見送り2015年02月23日 09:58

見送り


(西アフリカへの陸自派遣、見送りへ エボラなお猛威…官邸が最終判断)
http://www.sankei.com/politics/news/150223/plt1502230004-n1.html

「現段階では現地での自衛隊の機動的な活動は難しい」

「国内外の情勢を踏まえれば将来的に派遣する可能性は小さい」

今のところ、産経しか報じていないが、近々に発表になるんだろう。

マジかよ!?。

国会では、海外派兵の恒久法化や、世界中の軍隊との共同作戦ができる集団的自衛権について検討中だ(多少、正確ではないかもしれませんが)。

この時期の海外派兵は、目的はなんであれ、政治的にマズイと思ってるんだろうか。

だって、2か月も先の話で、その時点でどうなっているかは分からないにも拘らず、やる気はないということを現時点で世界中に表明することになるわけで、もう、何というか、呆れて物が言えない。

技術的な問題ではなく、政治判断によることは明白だな。

防衛省としては、英軍に対して義理は果たした格好になる。

ウチが決めたんじゃない、って。

政府の判断だと。

「自衛隊の現地派遣への道を完全に閉ざすものではない」

まあ、そう言うだろうが、事実上、自衛隊を現地(ガーナじゃなくって)に派遣するという選択肢はない、ということを表明したわけだ。

感染対策や輸送業務そのものの問題でないことも明らかだ。

だって、英軍が今までやってたんだから。

陸上に拠点を置かなければ出来ないわけではなかろう。

つまり、ハッキリ言って、西アフリカ地域にこれ以上積極的な関与をしても、見返りはないからやらないという姿勢を明確にしたわけだ。

特に、軍隊の派遣というセンシティブな問題を絡めての話は、今後ともないと思っていい。

あの時(つまり今回)派遣しなかったのに、なぜ今回(つまり次回)は派遣するのかという整合性が取れない。

国連ではなく、英軍からの打診というのが筋が悪いということもあるかもしれない。

しかるべき外交ルートを通じての話であれば、いいチャンスだったのにと、浮沈子などは考える。

防護衣2万着をガーナに空輸して、ショー・ザ・フラッグはやったんだから、もういいだろうということなんだろうか。

医療支援や資金支援は当然だが、ここで踏み込まなかったツケは大きいのではないか。

まあ、米軍の撤退時期と重なるというのも、筋が悪い。

ひょっとすると、そっちの方から何か言われたのかもしれない。

これからは、民間人のフェーズだと言って軍隊を引き揚げている米国の顔に、泥を塗るつもりかあ?。

こっちの方が、リアルな感じもするな。

まあいい。

防衛省としては、陸海合同で地球の裏側に軍隊派遣できなかったのは痛恨だが、次回に期待というところか。

要請2015年02月23日 21:28

要請


(陸自、西アフリカ派遣見送り エボラ熱対策で)
http://www.jomo-news.co.jp/ns/2015022301001585/news_zenkoku.html

「派遣するなら準備がいろいろと必要だ。国際機関からの正式な要請もない」

その準備のための計画案を蹴ったのだから、それが理由でないことは確かだ。

じゃあ、国連からの正式な派遣要請があったら出て行くのか。

こういうことは、いろいろ事前の根回しがあって、双方の調整が付いてから正式要請という形を取る。

非公式の要請を蹴っていたのではないか。

浮沈子は、その辺りが気になるな。

様々なルートを通して打診し、唯一叩き潰されなかったのが防衛省ルートだったのかもしれない。

なぜ、自衛隊(我が国のれっきとした正規軍)は行かないのだろうか。

(国際緊急援助隊)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%B7%8A%E6%80%A5%E6%8F%B4%E5%8A%A9%E9%9A%8A

