CCRダイブ2015年02月12日 00:46

CCRダイブ
CCRダイブ


CCRというと、浮沈子は、どうも器材から入ってしまったり、潜水ガスの生理作用の方に興味が行ってしまって、肝心のダイビングは二の次になってしまう。

潜ってなんぼ、泳いでなんぼのダイビングで、CCRを使おうがOCでタンクから直に吸おうが、大した違いは無い。

エントリーして、泳いで、エキジットしておしまいである。

ここんとこを間違うと、いろいろややっこしいことになる。

60分程度のダイビングをして、深度が、まあ、一般のダイビングで最大18mくらいで、温かい南の島で、1日1本だけ潜って、後は昼寝して、お目覚めの後に美味しいもの食べて、そんでもって、まあ、いろいろして(子供は分かんなくていいです!)、ドンちゃん騒ぎして夜更かしして、また寝て・・・。

そういうダイビングでは、CCRだろうがオープンサーキットだろうが、大した違いは無い。

普通にタンク借りて潜るのが簡単でいい(できればナイトロックスで)。

そうではなく、朝から昼くらいまで漬かりっぱなしの3時間ダイビングとか、いきなり30m以上行きます!、それを1週間ぶっ続けでやります、とかいうと、結構な差がついてくる。

しかし、今日は、敢えてそっちの話題は(なるべく)しない。

アベレージ10m未満の、あんまり窒素を溜め込まない、保守的な、浅く、明るく、暖かいダイビングの話だ。

えーと、特に「浅い」というのは、CCRにとっては鬼門なんだな、これが。

構造的に、息を吸っても吐いても浮力が変わらないので、BCとカウンターラングで微妙な調整をしなければならない。

いったん浮き出すと、BCもカウンターラングも同時に膨れるので、一気に浮力が増加する。

BCから抜いてもいいんだが、その深度で平衡していた浮力を壊すことになるので、出来れば弄りたくない。

カウンターラングからの排気も、元々ミニマム・ループ・ボリューム(のはず!)なんだから、さらに排気してしまうとバランスを壊してしまう。

最悪、息が出来ないということにもなりかねない(PADIの指定するタイプRのリブリーザーは、オートディリュエントバルブ必須です。強く吸えば、自動でディリュエントガスが回路内に入ってきて、呼吸できます)。

排気して目標の深度に戻したとしても、今度は回路内の容積がその分減ってしまって、ディリュエントで補うと、今度はPO2が下がってしまって酸素を追加されて、微妙に体積が増えて、またまた浮力が付いてしまって浮き出して・・・。

悪夢のような循環が始まり、ディリュエントは減るわ、酸素は減るわで、もう、ひっちゃかめっちゃかになる。

浮くだけではなく、沈んだ場合も悲惨だな(略)。

浮沈子は、重めにしてフィンキックで誤魔化すか、軽めにして同様に誤魔化すかの選択で、どちらかと言えば軽めにして前下がりのトリムになってしまう癖が付いてしまった。

インスピレーションのように、カウンターラングの底に空間があり、そこに水が入っても、少しなら溜め込める構造になっている場合(多くのCCRがそうなっていますが)、二酸化炭素吸収剤が逆立ちトリムで濡れてしまって、コースティック・カクテルができるということになり、運用上、問題が生じる。

rEvoなどは、少し違うようだな。

とにかく、微妙な浮力調整を行い、その深度で可能な限り中性浮力に近づけておかないと、浮き出したらとことん浮くし、沈みだしたらとことん沈む構造になっている。

CCR初心者が陥りやすいのは、カウンターラングをパンパンに膨らませて、そっちの浮力変化をなくしてしまって、後はBCで調節しようとするか、BCで浮力を追い込まずに、カウンターラングからの排気と、オートディリュエントバルブからの給気を繰り返して浮力調整を行おうとするパターンだな。

前者は、原理的には合理性があるが、BCだけでは、そこまで細かく浮力調整が出来ないので、浮き沈みを繰り返すことになるし、カウンターラングの排気が上手くいかないときに、肺の過膨張障害のリスクがあるので避けるべきだ。

適正なウエイトの選択も誤ることになりかねない。

後者については、まあ、浮沈子もよくやるパターンで、初めは誰もがこれを繰り返すことになる。

しかし、これは、既にリブリーザーではなく、オープンサーキット状態になってしまっていて、ディリュエントも酸素も、見る見る減っていく。

BCで、適正な浮力にしっかりと近づけておいて、後は微調整するというのが正解なんだが、言うは易く、行うは難しということだな。

ある程度の深さ(20mくらい)で、ゆっくりと泳ぎながら一定の深度を保っているなら、まだいいんだが。

5m未満でホバリングというのは、かなり厳しい。

インスピでは、ある程度出来るようになったが、ポセイドンの場合は、変化球があって、そう簡単にはいかない。

なぜなら、およそ5分に1回、酸素センサーのキャリブレーションを行うために、大目のガスの噴射があるのだ。

シューーーーーーッ!。

これを喰らうと、回路内からガスを逃がさない限り、てき面に浮き出す。

どの程度のガスを出せば相殺出来るかというのは、ダイバーによって感覚が異なるんだが、浮沈子の場合は、軽く鼻から息を吐いて、ソレノイドバルブが開いていた時間と同じくらい出すと、ちょうどいい。

