こっちも終息?2015年07月17日 23:06

こっちも終息?


(<MERS>韓国政府「WHO基準より早い『事実上の終息』宣言検討」)
http://japanese.joins.com/article/235/203235.html

「当局は最後の確診患者を確認した日である4日を基準として28日後の来月2日をMERS終息日と予想している。」

「現在MERSで治療中の患者17人のうち2人は依然としてMERSウイルスに陽性反応を示している。」

「WHOの基準によれば最終患者がMERS検査で陰性を示した日を基準に4週間後を終息日としている。」

一刻も早く終息宣言を出したい韓国と、リベリアでのエボラ終息後の再感染が悩ましいWHOの差が浮き彫りだな。

「(終息宣言を前倒しできるように)韓国なりの基準でWHOを説得し、危機警報段階を下方修正して終息宣言をする案を検討中だ」

説得してる暇があったら、感染対策の充実に尽力した方が良い。

今回露呈した韓国の感染症対策の杜撰さは、目に余る。

それでも、終息宣言を検討出来る情況に持ってこれたのは、関係者の努力のたまものなのか、それとも運が良かったからだけなのか。

まあ、やっぱ、どう考えても、運だな(ウン!)。

社会的経済的な影響が大きいというなら、院内感染を抑止するルール作りや、必要な施設整備、運用の訓練などに注力すべきだ。

急速な経済発展の影で、疎かにしていた社会インフラ(ソフトも含めて)を整備していく必要がある。

それは、我が国がかつて辿った道でもある。

昔々、ソウルに1度だけ行ったことがあるが、漢江に掛かる橋が落ちたり、デパートが入っているビルが倒壊したりした頃だ。

(韓国ソウル聖水大橋の崩落事故)
http://www.sozogaku.com/fkd/cf/CD0000144.html

「ソウル市内の基幹道路のような重要な社会基盤施設でも、どんどん早く安く建設してしまえ、という慌ただしい社会的風潮があった。」

(三豊百貨店)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%B1%8A%E7%99%BE%E8%B2%A8%E5%BA%97

「1995年6月29日17時57分(KST、日本時間同)、営業中に突然、5階建ての建物の両端の一部を残し、跡形もなく崩壊。死者502名・負傷者937名・行方不明者6名という世界的にも例のない大惨事を起こした」

まあいい。

内憂外患に悩まされるお隣の国のことを言えた義理ではない。

(MERS治療研究班立ち上げへ 厚労省)
http://www.asahi.com/articles/ASH7K5SR0H7KULBJ00R.html?iref=comtop_list_nat_n01

「中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した患者が国内で確認されたときに備え、厚生労働省は17日、治療法を検討する研究班を立ち上げる方針を決めた。」

うーん、火が消えた後の消防車という感がないでもない。

「海外で進められている研究などをもとに、国内で推奨される治療法を決める。」

「海外では、C型肝炎治療薬のインターフェロンやエイズの治療薬などがMERSに効かないか、動物実験などで調べられている。」

国内で独自の研究を行うわけではなく、海外で行われている研究成果をパクッて、安く上げようというわけだな。

人のことが言える情況ではない・・・。

確かに、レアな疾病に関する対応には、国際協力が不可欠だ。

WHOなどは、そのための調整を行う機関である(たぶん)。

人知を集めて、効率的な開発を行う。

各国任せにしている感染症対策に、効果的に介入したり、パーシャルな協力関係をスピーディに構築したりすることも求められている。

常設の研究機関とかがあってもいいんじゃないか。

もともと、レアな感染症は金にならないので製薬会社は手を出さない。

エボラも、今回ほど流行らなければ、治療薬やワクチンの開発も行われなかったに違いない。

しかし、本当にヤバイ情況になれば、市場原理に頼っていたのでは対応できないことになる。

政策的なイニシャチブを誰かが取らなければならないわけだ。

でも、まあ、結局は後手に回ることになる。

人類は、歴史に学んで賢くなったはずなのに、そこんとこは、まだダメなんだな。

我が国は、人的、経済的、社会的(?)な国際貢献を果たすべきだろう。

MARSにしたって、中東とか欧州だけだと思ってたら、いきなり隣の国で流行りだしたんだからな。

航空機で人が行き交い、世界が一つに繋がってしまった現代では、「遠い国」なんてのは有り得ない。

先日もギニアから入国した方が発熱していて、エボラの検査をするという事態になった。

(「エボラ疑い」成田到着男性、陰性と判明)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=121214

「入国前の検疫所で38・7度の高熱が確認された。15日深夜、エボラ熱の指定医療機関の同病院に搬送。国立感染症研究所(東京都)は16日午前、陰性と判断した。」

搬送先は、成田赤十字病院(千葉県成田市)。

やれやれ・・・。

我が国は、地球の裏側と、直にリンクしている。

エボラやMARSの事例は、その象徴でしかない。

いつ、どんな感染症が飛び火してくるかもしれない。

パクリでも何でも、やらないよりはマシだし、火が消えた後でも次の備えにはなる。

(感染症研究拠点整備へ 長崎大、県・市と協定結ぶ [長崎県])
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/176261

「西アフリカで発生したエボラ出血熱など感染症対策は地球規模の課題。協議会で具体的な運営方法を提示し、住民に安心してもらえるよう取り組みたい」

「人口密集地に危険な施設ができるのに、住民の不安に大学は耳を貸さない。自治体と協定を締結するのは拙速だ」

「同大は医学部キャンパス(同市坂本1丁目)内に施設を建設、ワクチンや治療薬の開発に当たる計画。同種施設は、国内では東京都武蔵村山市と茨城県つくば市に建設されているが、いずれも近隣住民の反対で稼働していない。」

総論賛成、各論反対。

原発とか、P4施設(高度安全実験施設(BSL-4))とか、米軍基地(?)とか、いわゆる迷惑施設の問題は、常に付きまとう。

(NIMBY:Not In My Back Yard)
https://ja.wikipedia.org/wiki/NIMBY

「忌避されるがゆえに、その設置を受け入れた場合は、税制面をはじめ道路や公園や運動施設など様々な公共施設整備などの様々な振興策という形で優遇されることがある。また、振興策に魅力を感じて積極的に誘致する自治体もしばしば見られる。」

振興策なんて、いくら講じても、一旦事故が起これば、取り返しのつかないことになるのは、福島で散々目にしてきた。

それでも、必要な施設は作らなければならないし、事故を起こさない、あるいはその可能性を極小化する(十分な敷地を確保するとか)対策は必要だ。

原発だって、周囲100kmくらい買収するとかしなければ建設できないようにすれば、話はスムーズにいくんだろうな(我が国では、建設不可能になるかも)。

長崎大のP4施設については、無人の離島に作れという話もあった。

ちょっと魅力的な案ではあるな。

なるべく南の島で、椰子の木があって、ハンモックがあって、ウクレレ弾いてるネエチャンがいて・・・(無人じゃないじゃん!?)。

まあ、どうでもいいんですが。

何にしても、我が国が取り組まなければならないことは、山のようにあるわけだ。

そして、それは、世界が取り組まなければならないことでもある。

その認識に立てなければ、具体的な前進は期待できない。

エボラやMARSは、人類の歴史に何を残していくんだろうか。

また、我々は、そこから何を学んでいくんだろうか。

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