サイドマウントで目指すインストラクター?2014年12月28日 01:24

サイドマウントで目指すインストラクター?


いろいろと我が国での普通のダイビング(オープンサーキットかつバックマウントかつシングルタンクかつメタリコン)をやってみて、これはこれで合理的でよく考えられていることに気付く。

富戸のような、器材装着場からエントリー(エキジット)口までの間を、坂を登り降りしながら歩いたり、手すりに掴まりながらエントリー(エキジット)のスロープを歩かなくてはならない状況では、背中にタンクを背負っているのがいい。

ボートとかなら何でもありだが、こういう所では郷に入っては郷に従えというわけだな。

メタリコンタンクというのも、コスト管理的には有利なんだそうだ。

タンクの点検の頻度少なく、耐久性も高い。

アルミは、どうしてもコストが高くなる。

タンクを各自が管理するならともかく、タンク業者から大量に借り入れて商売をしようというなら、安くハンドリングできるタンクがあるなら当然その方がいい。

我が国だけの独自のダイビングスタイルはこうして定着し、確立し、揺るぎないものとなり、融通が利かなくなっている・・・。

まあいい。

で、浮沈子は、無謀にもサイドマウントでインストラクター試験(PADI語でIE:インストラクター・エグザミネーション)を受けようかと考え始めた。

エーッ、聞いてないけどお!?。

まあ、IDCをやってもらうコースディレクターの柏崎さんが何ていうかは別だし、PADIジャパン(株式会社パディ・アジア・パシフィック・ジャパン)がOKするかどうかは別だ。

IEを受けさせないというなら話は別だが、仮にOKだとしても、バディを組む受験生との問題もある(いったい、こいつは何なんだあ!?)。

スキルで問題になりそうなのは水面と水中の器材脱着くらいだが、まあ、それはなんとかなりそうだな。

ウエイトベルトとか、受験用に巻いておけばいいわけだし。

どっちにしても、浮沈子のバックマウント用器材はSMS75しかないので、普通の器材脱着とは異なる。

それならいっそのこと、サイドマウントで受けようかなと、軽いノリで考えているわけだ。

ただ、受験するサイトにアルミタンクがあるかどうかが問題だな。

ちなみに、2015年のIE開催地は、関東地方では稲取、土肥、三戸浜である。

アルミタンクの扱いがあるかどうかは分からないし、なかったらどうしようということも考えておかなければならない。

もちろん、メタリコンタンクでサイドマウントという選択肢もある。

ウエットでは流石に遠慮したい(プールでやったことありますが、悲惨でした)が、ドライなら6キロから8キロをカウンターウエイトとして装着すればいいようだ(未確認)。

浮沈子のドライの場合、11キロがバックマウントの際の適正ウエイトなので、陸上ではともかく、水中では何とかなる計算である。

サイドマウントのBCの容量が少ないといっても、ドライスーツのエアを調整すればいいので、むしろ簡単だ(ドライスーツスペシャルティでは、ドライスーツだけで浮力調整します)。

うん、これでメタリコンのサイドマウントでもOKだな。

というわけで、サイドマウントでのIE目指して練習しようかと考えてる。

とりあえずは、コースディレクターとの相談だな。

カウントアップ?2014年12月28日 10:23

カウントダウン
カウントアップ?


エボラの感染者数の集計が、19900人を超えて、20000人に迫っている。

まあ、推計では、26日には既に超えているはずである。

国名:感染者:集計日
ギニア:2630:12月24日
リベリア:7977:12月24日
シエラレオネ:9276:12月26日
その他:34:-
合計:19917:-

ギニア、リベリアの増加が、直近1週間の平均では1日約22人乃至23人強であることを考えると、26日には2万人に達したと見るべきだろうな。

リベリアが、思いのほか増加しだした。

これについては、ちょっと気になる記事もある。

(CDC director Frieden cites progress, challenges in Ebola fight after W. Africa trip)
http://www.washingtonpost.com/news/post-nation/wp/2014/12/22/cdc-director-frieden-cites-progress-challenges-in-ebola-fight-after-w-africa-trip/

