クソな自動翻訳とインターリンク衛星間通信の怪しい関係2019年11月18日 21:53

クソな自動翻訳とインターリンク衛星間通信の怪しい関係
クソな自動翻訳とインターリンク衛星間通信の怪しい関係


今回のインターリンク衛星の打ち上げを巡っては、様々な情報が錯綜している。

浮沈子が引っかかったのは、まずは、打ち上げ高度の問題(350kmか550kmか)だったが、新たな疑問を呈する記事に当たった。

(スペースX、宇宙インターネット衛星「スターリンク」の打ち上げに成功)
https://news.mynavi.jp/article/20191118-925147/

「今回打ち上げられた60機は、最初の実運用機と位置づけられており、衛星間の通信機能をもっているほか、通信に使うKuバンドの機器の最適化、新たにKaバンドの通信機器の搭載、さらに運用終了後に大気圏に再突入した際、機体が確実に燃え尽きるよう、素材を燃えやすいものに変更するなどの改良が施されている。」

浮沈子の目の錯覚でなければ、衛星間通信機能を持つと書かれている(当該記述は、後日訂正され削除されたようです:2019年11月22日確認)。

ホントかあ?。

(スターリンク(衛星星座):衛星ハードウェア:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://en.wikipedia.org/wiki/Starlink_(satellite_constellation)#Satellite_hardware

「初期の衛星はレーザーリンクなしで打ち上げられ、2019年10月にSpaceXはこれらのリンクを持つ衛星が2020年末までに準備が整うと予想しました。」

また、ウィキのテキトーな情報かと思って、引用元を当たる。

(SpaceXのStarlinkインターネットサービスについて知っておくべきことは次のとおりです。:2019年10月26日更新)
https://edition.cnn.com/2019/10/26/tech/spacex-starlink-elon-musk-tweet-gwynne-shotwell/index.html

「来年後半には、衛星をレーザーで飛行させ、宇宙空間で互いに通信し、データを共有できるようにします。」

鳥嶋さんの記事だからな。

何の根拠もなく、衛星間通信が実装されたなどと書くわけはない。

何か、理由があるはずだ・・・。

脳味噌と語学力はないけど、ヒマと好奇心には不自由しない浮沈子だからな。

マイナビの引用元を徹底的に洗った。

「出典:
・STARLINK MISSION | SpaceX
・starlinkpresskit_nov2019.pdf
・Starlink
・通信衛星群による天文観測への悪影響についての懸念表明 | 国立天文台(NAOJ)」

直接の記述を見つけられなかったので、スターリンク公式ページのリンク先(紛らわしいな)になっている打ち上げ動画のテロップを日本語の自動翻訳にしてボーっと眺めていたら、いきなり目が覚めた!(画像参照:9分2秒辺り)。

(Starlink Mission:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=pIDuv0Ta0XQ

「衛星間のアンテナシステム」

んなバカな!。

もちろん、解説のネーチャンの英語は分かりやすいんだが、原稿を棒読みしている(たぶん、プロンプターがあるのかも)だけなので、自動翻訳機能が誤訳連発してしまうわけだ。

英語の字幕に戻して確認すると、当該箇所はこうなる。

「・・・the inclusion of a new Ka-band anntena system between the satellite upgrades.」(衛星のアップグレードの間に新しいKaバンドアンテナシステムを含めること。:もちろん、これも自動翻訳だけど)

この区切りが正しいかどうかも分からないが、日本語訳にする際に、区切りを誤って翻訳したに違いない。

鳥嶋さんが、このことが原因で記事に書いたかどうかは不明だ。

このビデオは曲者で、もう一人の別のネーチャンが5分59秒辺りで例の350kmという衛星機能チェックのためのテンポラリーな軌道高度を、あたかも最終到達軌道高度であるかのようにしゃべくっているしな。

やれやれ・・・。

確認しておこう。

スターリンク衛星の通信は、今の段階では地上基地局とだけ行われている。

先日見つけたチェコ語のページでもそうなっているしな。

(スターリンク星座について)
https://www.elonx.cz/vse-o-konstelaci-starlink/

「計画は、世代を超えて衛星間にレーザーリンクを追加することです。現時点では、衛星は陸上ゲートを介してのみ接続されており、海上の船にいくつかのゲートを配置する必要がある場合があります。」

ああ、一時的に海上基地局を配置するかもしれないな。

まあ、どうでもいいんですが。

衛星間レーザー通信については、未調査なので、実際、そんなに早くものにできるかどうかは分からない。

しかし、目的は違うけれど、既に衛星間の距離を精密に測るために試験的に搭載されている事例はある。

このブログでも記事にした、グレイスフォローオンだ。

(柳の下の3度目の双子)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/01/03/8761400

「後は、まあ、鳴かず飛ばずの低軌道だから、あまり関心はなかったんだが、このページのサマリー読んで気になったのがGRACE FO (GRACE Follow-On)だったので、詳細を読んで驚いた。」

