IOP昼潜り ― 2015年03月02日 00:37
IOP昼潜り
伊豆海洋公園(IOP)で、昼間初めて潜った。
生憎天候は雨、波はドシャドシャ来る最悪の状況だったが、餅搗き大会をやっていて、搗きたての餅とカレースープ(どういう取り合わせかは不明・・・)をしこたま頂いた!。
とまあ、ダイビングとは無関係な食い物ネタで始まってしまうという、いつものパターン。
今回は、水中カメラを持たずに行ったのだが、そういうときに限って、ゴールデンヒラメ(通称)などが出て、後悔先に立たず。
ナイトロックス講習にお供したのだが、PADIのナイトロックス講習のテキスト(浮沈子は、まだ持っていませんが)の怪しげなところを垣間見てしまったので、是非とも入手せねばと決心した。
ファイナルエグザムとの矛盾もあるようだし・・・。
まあ、この分野の知見は日進月歩で新しくなるので、全ての整合性を取るのは難しいのだろうが、そのためのPADIである。
期待しよう!。
ナイトロックスのインストラクター資格は、CCRインストラクターの前条件になっている。
(リブリーザー・インストラクターコース)
http://www.poseidon-j.com/#!news/nws5/CDEFC28C-D17F-45F6-A321-7AC96ED093DB/padi-poseidon-mk6-%E3%83%AA%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9
「2.EANxインストラクター認定」
というわけで、次回のナイトロックススペシャルティの開催時には、浮沈子も参加してみようと考えている(一応、相当する資格(TDIの)は、当然持ってるんですが)。
いや、もちろん、突っ込みを入れたりするつもりはない。
虚心坦懐に受講するだけである。
まあ、断られたら、テキストだけ買って、いろいろ研究してみよう・・・。
前日には、アシスタントインストラクターの講習(海洋実習)もあったが、こっちは基準違反を出して、落第!。
まあ、何事も経験である。
気力と体力の限界を感じる2日間のダイビングが終わって、無事に帰宅できたことだけでも良しとしなければならない。
次回の講習は来週以降になるが、こんな調子では、いつになったらAIが終わるか分からない。
その先には、OWSIもあるし・・・。
まあ、焦らず気長にいこう。
その間に、リブリーザーの本数も稼がなければならない。
グアムにでも、気分転換に行ってこようかなあ・・・。
伊豆海洋公園(IOP)で、昼間初めて潜った。
生憎天候は雨、波はドシャドシャ来る最悪の状況だったが、餅搗き大会をやっていて、搗きたての餅とカレースープ(どういう取り合わせかは不明・・・)をしこたま頂いた!。
とまあ、ダイビングとは無関係な食い物ネタで始まってしまうという、いつものパターン。
今回は、水中カメラを持たずに行ったのだが、そういうときに限って、ゴールデンヒラメ(通称)などが出て、後悔先に立たず。
ナイトロックス講習にお供したのだが、PADIのナイトロックス講習のテキスト(浮沈子は、まだ持っていませんが)の怪しげなところを垣間見てしまったので、是非とも入手せねばと決心した。
ファイナルエグザムとの矛盾もあるようだし・・・。
まあ、この分野の知見は日進月歩で新しくなるので、全ての整合性を取るのは難しいのだろうが、そのためのPADIである。
期待しよう!。
ナイトロックスのインストラクター資格は、CCRインストラクターの前条件になっている。
(リブリーザー・インストラクターコース)
http://www.poseidon-j.com/#!news/nws5/CDEFC28C-D17F-45F6-A321-7AC96ED093DB/padi-poseidon-mk6-%E3%83%AA%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9
「2.EANxインストラクター認定」
というわけで、次回のナイトロックススペシャルティの開催時には、浮沈子も参加してみようと考えている(一応、相当する資格(TDIの)は、当然持ってるんですが)。