「自衛隊部隊:
自衛隊によって構成され医療・防疫などの緊急援助活動や物資の輸送活動などを行う。」

能力がないわけではないし、災害派遣では実績もある。

(エボラ出血熱:シエラレオネへの自衛隊派遣を見送りへ)
http://mainichi.jp/select/news/20150224k0000m010031000c.html

「輸送艦の定期整備のためシエラレオネでの活動を中断する英国が1月末、防衛省に任務の一時交代を要請。同省は4月ごろから6月末まで派遣する計画案を作り、中谷元防衛相が18日、安倍晋三首相に説明した。」

「燃料や通信設備の開設などに数十億円が必要で、同省幹部は「費用対効果の面も考慮し、派遣しない方向になった」と語った。」

まあ、金が掛かるから止めとこうというのがホンネなんだろう。

その費用対効果がない業務を英国はやってきているのだ。

所詮、我が国にとって、西アフリカは「人事(ひとごと)」であり、自衛隊の派遣も「英軍の代替」に過ぎない。

英軍にはそんな義理はないし、当事国を含め、国際機関(国連)などからの要請もないというわけだ。

当てにされてないだけじゃあないのかあ?。

そんでもって、それを理由に派遣しないというのは、ちょっとズレてるというか、スネてるというか・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子が気になるのは、英軍の業務を誰が引き受けるというかという点である。

中国辺りが出張ってきて、ドーンと引き受けたりすると面白いな。

アジアで頼りになるのは、もはや日本ではないと。

21世紀の国際社会に貢献するのは、やっぱ中国だと。

目立つところには、必ず出て行きたがると(?)。

まあいい。

どこでもいいが、この大事な時期に、現地の輸送業務に穴が開かないように、関係機関はしっかり調整してもらいたいな。

しかし、費用対効果って、何なんだあ?。

国際緊急援助って、そういう観点で行うものなのかあ?。

(国際緊急援助隊の派遣に関する法律)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%B7%8A%E6%80%A5%E6%8F%B4%E5%8A%A9%E9%9A%8A%E3%81%AE%E6%B4%BE%E9%81%A3%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B

「海外の大規模災害に対して、要請に応じて国際緊急援助隊を派遣して、国際協力の推進に寄与することを目的としている(第1条)」

当事国も国連でもいいから、要請すればいいのに。

まあ、でも、送らないって決めちゃったしな。

情けないというか、何というか・・・。

破壊的技術2015年02月23日 23:31

破壊的技術


ディスラプティブの意味については、破壊的とか混乱をもたらすというニュアンスで、保守的な、或いは漸進的な考え方とは相容れないようなドラスティックな変革をもたらすような、という感じなんだろう。

(破壊的技術)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%B4%E5%A3%8A%E7%9A%84%E6%8A%80%E8%A1%93

浮沈子は、あることとの関連で、この概念に強く引き付けられている。

破壊的技術の例が列記されているので、かいつまんで書いておく。

破壊的技術:陳腐化した技術
・蒸気機関、内燃機関:動力としての馬や人間
・自動車:輸送のための馬
・油圧ショベル:ケーブルによって作動する掘削機
・ミニ製鉄所:統合化された製鉄所
・オフィスコンピュータ:メインフレーム
・コンテナ船とコンテナ:貨物船
・DTP:出版
・デジタルカメラ:銀塩カメラ、写真フィルム
・パーソナルコンピュータ:オフィスコンピュータ、ワークステーション
・半導体:真空管
・蒸気船:帆船
・電話:電報
・携帯電話:固定電話

