変異種:J&Jウイルスベクターワクチンが南ア産変異種に有効かはビミョー:冷蔵庫保管の単回接種ワクチン登場2021年02月05日 21:37

変異種:J&Jウイルスベクターワクチンが南ア産変異種に有効かはビミョー:冷蔵庫保管の単回接種ワクチン登場


今日は、ワクチン絡みの話題が多い。

(J&J、米FDAに緊急許可申請 1回接種・冷蔵保管可のコロナワクチン)
https://www.afpbb.com/articles/-/3330207

「米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は4日、傘下のヤンセン・バイオテック(Janssen Biotech)が開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請したと発表した。」

「ワクチンの有効性は全体で66%で、重症化を予防する効果は85%だった。」

「有効性は米国では72%だったが、変異株が流行している南アフリカでは57%」

うーん、ビミョーだ・・・。

(Ad26.COV2.S)
https://en.wikipedia.org/wiki/Ad26.COV2.S

「-20°C(-4°F)で2年間の推定時間枠で安定した状態を保つことができます。ワクチンは、2〜8°C(36°F〜46°F)の温度の冷蔵庫で少なくとも3か月間保管できます。」

アストラゼネカのワクチンと同じく、アデノウイルスをベクターとしてスパイクタンパク遺伝子を送り込むタイプのワクチンだ。

注目すべきは、単回接種という点と、解凍後は冷蔵庫保管で3か月有効という点か。

ひょっとしたら、これがゲームチェンジャーになる可能性もあるが、気になるのは南アでの治験で冴えない成績を残している点だな。

WHOは、50パーセント以上ならOKとしているようだが、有体に行ってスレスレ合格な感じだ。

E484K変異を持つ南ア産変異種501Y.V2とは相性が悪い気がする(逆に相性がいいのかあ?:良くてどーする!)。

つーことは、同じE484K変異を持つブラジル産や、英国の新型変異種にも十分な効果が期待できないかもな。

南アフリカ共和国は、J&Jのワクチンをメインに調達しようとしている。

この結果は、あまり嬉しくないだろうな。

それでも、単回接種でそれなりの効果が得られる地域では、重宝されるに違いない。

冷蔵庫保管で3か月持てば、現場で混乱することもないだろう。

ベクターワクチンは、大規模な実績こそないけど、mRNAワクチンのように人類史上初という代物ではない。

(エボラワクチン:Ad26.ZEBOV / MVA-BN-Filo)
https://en.wikipedia.org/wiki/Ebola_vaccine#Ad26.ZEBOV/MVA-BN-Filo

「Ad26.ZEBOVとMVA-BN-Filoの2回投与レジメンは、ジョンソン・エンド・ジョンソンがヤンセンファーマ社で開発したものです。2020年7月に欧州連合で医療用として承認されました。」

まあ、このワクチンは、8週間(2か月)も間を空けてブースト(2回目の接種)しなければならないので、使い勝手は悪いみたいだけどな。

J&Jの新型コロナ用ワクチンがものになるかどうかは分からない。

変異を続けるウイルスに対抗して、改良を続けることができるかどうかがポイントかも知れない。

異なるワクチンを組み合わせて効果を高め合ったりすることも必要かもしれない。

1回接種としたのには、ワケがある。

ウイルスベクタータイプの場合、2回目の投与はベクターウイルス自身に対して人体の免疫反応が起きてしまい、ワクチンが付きにくいという特性があるからな(これを回避するために、1回目と2回目で異なるベクターウイルスを使用することもあるようです:<さらに追加>参照:上記のエボラワクチンも、同様の手法を使っているようです)。

アストラゼネカのへんてこなレジメン(1回目半量、2回目全量)や、感染予防効果の逆転現象(1回目67パーセント、2回目49.5パーセント)も、そのせいかもしれない(未確認)。

J&Jとヤンセンは、自社で薬籠中にしているベクターワクチンの技術で切り込んできた。

mRNAワクチンのような、脂質ナノ粒子への封入などというカルトな技術要素はない(たぶん)。

(なぜ新型コロナワクチンは「どんな製薬会社でも作れるわけではない」のか?)
https://gigazine.net/news/20210205-myths-of-vaccine-manufacturing/

「mRNAと脂質の混合物を「mRNAがカプセル化された脂質ナノ粒子」に変えることは、技術的に非常に難しい作業です。」

「新型コロナウイルスワクチンを製造している製薬会社はこれらの機器を特注しており、他の製薬会社は同様の機器を持っていません。」

ボトルネックなく、他社でもライセンス生産などで大量生産できるなら、今後長期間の供給も安定して行うことができるからな。

コールドチェーンが標準的なのも好まれるだろう。

肝心の有効率が問題だがな。

まあいい。

様々なタイプのワクチンが試され、良いものが生き残っていけばいい。

全世界は、効きが良く、長持ちし、生産が簡単で、ハンドリングが容易かつ、接種の手間の少ないワクチンを待ち望んでいる(価格が安ければなおいい:調子良過ぎ!?)。

未来永劫、新型コロナが消えてなくなることはないともいうが、鬱陶しいマスクや定期的なロックダウンなしで、3密を満喫できる時代に早く戻ってもらいたいもんだな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

