🚀スターシップ:雨上がりの火星移民2024年11月15日 10:43

スターシップ:雨上がりの火星移民
スターシップ:雨上がりの火星移民


(SpaceX、6回目のスターシップ試験打ち上げに備える:いつ実施されるかは不明)
https://www.teslarati.com/spacex-readies-sixth-starship-test-launch-date/

「数週間前、同氏はスペースXがブースターと上段の両方のキャッチを試みることはできるが、実現は来年になりそうだと述べた。」

えーとですねえ、問題はそこじゃないんですけど・・・。

「テキサス州ブラウンズビルでは、11月18日、19日、20日の午前8時から午後10時まで、SpaceXの活動のために道路が封鎖される。」

「スペースXは、テスト飛行は11月18日月曜日に予定されていると述べたが、同社が準備を進めていることは明らかである。」

もちろん、そっちでもない。

「マスク氏が最近、2年以内にロケットを火星に送りたいと明らかにした」

ファルコンヘビーの打ち上げでは、地球ー火星軌道(やや外側まで)にスターマン(宇宙服着せてテスラロードスターに乗せたマネキン)を送り込んでいるからな。

(スターマンはどこにいる?宇宙でイーロン・マスクのテスラ・ロードスターを追跡!)
https://www.whereisroadster.com/

「2018 年 2 月 6 日、UTC 20:45 に、最初のファルコン ヘビーが宇宙に打ち上げられました。これには、スターマンを搭載したテスラ ロードスターという非常に特別なペイロードが搭載されていました。」

無人飛行で火星に送り込むくらいなら、想定の範囲内だ(着陸とかは出来なくても、周回軌道くらいには送れるかもしれない)。

問題は次だ・・・。

「それから2年後、彼はスターシップに人間を乗せて火星への初の有人飛行を試みたいと考えている。」(テスララティ)

「火星への最初の宇宙船は、地球と火星間の次の移動期間が開かれる2年後に打ち上げられる予定です。無人機で火星に無傷で着陸できるかどうかをテストします。着陸がうまくいけば、火星への最初の有人飛行は4年後になります。」(同上)

べらぼーめ・・・。

先日も、鳥嶋さんの記事を読んで、強烈な違和感を感じた。

(ロケットを「箸」で捕まえた日 - スペースXが見せた技術力と火星移住への道筋)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20241113-3063874/

「そう遠くないうちに、人工衛星を載せて飛ぶようになり、数年以内には人を乗せて飛び、そして月や火星に行く日も来るかもしれない。」

「スターシップ2は、再設計した前方フラップ、より大きな推進剤タンク、新型の耐熱タイルと二次熱保護層などを特徴とし、スペースXが目指すスターシップの理想像――人類の火星移住を実現するための移民船により近づく。」

「火星移住という目標を掲げる同社にとって、それはまさに「うまい飯なら箸をおかぬ」ことだろう。」

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子的には、2段目使い捨てのスターリンクV2.0フルの打ち上げが先行し、2段目の再使用にチャレンジしながら実績を積み、その間にHLSやタンカー、軌道上燃料保管機(デポ)、一般の衛星打ち上げ(20機くらいまとめて)を展開するのに数年かかると見ている。

2段目の回収が安定するまでには、少なくとも100回程度の連続回収を成功させる必要があるだろうしな。

有人での回収(有人の場合は例外なく回収しなければならない)に至っては、慎重に慎重を期す必要がある。

有人で打ち上げ、軌道上でクルードラゴンに乗り換え(初期のうちならISSを経由できるかも)、スターライナーのCFTみたいに、片道切符で運用するテストも行われるに違いない(乗員は、クルードラゴンで帰還)。

で、いよいよ、満を持して有人での回収を行うわけだ(ドキドキ!)。

失敗すれば犠牲者が出るわけで、決死の覚悟が求められる(そうなのかあ?)。

10年以内に、そんなことが起こるとは、浮沈子にはとてもとても、とてもとてもとても考えられない。

4年後に、有人火星飛行だってえ?。

ありえねー・・・。

鳥嶋さんがいうように、「数年以内に人を乗せて飛ぶ」可能性はある。

上記のように、片道切符で打ち上げて帰りはクルードラゴンという寸法だ。

2段目にクルードラゴン積んで、軌道上で放出するという形態も考えられる(ややムリポ?)。

で、2段目はクルードラゴンとは別に再突入させて回収テストだ。

クルードラゴンだけじゃもったいないから、別途スターリンクも積むかもしれない。

そういう、クルードラゴンとの併用期間を経て、十分な実績とダメ出しをしてから有人再使用に踏み切る。

その際の2段目の回収方法については、抜本的な見直しが必要になるかもしれない。

鳥嶋さんもそのことは認識している。

「もちろん、課題はまだ多い。たとえば、箸で捕まえるという方法が本当に最適かは議論の余地があるだろう。」

「しかし、スペースXの強みは、実際にやってみたことで、その長所も短所も知ることができたという点にある。改良が必要なら改良し、使い物にならないようならまた別の方法を考える――スペースXの開発のスピード感なら、どういう選択肢を取るにしてもすぐに対処できるだろう。」

浮沈子的には、別の方法を考える方を強く勧める。

確認しておこう。

スターシップの開発が順調に進み、スターリンクの打ち上げに用いられる目途が立ったとしても、2段目の回収を伴う有人化までには更なる開発が必要になる。

とても4年後に間に合う話ではない。

火星との会合周期が2年余りということで、イーロンマスクは最短のスケジュールを描いたのかもしれないが、そして、そりゃあいつものことなんだが、実現可能性はゼロだ(断定的!)。

S社の目標が、火星移民であることは周知だ。

が、単発で火星周回、よしんば、1回限りの着陸が出来たとしても、「移民」なんて話は実現可能性すら怪しい。

浮沈子的には、火星周回飛行すら不可能と信じている。

無重力、放射線、ありとあらゆるトラブル対応・・・。

いつか、人類はそれらを克服して、惑星間飛行を成し遂げるかもしれない。

リサニップが言うように、遺伝子を組み替えて放射線耐性を向上させ、無重力による筋肉や骨の縮退や眼球の変性を抑制し、長期の宇宙飛行に適応させることが出来るようになるかもしれない(<以下追加>参照)。

工学的にも、効率的なエンジンの開発で飛行期間を短縮したり、何らかの方法で人工的な重力を発生させ、画期的な放射線遮蔽を行い、生体への影響を緩和することも考えられるからな。

でも、それは「4年後」じゃない!。

40年後でも怪しい。

月でさえ、前回の有人飛行から50年以上経過していることを考えると、実現していないと考えるのが自然だ(技術的にはともかく、政治的経済的社会的な問題か)。

400年後くらいなら、まあ、あり得ないとまでは言わない(んな先のことは知ったこっちゃないしな)。

それでも、単発ならともかく、「移民」なんて話は眉唾物だ。

まあ、どうでもいいんですが。

宇宙開発は莫大なリソースを投じて行われる。

ちまちました計画じゃない。

人類の夢を託すに足る、稀有壮大な目標が必要だ。

だから、イーロンマスクじゃなくたって、大ぶろしきを広げたがる気持ちも分からないではない。

恒星間飛行やら、ワープやら、科学とフィクションの境界領域の怪しげな話が跋扈する。

が、夢は夢に過ぎない。

S社は、垂直打上ロケットで、パワードランディングさせるというロケット工学の金字塔を打ち立てつつある。

1段目の回収は、実績的には、ほぼ達成したと言っていい(名目上は、まだ試験段階ということになっている)。

2段目の完全回収は、これからの課題だ。

それは素晴らしいことには違いないし、打ち上げ頻度の向上とコストの低減を実現し、宇宙へのアクセスに新しい時代を開くことは間違いない。

そのことに対する肯定的評価と、詐欺紛いの「火星移民」の話を混同してはならないだろう。

そこには、無限の隔たりというよりは、質の異なるものを感じる。

現在見えているロケット技術の延長線上に、火星移民はない。

何か、画期的なブレイクスルーがなければ、いいとこ月面基地止まりだ。

それにしたって、40年後に実現するかどうかは怪しい。

非軍事の宇宙開発は、民間の投資を呼び込むためにありとあらゆる手練手管を繰り出してくるに違いない。

月面開発なんて、その最たるものだ。

資源開発を餌にして、次々と探査機を送り込んでいる。

火星移民は、それに比べたら、まだ「将来の夢」を謳っている分、罪一等軽いかもしれない。

それでも、それを目標としてスターリンクの収益を充てるとしたら問題だろう。

もっとも、それはスターリンクの宣伝費用の一部なのかもしれない。

スターリンク(アンテナやサービス)を買うと、火星移民の夢が漏れなくついてくるわけだ。

浮沈子は、むしろ、ネットに繋がらない贅沢を選ぶな。

さて、そろそろパソコンの前を離れて、フィットネスにでも行ってこようか。

雨も、どうやら上がったようだしな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(TED日本語 - リサ・ニップ: 宇宙での生存に備えて人類が進化する方法)
https://digitalcast.jp/v/24426/