「In some parts of the region, health-care workers are becoming less vigilant about wearing protective equipment, he said.」

チョンボCDC(アトランタの研究施設で、エボラを誤って隔離レベルの低い部屋に移して、研究者1名に感染の疑いを招いたため)のトップ、フリーデンが言っているので間違いないだろう。

喉もと過ぎれば何とやらである。

「The nurse ended up getting Ebola…」

やれやれ・・・。

ワシントンポストの記事は、主要3か国の最近の状況を伝えている。

「But in the capital of Conakry, “one of the scariest things I heard” came from a Doctors Without Borders team leader, who told Frieden that for the first time since the outbreak, they recently had more patients than isolation beds.」

コナクリ、ヤバくね?。

浮沈子が心配しているのは、隔離ベッドが十分あるはずの今になっても、感染が続いていることの方なんだが・・・。

まあいい。

シエラレオネの首都圏については、楽観的な見方もしている。

「But Frieden said that if the global response remains strong, Freetown and the western parts of the country “should see a significant decrease in cases” within the next few weeks.」

期待しようではないか。

「It will establish offices in each of the three countries and work closely with partner organizations, including the World Health Organization, the African Union and non-governmental organizations.」

結構な話だが、またもや米国主導の対応に眉をひそめる向き(中国とかあ?)もあるのではないか。

浮沈子は、次の言葉を引用したい。

「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」

(トウ小平:逸話)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A6%E5%B0%8F%E5%B9%B3#.E9.80.B8.E8.A9.B1

元々は「四川省の古くからの諺」(彼は四川省出身)だそうだし、本人が言ったのは「黄色い猫」だそうだ。

まあ、どうでもいいんですが。

エボラを終息させるのが、良い猫であることに変わりはあるまい。

画像はシエラレオネの確定感染者の地区別推移である。

今のところ(12月26日現在)、ウエスタンエリアでの「a significant decrease in cases」は見られないな。

チョンボCDCのシエラレオネでのお手並み拝見というところか。

いずれにしても、致死率が高い感染症の流行としては、未曾有の事態であることは間違いない。

(背景にアフリカ軽視=エボラ感染、史上最悪-判断誤るWHO、製薬は利益次第)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014122700137&g=int

「◇死者数の「相場観」
 3月22日、ギニア保健省が「2月以来59人が死亡している」と発表し感染拡大は世界に伝えられた。いち早く現地に医療団を送り込んでいた国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は3月末、各国に向け声明を出し「前例のない流行に直面している」と強く警告した。」

「ところが、WHOは翌日、「(感染地域は)限られている」と警告に反論。これ以前の流行では、致死率の高さから患者は感染速度を上回るように死に絶え、死者が300人に達することはなかった。専門家らのこうした「相場観」が判断を誤らせた。」

「しかし、ギニア南部の山間部から、数百キロ離れた首都コナクリまで感染が広がる事態をMSFが「これまでと違う」と感じたのは正しかった。」

初発当時の報告がネット上では見つからないが、少なくとも3月24日の報告にはコナクリの感染はない。

4月10日の報告には、20人の感染者が計上されている。

(ギニアの憂鬱)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/10/02/7448418

いずれにしても、「これ以前の流行では、致死率の高さから患者は感染速度を上回るように死に絶え、死者が300人に達することはなかった」というWHOの当初の判断が、過去の経験に基づいておこなわれたということ、MSF(国境なき医師団)が、「前例のない流行に直面している」という認識に立ったことが、結果として正しかったことだけは間違いない。

浮沈子は、MSFでさえ、6月頃に一時終息するのではないかと楽観していた時期があることを指摘したいが、そんなことはどうでもいい。

(西アフリカ:なぜエボラがここまで流行したのか?――MSF医師の見解(上):Q1参照)
http://www.msf.or.jp/news/detail/voice_1449.html

