沈船好きのAMY2014年02月23日 02:04

沈船好きのAMY
沈船好きのAMY


浮沈子が沈船ダイビングを好むのには、訳がある。

そもそも、水より重い鋼鉄の船が、水に浮かんでいることが許せんのだ。

人間は、神から与えられた限りの知恵で、空気より重い飛行機を飛ばしたり、2階建て以上の建物を建てたりして、罰当たりな行為を繰り返している。

自然の摂理、つまり神の御意思に反して行われる浅知恵の数々は、自然のあるがままの姿を歪め、人の作りしものの愚かな末路を示す結果に終わる。

いわく、船の沈没、いわく、飛行機の墜落、いわく、地震による家屋の倒壊・・・。

船は、もともと海の中の鉄が酸化され、地上において鉄鉱石として産出されたものを、高炉において還元させ、圧延し、鋼板となし、溶接して組み上げ、水に浮かべたものだ。

海に浮かぶ鋼鉄の船は、自然の摂理とは最も遠い姿なのである。

沈没し、水中にあるという形は、船の、最も自然な形であり、神が定めた姿に近いものだ。

沈船こそ、船のあるべき姿、神に愛された船の、本来の姿である。

これ以上、身勝手な人間にこき使われることもなく、本来の姿に朽ちていくプロセスは、浮沈子にとっては幸せな姿に思えるのだ。

癒しであり、救いでもある。

しかし、それを見に行くのに、またまた船に乗っていくというのは、まあ、矛盾しているといえば言えなくもないが・・・。

まあいい。

AMY(エイミー)は、沈船好きなガイドだという。

沈船行く人!、というと、いの一番に手を挙げるらしい。

彼女とのダイビングの際に、なぜ沈船が好きなのか、聞いてみようと思ったが、果たせなかった。

実際には、透視度も悪く、ウミウシとか、エビとか、ほとんどマクロ目当てのダイビングになったのだが、居る場所が決まっているので、ガイドする方にとっては易しいかもしれない。

流れも強く、平均水深22m位で移動し、30分余りで上がってきた。

キングクルーザーという、元々、神戸と松山を結んでいたフェリーは、タイに渡って、ピピ島とプーケットを結ぶ航路についていたが、アネモネリーフに座礁して沈没したという。

保険金が目当てだったとか、地元の連中の噂話だが、まあ、どうでもよろしい。

何度か行ってみてもいいな。

深度もあまりないし、手ごろな沈船だ。

それにしても、AMYは、なんで沈船が好きだったのか。

国に帰ってしまった今、その理由は、浮沈子にとっては、謎のままになった。

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