まあ、若干の疑義はあるし、CD:レコード(DVD:ビデオテープ)とかがないのは、明らかな漏れだな。

もっとも、既に、インターネット音楽配信:CD(ブルーレイ:DVD)ということになってるんだろうが。

浮沈子は、メインフレームがインターネットサーバーによって置き換えられるのをこの目で見てきた。

さらに、現在はデータセンターに集約されたサーバーシステムに置き換えられ、クラウド化されている。

基盤となる通信技術や、ハードウェアアーキテクチャに大きな違いはないものの、アットーテキなコストパフォーマンスの増大により、サービスの形態は様変わりした。

コンピューターの恩恵は、21世紀の現在では、誰でも、どこにいても享受することが出来る。

これは、一例に過ぎない。

破壊的な変化というのは、片隅で起きている。

ガレージの中とか、企業の窓際族とか。

小さな市場しかなく、大企業は気にも留めないのだが、重要で未来を拓く変化だ。

今、浮沈子が注目しているいくつかの技術や製品、サービスは、どれも破壊的技術を基盤としている。

いわく、自動運転自動車、燃料電池自動車、再使用宇宙ロケット、電子制御閉鎖循環式潜水器(ECCR)、ウエアラブル・コンピューター、生体埋め込み式電子デバイス、遺伝子工学、人工生命、機能性材料、エトセエトセ・・・。

このブログにも、それらのいくつかは登場している。

従来の製品、世の中に出回っていて、商品として成功し、それなりに儲かっているものを駆逐し、片隅に追いやり、消滅させかねない危ない新技術だ。

大企業は、市場を守るために、そういった破壊的技術を開発している企業を買収し、特許を囲い込み、研究を止めさせ、技術者をほかの事に専念させたりするが、そんなことをして効果があるのは一時期のことに過ぎない。

本当に儲かりそうなら、自社の技術として製品化することもあるだろうが、そのことによって自社が拠って立つ製品が市場から消えて無くなるようなことがないように、周到に計画する。

浮沈子は、趣味の世界で出会ったCCRについては、ディスラプティブな技術であるかどうかについては確信が持てないでいる。

高圧タンクの性能が向上して、1000気圧のダイビングタンクにしこたまガスを詰めて潜れるようになれば、オープンサーキットだって長時間の潜水は可能になるし、大深度下でガスの消費が早いこともある程度解決されるからだ。

既に、トヨタのミライは、700気圧(実際の耐圧は850気圧といわれる)の水素タンクを積んで走っている。

しかし、ダイビングコンピューターが普及し、減圧症患者を量産しながらも、水中での利用が広まっているように、電子デバイスに頼り、環境圧の閉鎖循環回路という、何時ぶち破れるかも知れない怪しげなものに頼るCCRだって、時が来ればオープンサーキットを駆逐する時代が来るかもしれない。

繰り返すが、確信はない。

次から次へと新しい機種が登場しては、いつの間にか消えていき、片手で数えられるほどの機種しか残ってはいない(バリエーションはありますが)。

レコードがCDに代わったように、銀塩カメラがデジカメに代わったように、ほぼ完全に代替するような状況になるには、もう一段の変革が必要なのかも知れない。

例えば、二酸化炭素の除去に薬剤を使わなくても良くなるとか、酸素センサーがなくても必要な酸素の量を計算して吐出することが出来るようになるとか。

原理的には不可能ではないだろう。

酸素が必要なら、人間は沢山呼吸するわけだし、循環するガスの総量を計測すれば供給すべき酸素の量は計算できる。

まあ、そのためにはカルマン渦を数えるとかしなければならないかもしれないし、超音波計測器も必要かもしれないが、バッテリーさえ積み込めばそんな仕掛けは簡単に出来そうだ。