「2~3週間前の6月上旬時点で、対象としていた村はギニア国内に2ヵ所のみ。調査結果から、流行終息も間近だろう、と期待が高まっていました。」

人間が、過去の経験に学び、同じ過ちを繰り返さないということは優れた資質だが、その資質が新たな状況への対応を誤らせることもあるという好例である。

MSFは、現場の状況からヤバイと判断したのだろうが、それを説明し、再反論することはできなかったわけで、結果的に対応の遅れを招いたといえるかも知れない。

初期対応の問題と共に、今後の課題としては、これだけの規模で感染が広がった事態を如何に終息させるかということも大きな問題である。

再び過ちを繰り返し、「喉もと過ぎれば・・・」状態が蔓延すれば、そのスキを突いて再度感染爆発が起こらないとも限らない。

「A grave-digging team there now has so little work that it is making furniture for families of survivors.」

墓堀り達が家具を作っているというのは、いい知らせなのだろうが、最後の一人が治癒するまでは気を抜かないほうがいいだろう。

2万人というとんでもない数字に、ただただ驚くばかりだ。

宇宙からの帰還2014年12月28日 18:12

宇宙からの帰還
宇宙からの帰還


(NASA、新型宇宙船「オリオン」がとらえた大気圏再突入から着水までの映像を公開)
http://response.jp/article/2014/12/22/240148.html

宇宙空間から着水までの約10分余りのリアルな映像の紹介だ。

(Astronaut’s-Eye View of NASA’s Orion Spacecraft Re-entry:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=MtWzuZ6WZ8E

「映像の序盤、大気圏再突入時の速度は時速3万2000キロメートル、最大温度は約2200度近くに達していた。熱が上昇するにつれて、プラズマの色は白、黄、薄紫、深紅へと変化。パラシュート放出・開傘後の速度は時速32キロメートルまで低下していた。」

散文的な紹介だが、映像と幻想的なBGMは美しい詩のようだ。

浮沈子は、久々に無条件に感動したな。

21世紀らしからぬ落下傘(パラシュート)の開傘や、スプラッシュダウンの水しぶきもさることながら、高層大気の断熱圧縮(摩擦ではない)により高温に加熱したプラズマの光が織り成す生き物のような模様は、「2001年宇宙の旅」のサイケデリックな特撮シーンを髣髴とさせる。

(2001 : A Space Odyssey Full Movie - Pink Floyd:1時間42分辺りから:映像のみオリジナル:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=tTLplJ0Irlo

オリオン宇宙船が、モルモットである人間を乗せて惑星間空間を大量の宇宙線を浴びながら飛行する時、神経系を侵された宇宙飛行士が見る幻影というのは、さしずめこんな感じなのかもしれないな。

