Gモデル2013年06月08日 02:09

Gモデル
Gモデル


911オーナーになって、早2か月。その間、数回しかハンドルを握る機会に恵まれていない。

駐車場にいる時間より、修理工場に入院している時間の方が長い。乗った時間は、数時間程度しかない。

まあ、500Eは、ひと夏入院していたから、入手して1年目の夏は、何の問題もなかった(その間、冷房のビンビン利くボクスターで過ごせたし・・・)。

今年は、一年目の夏になる。どうなることやら・・・。

しかし、500Eはともかく、83タルガには、エアコンはおろか、クーラーさえない。コンプレッサーがエンジンルームから消えていた!(横浜オートの社長は、軽量化のために外したんだとか何だとか、言ってましたが・・・)。

トホホな話である。

せっかくのカラ梅雨を、オープンにしたタルガでぶっ飛ばす楽しみは、消えてしまった。

梅雨の雨、夏の日差し、過酷な日々がタルガを待っているのだ。

ポルシェによれば、今年は911の50周年に当るのだという。

(“911の50年”を祝う記念の特別展)
http://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/pressreleases/pj/?pool=japan&id=2013-06-05

(特別限定モデルでポルシェ911の50周年を祝福:911 50thアニバーサリーエディション)
http://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/pressreleases/pj/?pool=japan&id=2013-06-04

「初代911のワールドプレミアが1963年に行われた」とある。

(ポルシェ・911)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB911

「ポルシェ911(ポルシェきゅういちいち、英語:Nine Eleven 、ドイツ語:Neunelfer )はポルシェが1964年から製造・販売しているスポーツカーである。」と明記されている。

日本には1965年からの導入であった。

50周年は、来年もしくは再来年じゃないかと浮沈子は確信しているので、今年は静かにしていようと思う。

83タルガが無事に1年を越せたら、盛大に祝おうと考えている。

シャンパンでもガソリンに混ぜるとか・・・。

止めておこう!。

で、アニバーサリーの特設ページが作られている。

(ポルシェ911の歴代モデル)
http://www.porsche.com/microsite/50years-911/japan.aspx?ws=1&pc=50Y911_OWN_JPN_HP-Teaser

おや?、Gモデルとか聞き慣れない言葉がでている。

(G モデル)
http://www.porsche.com/microsite/50years-911/japan.aspx?ws=1&pc=50Y911_OWN_JPN_HP-Teaser

(長い引用)
「最初のモデルチェンジ
911 の発売から10 年後、ポルシェのエンジニアは911 にはじめて徹底的な見直しを加えました。G モデルは1973 年から1989 年にかけて生産されましたが、これは、他のどの911 世代に比べても長い期間となります。

G モデルの特徴は蛇腹状のバンパーでした。これは、米国における当時最新の衝突試験基準を満たすように設計された革新的な装備です。標準装備の3 点式シートベルトと一体型ヘッドレストにより、乗員保護性能がさらに高められていました。

911 ストーリーで最も重要な節目の1 つは、最高出力260 PS を発生した3.0 リッターエンジンと大型リアスポイラーが与えられたポルシェ911 ターボが1974 年に発表されたときです。ラグジュアリーとパフォーマンスをポルシェならではの形で融合した911 ターボは、ポルシェにおけるカリスマとなりました。

そして1977 年にはインタークーラーを搭載した911 ターボ3.3 の登場。パフォーマンスはさらに高められ、クラス最高の300PS を誇りました。1983 年には、最高出力231PS の3.2 リッター自然吸気エンジンを搭載した911 カレラがSC に取って代わり、 自動車ファンの羨望を集めました。1982年にはオープンカーファンも911 を楽しめるカブリオレが加わりました。1989 年に発売された911 カレラスピードスターは、50 年代の伝説的な356 を彷彿とさせるモデルでした。」

ここで、ようやくGモデルというのが、1973年から89年まで生産されていた、ビッグバンパーという愛称が与えられ、世間では930と呼ばれている、初代ナローの後継車種のことだとわかる。

世界でGモデルとか言っているのは、メーカーであるポルシェだけだ(まあ、メーカーだから、許されるのは当然ですが)。

世の中では、一切通用しないだろう。社内の開発記号に過ぎない。

(G-Modell:ドイツ語のウィキでは、この表現がある)
http://de.wikipedia.org/wiki/Klassischer_Porsche_911#G-Modell

(Porsche 911 classic:英語のウィキには、一切ない)
http://en.wikipedia.org/wiki/Porsche_911_classic

混乱を来たす原因は、ポルシェ側にもある。

(ポルシェ・911:Gシリーズ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB911#G.E3.82.B7.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.82.BA