二酸化炭素の除去も、有り難いことに水中に溶かし込むことが可能だ。

その仕掛けのために、CCR10台分のコストが掛かるとしてもだ。

水中の溶存酸素を取り出す素材が出来れば、ポンプで循環させた大量の海水から純酸素を取り出して供給すれば、持ち込むのはデュリエントガスだけでいいことになる。

まあ、そうまでして環境圧で潜りたいのかということは別にして、テクノロジーとしては、そういう方向もあるということだ。

バッテリーさえ付ければ、ディリュエントタンクだけで長時間潜れるという分かりやすい器材ということになる。

二酸化炭素除去剤や酸素センサー、純酸素のタンクといった分かりにくさは、CCRの大きな欠点である。

オープンサーキットでは12リッターでも2本必要だが、CCRなら3リッター1本でいいとか、そういう浮沈子でも理解しやすいのがいいな。

まあ、どうでもいいんですが。

従来の製品、サービスと比べて、アットーテキな高品質とか、品質は同等でも、アットーテキな低コストでなければ、なかなか破壊的な代替にはならない。

アットーテキな高品質だが、アットーテキな高コストであるCCRの場合、現段階での選択は、支払い能力と価値観との相克になる。

その段階では、まだオセロゲームのようなイッキの置き換えにはならない。

「持続的技術とは主流市場の主要顧客が評価する性能指標(すなわち、従来の価値基準)のもとで性能を向上させる新技術のことである。持続的技術がもたらす変化を、持続的イノベーションという。」

大深度下でも呼吸抵抗が小さくて済むレギュレーターとか、高圧のガスを詰め込める軽量小型のシリンダーとかは、持続的イノベーションになるんだろう。

CCRは、全く異なる原理で呼吸ガスを供給するが、現在のレクリエーショナルダイビング市場での普及は僅かだ。

「破壊的技術は優れた特長を有しながらも従来の価値基準では性能的に劣るので主流市場では地位を得られない。かわりに破壊的技術の優れた特長を高く評価する、小規模で新しい市場を創出することになる。」

大深度潜水とか、長時間潜水を必要とするテクニカル市場での普及は、正にこの様相を表していると思う。

「新たな価値基準の下で顧客を得た破壊的技術は持続的技術により少しずつ従来の価値基準で評価される性能をも進化させていく。」

「破壊的技術の性能が進歩し、主流市場の主要顧客の要求する性能的水準を満たすようになると、破壊的技術によって従来技術が代替される。」

まあ、いつも、そう上手くいくとは限らんだろうが。

「この間、従来技術も持続的技術により性能を進歩させるが、それらはしばしば顧客の要求水準をはるかに上回る状態におちいる。」

仮に、オープンサーキット用に1万気圧のシリンダー(とレギュレーター)が開発されたとしても、同一のシリンダーでは同じFO2でしかガスを供給できないわけだ。

明らかなオーバースペックで、それをもってCCRに対抗することは出来ない。

「そのため、顧客の要求水準を十分に満たし、かつ従来技術にはない優れた特長を有する破壊的技術が性能的に優れる従来技術を代替することになる。」

動的に酸素濃度を変化させて、同一PO2のガスを供給できるCCRは、正にこれに該当することは確かなんだがなあ・・・。

値段と分かりやすさがキモだと思うんだが・・・。

「従来技術に対して最適化された組織の能力が状況が変化した際に足かせになってしまう。特に、インプットをアウトプットに変える組織的プロセスや投資案件の優先順位をつける際の価値基準は状況の変化に応じて容易に変えることはできない。」

もともと潜水器材も作っているポセイドン、ホリスなどは、CCRを作ることによって、新たな需要にしっかりと応えている。

どっち転んでも損はしないということだな。

その意味では、CCRだって、既に次の潜水器に置き換えられる運命に晒されつつあるのかも知れない。

えっ?、ポストCCRって、何なのかってえ?。

音もしないし、酸素シリンダーもディリュエントもいらなくて、二酸化炭素除去剤もいらない夢の潜水器を、浮沈子は知っている(セブでも使いました!)。

水中世界を気軽に楽しめて、100ドルもしない、安価な装置(?)だ。

スノーケリング・・・!。

マジな話、23世紀くらいになれば、大深度潜水は、大気圧潜水服が主流になって、深度1万メートルとかに行けるようになるだろう。

それ以外は、みんなスノーケルで遊んでるに決まってるな!。

CCRなんて、そう考えると一時の流行に終わる運命かもしれない。