まあいい。

デルタIVヘビーで打ち上げられたオリオンは、無事に地球に帰還した。

アポロが飛ばなくなってから40年以上(最後の17号は1972年12月)、人類は地球周回軌道から遠くへは出ていない。

ISSが巡るせいぜい400km程の高さにへばりつくようにして、宇宙空間の入り口をうろうろしていただけである。

(アポロ17号)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD17%E5%8F%B7

「2014年現在、17号は人間が月面着陸を行い、また地球周回低軌道を越えて宇宙を飛行した最後の例となっている」

浮沈子は、人類が地球周回軌道を越えて宇宙に進出することについては、様々な理由から懐疑的だが、行きたいという者を留めることはできない。

オリオンは、そういった人類の積年の夢、他の惑星へと旅立つための船として建造された。

月以遠の天体(当面は小惑星だそうだが、いずれは火星)に人類の足跡を刻むため、少なくとも、その可能性を探るための手段として作られたわけだ。

人の作りしものの中で、最も野心的で、最も美しく、かつ、最も悲しいものである。

悲しいってかあ?。

そう、宇宙船は、人類が生を営んでいる地球上にへばりついているだけでは満足できないという宿命を象徴しているからである。

大人しくしてりゃあいいものを・・・。

今後、どれだけの浪費、どれだけの犠牲、どれだけの生贄をつぎ込むかもしれないオリオン。

そして、それを使った宇宙計画。

その第一歩が記されたわけだ。

無人の宇宙船が、試験飛行を終えて戻ってきたのだ。

将来、オリオンに乗る宇宙飛行士たちは、同じような映像を見ながら戻ってくるのかもしれない。

それとも、その風景を見ることなく、異国の地で(異星の地で?)暮らすことになるんだろうか。

水中からの帰還2014年12月28日 22:25

水中からの帰還
水中からの帰還


何度か同じようなことを書いたような気もするが、宇宙からの帰還について書いた後、どうしても書きたくなった。

(出口の無い死の恐怖)
http://www.asdi.info/story/story-cave.html

「何も見えず、何度もぶつかる。思う様に進めず、ガスは確実に減っていく。ラインは出口に向かっているのか?どれくらい先か?ガスは足りるのか?死を考えた。」

「指に触れているライン、この細いヒモが自分の命を左右していると思った時、恐怖ではなく、悲しさが込み上げ、泣きたくなってきた。」

「フロリダにトレーニングを受けに来たことを後悔した。こんな汚い穴で死ぬのがイヤだった。もし助かったら?トレーニングなんてやめて、日本に帰ろう。」

・・・。

「進むほど深度も浅くなり、穴はさらに広がっていく・・・・・光が見えた、出口だ、助かったのだ。」

・・・。

「減圧を終え、水面に浮上した。そこは自分の生きる世界。空気、青い空、雲、風、音、森・・・・生命が満ち溢れ、美しい世界が広がっていた。」

アドバンスを取得する際にお世話になったASDIの鷹野さんの記事である。

大瀬崎で教えていただいた時も、同じような話を聞いた。

人間が生きることが出来る世界は、地球の薄い大気の底、この地上の僅かなエリアに限られているのだ。

数千メートルも登れば、もう酸素が薄くなって呼吸が苦しくなる。

水中では、器材の助けを借りなければ、1mも潜ることはできない。

浮沈子は、プールでのトレーニングダイブを中心に、数百時間を水中で過ごしているが、水面に浮上してマウスピースを外した時が一番幸せである(CCRで潜った後は、少々酸素が薄いような気もするが)。

無事にダイビングを終えることが出来たという安堵感、さあ、飯だ!、という期待感(!?)、エトセエトセ・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

水中世界は確かに素晴らしい。

人間が生活することが出来ないエリアである。

非日常の最たるものであって、弱肉強食の野生の世界でもある。

しかし、そこは彼ら水中生物たちの世界であって、我々が日常を送ることが出来ない世界だ。

人が作り出した「巣」である町や大都会でなくても、森林や草原なら、まだ人が住めるということはあるだろうが、水中は生身の人間には縁のない世界である。

その意味では、宇宙空間と似ているともいえる。

まあ、宇宙空間には生態系のようなものはまだ見つかっていないけどな。

器材を使って探検するという意味では同じだ。

陸上でも、山岳、極地、洞窟などは、近いところがある。

しかし、器材を持たずには一歩たりとも近づくことができないという点では、宇宙空間と水中が最たるものだ。

まあ、水中は息堪えという手段がないわけではない。

水棲昆虫や水棲哺乳類などの中には、水中に空気を持ち込んで生活しているものもいる。

しかし、彼らを除けば、一般に水中の溶存酸素を当てにしてしているわけだ。

人間は、そういう意味で、水中生活に適した動物ではない。

一時的に、狩猟を含む業務や研究、そして大部分はレジャーとして潜る。

遊びで潜る以上、安全は最優先だし、行動範囲も限られているが、それでも数十メートルから300メートルくらいの深さまで、数十分から数百分を環境圧で潜るようになってきた。