慣れないうちは、少し多めに吐いて、そんでもって軽く吸う。

オートディリュエントバルブが軽く作動することを確認して、その余分に吸い込んだ分を再び鼻から出していた。

この分は、ディリュエントのロスになるので、少なければ少ないほどいいんだが、体積が多いまま浮き出して修正するのと比べれば微々たるものだ。

正確なミニマム・ループ・ボリュームを維持することの方が重要である。

一旦決まった浮力体の体積は、出来れば変えたくない。

深度は1mどころか、10cmも変えたくない。

浅くなったり深くなったりすれば、それだけ浮力体の体積が変化することになり、その分の微調整を行わなければならないからだ。

CCRダイバー(SCRでも、たぶん同じ)苛めをしたければ、徐々に深度を上げながらゆっくり泳ぐというパターンか、1mくらいの深度変化を頻繁に行うパターンがいい。

地獄である!(ひえー・・・)。

もちろん、オープンサーキットのダイバーにとっては、何の苦労も無い。

よくいわれるように、CCRダイバーは、障害物があると深度を変えずに「進路」を変えて回り込み、オープンサーキットダイバーは、進路を変えずに深度を変えて避けるということになる(まあ、オープンサーキットだって、回り込んで避けてもいいんですが)。

さらに、5m未満での安全停止をしっかり行う!(しょえー・・・)。

セブのスコッティーズのガイドさんは、基本に忠実にやっていただいたので、浮沈子は相当ジタバタした(おかげで、コツが掴めたんですが)。

えーと、レクリエーショナルレベルのCCRダイビングでは、安全停止の義務は無いんですけど・・・。

組織や血管中のガスが、急激に大きな気泡化することが無いように、ゆっくりと(概ね毎分9m未満)で上がってくるだけでいい。

大体、CCRで普通に潜っていると、大体のダイビングコンピューターはデコ出ししてしまって、使い物にはならない。

CCR用の機能が付いた専用のダイコンを使うか、ゲージモードに出来るダイコンを使うことになる。

32パーセントくらいのナイトロックスモードにしておけば、デコ出しを防止する効果はある。

もちろん、生理的な意味は無い。

動的に酸素濃度を変化させるCCRの場合、ユニットに組み込まれたコンピューターだけが、正確にNDLを計算できる(外部の専用ダイコンに、回路内に置いた酸素センサーからケーブルをひっぱることで、ある程度正確なデータは取れるが、通常、外部用のセンサーは1つだけなので、信頼性は落ちる)。

ああ、またメカの話になっちまったな。

ポセイドンセブンも、プールや海で何回か潜り、キャリブレーション攻撃にも対応出来るようになってきて、ようやくマイ器材という感じになった。

CCRにおける中性浮力は、浮沈子にとって永遠の課題になりそうである。

機種毎に、運用の違いや特性の違いはあるが、今のところ、インスピをやっていてセブンに移るパターンでは、楽になることはあっても苦労が増えることは殆どない。

セブンからインスピだと、いろいろ弄れる分だけ苦労するかも。

もっとも、浮沈子は、まだレクリエーショナルレベルなので、減圧を伴う運用についてはインスピしか知らない。

PO2の設定を水中で変更できたり、ディリュエントガスの種類を切り替えたりして、自動的にコンピューターが減圧時間を計算してくれるという点では、インスピの方が簡単という評価もあるだろう。

水中での設定変更が出来ないセブンは、一体どういうことになるんだろうか?。

マニュアルで突っ込んだ酸素のPO2はコンピューターにも分かっているので、その積分計算をしてくれて、加速減圧とかしてくれるくらいは当然だろう!(未確認です)。

ディリュエントの切り替えとかしたときには、何らかの変更を加える必要があるだろうが、100mまで行けるユニットを持っている浮沈子でも、その設定方法はまだ分からないし、水中で動的に変更を加えることは出来ない(そんな仕掛けは無い)。

それを考えると、やっぱ深場はインスピの方がいいんじゃないかという気もする。

サイドマウント仕様に改造途中(というか、ばらしたまま)のユニットとは別に、もう1台手に入れておいたほうがいいんじゃね?。

インストラクターの講習をさっさと終わらせて、早いとこCCR三昧にならないとな。

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