CCRの特徴2014年12月16日 09:00

CCRの特徴
CCRの特徴


久々に新型CCRをゲットしたので、改めてその潜水器としての特長について述べてみたい。

まあ、CCRのことを考えていると気が落ち着くということもあるし・・・。

早く海デビューしたくて、うずうずしているのである。

コンフィギュレーションは、大井町で適当にやっつけただけで、グアムの2日間で、徹底的に詰めようと思っている。

今、気になっているのは、マウスピース(セカンドステージ)のこと。

下(水底)を向くと、下部が浮いてきて顎に当たる。

マウスピースをしっかり咥えていないと、斜めになって水が入る。

前(水平方向)を向いている時はいいんだが・・・。

これについては、下(水底)を向いて顎で支えた時に角度が付かないように下部に当て物をするという解決方法がある(画像参照)。

ウレタンフォームを仮止めして、様子を見ようと考えている。

後は、ブラダーに対する取り付け位置を、もう少し上に上げたい。

取付金具の固定位置を調整することによって、改善することが期待される。

カウンターラングの位置も、少し下に下げたい。

その辺りのフィッティングを、徹底的に仕上げよう。

本当はプールでやるのがいいんだが、まあ、グアムでもビーチダイブなので、ゆるゆるとやればいい。

ウエイトのバランスも、あまり良くない。

プールでは、ウエイトベルトに2kgだったが、海で3ミリのウエットを着たら5kgは必要になる。

場合によっては、6kgとか。

少し上の方に付けないと、トリムが取れない。

ベイルアウト用シリンダーを着けたときのことも気になる・・・。

まあいい。

どっちみち、グアムでやるしかない。

で、組み立てとかバラシとかをやってみて、これは、本当に普通の潜水器とは異なる原理なんだということが分かってくる。

呼吸回路の中は、もちろん環境圧(周囲の水圧)に等しい。

そうでなければ、呼吸できない。

人間の肺は、圧力差があるところで息をするということができない(胸郭を動かす筋力によりますが)。

だから、呼吸回路の水密は、シンプルなOリングを噛ませておけば十分である。

そして、カウンターラングを膨らませたり萎めたりして息をする。

周りの水圧と同じ圧力になっているので、簡単に呼吸することが出来る。

もちろん、その呼吸の力で、ガスを循環させなければならないので、陸上での呼吸に比べれば若干の抵抗を感じるはずだ(浮沈子は、インスピレーションよりも、ポセイドンセブンの方が、やや呼吸抵抗が大きいように感じる)。

それでも、まあ、普通に呼吸できることに変わりはない。

レギュレーターからの呼吸と違って、圧力が掛かっているわけではないので、軽く呼吸ができるというわけではない。

普通に呼吸ができる感じだ。

各種リブリーザーの呼吸回路を構成する蛇腹ホースの直径が、概ね似ているのも、この辺が問題だからだ。

細くすれば取り回しや浮力の観点から有利なのだが、そうすると呼吸抵抗が増えてしまって実用にならないんだろう。

回路の中のガスを循環させるということ、二酸化炭素を除去するということ、酸素を適量加えるということ。

この3点については、どのリブリーザーも(SCRも)同じである。

あとは、具体的にどうやって行うかという点で異なるだけだ。

環境圧のガスを呼吸回路から吸うという点で、レギュレーターからの加圧されたガスを吸うオープンサーキットとは違うのである。

吸っているガスを酸素の混合比を変え、動的に最適化している点については、まあ、いろんなやり方があって、それこそ百花繚乱だが、電気的にバルブを開け閉めして調整するというところは、概ね共通しているし、酸素センサーを使ってモニターしたり、フィードバックしたりする所も同じだ。