器材の発達のおかげであるな。

トレーニングを積むのは、その器材を使いこなすためなのであって、いくら練習しても、人間自身の潜水能力を高めることはできない(アプネアは別かも)。

浮沈子は、ノーモキシックトライミックスで、練習中にせいぜい45mくらいまでしか行ったことはないが、セブの水中は薄暗く、あまり魅力的なところではなかった。

浅く、明るく、温かい海がよろしい。

さらに、無事に水面に上がってきて、うまい空気を吸うのがよろしい。

先日、150分の連続潜水をCCRで行ったが、長けりゃいいってもんでもないことが分かった。

適当に水中を楽しんだら、陸に上がって楽しまなければならない。

浮沈子の場合は、概ね食ってるか寝てるかですが。

水中だけ楽しいというのは、いかがなものか。

程度や種類の差はあれ、陸上でも楽しめるのが正しいと思うな。

早く水中に潜りたいというのは、依存症の気があるのではないか。

宇宙飛行士が依存になったら、さぞかし困るだろうし。

火星に住みたいなどという御仁もいるので、そういう方はまた別だが。

人類の環境適応性は極めて高いが、それにしても限界がある。

さまざまな器材を用いても、長期間留まれない環境というのはあるのだ。

そうして、本来の生活の場に戻ってくる。

そこでの充実と、冒険的な環境へのチャレンジがバランスよく行われるのがよろしい。

帰還なくして打ち上げなし、浮上なくして潜行なしである。

画像は、グアムのアメリカンタンカーのデッキ上にあるキャビンのエア溜まりに顔を出した浮沈子(アップに耐えられなくて、すみません・・・)。

オープンサーキットダイバーの排気が作った空間である。

ガイドのプリンスからは、ここの空気を吸わないようにと注意を受けた。

まあ、吸いたいとも思わないが。

陸上の生活の充実あっての水中の冒険なのだろう。

その冒険にしても、安全に帰還することが出来る範囲に、常に留まる。

そうでなければ、ただの無謀な行為になってしまう。

人類の行動範囲を広げる行為の一つであるレジャーダイビングという遊びは、しかし、一歩間違えば命を失う。

それを肝に銘じて、必ず帰還するという意識を持ち続けなければならない。

器材の点検、メンテナンス、潜水ルールの遵守、メンタルを含めた健康の維持・増進・・・。

吸うといえば、先日のグアムでは、浮沈子とプリンス以外のダイバーは、全員喫煙者という事態になった(!)。

ちょっと考え物だな。

まあ、プリンスは、噛みタバコをやってるんだが。

(噛みタバコ (ビートルナッツ))
http://fah-takae.jugem.jp/?eid=53

噛みタバコとダイビングの関係は良く分からないが、およそ身体にとって害にこそなれ、益はあるまい。

(ビートルナッツの弊害?:下の方)
http://www.geocities.jp/aqua_in_yap/betelnut.html

「最近の研究では、ビートルナッツを噛むと、口腔ガン(Mouth cancer)になりやすくなるということも言われています。
また、長い間ビートルナッツを噛むと、口の中にステインの赤い層ができ、口の中の傷の原因にもなるようです。」