いや、もちろん、突っ込みを入れたりするつもりはない。
虚心坦懐に受講するだけである。
まあ、断られたら、テキストだけ買って、いろいろ研究してみよう・・・。
前日には、アシスタントインストラクターの講習(海洋実習)もあったが、こっちは基準違反を出して、落第!。
まあ、何事も経験である。
気力と体力の限界を感じる2日間のダイビングが終わって、無事に帰宅できたことだけでも良しとしなければならない。
次回の講習は来週以降になるが、こんな調子では、いつになったらAIが終わるか分からない。
その先には、OWSIもあるし・・・。
まあ、焦らず気長にいこう。
その間に、リブリーザーの本数も稼がなければならない。
グアムにでも、気分転換に行ってこようかなあ・・・。
CCRの決定打 ― 2015年03月03日 13:11
CCRの決定打
とあるところで、CCRの話が出た。
「CCRの決定打って、出るんでしょうかね?」
浮沈子の答えは、当分、いや、永遠に出ないというもの。
インスピレーションが出た後、様々なCCRが登場しているが、どれかがバカ売れしたという話は聞かない。
詳しく知らないので、いい加減なことは書けないが、知る限り、今のところ決定打はない。
テクニカル用の機種は、それこそ星の数ほどあって、様々な機能や工夫で差別化を図っているが、どれかが飛び抜けて優秀で、どれかが目も当てられない程ダメということもない。
我が国では、機種の選定をするも何も、教えてくれるところを探すのが大変だ。
逆に、教わることが出来る機種を選ぶしかない。
今では、いくつかの機種を選ぶことが出来るようになっていて、浮沈子が始めた7年位前に比べれば手を出しやすくなっているのかもしれないし、PADIがコースを売り出したこともあって、環境的にも整いつつある。
しかし、浮沈子的には、CCRについて言えば、決定打は出ないと確信している。
その理由は、明快だ。
CCRだから。
オープンサーキットは、何かヤバイことがあれば、ガスが吸えなくなる。
ガス欠や、減圧弁の故障、中圧ホースの不良などなど、トラブルが起これば、イヤでも分かる。
CCRは、循環式呼吸回路を持つために、ヤバイ状況であっても呼吸ができてしまう!。
酸素が足りなかったり、多すぎたり、二酸化炭素が除去されていなかったりしても、息をすれば呼吸回路の中をガスが動いて体の中に入ってくる。
そういう構造になっていて、それがCCRのメリットでもあり、致命的な欠点でもある。
それを根本的に何とかしようとすると、CCRではなくなってしまう(!)。
もって生まれた欠陥を抱えた潜水器なのである。
もちろん、深度に関係なくガス消費を抑えられるとか、一定の酸素分圧を維持することが出来るなどの様々なメリットもある。
しかし、それは、宿痾(しゅくあ)ともいうべき欠点をなだめすかし、コントロールして初めて享受できるわけだ。
基本的には危うい潜水器なのである。
例えとして適当かどうかという問題はあるが、原発に似てるな。
核分裂というのは、制御されずに連鎖反応すれば原子爆弾になる。
また、制御に失敗すれば、チェルノブイリやスリーマイル島やフクシマになるのだ。
しかし、核廃棄物の問題は別にして、うまくコントロールすれば、大変結構な発電システムである(念のため、浮沈子は原発賛成派です)。
要するに、化石燃料燃やして発電するのに比べれば、手間隙コストが掛かることが最初から分かってるわけだし、トラぶったときのリスクが半端ないことだって、承知の上なわけだ。
CCRは、まあ、トラぶってヤバイことになっても、死ぬ人間が少ないだけマシかもしれない。
やっぱ、例えが悪かったかな。
要するに、CCRの場合、呼吸回路の中に流すガスを、如何にして制御するかという点に全てが掛かっているといっても過言ではない。
コンピューターによる自動制御になる前は、PO2を人間がモニターしながら手動でコントロールしていたらしいが、現在では特殊用途を除けばコンピューターがやってくれる機種が多い。
ということは、プログラムが重要で、ソレノイドバルブや酸素センサーをどう上手く使いこなすかという、ソフトウェアの話になる。
まあ、まともに動いているときのCCRについては、それ程大きな違いはないだろう。