その制御部分を完全に自動化しているのが、インスピレーションを初めとするECCRというやつで、今の流れは全てこちらの方になってきている。

手動で補う方法もあるが、やがては消えてなくなると浮沈子は考えている。

だって、面倒くさいじゃん!?。

さらには、モニターを頻繁にチェックするという習慣も、やがては消える運命にある。

もちろん、面倒くさいから。

機器の信頼性が向上したり、性能が上がればそんなことはしなくても良くなるに違いない。

たとえば、フェイルセーフ機能を組み込んで、故障すれば自動的にベイルアウト用のガスに切り替わるようにしておけば、余程のアホでない限り、オープンサーキットの轟音に気付いて緊急浮上が出来るわけだ。

電源も二重化しておけば、電磁弁やサーボモーターの駆動も可能だし、電池の性能が上がれば、常時通電していて、遮断時に安全側に切り替わるような設計をすることもできる。

ダイバーは、ただ呼吸するだけ。

そのうち、カウンターラングを膨らましたり萎めたりすることも、機械が補ってくれるようになるかもしれない。

そうすれば、ジジババになっても、楽に息が出来るようになる。

まあ、どうでもいいんですが。

ソレノイドバルブを開閉して酸素を継ぎ足す仕組は、確実さと制御の簡便さから当分は続くだろう。

二酸化炭素も、水酸化リチウムとかが簡単に使えるようになるまでは、当分の間は水酸化カルシウム主体だろう。

水中に溶解するという手もあるが、リブリーザー10台分くらいのコストが掛かるかもしれない。

自動車のワイパーが、100年経っても変わらないように、この辺りもコストとのにらめっこだな。

酸素やディリュエントのシリンダーや、レギュレーターは、軽量なものが出てくるだろう。

ソレノイドバルブの問題があるので、低圧側の仕掛けは変わらないが、タンクそのものが樹脂製になったり、高圧に耐えられるようになれば、ますます軽量コンパクトになる。

文字通り、本体に内蔵するようになるかもしれない。

しかし、どんなに進歩し、改善がなされたとしても、循環する呼吸回路からガスを吸うという形態は変わらない。

呼吸抵抗を減らす補助装置が付いて、蛇腹ホースが細くなり、全体の浮力が小さくなって扱いやすくなるとか、タンクが炭素繊維強化プラスチックになって高圧化し、小型軽量になるなど、商品性が高まることはあるだろうが、基本は同じだ。

現在のECCRだって、一昔前は理想のリブリーザーとされていたわけで、インスピレーションが登場してレジャーに使えるようになったことも、画期的だとされていた。

マーク6は、基本的な作動原理はインスピレーションと同じながら、ガスのコントロールを洗練し、コンパクトに纏めて商品性を高めた。

レクリエーショナルレベルに特化したという点でも、画期的な商品である。

価格の点では、全然画期的ではないんですが。

まあ、それでも、メガロドンのようにばら売りしてくれるわけで、浮沈子はタンクやBCは買わずに、既存のものを流用して多少安くすることができた。

それでも、125万円余りの大金を投じる必要があるわけで、道楽としてはともかく、既存の潜水器との競合では勝てるはずもない。

最近流行の二酸化炭素センサーも付かないし・・・。

水中で、PO2の設定を弄りたくてもできないし・・・。

柏崎さんにテック40CCRを教えたマーチン・ロブソン辺りなら、そんなもんは、マニュアルコントロールでやれ!、と言いそうだな。

酸素のマニュアルインフレーターは、ボタンの操作性はいいので、インスピよりはやりやすいかもしれない。

オートマチックのクルマで、サーキットをどう攻めるか、みたいなもんかあ?。

そんなことをしなくても、コンピューターが如何なる場合にも適切に制御してくれるようになればいいわけだ。

そこんとこ、ヨロシク!。

さて、原理的には異なる仕掛けであるとはいえ、高圧ガスをシリンダーに入れて水中に持ち込み、オープンサーキットのように水中に排気(廃棄?)することなく循環させて吸っているという点では、やはり高圧ガスの世界であることに変わりなく、我が国では高圧ガス保安協会殿のお世話になる。