浮沈子は、相変わらずのコーヒー中毒で、ショップのドリップコーヒーを飲みまくっていた(朝2杯、ダイビングから帰って2、3杯!)。

適度な嗜好品というより、ジャンキーに近いな。

もちろん、ホテルのフロントにあるフリーのコーヒーは別勘定である(!)。

朝5時から10時までは飲み放題で、おかげで早寝、早起きが苦ではなかった。

飲み過ぎにはご用心だな。

何の話だっけ?。

そう、健康管理を積極的に行い、ダイビングを末永く楽しみましょうという、いい話だ。

ダイビング自体が健康増進に繋がることはない。

高圧ガスを水中で吸い続けることは、短期的にも長期的にも、体にとっては大きな負担だ。

重い器材、冷たい水、どれもストレスを与える。

水中で流れがあったり、透視度が悪ければ、それもストレス。

しかし、それらに勝るリラクゼーションがあるからダイビングは人気なのだろう。

浮沈子がPADIのプロコースを学んでいるのも、根本的には安全でリスクを減らしたダイビングを長く続けたいからである。

そんなダイビングを、多くの方々と分かち合えればそれに越したことはない。

浮沈子の禁煙は、随分昔になる。

特にダイビングがらみではない。

しかし、今、このブログを書いている瞬間も吸いたい。

精神的な依存は、一生消えないだろう。

むろん、十数年の間、1本も吸ってはいない。

アルコール類は、深潜りをするようになってから、潜水直後の飲酒について、イントラに指摘されて以来、きっぱり止めた。

こちらは、時々飲みたくなることはあるが、4年間、一滴も飲まないで済んでいる。

浮沈子にとっては、禁酒の方が簡単だったが、まだ4年間である。

10年飲まずにいて、再び依存になってしまった方もいる。

アルコール類は、一度止めたら、一生飲まずに通すのが基本だ。

断酒である。

一旦飲めば、必ず元に戻る。

適量な飲酒など、有り得ない。

少なくとも、ダイバーは、ダイビングの前24時間はアルコール厳禁だな。

したがって、プロダイバーは、ノンアルコールが基本ではないかと考えている。

翌日にダイビングしないと分かっている時だけ、嗜む程度でいい(そんな器用な飲み方が出来ないから、浮沈子は断酒した)。

コーヒーは、どうなんだろうか。

テクニカルダイバーは、脱水を促すということで、奨励はしていないようだが、レクリエーショナルダイビングでコーヒー禁忌という話はあまり聞かない。

レスキューダイバーの講習では、他のダイバーの事故を経験して、PTSDの兆候が出たら、コーヒーは飲むなとある。

健康管理のほかにも、器材管理が重要だ。

明後日は、スキューバプロショップでPADIの器材スペシャルティを受ける予定である。

(器材スペシャルティ・コース)
http://www.padi.co.jp/visitors/program/cu_esd.asp

様々な知識や経験を効率よく伝達し、ダイバーのコミュニティ全体のスキルを高めていくというのは重要なことだ。

いろいろ意見はあるだろうが、PADIがテクニカルコースに門戸を開くことで、プロレベルのダイバーの中にテクニカルダイバーが増えていくことも考えられる。

テックの器材に対する考え方や使いこなしを学ぶことによって、レクリエーショナルレベルでは、より安全なダイビングを行っていくことができるようになることも期待される(逆のパターンは、勘弁して欲しいな)。

まあいい。

適正な器材をよく管理して、正しく使うという、当たり前のことを、注意深くきっちり行うことが重要だな。

そうして、これらのことを十分に行ったうえで、控えめなダイビングを行うことも重要だ。

控えめというのは、もう少し潜っていたいと思うくらいがちょうどいいということで、ダイコンの限界ギリギリではないとか、連日のダイビングで疲れきってしまうということのない状態のことだ。

控えめでないダイビングは、必ず身体に無理を掛けているのである。

何か物足りない、また来て潜りたいというのがよろしい。

お客さんダイバーだけでなく、ダイビングサービスや、引率したショップにもよろしい。

海は逃げることはない。

限界ギリギリや、業界基準を超えたダイビングなどしなくても、十分満足できるはずである。

そうでなければ、次のステップに進むときが来たということだ。

テクニカルダイビングに進み、100m越えや穴潜りに凝るのもよし、リブリーザーに嵌って180分のレクリエーショナルダイビングを楽しむのもよし、ダイビング教育に目覚めてコースディレクターを目指すのもよし。

どの道、生身の人間が環境圧で潜ることができる限界など高が知れている。

その限界の範囲内で楽しみ、笑顔で上がってくることができるように心がけたい。

所詮は、遊びなのだから、目くじら立てて必死に行うものではないはずだ。

プロレベルにしても、パツンパツンの状態では、適正な安全管理など望むべくもない。

常に余裕を持って、自らの安全を確保した上での顧客の安全管理でなければなるまい。

水中からの帰還、それは、宇宙飛行士が行うオペレーションとは異なる。

当然のように帰還し、当然のように、再び潜っていくのだ。

同じように、生命の危険を身に受けながら、ここだけは全く異なる。

また、そうでなければならない。

そのことを、常に肝に銘じておきたい。