の中には怪しげな話は見当たらない。
長征5号で来年打ち上げる予定だというが、ロケットは前回の打ち上げ(2017年)に失敗した後、遅れに遅れて、とても来年の打ち上げに使える様子はない(一応今月中に、前回のリベンジミッションとして打ち上げ予定のようです)。
仮に打ち上げに成功したとしても、火星に探査機を送り込むことができるかどうかは未知数だ(中国は、やったことないしな)。
それでも、周回機を送り込めれば快挙になる。
火星周回機では、インドに後れを取ってしまったからな。
今回の計画は、それを一気に覆す意欲的なものだ。
成功すればチャンドラヤーン2で煮え湯を飲まされているインドは、悶絶死確実だな(そうなのかあ?)。
(月探索機チャンドラヤーン2号の着陸船墜落をインド政府が公式に認める:追加)
https://gigazine.net/news/20191129-india-acknowledges-crash-chandrayaan2/
「9月8日にはオービターのカメラが着陸予定地点からほど近い場所にあるビクラムを捉えたため、通信の復旧が試みられていました。」
(NASA月周回衛星、月面に墜落したインド着陸船を発見:追加)
https://www.afpbb.com/articles/-/3257777
「着陸船ビクラムが9月6日(インド時間9月7日)に月面に衝突した場所と、数キロにわたって約20か所に破片が散乱している様子などを公開した。」
中国は、なんたって月着陸を果たし、ローバーも走らせている。
植物や動物も月面に送り込んで、鼻息が荒い。
近々、月からのサンプルリターンも計画されているという。
まあ、そんなもんは、米国やロシアが20世紀後半に達成してるからな。
成功したとしても、それ程のインパクトはない。
火星探査車が、サンプルリターンとかしない限り、米欧(ロ)の優位は安泰だ。
それだって、マーズ2020でパッキングしたサンプルを回収できるかどうかは未定だし、浮沈子は良くて2030年代、下手すれば火星に塩漬けになると見ている。
ったく、ちんけな話だと高を括っていたら、とんでもないことが書いてある記事を見つけた。
(中国は2020年に火星にローバーを着陸させる予定:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.inquisitr.com/5253291/china-mars-probe-2020/
「このプロジェクトでは、赤い惑星の表面から岩石や土壌のサンプルを収集し、今後10年で最終的に地球に輸送することを目的として、着陸船、ローバー、衛星を火星に送ります。」
「すべてが計画通りに進んだ場合、HX-1は火星からサンプルを持ち帰る最初の惑星間ミッションになる可能性があります。」
「HX-1ミッション中に収集された貴重なサンプルは、2030年までに地球に届けられる予定です。」
火星のサンプルリターンといえば、惑星探査の聖杯と言われている。
中国は、インドになんか目もくれずに、いきなりトップを狙って博打に出たわけだ。
マジか!?。
(中国は来年、火星への打ち上げを望んでいます。最初の火星の土壌サンプルを地球に持ち帰るという野心的な計画の一部です)
https://www.businessinsider.com/china-mars-spacecraft-launch-2020-rover-sample-return-2019-1
「中国は最近、月の裏側に最初の宇宙船を上陸させ、年末に月のサンプルリターンミッションを開始する予定です。」
「中国国立宇宙局は、2020年半ばに打ち上げられ、2021年初頭に到着する予定のロボット火星ミッションにも取り組んでいます。」
「成功すれば、そのミッションにより、将来の火星ミッションで、2030年までに赤い惑星の土壌と岩石の原始的なサンプルを地球に戻すことができます。」
火星探査の歴史を一気にぶち抜いて、初めての自前のチャレンジでトップに立とうとしている。
しかも、既に2020年代の回収を視野に入れいているわけだ。
具体的な記述が少なく、サンプル採取してパッケージする仕掛けの情報もない。
ひょっとしたら、今後打ち上げられる別の探査機に委ねられているのかも知れないが、それが実現するのは早くても2022年ということになる。
更に、そのサンプルの回収ということになれば、2024年打ち上げだ。
持ち帰るのは、最短でも2026年。
計画の遅れがつきものの中国の宇宙開発を考えれば、10年単位の遅れは十分あり得る。
地球低軌道上の宇宙ステーションや無人の月面基地建設、有人月面探査など、スケジュールが目白押しの中で、如何に聖杯と言えども最優先での実行が可能かどうかだな。
加えて、主力ロケットの不調もある。
長征5号が飛ばなければ、話は始まらない。
浮沈子は、一瞬焦ったけど、落ち着いて考えれば可能性はあっても蓋然性に乏しい話と分かった。
中国が、惑星探査の聖杯を手にするのは、当分先の話だ。
しかし、それを念頭にして惑星探査計画が練られていくこともまた、確かなようだしな。
月に行ったって、そこから何かを持ち帰ったとしても、21世紀ではだれも驚かない。
万博で月の石出して大騒ぎしたのは、もう半世紀も前の話だ。
まあ、2025年の大阪・関西万博に火星の石でも展示することができれば快挙だがな。
長蛇の列は間違いない。
しかし、ひょっとしたら、その列が出来るのは米国とか欧州のパビリオンではなく、五星紅旗が翻る建物になるわけだ。
(2025年日本国際博覧会)
https://ja.wikipedia.org/wiki/2025%E5%B9%B4%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8D%9A%E8%A6%A7%E4%BC%9A
「テーマ:「いのち輝く未来社会のデザイン」」
まあ、どうでもいいんですが。
火星由来の生命とか見つかれば、テーマにも沿っていていうことないけどな。
まず、そうはならないに違いない。
せいぜい、2回目の月の石とか展示して、お茶を濁すことになる。
来年の火星行きは、このほかにも欧州とロシアが行うエクソマーズ2020や、本命のマーズ2020、大穴(!)のアルアマルがある。
2年に1度の火星祭。
昨年は、現在穴掘りで悪戦苦闘しているインサイトだけだったからな。
賑やかになって結構な話だ・・・。
(2016年の中国の宇宙:追加:自動翻訳とはいえ、大層なタイトルだな・・・)
http://www.cnsa.gov.cn/n6758824/n6758845/c6772477/content.html
「第三に、今後5年間の主なタスク:
(D)深宇宙探査:
中国初の火星探査ミッションを実施し、火星の軌道、着陸、パトロール検出などの重要な技術を打ち破ります。最初の火星探査機は2020年に打ち上げられ、共同の軌道探査とパトロール探査を実施します。火星のサンプリングと帰還、小惑星探査、木星システム、惑星侵入検知の計画を実行して、実証と重要な技術研究を深め、適切な時期にプロジェクトの実施を開始し、太陽系の起源と進化、地球外生命情報探査などの主要な科学的問題を研究します。」
うーん、5年計画の中で、さらっと触れられている程度だからな。
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