排気量2016年11月03日 09:24

排気量


このブログではあまり登場しないが、浮沈子はオートバイにも乗っていた。

ホンダのファイアーブレードは、今でも(不動車ですが)所有している。

ダイビングのテキストを読んでいて、ふと、オートバイのことを思い出した。

バイク屋のおっさんが、言っていたことを思い出す。

「250くらいがいいんだよね。」

「大きいのは、なかなか普段乗りできないから。」

レクリエーショナルダイビングは、きっと250ccのネイキッドバイクなんだろうな。

テクニカルダイビングは、ハーレーとか、隼のようなもんかもしれない(隼には、乗ったことはありませんが)。

サイパンでハーレー借りて乗ったことがある。

初めは乗り方が分からなくて、ビンビンエンジンを回して、車体を振り回して乗っていた。

ちっとも面白くない・・・。

で、少し慣れたころに、トルクに乗せてゆったりと走るようにする。

見違えるような走りだ。

サスペンションも、エンジンも、水を得た魚のように、生き生きと動き出す。

ははあ、こういう風に乗るんだ。

アメリカン・ホースバック・ライディングというやつかあ。

バイクが走りたいように走る。

ダブルタンクを担いで潜った時にも、似たような感覚になった。

とてもじゃないが、お魚めがけて全力ダッシュする気分じゃないな。

浮沈子は、変な趣味ばっかしだから、例えも変だ・・・。

テクニカルダイビングをしたからといって、レクリエーショナルダイビングが出来なくなるわけではない。

むしろ、大半のダイビングは、レクリエーショナルダイビングの範囲に留まるだろう。

装備もシンプルだし、自由度が高い。

小回りの利く中排気量バイクの世界だ。

タンクや、ガスのバリエーションも豊富だしな。

バックマウント、サイドマウント、SCR、CCR、何でもある。

シビアでない環境で、素晴らしい水中世界を堪能できる。

40mまでだけど、まあ、一生かかっても世界の海を潜りきることはできない。

でもな、たまには、でかい排気量のバイクを、ドドンと乗り回すのがいい。

アットー的な加速、抜群の安定感、道が続く限り、どこまでも走っていけそうな気分だ・・・。

浮沈子は、そういう気分になったことはないけど、CCRで潜ると、一種の万能感に襲われることがあるらしい。

このまま、どこまでも行ってしまえそうになる・・・。

危ない話だな。

CCRは、万能ではない。

オープンサーキットなら、水深3mで2時間ホバリングできるだろうが、CCRのハイポジションでそんなことをやろうとすれば、気が狂うであろう。

ガスにもよるが、絶対的な水深でも、OCの方が器材的には信頼性が高い。

限られた水深の範囲内で、器材の特性を生かして潜るのが正しい。

ちゃんとトレーニング積んで、経験も積んで、控えめに潜るのがいいのだ。

高速道路と異なり、水中には覆面も白バイも、オービス(死語ですな)もない。

しかし、水中環境という、絶対的な取り締まりが常時行われていて、器材が故障したりしてトラブルに巻き込まれれば、自分で何とかしなければならない。

JAFのロードサービスなんてないし、ガソリンスタンドもない。

路肩に停めて、ちょっと一息入れることもできない。

エントリーからエキジットまで、気を抜けない走りを要求されている。

安全の範囲内で、景色を楽しむことはできるが、ゆったりと味わうことはできない。

深度や残圧、周囲の環境、バディやチームの状況に、常に目配りが必要だ。

CCRでは、当然のことながらPO2のチェックも欠かせない。

水中世界、そこは、人間が生きることが出来ない死の世界だ。

そこに器材の力を借りて、生身(環境圧)で潜るというのは、高速をバイクでブッ飛ばしているようなものかもしれないな。

命がけの所業である。

そして、それがレジャーになるということだ。

ヘンタイだな。

さて、今日は500Eの修理に行かなければならない。

まともな世界だ。

鋼鉄の箱に囲まれて、安楽に移動する。

浮沈子にも、まともな道楽はあるのだ。

ああ、その後に、テクニカルダイビングの装備のことで、神田に行くわけだがな。

やっぱ、ヘンタイなのかあ・・・。

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