酸素センサーが上手く働かなくなったり、ソレノイドバルブが動かなくなったり、二酸化炭素センサーが異常値を出した時に、どのタイミングで警告を出してダイバーに対応させるかというのが問題だな。
元々、ばらつきのある部品を組み立てて機能を発揮させ、フィードバックを掛けながら作動させる時、どこからどこまでが正常な作動で、ここから先はヤバイというところを見極めるのは難しいだろう。
それには、工学的な知識だけではダメで、CCRダイビングについてのノウハウも必要になってくる。
複数の酸素センサーの値をどう解釈するか、消費される酸素の量を再帰的に利用するのかどうか。
もちろん、器材側だけで全て解決すべきなのか、運用側(人間側)の問題として行うべきなのかという点も重要だ。
例えば、二酸化炭素センサーを備えるかどうかという点については、それに頼ってしまって、時間管理を疎かにする風潮(?)を助長するので好ましくないという意見もある。
浮沈子は、それは、人間側がキッチリ守った上で、付加的に付いていれば、より安全になるだろうという気がするんだが。
スクラバーをプレパッキングにしたりすれば、リスクを軽減できたりするかもしれない。
一つの問題を解決するのに、様々な手段を講じているわけだ。
酸素センサーの数だって、2個のもあれば3個のもあるし、もっと沢山付けられるようになっているものもある。
どれがいいかも含めて、今はまだ、決定的な器材は出ていないのだろう。
浮沈子が知っている範囲では、APDのインスピレーションは、毎年のように改修、改造を行っている。
それにしても、より安全で使いやすくする方向で改良が行われているというのは、結構な話である。
戦争の道具として開発されてきた経緯もあり、ある程度の人的損耗は許容される発想の器材である。
より深く、より長くを追求するよりも、安全で楽ちんなのがよろしい!。
まあ、浮沈子の個人的見解なんだが。
CCRは、浅いところでも深いところでもメリットを享受できる。
単一濃度のナイトロックスを時間延長させるだけのSCRとは異なり、一定の酸素分圧の呼吸ガスを水中で動的に製造するという機能がある。
将来的には、オンボードで搭載した複数のディリュエントガスを、自動的に切り替えてくれたりして、全自動で水深100mまで行けるようになるかもしれない。
或いは、ヘリウムタンクを積んで、トライミックス製造が出来る機種が誕生する可能性だってある(・・・ないな)。
まあ、いろいろなオペレーションをマニュアルで出来るようにすることで、コンピューターや自動制御のデバイスの故障にも対応することができるので、そういった運用上のトレーニングがなくなることはないだろうが、自動化が進んでいくことは間違いない。
また、基本的な操作方法が統一されて、現在は機種毎に取らなければならないCカードも、1枚でよくなるかもしれない。
循環式呼吸回路という利点と欠点の両方を併せ持った構造に依存するCCRは、いきなり決定打が出て、一気に普及するようなものではないのではないか。
オープンサーキットの簡便さ、安全性、信頼性の高さだって、一朝一夕に確立されたものではない。
当分の間は、値段が高いこと、運用のためのトレーニングに手間隙金が掛かることがネックになって、一部の好事家が使用するに留まるだろう。
その間に、事故が多発すれば、普及自体にブレーキが掛かることになる。
そのパターンだけは避けたいところだ。
少しずつ時間を掛けて、器材も改良され、習得にも万全を期してCCRダイバーの粗製乱造を避ければ、デメリットをカバーし、メリットを生かした健全な普及を図ることが出来るのではないか。
ダイビングは、器材だけでは行えない。
運用する側のスキルや知識が伴わなければ、いくら優れた器材でも何の意味もないどころか、危険な器材になってしまう。
簡易に取り扱える器材になったからといって、本質的な欠点が皆無になったわけではない。
CCRは、そこんとこがシビアな潜水器なのである。
そして、水中世界に潜る限り、危険がゼロになることはないのだ。
器材と運用の限界を守ることなく潜ってしまえば、そこは沈黙の世界ではなく、永遠に沈黙させられる世界になってしまう。
その意味でも、CCRに決定打は出ないだろう。