「いつの日か地球を離れ宇宙を探検するとしたら、人間の体は厳しい宇宙空間環境で生き延びる為にかなりの改善が必要です。リサ・ニップは、合成生物学の力を用いて地球上の微生物の、放射能さえ耐え得るような能力を活用し、宇宙探検ができるように人類を進化させたいと考えています。「私たちは意思に基づいた遺伝子的進化の時代に近付いています」とニップは語ります。「人体の機能に新たな能力を加え高めるというのは、もはや『どうやって』という問題ではなく、『いつ、やるか』なのです」」

このページには、日本語の字幕のテキストも掲載されている。

数年ぶりに改めて読んだんだが(面倒くさいのでビデオは観ない)、浮沈子とはそりが合わない考え方だな。

「宇宙は凍える寒さで 厳しく過酷な環境です 私たちの星々への旅は 試練に満ちたものになり 我々は人類が何なのか そしてどう進化するのか という問いに 向かい合うようになるでしょう」

「その答えは 私たちが これまで集積して来た 技術を使うか使わないかに かかっていて 宇宙における人類の運命を 決定づけることになるでしょう」

意図的に進化を特定の方向に加速させる合成生物学。

分かりやすいアニメのページもある。

(長期間の宇宙旅行をヒトは生き延びられるでしょうか?ーリサ・ニップ)
https://www.ted-ja.com/2017/06/chang-qi-jian-noyu-zhou-lu-xing.html

「長期間の宇宙旅行は人体に大きな負担を与えます。微小重力は筋肉や骨の発達を妨げ、大量の放射線を浴びると非可逆的な突然変異を起こします。人類が宇宙旅行に真剣に取り組むことになれば、そこに大きな疑問が持ち上がります。地球の軌道を超えられたとしても、極限の宇宙環境に私たちは順応できるのでしょうか?リサ・ニップがその可能性を解説します。 講師:リサ・ニップ アニメーション:Bassam Kurdali *このビデオの教材 : http://ed.ted.com/lessons/could-we-survive-prolonged-space-travel-lisa-nip」(キャプションより)

浮沈子は、人類はこの地球上から出るべきじゃないという考えに凝り固まっている。

この星で生まれ、この星で生き、この星で滅ぶ。

しかし、生存権を拡張しようとするのは生命の方向性の一つかもしれない。

それが、単なる「拡散」ではなく、能動的な「進出」なだけの話なのかもしれない。

我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか。

(我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%91%E3%80%85%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%8B%E3%82%89%E6%9D%A5%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B_%E6%88%91%E3%80%85%E3%81%AF%E4%BD%95%E8%80%85%E3%81%8B_%E6%88%91%E3%80%85%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%B8%E8%A1%8C%E3%81%8F%E3%81%AE%E3%81%8B

「タヒチで描かれた作品で、2020年6月現在は米国マサチューセッツ州ボストンにあるボストン美術館に所蔵されている。」

ウィキには、この絵の背景について触れている記述もある。

「・・・この教理における3つの基本的な問答は「人間はどこから来たのか」、「どこへ行こうとするのか」、「人間はどうやって進歩していくのか」であった。ゴーギャンは、後半生にキリスト教に対して猛反発するようになるが、デュパンルーが教え込んだこれらのキリスト教教理問答は、ゴーギャンから離れることはなかったと言える」

このネタは、以前から何度か取り上げているけど、浮沈子の宇宙開発に対する基本的スタンスは変わらない。

生身の人間が進出するには、宇宙空間は過酷過ぎる。

ロボットとかAIとか、そういう「観測者」を代理として送り込むのが最善だ。

この地球という星を大切にし、その上で滅ぶのが相応しい。

ジェフベゾスは、宇宙コロニーを建造するというけど、結局は放棄されるのが落ちだろう。

工学的問題が解決され、合成生物学などの成果が反映され、人類が地球環境でなくても生存できるようになる可能性は皆無じゃない。

今は不可能と思われていることが出来るようになるという、パラダイスな未来論を全否定するわけではないけど、生命とその進化について、浮沈子はタブーを感じている。

神聖にして侵すべからず(天皇じゃないけど)。

神が創りしもの(人の手によらないもの)に瑕疵はない。

人が作りしものは必ず壊れる。

一時的に上手くいったように見えても、長い目で見れば大きな失敗となりかねない。

人類もまた自然の一部なんだから、好きなようにすればいいという話もあるけど、浮沈子的には馴染めない。

しかし、その一方で、自らの視覚を維持するために、人工眼内レンズ入れたりしてるけどな。

結局は、その時々の流れの中で、合理的な妥協点を探っていくしかないんだろう。

合成生物学の成果を導入して、人類を宇宙化するというのは、やり過ぎだと感じる。

でも、いずれはそんなことも、当たり前になっているのかもしれない。

有難いことに、その前にこの世とおさらばするに違いないけどな・・・。

🚀スターシップ:頂点への導き2024年11月18日 06:48

スターシップ:頂点への導き


(ショットウェルはスターシップがスペースXの最も価値のある部分になると予測)
https://spacenews.com/shotwell-predicts-starship-to-be-most-valuable-part-of-spacex/

「スペースXの社長兼最高執行責任者であるグウィン・ショットウェル氏は、スターシップは「私たちを頂点へと導き」、世界で最も価値のある企業の一つになるだろうと語った。」

地球滅亡の日とかになって、スターシップがノアの箱舟のようになれば、金に糸目をつけない輩がいくらでも支払うに違いない。

現在のファルコン9やヘビーですら、打ち上げビジネスに与える影響は計り知れない。

「最終的には、スターシップこそが、私たちを最も価値ある企業の一つに押し上げるものになると思います。スターシップが人類と人間の生活に何をもたらすのか、私たちには想像もつきません。それがスペースXの最も価値ある部分になると思います。」(グウィンショットウェル)

「それは、低地球軌道への積載量が100トンを超える完全に再利用可能なロケットが、打ち上げコストの削減だけでなく、宇宙飛行に関する「すべてを変える」という信念に基づいていると彼女は述べた。「スターシップは非常に大きいため、宇宙に物を送る方法、人々が宇宙を旅する方法の概念がまったく異なります。」」

例として挙げられているのは衛星の修理だが、そんな程度ではない。

「彼女は、スターシップが、すでに400回以上打ち上げられている同社の既存のファルコンロケットシリーズを急速に凌駕すると予測した。「今後4年間でスターシップの打ち上げが400回になっても驚きません」」

ISSは、約400トンと言われている。

400回の打ち上げで毎回100トンのペイロードを上げるということは、4年間でISSを100基建造するのと等しい。

べらぼーめ・・・。

まあ、打ち上げただけじゃダメで、組み立てやら調整やらが必要だろうから、そう単純にはいかないだろうが、それにしても大変な能力ということになる。

民間宇宙ステーションの時代は、必ず拓かれるだろう。

地球低軌道上に、宇宙ホテルが軒を接して回り続けることになる(そうなのかあ?)。

「私たちがやっている仕事は、普通の人が宇宙に行けるようにすることです」

行かないけどな(高所恐怖症なんで・・・)。

スターシップの有人化については、楽観的な見通しを示している。

「・・・これはファルコン9と並行して行われるが、顧客がスターシップに移行するにつれて、乗組員や貨物のミッションに使用されているドラゴン宇宙船とともに、この宇宙船は6年から8年以内に退役する可能性」