また、各国の高圧ガス管理規則にも従わなければならない。

次世代の潜水器は、やはり水中の溶存酸素を分離して呼吸するというスタイルになるんだろうか?。

それとも、ガス吸蔵合金のようなものになるんだろうか?(なんか、重そうだな・・・)。

どこから酸素やディリュエントを供給するにしても、循環させて再利用するというスタイルは、当分変わらないだろう。

そうでなければ、人工鰓で、直接血液とガス交換しなければなるまい。

当分先の話だな。

それとも、水棲哺乳類や鳥類(ペンギンは、鳥です!)のように、陸上(水上?)の酸素を溜め込んで潜る息堪え潜水が出来るような肉体改造を行うかだ。

そうまでして、水中に行きたいのか?。

長時間、しかも、深く潜ることに拘るのか?。

人類は、原子力潜水艦を作り出し、既にどんな水棲哺乳類よりも長時間の連続潜水を実現している。

乗り物に乗って、大気圧で潜るのが一番楽ちんだ(浮沈子は、サイパンで観光潜水艇に乗りました!)。

それでいいではないか。

環境圧で潜るのが、そんなにいいのか?。

やはり、生身の身体で水を感じ、身近に水中の世界を楽しむという点では、環境圧潜水に勝るものはない。

レジャーとして、どこまでお金を掛けられるかという経済的な制約はあるにしても、原子力潜水艦を所有するのに比べれば安上がりというものだ(そういう比較かあ?)。

まあ、観光潜水艇でもいいんですが。

しかし、あれは、せいぜい40mくらいまでの深さしか行けないだろうな。

性能的には、浮沈子のCCRでも普通に100m行くことができる。

しかし、200kmオーバーのクルマを所有していても、100kmプラスアルファでしか走ることが許されないのと同じで、持っているだけということはある。

プロフェッショナルレベルのダイバーとして、継続教育を受け続けるために、100mを目指すというのは(浮沈子にとって、都合が)いい選択だ。

PADIも、継続教育を(収益向上のために?)推奨しているし・・・。

もちろん、オープンサーキットでも100mに行くことはできるし、PADIのトライミックスコースを終了したダイバーには、深度制限はない。

世界記録は330mである。

さすがに、そんなに深く行く気はないし、CCRではその深さに行って生きて帰ってきた人はいない。

ダイビング 深きが故に 貴からず・・・。

10mでも、100mでも、ダイビングの楽しさに貴賎はない。

CCRで100mというのは、オープンサーキットで目指すよりも、ガス代が安いからともいえる(ヘリウム高いんで)。

それに、100mなら、教育コースも整っていて、冒険しないで済むからということもある。

人跡未踏の荒野に行くわけではないのだ。

普通の人が、普通に行くことができる観光地なのである。

まあ、最近は南極点とかも観光地になっていて、ツアーとかもあるみたいだし(徒歩だそうです!)、宇宙旅行も、いささかケチがついたが、時間の問題なので、それに比べればお手軽かもしれない。

100mはともかくとして、CCRは、その器材の特性として、ダイバーが消費した酸素を補うだけでよく、大深度においても効率的にガスを使用することができるというメリットがある。

構造的(機能的)に、大深度潜水向きなのだ。

しかし、だからといって、大深度潜水を目指さなければならないということはない。

適切なナイトロックスを供給するというメリットを生かして、浅い深度のダイビングをたっぷりと楽しむというのも、CCRの正当な生かし方だ。

この器材を使って、どんなダイビングシーンを演出できるか。

レクリエーショナルレベルのCCRの登場で、ダイビングの世界がどう変わっていくのか。

ナイトロックスでのサイドマウント2本差しと、どう勝負するのか。

今後の展開に期待だな・・・。

いや、CCRのインストラクターを目指す浮沈子としては、他力本願とばかりはいっていられないだろう。

CCRで潜れるゲレンデを開拓し、酸素の供給を円滑に行い、海外のスポットやクルーズに道を開き、誰もが安心してCCRに取り組めるような環境を整えていくことに対して、積極的に貢献しなければならない。

って、単に自分が潜りたいだけだったりして・・・。