「1973年8月から1974年7月まで生産された。」とある。

「・911/2.7
・911S/2.7
・911SC/2.7
・911カレラRS3.0
・カレラRSR」

GモデルのGシリーズは、1年間だけ。

「Hシリーズ:1974年8月から1975年7月まで生産された。
・911/2.7
・911S/2.7
・911SC/2.7
・911ターボ(1975年発売、1976年日本発売)」

「Iシリーズ:1975年8月から生産された。
・911/2.7
・911カレラ3.0
・911リミテッド
・911ターボ 1975年8月から生産された。」

「Kシリーズ:1977年7月まで生産された。
・911/2.7
・911カレラ3.0
・911ターボ 1977年7月まで生産された。」

「Lシリーズ:1977年8月から生産された。
・911ターボ 1977年8月から生産された。」

「1978年モデル:901型のままだったノンターボ車が930型に移行した。
・911SC(1978年発売)
・911SCS
・911ターボ」

「1979年モデル
・911SC
・911ターボ」

「1980年モデル
・911SC
・911ターボ」

「1981年モデル:日本でターボモデルの輸入が一時途絶えた。
・911SC」

「1982年モデル
・911SC」

「1983年モデル
・911SC」

「1984年モデル
・911カレラ」

「1985年モデル:ターボの日本輸入が再開された。
・911カレラ
・911ターボ」

「1986年モデル
・911カレラ
・911ターボ」

「1987年モデル
・911カレラ
・911ターボ」

「1988年モデル
・911カレラ
・911ターボ
・911ターボ・フラットノーズ」

「1989年モデル
・911カレラ
・911ターボ
・911ターボS」

いやあ、長い長いリストだが、こんだけ作っておいて、後から「ぜーんぶGモデルでーす!」とか言われても困る!。

この中には、ボディバリエーションは書いていない。

当然ながら、クーペ、タルガ、カブリオレ、スピードスターがあるわけで、さらに複雑を極める。

ポルシェに限らないのだが、欧州車などはモデルイヤー(MY)という慣わし(?)があって、余計混乱を助長する。

ポルシェの場合、概ね前年の8月からが、翌年のモデルイヤーになる。だから、例えば、浮沈子のボクスターの場合、「2003モデルイヤーの2003年製造車」ということになるのだが、同じ2003年製造の個体でも、2004モデルイヤーのこともあるし、2003モデルイヤーであっても、2002年製造の個体もあるということになる。

さらに混乱を助長するのは、発表年は、モデルイヤーの前々年であることが多いが、全てとは限らない。

1989年の最終モデルイヤーに該当するGモデルは、1988年から生産されているし、その年には964が既に発表されているわけで、カレラ4は1988年発表、1989年製造開始で、普通なら1990MYだが、同じ1989MYということになっている(クーペのみ)。

(ポルシェ・964)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB964

手元のポルシェ・データ・ブックには、さらに面妖な記述がある。

「ポルシェ911(’Gシリーズ’) and ポルシェ912E(ここでは、「Gシリーズ」といっている。しかし、忘れてませんなあ、912E!)

モデルイヤー1974(Gシリーズ)
モデルイヤー1975(Hシリーズ)
モデルイヤー1976(Jシリーズ):ウィキではIシリーズ、912Eは、ここ!
モデルイヤー1977(Kシリーズ)
モデルイヤー1978(Lシリーズ)
モデルイヤー1979(Mシリーズ):ウィキではシリーズ名はない
モデルイヤー1980(Aプログラム):プログラムってなんだあ?
モデルイヤー1981(Bプログラム)
モデルイヤー1982(Cプログラム)
モデルイヤー1983(Dプログラム)
モデルイヤー1984(Eプログラム)
モデルイヤー1985(Fプログラム)
モデルイヤー1986(Gプログラム)
モデルイヤー1987(Hプログラム)
モデルイヤー1988(Jプログラム):Iプログラムはない
モデルイヤー1989(Kプログラム)」

多くのボディタイプは、複数のモデルイヤーにまたがって製造されることも多く、浮沈子の83タルガ(911SCタルガ)は、1981MYから1983MYとなっている。

この混乱に対応するために、50周年記念として、Gモデルを提唱して、整理するというのは良い考えである。

しかし、50周年が今年になることを担保するために、発表年によって整理されているのは、いただけない。

タイプ991が2011年からということになっている。

918なんて、製造する2年も前に発表されているわけで、どーするんだろう?。

まあいい。

聞いたこともなかった「Gモデル」の呼称が、「ビッグバンパー」や、「930」に取って代わるとは思えないが、そういう言い方をメーカーがしていることは覚えておいた方がいいかもしれない。