最低でも10年はかかると見ているんだがな。

まあいい。

4年後に火星に人類を飛ばすと豪語している誰かさん(って、誰?)に比べれば、極めて保守的なことは間違いない。

スターライナーの開発が続いたとしても、ライバルとなる有人宇宙船はクルードラゴンじゃなく、スターシップかも知れないわけだ。

やれやれ・・・。

再使用ロケットは、各国がしのぎを削って取り組んでいる。

だが、部分的な成功に留まり、完全再使用には至っていない。

S社にしても、ファルコン9では成功しているが、ヘビーではセンターコアの再使用は一度も行っていない(回収したことはありますけど)。

ミッションによっては、サイドブースター含めて全て使い捨てになっている。

弾道軌道ロケットでは、完全再使用も実現しているけど、それはまた別の話だ。

再使用に気を取られているが、スターシップの巨大さも重要だ。

同じヘビーリフターであるSLS(こっちは使い捨て)を凌ぐ巨大さだからな。

ある程度の重量がある単一のペイロードを打ち上げるなら、巨大なロケットが好ましいが、完全再使用の場合、それは必ずしも決定的なメリットとは言えないかも知れない。

地上設備とか、メンテナンスを考えた場合、小型から中型のロケットで、さほど重量がないペイロードを打ち上げるメリットもある。

タイミングとか、独自の軌道とか、頻度とかな。

航空機の場合、機体を製造するメーカーと、運用するキャリアは異なるのが普通だ。

打ち上げロケットも、そういう時代が来るかもしれない。

顧客の需要に柔軟に対応できる組み合わせを考えて、サービスとしての打ち上げを行う。

今は、ペイロードの運用者が、打ち上げロケットを選択しているけど、完全再使用ロケットが普及して、複数社の打ち上げ頻度が向上してくれば、最適なリフターを選択することが出来るようになるかもしれないしな。

相乗り打ち上げとは、ビミョーに異なる。

どうなるのかは分からない。

しかし、それは当分先の話だ。

今のところ、再使用ロケットの打ち上げに成功しているのはS社だけだからな。

完全再使用なスターシップが稼働し始めれば、パラダイム転換が起こる。

他社は、完全に競争力を失う。

価格、能力、頻度が、共に桁違いになっちまう。

当然収益も向上するわけで、それは新たなロケットの開発に振り向けられる(うーん、ひょっとすると火星移民かも知れないけど)。

ちゃんと、ポストスターシップの開発に投資されれば、次は大規模な地上施設を擁しない、手軽な打ち上げロケットになるのかもしれない。

1段目はともかく、2段目は打ち上げに必要な燃料しか積まない。

どーするのか。

軌道上の燃料デポ(給油所)にドッキングして、そこから帰りの分の燃料を調達して、再突入するわけだな。

そこへは、タンカーが頻繁に燃料を供給する。

そういうエコシステムが構築されれば、そこんとこだけデカいロケットを使い、通常の打ち上げは中型で賄える状況が生まれるかもしれない。

帰りの燃料分は、ペイロードの重量増加に割り当てることが可能になる。

まあ、どうでもいいんですが。

完全再使用ロケットが、世界中でバンバン飛び交う時代。

多様なサービスを選んで、宇宙へのアクセスを満喫できる時代。

遠方や長期のミッションはロボットが担い、地球低軌道な短期的な需要で有人化を果たす。

うーん、健全だな。

バスや大型トラックが普及すれば、地上での豊かな移動が可能になる。

それでも、自家用車や軽トラは無くならない。

同じことが、宇宙でも起こるのではないか。

S社一択な状況は、いずれにしても好ましくない。

火星移民を目標としないライバル会社の登場に期待だな・・・。

😼メキシコへの道:第4章:寄り道:ダブルタンク久々2024年11月18日 09:34

メキシコへの道:第4章:寄り道:ダブルタンク久々


11月16日(土曜)と17日(日曜)は、ファンダメンタルズ(レックパス)の講習にお付き合い。

約2年ぶりのダブルタンクだ。

右肩の腱板炎の影響で可動範囲が狭くなり、バルブに届かず(左は届きました)。

もう、ダブルタンクは担げないな(届かないと、トラブル対応が出来ない)。

講習のサポートくらいしかできないだろうし、そのリスクを承知で潜らせてくれるインストラクターとでないと無理だ(荻原さんオンリー?)。

それでも、担いで大瀬の砂利浜を歩いてエントリーエキジットが出来たことは良かった(ウエイトは、ベルトで4kg:インナーは夏用:水温23度)。

水中でのスキルは、まあ、深く追求しないでおこう(フィンキックとベーシック5、Sドリル程度)。

浮沈子は、トリムが後ろ下がりになっているという指摘を受けた(フィン、重いしな(ジェットフィン):ベルトウエイトということもある:プレート側に着けておくべきだったな)。

シェルドライも久々に着たけど、左が袖没したくらいで、致命的な問題にはならなかった(2日目は、問題なし:左肩のバルブ没かと思ったけど、そうではなかったようだ)。

ちょっと、袖のシールにインナーの指紐が噛んでいたのかもしれない。

気を付けよう。

シングルタンクのファンダイブで潜るときは、ネオプレンの方を着ようと思っているから、シェルの出番も少なくなる。

まあいい。

来週も参加予定だったけど、パスすることにした。

自信をもって潜れないと、トラブルを誘発することになりかねないからな。

2人同時にトラブルになれば、当然、講習生優先になる(浮沈子はお陀仏!)。

で、来週はパスして、そのぶん、メキシコ行きまでのどこか(早め!)で國冨か稲取でもう1度潜っておこう。

まだ直してないけど、Dリング(腰の左内側)の変更のチェックもしておきたい。

ラインカッターの替え刃は16日(初日の朝!)に3枚見つけた(外していたパワーインフレーター用の中圧ホース探していて見つけた:近日中に交換予定:忘れないうちに今日やった方がいいな)。

ダブルタンクのレギュレーター(エイペックスTXT50)の片方を、サイドマウントのバックアップ用に組みなおさなければならない(セカンドステージ+ショートホース+75度スイベル+パワーインフレーター用の短い中圧ホース+ゲージ:それも今日やるか)。

國冨では、それで実際に潜れるかどうかも確認しておこう。

予備のバンジーの端の切り落としもやっておこう。

後は、國冨チェックダイブ後の器材の乾燥とパッキングだ。

チェックリストとにらめっこしながら、忘れ物しないようにしないとな(今回、ダブルタンクでの大瀬行きでは、携帯電話を忘れた!:タブレットは持って行ったんだがな)。

やれやれ・・・。

器材は修理や交換できても、生身の頭はそうはいかない。

ファンダメンタルズの学科講習で、SPGは1つだけで予備がない理由を復習したんだが(生身の頭がプライマリーで、器材は「予備」?)、ちょっと不安になった・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