我が国では調達の対象にはなっていないようだが、ロシアのスプートニクVに、単回接種ワクチンの開発の話があるようだ。

(1回接種のロシア製コロナワクチン「スプートニク・ライト」、2月に登場)
https://jp.sputniknews.com/covid-19/202101308116856/

「「スプートニクV」は1つの薬剤ではなく、ワクチンのプラットフォーム」

基になっているスプートニクVは、アストラゼネカやJ&Jのワクチンと同じ、ウイルスベクタータイプだ。

「ロシア保健省によると、これまでに実施された「スプートニクV」の接種は、最大2年間の長期的な免疫を与えることを示している。」

情報が公開されていなかったり、治験完了前に承認されたことから当初の評判は悪かったようだが、先日、ランセットの論文を調べていたら有効率90パーセント以上という結果が出ているようだったな。

(スプートニクVCOVID-19ワクチン候補は安全で効果的と思われる)
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00191-4/fulltext

「Gam-COVID-Vacとしても知られるこのワクチンは、アデノウイルス26(Ad26)とアデノウイルス5(Ad5)をベクターとして使用する異種組換えアデノウイルスアプローチを使用」

「21日間隔で与えられる2つの異なる血清型の使用は、集団内の既存のアデノウイルス免疫を克服することを目的としています。」

2回投与の際のベクターウイルスに対する免疫を回避するために、J&Jがエボラワクチンで採用した方法と同じだな。

「オックスフォード-アストラゼネカワクチンなどの他のものは、両方の用量に同じ材料を使用します。」

「ワクチンの初回投与から21日後の確認されたCOVID-19症例数に基づくワクチンの有効性は、91・6%(95%CI 85・6–95・2)」

1回投与でも、十分な効果が期待できそうだ。

ロシア製とかいうと、どうもバイアスが掛かって色眼鏡で見がちだが、有効性や効果の持続という点では文句のつけようがない。

安全性に問題がないようなら、我が国でも調達するかもしれないな(未確認)。

単回接種で運用できれば、ややっこしい接種履歴の管理に必要な無駄なシステムを開発しなくても済む。

どーせ、マイナンバーシステムとの連携でエラーを続出して大混乱になることは必至だ(そうなのかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

単回接種ワクチンは、運用をシンプルにし混乱を回避するだけでなく、今回の新型ウイルスの流行を早期に終息に導くための「時間」という資源の節約にも資する。

新たな変異種の出現を抑制するという観点からも好ましい。

英国は、メーカー(アストラゼネカ)が定めたレジメンを勝手に変更して、接種間隔を延長して1回目の接種数を伸ばす禁じ手を打っている。

後付けの研究で、その方が効果的という話もあるようだが、怪しい話だ(未確認)。

いずれにしても、続々と登場するワクチンの効果と普及状況には注目だな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア研究機関 “ロシア製ワクチンの有効性91.6%”と発表)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210203/k10012847081000.html

ロシア大好きのN社(そうなのかあ?)が、詳細な記事を上げていた。

「ランセットは「このワクチンの開発は見苦しいほどに性急で、透明性を欠いたことで批判を招いてきたが、今回の結果は明確だ」とするコメントを併せて掲載しました。」

「プーチン大統領がワクチンを接種する場合、どのワクチンを使用するかが安全性などを示す1つの指標になると関心を集めています。」

ふん、浮沈子はプーチンが自国産のワクチンをうつとは思えないな。

おそらく、ファイザーかモデルナのワクチンを、裏で仕入れて既に接種しているに違いないのだ(断定的!)。

いつか、ロシア特有の笑い話(アネクドート)の一つになること請け合いだな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(新型コロナワクチン その特性と接種後の世界)
https://news.yahoo.co.jp/byline/takayamayoshihiro/20210206-00221234/

「ワクチン接種後の世界:
・シナリオA:国民7割以上への接種が完了し、集団免疫を達成
・シナリオB:十分な接種率に至らず、国内で散発的流行が続く
・シナリオC:ワクチン耐性の変異株が発生し、世界的流行が続く」

まるで、アネクドートみたいな話だな。

「ワクチン接種による集団免疫の獲得が、耐性株の出現に間に合わなければ、世界的流行が繰り返されることになります。病原性が上がったり、あるいは小児への感染性が高まれば、より悲劇的なことが生じるかもしれません。」

既に、このウイルスが精子に影響を与えることが報告されている。

(コロナ感染、男性の生殖機能に影響か 独研究)
https://www.jiji.com/jc/article?k=20210201041117a&g=afp

「感染すると精子の細胞死や炎症、酸化ストレスが増加する恐れがあり、生殖能力が低下するかもしれないと指摘」

人類の滅亡も近い気がするな・・・。

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