余計、混乱するだけかもしれないが。

純正パーツ2013年06月08日 16:17

純正パーツ
純正パーツ


全503ページに渡るパーツリスト、その398ページのトップに、それはあった!。

部品番号:911 565 002 40
名称:ソフト トップ

しかし、どうやら、これを頼むと、アンセンブリでの発注となり、90まんえんになってしまうらしい。

部品番号:901 565 035 41
名称:アウター ライニング ソフト トップ

部品番号:901 565 036 43
名称:ルーフライナー

これだな!。

(911_83_KATALOG:12MBあります)
http://www.porsche.com/all/media/pdf/originalparts/en/E_911_83_KATALOG.pdf

昨日見ていた911の50周年記念ページを漁っていたら、上記のファイルを見つけた。

もちろん、83タルガのベニヤ板のルーフを何とかしようというわけで、真っ先に該当箇所を探したわけだな。

アッセンブリ90まんえんは、さすがに敬遠だが、ソフトトップとインナーライナーなら高くてもシッピング込みで10万円で手に入るだろう。

手間隙かけて張り替えても、そんなに工賃もかかるまい。

うーん、カーボンファイバーのトップ(畳めません!)と、迷うところだ。

純正ルーフの上に、カーボンのシールを貼るか(ダサそう・・・)。

都内某ポルシェセンターは、どうして、アッシーで取りたがるんだろう?。

手間隙掛けずに、金で片を付ける習性が染み付いているんだろうか。

まあいい。

今日、電話をしたら、遅くとも来週の火曜日にプラグ周りの部品が入るので、水曜日には引き渡し出来るというから、お互い、水曜は早くお家に帰る日なので、木曜にしましょうということになった。

取りに行ったついでに、早速、「部品購入でタルガトップを甦らせよう!プロジェクト」を始動させなければならない。

工賃は、やってくれるということになったらPCでもいいし、プレステージでもいい。

どこもやってくれなければ、自分でやるしかないし、この程度の工作なら、道具さえあれば自分で出来ないこともないだろう。

純正ではないが、アフターパーツとしても出回っているようだし、自分で材料を加工しても大した手間ではない。

むしろ、お目当てのカーボン調のルーフを仕立てやすいかもしれない(多少の雨漏りは、ガマンするしかない?)。

現在のルーフトップも、畳むことができないだけで、綺麗な外観を保っている。このまま乗り続けても不都合はないのだが、ボロッちい内装とかなので、せめて金を掛けずに綺麗にできるところがあれば、この際やってしまおうかという気になっている。

最優先は、ブレーキの左右不均衡作動なのだが、シロウトは手を出せないのでプロに頼むことになる。

またもや、入院の憂き目に会うので、タルガトップを外して預ければ、その間に修理が出来てしまうというわけだ。

仮に失敗しても、現在の屋根板を生かし取りしておけば、最悪、元に戻せるという寸法である(戻せなかったら、どーしよう・・・。)

元来、屋根というのは耐久消費財である。

(合掌造り)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E6%8E%8C%E9%80%A0%E3%82%8A

もしも、茅葺きのタルガを見かけたら、浮沈子号かもしれない・・・(まさかね!)。

純正パーツ22013年06月08日 21:18

純正パーツ2
純正パーツ2


全503ページに渡るパーツリスト、その157ページには、

部品番号:911 341 161 04
名称:プロテクティブ プレート SC用

これだな!。

(911_83_KATALOG:12MBあります)
http://www.porsche.com/all/media/pdf/originalparts/en/E_911_83_KATALOG.pdf

ファイルは、画像のような定型シートで、図面が付いているので分かりやすい。

図面上の番号で7番の、鉄板を折り曲げただけの、チンケな部品であることがわかる。

通称フロント・アンダーカバーである。

空力部品というより、文字通り、物理的な衝撃から守る保護カバーである。

なんだ、つまらん!。

なくてもいいような気がする。

フロントアクスルの保護なのだろうが、必要なんだろうか?。

無論、ポルシェは、必要だから付けたわけだ。無用な部品を付けるほど愚かではない。

ポルシェのやることに、間違いはないのだ!。

でも、まあ、無くてもいい。

この部品の有無で、前後の重量バランスがどの程度改善され、旋廻時のモーメントがどの位増えているかは分からないが、高が知れていよう。

ハンドリングに与える影響も軽微と思われる。

気になるのは、高速走行時の空力安定性の向上への影響である。

フロントスカート付けちゃえば、いいんじゃね?。

こればかりは、試してみないと分からんなあ!。

でかい!2013年06月08日 23:14

でかい!
でかい!