今日は、久しぶりに視野検査を受ける(画面見ながら、光点の点灯のタイミングでボタンを押すゲーム?:結構疲れる)。

体調を整え、いい成績を出さないとな(そういうことかあ?)。

終わったら、久しぶりに川崎のフィットネスでも行こうかな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

結局、川崎へは行かず、予備器材の組み立て(バラバラにしたままだとなくしそうなので)を完了する。

1st、スイベル、レギ用ショートホース、2nd、ゲージ(機械式)、短い中圧ホース(パワーインフレーター用)。

左タンク用に組んだんだ。

次回のチェックダイブで、そのまま交換して潜る。

ダブルタンク用のレギュレーターセット(ロング側)のホース(レギ用とパワーインフレーター用)を短くしてゲージを付けた感じか。

予備用を組んで、時々交換して使っておいた方がいいかもな。

といっても、しょっちゅうサイドマウントで潜るわけでもないけど。

まして、ダブルタンクで潜る機会はさらに少なくなるだろうし。

やれやれ・・・。

最近、一部のレクリエーショナルダイバー()の間で、トランスミッターが流行っている(そうなのかあ?)。

どうも、ダイコンの新しいやつ(当然、トランスミッター対応)を買うと、自然と手が出る感じだ。

商売としては美味しいところだけど、シングルタンクでの効果はどれ程のものか。

サイドマウント(特にケーブダイビング)では、明らかなメリットを感じる(もう、機械式ゲージには戻れないな)。

シングルタンクの場合、ガス量の管理をキッチリ行いながら、確認のために定期的にゲージをチェックするということなら、機械式で十分な気もする。

その習慣が身についた上で、ストリームラインを維持し、アウェアネスを妨げないというニッチなメリットを追求するということなら分からないでもない。

まあ、どうでもいいんですが。

Dリングの位置もずらし、ラインカッターの刃も2個とも替えたし、予備バンジーの余ったところも切り落とした。

後は、最終プレダイブの段取りだ。

それは、明日行う。

今日はここまでだな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーー

Wi-Fiルーターの契約を忘れていたので、本日実施(毎度、グローバルWi-Fi:慣れているだけの選択)。

今回は、受け取りは宅配で、返却は空港(羽田)。

まだ、何か忘れているような気が・・・。

🚀スターリンク:V2ミニの画像2024年11月19日 00:11

スターリンク:V2ミニの画像
スターリンク:V2ミニの画像


(スターリンクに関するニュース:軌道上の衛星の画像、Starship の機内通信の信頼性、テキサス工場など)
https://www.elonx.cz/novinky-o-starlinku-dopad-na-konkurenci-snimek-druzice-na-orbite-spolehlivost-prenosu-pri-letu-starship-a-dalsi/

「5 ~ 7 年前、通信会社は静止軌道 (GSO) フリートを更新するために、毎年平均 20 ~ 25 個の衛星を発注していました。」

そうだよなあ、H3を開発する際の需要予測では、静止軌道に年間20基程度の需要があると見込んでいたと記憶している(未確認)。

今日のように、低軌道にスターリンクのようなコンステレーション(衛星群)が展開するような時代が来るなんて、その頃は誰も信じていなかったからな。

「しかし、Starlink や OneWeb などのコンステレーションの出現は、この傾向に大きな影響を与え、変化させ始めました。メーカー自身も、現在、GSO 衛星の需要が年間 10 ~ 15 個であることを認めています」

もちろん、イジーハダチが指摘している需要の変化もあるけど、衛星寿命が延びているという点も見逃せないだろう。

数年前までは、5年程度の衛星寿命だったが、現在打ち上げられている静止衛星の設計寿命は軒並み15年程度に伸びている。

理由は、電気推進による軌道維持のための燃料消費の効率化だ。

静止衛星の寿命は、その燃料の搭載量で決まると言っていい。

もちろん、通信機(トランスポンダー)の性能とかが向上する置き換え需要はあるだろうけど、まだまだそっちでは使える衛星も、軌道維持が出来なくなって廃棄されることが多いようだ(未確認)。

衛星の軌道を維持するために、燃料を給油したり、推進制御機能を持った別の衛星をドッキングさせたり、推進制御機能だけのユニットを後付けしたり(最近は、これが主流になりつつあるようです)して、衛星寿命を延ばす方向にある。

そうなると、いわゆる静止軌道上での通信衛星の打ち上げは、ますます、どんどん、もっともっと少なくなるかもしれない。

しかし、それは通信需要が減ったからというわけではないだろう。

従来から、静止軌道衛星を用いたコンシューマー向けの市場は、それ程大きいわけではなかった。

主に、企業向けや政府向けにサービスを展開していたわけで、そういう市場が一気にスターリンクやワンウェブに流れているわけじゃない(航空業界とかは、どちらかと言えば、コンシューマー向け市場に敏感だから例外なのかもしれない)。

そう考えると、打ち上げ機数の減少が今後も続くのかどうかは何とも言えない気もする。

まあ、どうでもいいんですが。

スターリンクが成功しているのかどうかだって、何とも言えない。

先日読んだスペースニュースの記事では、赤字か、せいぜいトントン程度で、現在も投資ベースで推移しているようだ(グウィンショットウェルは、今年は黒字にすると言ってたけどな)。

スターシップでV2フル衛星を展開するようになれば、大幅な黒字が見込めるようになるだろう(そうなのかあ?)。

ファルコン9で上げているV2ミニ衛星は、仮の姿だ。

記事には、そのV2ミニ衛星の画像が出ている。

太陽電池パネルが、左右(上下?:えーと、向きは太陽光線の受光によって変わるわけだがな)に展開していることがはっきりと確認できる。

まあ、どっちでもいいんですが。

記事にはS社の公式CGへのリンクもあったので、こっちも確認した。

V2フル衛星が、どういう設計になっているかは不明だが、V2ミニと似た感じだと予想されている。

スターシップのペッツドアから、フラットパネル状の衛星を射出する映像が出回ってるからな。

本体がフラットパネル状であることは確実だ。

で、太陽電池がどう展開されるかということになるが、2枚というのはほぼ間違いないだろう。

折り畳みなのか、それともISSの新しい太陽電池パネルのようにロール式で展開されるのかは分からない(未調査)。

電力需要は数倍に跳ね上がるわけだから、それに応じた面積のパネルが必要になる。

数を打ち上げるので、それほどコストはかけられないから、普及価格帯の太陽電池を使うだろうから、面積の増加は避けられない。

搭載される通信機や推進装置、アンテナなどの大きさよりも、太陽電池パネルの大きさ(面積)が、衛星設計上の制約になるに違いない(未確認)。

スターリンクの場合、長くても7年程度の衛星寿命だから、推進剤の搭載量がネックになっているとは考えづらいからな(未確認:軌道修正の頻度は高そうですが)。

うーん、その辺はどうなんだろう?。

イジーハダチの記事では、そこまでは確認できない。

V2フル衛星が上がるようになれば、そういう話題も出てくるのかもしれない。

今回の記事では、V2ミニ衛星の比較的鮮明な画像が印象的だ。

カラーだしな(色付きを有難がる浮沈子の世代ならでは?:白黒テレビの時代を知っているからな)。

降る雪や、昭和も遠くなりにけり・・・。

😼欧州大戦争:ウクライナの夢2024年11月19日 03:37

欧州大戦争:ウクライナの夢
欧州大戦争:ウクライナの夢


(岐路に差しかかった日本のウクライナ報道)
https://agora-web.jp/archives/241117083519.html

「トランプ氏が選挙戦中に「就任したら停戦させる」と公言し始めたのは、「膠着状態」が続いていた時」

「一年前の戦場の前提は、もはや存在しない。」

「一日でも長く戦争が続けば、その一日分だけ支配地が広がる。」

「つまり今ロシアには、あと2ヶ月の間に大攻勢を仕掛けて、1月20日までに支配地を広げ切っておきたい、という強力な動機づけが働いている。」(篠田 英朗)

今日のニュースは、米国が長距離ロケット砲のロシア領への攻撃を認めたという話題で持ち切りだ。

(ロシア「新たな緊張段階」と警告、 米の長射程攻撃容認報道で)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/7F3FAKKOPZMN7LP4TZ2EMOU65I-2024-11-18/

「ロイターは17日、関係筋の話として、ウクライナが米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することをバイデン政権が許可したと報じた。」

「報道はいかなる公式声明にも基づいていないと指摘」(ロシア大統領府のペスコフ報道官)

「もしそのような決定が下され、ウクライナ政府に伝えられたのであれば、新たな緊張段階となり、この紛争への米国の関与という観点で新たな状況だ」(ペスコフ)

「バイデン米大統領がウクライナに米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することを容認すれば、第3次世界大戦を引き起こすリスクがある」(ロシア与党「統一ロシア」のマリア・ブティナ議員)

もちろん、米国に第3次世界大戦を誘発する意図はない。

篠田氏が指摘しているように、停戦交渉が始まるまでの間、ロシアが進軍しようとしている勢いを、可能な限り押しとどめ、あるいは逆侵攻したクルスク州の占領地を維持するためのものだ。

1月20日になれば、その措置すらどうなるか分からない。

トランプ政権のウクライナ政策がどう変わるかは未知数だ。

が、浮沈子が注目したのは次だ。

「ゼレンスキー政権は、NATO諸国の直接介入でなくても、さらなる桁違いの大量の軍事支援を長期に渡って獲得することを通じて、ロシア軍を駆逐して戦争に完全勝利を収める、という夢を捨て切れていないという立場」