「レーザー測距は、次世代用のテストだけのようだ。」

(GRACEおよびGRACE-FO:GRACEフォローオン)
https://en.wikipedia.org/wiki/GRACE_and_GRACE-FO#GRACE_Follow-On

「GRACE-FOは、将来の衛星に備えるための技術実験としてレーザー測距干渉法(LRI)を採用しています。 LRIは、光の短い波長までの範囲の、より正確な衛星間を可能にし、さらにディファレンシャルを介して、それらの分離と同様に測定される2つの宇宙船間の角度でき波面センシング。科学者たちは、LRIを使用して、GRACEミッションに比べて20倍以上分離距離測定の精度を改善しました。」

目的も、おそらく技術的内容も異なるからな(未確認)。

しかし、このグレイスフォローオン(のLRI)を開発した企業に浮沈子は注目した。

(アストリア:現在はエアバスディフェンスアンドスペース)
https://en.wikipedia.org/wiki/Astrium#Earth_observation

ベピコロンボとかも作っている凄い会社だ。

で、このエアバスグループの関連会社であるTesat-Spacecomは、衛星間レーザー通信において、唯一、製品化を果たしている企業だ(通信分野で実用化しているわけか)。

(宇宙でのレーザー通信)
https://en.wikipedia.org/wiki/Laser_communication_in_space

「会社:製品の状態:
・ボールエアロスペース&ハネウェル:開発中
・ヘンソルト:?
・LGSイノベーション:開発中
・マイナリック:?
・ソニー:開発中
・サリー衛星技術:開発中
・Tesat-Spacecom:生産中
・タレスアレーニアスペース:?
・天体横断:開発中」

「事業:プロジェクトコンセプト:環境:シナリオ:データレート:サプライヤー:状態
欧州データ中継システム(EDRS):LEO:地球観測衛星からインテリジェンス、監視、偵察任務の ためのGEO衛星へのデータ中継:GEO、LEO:スペースツースペース:1.8ギガビット/秒:Tesat-Spacecom:運用中」

他は、スターリンクを含めて、全て開発中だ。

(Tesat-Spacecom:レーザー通信端末)
https://de.wikipedia.org/wiki/Tesat-Spacecom#Laser_Communication_Terminals

「1997年以来、Tesatは、宇宙での光ブロードバンド通信、いわゆるレーザー通信端末(LCT)の開発と供給を行ってきました。これらのデバイスは、高帯域幅のポイントツーポイントデータ接続を可能にします。45,000 kmの範囲と1秒あたり5ギガビットを超える伝送速度により、レーザー通信は電波を使用した従来の10倍の速度になります。これにより、Tesatはレーザー通信の分野で国際的なテクノロジーリーダーになりました。」

ついでだから、こっちも見ておくか。

(欧州データ中継システム)
https://en.wikipedia.org/wiki/European_Data_Relay_System

「欧州のデータ中継システム(EDRS)システムのヨーロッパのコンステレーションでのGEO衛星、宇宙船、の間の中継情報とデータこと衛星のUAVと地上局。」(ワケワカ・・・)

「このプログラムは、スペースシャトルをサポートするためにセットアップされたアメリカの追跡およびデータ中継衛星システムに似ていますが、EDRSはより大きなビットレートでデータを伝送する新世代のレーザー通信端末(LCT)を使用しています。 45,000 km(LEO-GEOリンクの距離)で1.8 Gbit / s、TDRSSはSバンドで6 Mbit / s 、KuおよびKa バンドで800 Mbit / sの地上受信速度を提供します。」

1.8ギガビット程度あれば、十分実用になるだろうな(上手くルーティングできれば)。

宇宙をレーザー光が飛び交い、衛星同士がリンクしてグローバルなネットワークを形成するようになった(あと数年は掛かるようですが)。

スターリンクが、どういう仕様の衛星間通信を行うのか見ものだな(今のところ、秘密のようです)。

自社開発なのか、Tesatの技術を買うのか。

とんでもない数(5年毎に4万2千機)を生産することを考えれば、自社開発の方が有利だろう。

少なくとも、生産については内製したいところだな・・・。

(「光ファイバー網より速い」スターリンク衛星網の実力を英専門家が分析:追加)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20190524-00127192/

「イーロン・マスクCEOのコメントでは、初期型衛星では衛星間レーザー通信は行わないとのことだが、LEO衛星網構築の中盤あたりで実現するとみられる。」

「衛星の材料に関する情報から、各衛星にはレーザー通信用の反射鏡が5つ搭載されていると推測され、最大で5つのレーザーリンクを持つことができると考えられた。」

元ネタが1年前だからな。

今はどうなっているんだろうか?。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
kfujitoの徒然の筆者のペンネームは、
「○○子」です。
○○を記入してください。

コメント:

トラックバック