(Tradition: Future - The 911 50th anniversary edition:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=IM0jcxF5770#!

この動画を見たときの第一印象は、唯一つ、991型をベースにした50周年記念車が、初代に比べて異様にでかくなっているということであった。

手元のポルシェ・データ・ブックによると、1964年901クーペのディメンションは以下の通り。

全長:4163mm
全幅:1610mm
全高:1320mm
車重:1080kg
軸距:2211mm
体積:8.8472076㎥(直方体として計算)

ちなみに、1967MYまで同じである。

対して、50周年車はどうか。

全長:4,491 mm(+7.9%)
全幅:1,862 mm(+15.7%)
全高:1,295 mm(ー1.9%)
車重:1,415 kg(+31.0%)
軸距:2,450 mm(+10.8%)
体積:10.82910339㎥(直方体として計算)(+22.4%)
(全幅はSより44mm増加とある。カレラ4の1850mmとは異なる。また、車重はS(PDK)のデータ)

(ポルシェ 911 にデビュー50周年記念車…モチーフは初代[動画])
http://response.jp/article/2013/06/08/199668.html

(【インプレッション・リポート】ポルシェ「911 カレラ/カレラS クーペ」)
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20120127_505907.html

全高は、ほぼ変わらず、その他は50年の間に二回り程大きくなった。

動画を見ると、似ていることを強調しようとしているのか、正面から並んで撮ったカットが少ないことが分かる。全幅の拡張は、割合で見ると全長の2倍に相当する。

軸距の増加率は全長より大きく、車輪が前後に追いやられているのが分かる(画像で見ると、フロントオーバーハングはむしろ大きくなり、リアのオーバーハングが少なくなっていることが分かる)。

車重については、体積が22.4パーセントの増加に対して、31パーセントも増加しているので、純粋に重くなっている。

もちろん、ポルシェは、軽量化の努力を怠っているわけではない。ジャガーFタイプとの比較でも、それは明らかである(4,470×1,925×1,310の6気筒340馬力で、オールアルミボディのくせに、なんと、1,730kg!)。

21世紀のクルマは重くなるのだ。

まあいい。

安全性を高めるためのコストは、正直にデータに出てくる。

これだけの重量の増加があれば、全く別のクルマである。

動力性能は、130馬力から400馬力になった!。これを進化といわずに、何というのか!?(ブッ!:鼻血・・・)。

半世紀前の車両を持ち出して、比較の対象にするというアホなことが出来てしまうこと自体が、異常だ!。

それ自体には、意味が無い。

それは、分かっている。

911がスゴイのは、それがサマになる形で出来てしまうことだ。

アニバーサリーモデルが、作れてしまうことである。

まあ、ワイドボディ化したのはいただけないなあ!。逆に、1963台しか作らないのなら、手打ちでリアフェンダーを潰した、991版の「ナロー」を作って欲しかった(買えないけど)。

ホイールも、アロイホイールのマネじゃなくって、ホイールキャップにするとか。

ドイツ車は、こういう遊びはやらんだろう。

イミテーションも、全力で作る。性能追求である。

プレスには「911 50thアニバーサリーエディションは、0-100km加速のタイムが4.5秒(PDK仕様車:4.3秒)で、最高速度は300km/hに達します(PDK仕様車:298 km/h)」と誇らしげに書かれている(マニュアル車もあるってことかあ?)。

(特別限定モデルでポルシェ911の50周年を祝福:911 50thアニバーサリーエディション)
http://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/pressreleases/pj/?pool=japan&id=2013-06-04

しかし、この性能は、素のSより落ちる。加速は同じだが、最高速は4キロ低い。ワイドボディのせいだろうな。

(911-carrera-s:主要緒元・仕様)
http://www.porsche.com/japan/jp/models/911/911-carrera-s/featuresandspecs/

まあ、どうでもいいんですが。

この50年間には、タイヤの性能が著しく向上したことを忘れてはならない。初代で15インチのタイヤを履いていた911は、今や、標準で20インチのタイヤを履く。

ナローって、前後のタイヤサイズが同じだったんだな(ナナサンカレラは、違うけど)。

クルマは、最終的にはタイヤで走っている。走る、曲がる、停まるという、全ての動的性能は、タイヤに依存している。

半世紀前のタイヤとは全く別物になった。

RRの911は、タイヤに対する依存度が高いといわれている。

N指定などという「わがまま」が通るのは、P社だけだろう(スーパーカーは、専用タイヤが奢られますが)。

タイヤについては、機会があれば、また書く。