つまりだな、現状及び予想される軍事支援では、「ロシア軍を駆逐して戦争に完全勝利を収める」ことは「夢」、つまり現実的にはあり得ない虚構になってしまっているということだ。

「戦場で負け続けている側が、停戦の可能性を語ることすら拒否している状態になっているので、戦争は終わらない。」

浮沈子的には、逆に「戦場で勝ち続けている側(ロシア)が、停戦の可能性を語っている」ことに違和感を感じている。

プーチンは、言葉とは裏腹に、停戦など望んでいないに違いない。

が、そうだとすれば、1月20日までに、可能な限りの領土を得るために犠牲を顧みずに攻勢をかけているという見立ては崩れる。

つーことはだな、「長期戦でキーウまで進軍するつもり」で進撃を続けるための、これがノーマルな攻勢であり、侵略速度ということになるわけだ(そうなのかあ?)。

やれやれ・・・。

攻撃側も、侵略されている側も、共に停戦の意思がないとすれば、トランプの停戦交渉は失敗に終わる。

何らかの強制力がなければ、当事者のインセンティブだけでは動かない。

米国は、その強制力を発揮するだろうか?。

最大の軍事支援を行っている国であることから、停戦の仲介者として存在することはできないだろう。

中国もまた、非軍事ではあれ、ロシアの最大の支援国として仲介者とはなりえない。

ウクライナはまんざらでもないだろうが、米国が認めないだろう。

中国の仲介による停戦を受け入れるくらいなら、軍事支援を継続した方がマシだ(そうなのかあ?)。

どうするのか。

対立する米中を除いて、この紛争を止められるような大国はない。

ブラジルやインドはその可能性があるけど、西側から見ればロシア寄りに見えるだろうしな。

本来なら、こういう時こそ国連がその役割を果たすべきなんだが、当事者の一方(今回はロシア)が安保理の常任理事国だったりするわけで、完全に機能不全に陥っている。

やれやれ・・・。

グローバルサウスは、もちろん当事者ではないけど、多かれ少なかれロシアや中国、或いは米国の支援を受けている以上、仲介者として双方が納得するような提案は出来まい。

国家というのは、こういう時には不便な枠組みだな。

経済的軍事的な実力を伴うけど、今回のように、支援などを通じて何らかの関係で当事国双方と繋がっている状況では、中立性を維持できない。

現実的かどうかは別として、非政府組織(NPO)が仲介して、停戦を主導するしかないのではないか。

それも、どこか1つが行うのではなく、今回の停戦に特化したパーシャルな連合を組んで取り組む。

NPOに領土的野心はないからな。

活動を行う上での支援関係はあるかもしれないが、国家間のそれよりは希薄と思われる(未確認)。

停戦は、領土の境界を決めて、シャンシャンと手打ちをするだけじゃない。

その境界の位置づけやら、それを維持する方策やら、その後の経過をどう管理するかや、停戦から休戦に至る具体的なプロセスや最終的に終戦するためのビジョンを決める必要もある。

すぐに決まらなければ、継続して協議するための枠組みを作ることも考えなければならない。

復興支援や、そのための経済的裏付け、ドンパチが再開しないような具体策の設定などなど、作業は山のようにある。

双方は、その過程の中で少しでも自国が有利なるようにと、様々な干渉を行うだろうから、それらをうまく調整して、落としどころを探らなければならない。

時間もまた、重要なファクターになる。

停戦合意に至る時間が長すぎれば、停戦そのものが失敗する。

何らかの強制力も必要だろう。

停戦を仲介する組織にそれがなければ、強制力を提供するだけの支援者が必要だ(停戦内容には干渉しない)。

浮沈子は、んなことが出来るのは米軍だけだろうと思っているんだが、ロシアがそれを受け入れることは絶対ないからな。

悩ましいところだ。

まあいい。

米国が長射程兵器のロシア領への使用を認めた目的は不明だが、その期間を含めた効果自体も不明だ。

1月20日になれば、その期間が終わっちまうのか、ウクライナが言うことを聞かずにドンパチし続けるのか。

トランプ政権が、ロシアに対する強制力として継続して長距離兵器を供与し続けるかもしれないしな。

弾道ミサイルに積んだ核弾頭だって、くれてやるかも知れない(そんなあ!)。

トマホークどころじゃないぞと。

まあ、どうでもいいんですが。

確認しておこう。

現状では、ウクライナが占領された領土を武力で奪還することは「夢」となった。

2023年の反転攻勢の失敗、2024年のクルスク逆侵攻とそれをネタにした戦勝計画の不発、2025年のトランプ政権の発足(これが一番ヤバいかも!)。

欧州の政治情勢は不安定化し、ウクライナ支援に対するインセンティブは低下しつつある。

毎度毎度、支援はゆるぎないと宣言し続けているのは、もう、そう言い続けること自体が目的化している証拠だ。

じり貧の中、ウクライナは「戦争の継続」「と矛盾する行動を取る国内の分子に目を光らせ、気に入らない発言をする外国指導者を次々と糾弾している状態」に陥ってしまった。

脅しても、おだてても、もう十分な支援を得る希望は消えた。

ロシアにとって、支援なきウクライナは敵ではない。

どういう形で戦争を終結させるかは、プーチン政権次第ということになる。

長期戦を戦い続けて、全領土の軍事的支配を達成してもいいし、短期に圧力をかけて政治的勝利をもぎ取ってもいい。

現実的には、軍事力と政治力との組み合わせで、両者の中間になるんだろうけどな。

ロシアはロシアで、最大の利益を追求することになるだろう。

もう、夢を追い続けることはできなくなる。

1991年、ウクライナが独立した時の領土を完全に取り戻すことはできない(そうなのかあ?)。

不可能だ(そんなあ!)。

現状の領土の支配を維持し、平和国家として存続することが重要だ。

最近は怪しくなってきてるけど、我が国は79年前「無条件降伏」した後、そういう道を歩んできた。

もちろん、戦争を始めた時の状況は全く異なるし、時代も変わっているけど、じゃあ、あの時、降伏せずに本土決戦した方が良かったのかということもある。

浮沈子は正義派じゃない。

ウクライナの統治がどのように行われようと、知ったことではない。

敢えて言えば、戦闘の終結こそが正義だ。

2022年の今頃は、ウクライナが反撃を繰り返していて、ロシアは追い詰められていた(9月に北東部ハルキウ州のほぼ全域を奪還、11月に南部で州都へルソン市を奪還)。

国際社会(西側だけですけど)の支援も、大いに盛り上がっていたしな。

今にも、ロシアの核兵器が使用されるのではないかという懸念はあったけど、ウクライナにとっては希望があった。

全領土を奪還して、国際社会でプーチンを吊るし上げることが出来るかもしれない・・・。

今、それを口にすることは憚られる事態となっている。

それは、もう、「夢」だと。

やれやれ・・・。

1月20日以降の米国の対応に注目が集まる中、米国の長射程兵器でのロシア領内攻撃が容認されたという報道が流れている(当局の公式発表はない)。

北朝鮮兵士の派兵に対する措置という観測が流れている。

ウクライナは、それで一時の「夢」を見られるかもしれないが、夢は夢に終わるだろう。

その夢から覚めた時の落胆が、より大きくなるだけかもしれない・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(バイデン大統領がATACMS使用制限を緩和、北朝鮮への政治的メッセージ)
https://grandfleet.info/us-related/president-biden-eases-restrictions-on-atacms-use-sends-political-message-to-north-korea/

「バイデン政権が方針を転換してロシア国内に対するATACMSの使用を承認した」(NYT)

「バイデン大統領はロシアがクルスクの戦闘に北朝鮮軍を投入したことを受け、ロシア国内を攻撃するためATACMSの使用を初めて承認した。この方針転換は『北朝鮮に対する政治的メッセージ=ロシア派兵を思いとどまるべき』で戦争の流れを根本的に変えるものとは思っていない。ATACMSは当面『クルスクのウクライナ軍』を脅かすロシア軍部隊と北朝鮮部隊に対して使用される可能性が高いが、バイデン大統領はATACMSの使用範囲を拡大させることも出来る」(同上:当局者の話を引用)

