孤独の毒2014年02月26日 17:17

孤独の毒


(「孤独」の早死リスクは「肥満」の2倍)
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/25/loneliness-obesity-premature-death-study-chicago_n_4851190.html?iref=comtop_rnavi

「社会から孤立した生活は、早死にのリスクを14%も高めるという研究成果が発表された。この数字は、肥満による早死リスクのおよそ2倍に相当するという。」

浮沈子のように、孤独かつ肥満の場合は、どーしてくれるんだあ?。

単純に足し算して、21パーセントということになるのか、もっと、相乗的にパーセンテージが上がるのだろうか。

「孤独は、主観的な幸福感を全体的に低下させるだけでなく、睡眠を妨げたり、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を増加させて血圧を上げるなど、さまざまな有害な影響をもたらす危険性があるという(過剰なストレスでコルチゾールが多量に分泌されると、血圧や血糖レベルが上がり、免疫機能が低下し、記憶に関連した脳の海馬が萎縮する等がわかっている)。」とある。

眠りが妨げられているというのは確かだ。

血圧は最近計っていないが、こちらの方は順調だ。

免疫機能や記憶の衰えは、間違いのないところである。

(コルチゾール)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%AB

この引用文献の中に、興味深い記述がある。

(うつ病の脳科学的研究:最近の話題)
http://jams.med.or.jp/symposium/full/129006.pdf

「さらに,機能的MRIを用いた脳機能解析によるストレス予測や情動制御の神経回路に関する研究も進展しつつある.筆者らの研究では,快の予測には左前頭前野が,不快の予測には右前頭前野が関与しており,うつ病患者では左前頭前野(快の予測)機能の低下により不快予測機能が相対的に優位となり,結果として悲観的思考が惹起されることを報告した.また,短期の報酬予測と長期の報酬予測に関与する神経回路が異なり,セロトニン神経活動が長期の報酬予測の制御に関与していることを発見し,うつ病患者では脳内セロトニン低下により長期予測機能が低下しており,結果として目先の短期的思考になり将来に希望がもてなくなる可能性を示唆した.」

つまり、先々の希望がセロトニン低下により持てなくなり、左前頭前野(快の予測を司る)の機能低下により悲観的になるという。

踏んだり蹴ったりだなあ。

孤独という状態は、短期的にも長期的にも将来への希望を失い、悲観的になることによって、うつ病という病態を引き起こしているのだということである。

その引き金を引いているのがストレスで、社会的なつながりを断たれることで、孤独を感じやすくなるというのが、元のレポートのキモだ。

「人々は退職というと、温暖な気候のフロリダ州で家を購入し、それまでの友人や家族から離れて、その地でずっと幸せに暮らしていく、というようなことを考える。だが、おそらくそれは得策ではないだろう」

人にもよるのではないか。

それまでの人付き合いのストレスが極めて大きく、温暖で人間との確執が少ない環境の方が、長生きにはいい人だっているだろう。

「孤独による早死にを防ぐためにどんなことができるだろうか? 友人や家族と過ごす時間を増やしてみよう。「本当に大事なことは、人間づきあいと、相互に支え合うことだ」と、カチオッポ教授は米紙『USA Today』の記事で述べている。「人生におけるストレスや困難は、信頼できる人と分かち合えば、より耐えやすくなるのだ」」

確かにそういう面はある。

たまに会うなら、お互い傷つけ合わずに、いい関係を保つことが出来るだろう。

適度な距離感を持った、社会的なつながりを、過剰にならない程度に保つことが重要なことだと感じる。

趣味とか、地域活動とか、負担にならない程度に他人とかかわることが、孤独の防止に繋がる。

適度な運動を伴えば、肥満の防止にも繋がって、一石二鳥に違いない。

だから、リタイア後のダイビングというのは、孤独と肥満の両方に効くような気がする。

「幼少期の母子分離は成熟後のストレス脆弱性を増強する」という考察もあって、思い当たる節もあるな。

何にしても、脳という複雑かつナイーブな機関に頼って生きている人間という動物は、脳の病気には極めてかかりやすいといえるのではないか。

シンプルな生活をしていればいいかというと、単純にそうでもなく、ある程度の複雑さがなければならないし、他人との関わりの中で、自己の位置づけをしていかないといけないらしい。

「孤独に生きよ、象の如く」というが、人間は象ではないのだ。

要は、バランスの問題、それが崩れてしまえば、不具合が起こってくる。

(Feeling lonely? It may increase risk of early death:元記事)
http://www.usatoday.com/story/news/nation/2014/02/17/loneliness-seniors-early-death/5534323/

「"Not only do we grieve and feel lonely without these people in our lives, but our very sense of self is challenged," he says. "That's why it's critical to remain active and engaged in your world, tending old friendships and forging new ones, taking part in group activities that connect you to other people."」

しかし、それがまた、新しいストレスのきっかけになってしまっては、元も子もないというものだ。

適度な付き合いで、孤独感を払拭していく。

そのコツを、掴むことが大切なのだろう。

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