「北朝鮮軍の投入が長距離兵器の使用制限緩和に繋がった格好だが「過度な期待感」には注意が必要」(航空万能論ブログ管理人)

「クルスクのウクライナ軍を脅かすロシア軍部隊と北朝鮮軍部隊、これを支える後方の兵站拠点、弾薬庫、物資集積地、移動手段などの攻撃に当面限定される」(同上)

「ウクライナがATACMSを使用してロシア国内の軍事目標を「自由に攻撃できる」という話ではなく、滑空爆弾を使用するロシア軍機の約90%はATACMSの射程圏外=国境から300km以上はなれた基地に移動しているため、どれだけの効果が見込めるのかはやってみないと分からない。」(同上)

やや引用し過ぎだな・・・。

「ATACMSやStorm Shadow/SCALPの使用制限がないウクライナ国内(特にドネツク)でロシア軍の攻勢が止まっていない」

うーん、そういうことなら、やってみなくても効果が限定されることは明らかだろう。

「オースティン国防長官も「この戦争において長距離攻撃兵器だけが唯一の決定的な手段ではない」と述べ「ATACMSやStorm Shadow/SCALPの制限が解除されれば戦争に勝てる」という考えを窘めている。」

「この方針転換は『北朝鮮に対する政治的メッセージ=ロシア派兵を思いとどまるべき』で戦争の流れを根本的に変えるものとは思っていない。」(NYT:再掲)

やっぱ、1月20日までの期間限定セール(!)のようだ。

んなんで、ウクライナに儚い夢を抱かせるのは罪だな。

「それでもATACMSの使用制限緩和はウクライナにとって朗報であり、クルスク方面の当面の状況改善に役立つだろう。」(航空万能論ブログ管理人)

今更遅すぎる気もする。

ウクライナ戦線に対する効果が限定されていることはもとより、ロシアが停戦を拒否する格好の理由を与えたことになる。

政治的には、米国の対ロシア&北朝鮮政策の一環だろうが、ウクライナにとってはいい迷惑かも知れない(そうなのかあ?)。

東部戦線では効果がなかったことがはっきりしているし、このブログでも既に触れたように、クルスクの逆侵攻が長引くほど東部戦線等で失うものが大きくなるわけだからな。

ぶっちゃけ、米国の政策選択に振り回されている。

もっとも、ゼレンスキーは、東部戦線の後退を「人命尊重」のためだと言っているから、それでいいのかもしれない(<さらに追加>参照)。

ロシアは、人命軽視で領土を侵略し続け、ウクライナは人命尊重で領土を失い続ける。

どっちがいいかは明らかだ(もちろん、人命尊重!)。

自国の人命尊重で領土を奪還するためには、ロシア人の人命を毀損する必要がある。

ロシアに侵略を思いとどまらせるためには、それが割に合わないことを突きつけるしかない。

浮沈子的には、ウクライナの核武装しかないと思ってるんだが、西側はそれを認めないだろうしな(ロシアは、もちろん実力で阻止するだろうし)。

ウクライナの勝利計画には、核武装の代わりにNATOへの早期加盟(またはその確約)が盛り込まれていたが、西側はこれを拒絶した。

核ミサイルの代わりには、トマホーク巡航ミサイルが含まれていたけど、これも拒否されている。

「私が提示した勝利計画の中で長距離攻撃兵器は重要な要素だった。」(ゼレンスキー大統領)

エイタクムスの制限解除は、確かに「重要な要素」かも知れないが、決して戦勝計画の一環として認められたわけではないのだ。

クルスク侵攻は資産から負債に代わり、停戦の足を引っ張るお荷物になっている。

エイタクムスの制限解除もまた、同じ結果を招くかもしれない。

時間が経てば経つ程、ウクライナは多くを失っていく。

ロシアには、領土として得るものがあるけど、ウクライナは人命も領土も両方失い続けることになる。

米国が兵器を供与すればするほど、制限を外せは外すほど、その損失は増加していく。

「バイデン大統領はATACMSの使用範囲を拡大させることも出来る」(再掲)

余計なことを・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(バイデン氏による米製ミサイル使用許可、トランプ次期大統領の側近らが強く非難)
https://www.bbc.com/japanese/articles/ckg0e7408pko

「トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏は、来年1月のトランプ政権発足前に、バイデン氏が「第3次世界大戦を起こそうと」しているとソーシャルメディアに投稿」

「軍産複合体はどうやら、うちの父が平和を作り出して人命を救えるようになる前に、第3次世界大戦を確実に始めておきたいようだ」(トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏)

「米国民は11月5日に、まさに政権最終盤でのこういう決断に反対し、外国の戦争に資金や兵力を提供したくないのだと投票した。私たちは自分たちの問題を解決したい」(トランプ次期大統領を熱心に支持するマージョリー・テイラー・グリーン下院議員)

「次期副大統領のJ・D・ヴァンス上院議員は、これまで常々、ウクライナへの武器供与に反対してきた。ウクライナがロシアへの攻撃で使うミサイルシステムなどの兵器について、アメリカには提供し続ける製造能力がないと次期副大統領は主張」

第1次トランプ政権で欧州安全保障協力機構(OSCE)大使を務めたジェイムズ・ギルモア氏は、異なる意見のようだが今回の政権での役割は見えていない。

まあいい。

「バイデン氏の決定は正式には確認されておらず、今後も確認されない可能性」

そりゃあ、第3次世界大戦を起こそうとしているなんて決定は、決して確認されないだろう(そういうことかあ?)。

「ミサイルそのものが語ることになる」(ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領)

「(バイデン氏が)選挙で任された任期は4年間で、3年10カ月ではない」(国務省のマシュー・ミラー報道官:政権末期に大統領が重大な政策決定をすることの妥当性について問われ)

「私たちは米国民の利益だと信じる政策利益を追求するために、任期の1日1日を費やしていく」「次期政権が別の見方をしたいなら、もちろん、そうする権利はある」「大統領は常に1人しかいない」「次の大統領は、就任したら独自の決断をすればいい」

この時期の決断は、いささか唐突でタイミングが悪い気がする。

北朝鮮の参戦というのも取って付けたような理由だ。

逆に、次期トランプ政権との違いが際立つ可能性がある。

つまり、本当の理由ではないということだ。

バイデン政権は、ウクライナに武器を供給し続けることで、1日でも長く戦争を続けさせようとしているように見える。

じゃあ、トランプ政権は真逆なのかと言えば、必ずしもそういう風にも見えない。

方向性として、停戦を模索することは間違いないだろうが、具体的にどーするのかは依然として不明だ。

浮沈子は、停戦に失敗すると見ているけど、別に一度で成功する必要もない。

イスラエルなんかは、100回くらい失敗しているからな(数えていませんが)。

バーンズ(人質交渉に当たってきたCIA長官)だって、何度も往復している。

ウクライナロシア間だって、100回くらい失敗してもいいだろう(そうなのかあ?)。

停戦に向けて、戦闘を縮小していくのが環境づくりとしては好ましいんだが、残念ながらそういう雰囲気にはない。

「ウクライナではここ数日、ロシアの攻撃で多数の死傷者が出ている。南部オデーサでは18日の攻撃で、警官7人を含む10人が死亡、47人が負傷した。」

やれやれ・・・。

BBCの記事は英文も確認したけど、内容は同様だ。

エイタクムスの制限解除がどのように機能するかは別として、一部の主張のような「ゲームチェンジャー」にはならないだろう。

特定の兵器が戦場を変えることはなかった。

鳴り物入りで供与された戦車も、戦闘機も、ウクライナの反撃を助けることはなかった(まあ、戦闘機は投入されたばかりだけどな)。

エイタクムスは、例外的に効果を発揮していると言われている。

問題は、それ自体の戦場での効果よりも、ロシアがどう反応するかだろうな。

(核ドクトリン修正案、必要なら正式決定とロシア大統領府 米に警告)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/2EN5YYLX3JP5ZCG3HAQLFJBUFE-2024-11-19/

「ロシア大統領府は19日、核兵器使用に関するドクトリン(基本原則)の修正案がすでに策定されており、必要に応じて正式決定すると表明」(タス通信)

「修正されたドクトリンの詳細はまだ公表されていない。」

ウクライナの戦場がどうなるかより、そっちの方がヤバい気がする。

「米大統領選の数週間前にロシアのプーチン大統領は核ドクトリンの変更を命じ、核保有国が支援するロシアへの通常攻撃をロシアへの共同攻撃と見なすことができるとした。」

つまりだな、ロイターははっきり書いてないけど、核保有国である米国が支援するウクライナによるロシアへの通常攻撃(エイタクムスによるロシア領土内への攻撃)を、ロシアへの共同攻撃とみなし、核兵器を使用する「正当な理由」にする可能性があるということなわけだ。

風が吹けば、核攻撃が起こる・・・。

バイデン政権は、その責任を北朝鮮の派兵にしているわけだが、風を吹かせているのは米国自身のような気がする。

バイデン政権のスタンスは、そういうエスカレートを抑制し、ウクライナに「勝てない戦争」を続けさせることでロシアとの決定的な対立を避けるというものだった。

そのタガが外れたのか。

ぺスコフによれば、ロシアは必ずしもそうは見ていない。

「ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ロシアは米国と関係を正常化する用意があるが、「単独でタンゴを踊る」考えはないとの立場」

相手の対応に対して、相当する対応を取る。

冷静で基本的な交渉スタンスを維持している。

つまりだな、ロシアは未公表の決定を利用して、詳細未公表の核ドクトリンを白日の下に晒そうというわけだ(そうなのかあ?)。

核の恫喝を小刻みに行い、レベルを徐々に上げながら、しかし、決定的な対決を避ける。

核大国としての責任ある行動なわけだ。

戦場での影響を見ながら、具体な行動を取っていくだろうけど、ロシアもまたトランプ政権の出方を見極めようとしている。

さて、風はどっちに吹くんだろうな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ゼレンシキー宇大統領、東部戦線での苦戦の理由を説明)
https://www.ukrinform.jp/rubric-ato/3928156-zerenshiki-yu-da-tong-ling-dong-bu-zhan-xiandeno-ku-zhanno-li-youwo-shuo-ming.html

「東部の状況は確かに苦しい。緩やかながらも、それでもロシアの圧力と前進が生じている。いくつかの理由がある。私たちの旅団への人の充填、旅団の武器の充填と装備。これら全てのプロセスがかなり緩慢なのだ。旅団が武器を待っている時に、単に人だけ旅団に充填してはいけない。私たちは、(米)議会における合意から12か月、いくつかの武器の供給を待っているのだ」(ゼレンスキー大統領:以下同じ)

「東部では長期にわたって戦闘に参加している兵士からなる旅団が耐えていると指摘し、彼らの交代が必要であり、彼らの場所には他の旅団が配備されねばならないとしつつ、「想像してほしい。彼ら(編集注:代わりとなる旅団)の装備が整っていないのだ。彼らを単に肉壁として投入せよと? ロシア人がやっているように? 誰もそんなことは望んでいない。そのため、兵士たちは疲れ、後退しているのだ。なぜなら、誘導航空爆弾で攻撃され、爆撃されているからだ。周りのあらゆるものが破壊されている。彼らは、後退しても良いかと質問し、軍幹部は『良い』と答えている。なぜなら、私たちの基本的な立場は、『まず人ありき、それから領土』だからだ」と強調」

「交代が行われること、彼らの後ろに別の旅団がいることについて確信を生み出さねばならないと指摘した。同氏は、「そしてその時、ロシア人が、私たちが今東部にあるような立場になるのだ。そして、それが実際に起きていることだ」と発言」

「予備の部隊が編成されたと指摘した。その部隊の核となるのは、戦争を経験してきた人々であり、その周りに動員された人々がつくとし、訓練が終わったら皆に機材の装備が行われると発言」

「誰も何十もの新しい旅団は作っていない。ある場面がある。例えば、ある旅団が、疲弊のあまり、ある広さの地点をもはや維持できなくなっているとする。すると、そこを追加の旅団が強化せねばならない」

「記者から、近々前線で何が起こるか、ロシア軍は現在の進軍速度を維持していくのかと質問されると、ゼレンシキー氏は、ロシアは毎日1500〜2000人の兵力を損耗しており、彼らはそのような損耗を抱えたままずっと進み続けることはできないとの見方を示し、すでにいくつかの方面では、進軍速度は鈍化している」

うーん、どこで何時と比べて鈍化しているのかが知りたいところだな・・・。

「現在、彼らを止めるために、私たちが待ち望んでいた予備兵力、装備の整った旅団が寄せられる。しかし、ロシア人が欲していることを理解せねばならない。あなた方は、味方を大切にしない、どれだけ人が死のうが気にしない国家と戦っている。私たちは、来年戦争が終わるようにあらゆることを行わねばならない。外交的手段でだ。それが非常に重要だ」

戦争は、外交によって終結する。

全土が蹂躙され、兵士がただの一兵もいなくなるまで戦われる戦争は、近代戦では聞かない。

まあ、例外はある。

イスラエルは、ハマス軍事部門を壊滅させると言っているからな。

それこそ、市民が巻き添えになり「どれだけ人が死のうが気にしない」スタンスで攻撃している。

やれやれ・・・。

記事のほぼ全文を引用したんだが、クルスク侵攻が東部戦線の苦戦の理由になっているという話は一言もない(まあ、想定内だけど)。

戦場で勝てないウクライナは、人命優先で撤退し、来年の停戦を目指している(ゼレンスキーが明言しているからな)。

(ウクライナ正念場、戦線崩壊の危機 支援国に高まる停戦論 侵略1000日)
https://www.sankei.com/article/20241119-3XRAPWYFWRK57KAQUQWADK7ULM/

「19日、2022年2月24日の開始から1千日の節目」

「ウクライナ軍の防衛線は崩壊の危機に瀕(ひん)している。」

この状況は、米国による支援が停滞した今年の春先以来だ。

しかも、この先、その支援が断ち切られることがほぼ明らかになっている。

重要なのは、支援が再開されたにもかかわらず、戦況が好転しないことだ。

クルスク侵攻なんかしたからに違いない(そうなのかあ?)。

「ウクライナは正念場を迎えている。」

その背景には、支援を続けてもウクライナが戦場で勝てないのではないかという支援国側の懸念が膨らんでいることがある。

「支援国内には戦場でのウクライナの勝利は困難だとの見方が強まり、全面敗北を避けるために停戦を促そうとする動きが徐々に広がりつつあるもようだ。」

「ウクライナ軍も抗戦しているが、劣勢を強いられている。」

長射程兵器による露国内攻撃容認についても懸念が拭い切れない。

「欧米側の専門家は「決定が遅い。ウクライナが不利な戦況を覆せるか疑問だ」と指摘」

「欧州各国は米国抜きでの支援継続の可能性を検討し始めたものの、「停戦は不可避だ」との意見が強まっている」

「ウクライナは仮に領土の一部を割譲したとしても、独立を維持できればロシアの勝利を阻止したといえる。それには早期停戦が最善だ」(欧州の複数の外交官)

勝利を阻止される側のロシアが停戦に応じなければそれまでだ。

ロシアの戦勝計画(んなもんがあるのかは知らないけど)は、ウクライナのそれよりも現実的だろう。

核兵器は掃いて捨てるほどあるし、兵士は畑で取れるし(そうなのかあ?)、北朝鮮との軍事同盟も結んだしな。

「ウクライナ軍は8月、露西部クルスク州への越境攻撃に着手し、露軍をドネツク州から引き離そうとした。だが、露軍は主力をドネツク州に残す一方、北朝鮮の朝鮮人民軍部隊をクルスク州に投入し、反撃を進める構え」

まあいい。

クルスクの状況は、ウクライナにとって憂うべき状態になりつつある。

長射程兵器の制限解除を受けても、状況を改善できる見込みは少ない(制限が課せられていない東部で、露軍の前進を1年以上許してるしな)。

射程300km級のエイタクムスが供与され始めたのは半年以上前の話だ。

やれやれ・・・。

クルスクの件はともかく、ウクライナは来年の停戦を外交手段で達成しようとしている。

戦場じゃムリポだしな。

が、ロシアがそれに応じるかどうかは極めて不確実だ。

ゼレンスキーは、ロシアの進軍が一部で減速しているというけど、まあ、南部とかではその通りだろうが、それについては大規模攻勢が行われるという話が上がっている。

(ザポリージャ方面で戦うウクライナ人、ロシア軍が何か重大なことを準備中)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainians-fighting-in-zaporizhia-russian-troops-preparing-for-something-big/

「ウクライナ軍南部司令部は10月と11月に「ロシア軍によるザポリージャ方面への攻勢」を警告」

「長らく特定の陣地を巡る小規模な戦いが続いたが、現在は『ロシア軍が大規模な攻勢を準備している』と認識が広まりつつある」「その根拠は ザポリージャ州のロシア軍が大幅に増強されているからで、第2線や第3線だけではなく最前線にも追加部隊が到着している」「この全てを我々の部隊は監視しており『ロシア軍が何か重大なことを準備している』と認識している」(ザポリージャ州に展開する第128山岳強襲旅団の少佐)

「ロシア軍の攻撃が激化している」「最近も15台のバイク部隊が我々の陣地を突破しようと試みたが失敗に終わった」「この戦術はザポリージャ州でも一般的になっている」「我々は敵の攻撃を阻止するためあらゆる手段を講じている」(ロボティネ付近に展開する第65機械化旅団の通信指揮官)

「プーチン大統領にとって州都ザポリージャに前進することは『大きな獲物を手をかける』という意味があり、連邦領の一部と宣言した領土の実効支配にとっても一助になるだろう」(Washington Post)

まあいい。

「ゼレンスキー氏は、ロシアは毎日1500〜2000人の兵力を損耗しており、彼らはそのような損耗を抱えたままずっと進み続けることはできない」(ウクルインフォルム:再掲)

そう言い続けてどれだけの期間が経つのか。

それを食い止めているウクライナ側の人的リソースが尽きるのが先なのではないのか。

ロシア側に、早期の停戦を模索する動きはない。

停戦を最も希求しているのは、米国をはじめとする西側の支援国だ。

ウクライナは、条件が整うまでは停戦交渉には入らないだろう。

(ゼレンシキー宇大統領、ロシアと協議を行う条件に言及)
https://www.ukrinform.jp/rubric-polytics/3928142-zerenshiki-yu-da-tong-lingroshiato-xie-yiwo-xingu-tiao-jianni-yan-ji.html

「ウクライナとロシアの間で和平協議は、ウクライナが強く、ウクライナが一対一でロシアと向き合わないという条件下においてのみ実施可能だとし、その際米国をはじめとするパートナー国の支援が重要」(ウクライナのゼレンシキー大統領:以下同じ)

「ウクライナとロシアの間の協議は、ウクライナがロシアと一対一でないこと、ウクライナが強くなることという条件の下で可能だ。殺人者と単に協議するということが可能とでも? 私たちがプーチンと話す場合、私たちは、今のように強化されていない条件下では、それは、最初からウクライナにとって不利である。それは、公正な平和に関するものではない。いうまでもなく、弱い状況では、その協議で行うことは何もないのだ」

「彼らは今、ウクライナの側にいる。それが重要だ…。米国は、ロシアが侵略者であるという点で、ウクライナ支援の立場を維持すべきだ。その地位は、維持されるべきである。それは、最初から、あらゆる協議の場における非常に重要な項目の1つである。それはまた私たちの勝利計画の要素でなければならない」

「彼にとっては、(編集注:協議の席に)つくことにはメリットがあるが、合意することにはメリットがない。彼にとっては、私たちの側からの何らかの降伏的な条件で合意することにはメリットがあるが、しかし、誰も彼にそのようなことはさせないのだ」(彼:プーチン氏)

「プーチンは平和を全く望んでいないが、しかし、それは彼が他国の首脳との協議の席に着くことも望んでいないことは意味しない」

「なぜなら、それは彼にとって、戦争当初から築かれている政治的孤立の打破となるからだ。そして、彼にとってそれはメリットがある。座って話しつつ、合意はしないことにだ」

「私たちは独立国家だ。そして、私たちはこの戦争の間、私たちの人々も、私個人も、米国、トランプ氏、バイデン氏、欧州の首脳との協議の際に、『座って聞け』というレトリックが私たちには通用しないことを証明してきたのだ」(記者から、トランプ米次期大統領がウクライナに対して、ロシアとの協議に参加するよう要求を突きつけなかったか、と質問され)

うーん、トランプは絶対言ったと思うんだがな・・・。

「私たちにとっては、公正な平和が非常に重要だ。押し付けられた不公正のために最善の人々を失ったという感覚を抱かないためにだ。戦争は終わるが、しかし確定的な日付はない。もちろん、今ホワイトハウスを率いるチームの政策では、戦争はより早く終わるだろう。それが彼らのアプローチであり、彼らの自分たちの社会に対する約束であり、彼らにとってもそれが非常に重要なのだ」

ゼレンスキーは米国が選挙の結果を受けて豹変するという認識に欠けている気がする。

あの国は4年に1度ぶっ壊れるからな。

非連続的な政策がまかり通る。

理屈もへったくれもない。

素晴らしき民主主義だな・・・。

「彼らの自分たちの社会に対する約束」とは、選挙によって選ばれた為政者の政策を尊重するということに他ならない。

今回は、トリプルレッドだ。

議会(上下両院とも)で超党派の事案であるウクライナ支援でどういうことになるかは分からないが、大統領が拒否した場合に予算案を通せるかどうかはビミョーだ(確か、3分の2だったような気が)。

まあいい。

確認しておこう。

米国が後ろ盾となってロシアと停戦交渉に臨む可能性はある。

強い米国と共に交渉し、公平な平和を獲得することは不可能じゃない。

バイデン政権は、そうしたアプローチを一切取らなかったからな。

トランプは停戦を公言している。

どんな条件で、具体的にどのようにしてということは不明だが、ウクライナの側に立っていることは間違いない。

ロシアとの交渉は厳しいものになるだろう。

少なくとも、現在のウクライナが絶対呑めない条件を出してくる。

ロシアに停戦のインセンティブはない。

「ウクライナは仮に領土の一部を割譲したとしても、独立を維持できればロシアの勝利を阻止したといえる。それには早期停戦が最善だ」(欧州の複数の外交官:再掲)

そんなことが出来たら奇跡だろう。

停戦は失敗する。

99回くらいの失敗は想定の範囲内だ(そうなのかあ?)。

延々と続くようなことがあれば、そのうちトランプ政権が終わるからな(そんなあ!)。

ロシア側だって、プーチンじゃないのが出てくる(メドベージェフかあ?)。

ウクライナ国家を地図から消すのが目標だったりするからな。

停戦どころじゃないだろう。

やれやれ・・・。

バイデン政権が長射程兵器の制限を緩和したのは、今更そんなことをしても何も影響はないことを見極めたからかもしれない。。

制限を緩和したぞというエクスキューズのための措置だ。

トランプ政権下での交渉に、材料として有利に働くかどうかは未知だ。

そもそも、ロシアが停戦を拒否する理由(クルスク占領)を補強することになりかねない。

クルスクは交渉の阻害要因だからな。

確認しておこう。

ウクライナは人命尊重を貫いて、東部戦線における撤退を繰り返している。

浮沈子は、そのことを評価している。

ウクライナの領土は広大だ。

年間1万平方キロメートルを失ったとしても、残る領土(約50万平方キロメートル)を全て失うまで半世紀はかかる。

もっとも、残りが少なくなれば、戦場に費やすことが出来るリソースは減っちまうけどな。

それでも、西側の支援があれば、5年や10年は余裕で戦い続けられるだろう。

その間に、クルスクみたいな越境攻撃を繰り返して、捕虜交換の金貨(ロシア側の捕虜)を稼ぐわけだ。

停戦のチャンスを模索する時間も得られる。

欧州の外交官は悲観的だが、支援を続けられればウクライナに有利な状況が生まれるかもしれない(トランプ政権が代わるかもしれないしな)。

うーん、それって。やっぱ、所詮は「夢」に過ぎないのかなあ・・・?。