何を使うかも大切だが、どう使うかというのはもっと大切だ。
ゆっくりと着実に実績を積みながら、気付いたらベストセラーになっていたというのが一番いいんだろう。
CCRは、そういう器材だと、今は思っている。
とあるところで、CCRの話が出た。
「CCRの決定打って、出るんでしょうかね?」
浮沈子の答えは、当分、いや、永遠に出ないというもの。
インスピレーションが出た後、様々なCCRが登場しているが、どれかがバカ売れしたという話は聞かない。
詳しく知らないので、いい加減なことは書けないが、知る限り、今のところ決定打はない。
テクニカル用の機種は、それこそ星の数ほどあって、様々な機能や工夫で差別化を図っているが、どれかが飛び抜けて優秀で、どれかが目も当てられない程ダメということもない。
我が国では、機種の選定をするも何も、教えてくれるところを探すのが大変だ。
逆に、教わることが出来る機種を選ぶしかない。
今では、いくつかの機種を選ぶことが出来るようになっていて、浮沈子が始めた7年位前に比べれば手を出しやすくなっているのかもしれないし、PADIがコースを売り出したこともあって、環境的にも整いつつある。
しかし、浮沈子的には、CCRについて言えば、決定打は出ないと確信している。
その理由は、明快だ。
CCRだから。
オープンサーキットは、何かヤバイことがあれば、ガスが吸えなくなる。
ガス欠や、減圧弁の故障、中圧ホースの不良などなど、トラブルが起これば、イヤでも分かる。
CCRは、循環式呼吸回路を持つために、ヤバイ状況であっても呼吸ができてしまう!。
酸素が足りなかったり、多すぎたり、二酸化炭素が除去されていなかったりしても、息をすれば呼吸回路の中をガスが動いて体の中に入ってくる。
そういう構造になっていて、それがCCRのメリットでもあり、致命的な欠点でもある。
それを根本的に何とかしようとすると、CCRではなくなってしまう(!)。
もって生まれた欠陥を抱えた潜水器なのである。
もちろん、深度に関係なくガス消費を抑えられるとか、一定の酸素分圧を維持することが出来るなどの様々なメリットもある。
しかし、それは、宿痾(しゅくあ)ともいうべき欠点をなだめすかし、コントロールして初めて享受できるわけだ。
基本的には危うい潜水器なのである。
例えとして適当かどうかという問題はあるが、原発に似てるな。
核分裂というのは、制御されずに連鎖反応すれば原子爆弾になる。
また、制御に失敗すれば、チェルノブイリやスリーマイル島やフクシマになるのだ。
しかし、核廃棄物の問題は別にして、うまくコントロールすれば、大変結構な発電システムである(念のため、浮沈子は原発賛成派です)。
要するに、化石燃料燃やして発電するのに比べれば、手間隙コストが掛かることが最初から分かってるわけだし、トラぶったときのリスクが半端ないことだって、承知の上なわけだ。
CCRは、まあ、トラぶってヤバイことになっても、死ぬ人間が少ないだけマシかもしれない。
やっぱ、例えが悪かったかな。
要するに、CCRの場合、呼吸回路の中に流すガスを、如何にして制御するかという点に全てが掛かっているといっても過言ではない。
コンピューターによる自動制御になる前は、PO2を人間がモニターしながら手動でコントロールしていたらしいが、現在では特殊用途を除けばコンピューターがやってくれる機種が多い。
ということは、プログラムが重要で、ソレノイドバルブや酸素センサーをどう上手く使いこなすかという、ソフトウェアの話になる。
まあ、まともに動いているときのCCRについては、それ程大きな違いはないだろう。
酸素センサーが上手く働かなくなったり、ソレノイドバルブが動かなくなったり、二酸化炭素センサーが異常値を出した時に、どのタイミングで警告を出してダイバーに対応させるかというのが問題だな。
元々、ばらつきのある部品を組み立てて機能を発揮させ、フィードバックを掛けながら作動させる時、どこからどこまでが正常な作動で、ここから先はヤバイというところを見極めるのは難しいだろう。
それには、工学的な知識だけではダメで、CCRダイビングについてのノウハウも必要になってくる。
複数の酸素センサーの値をどう解釈するか、消費される酸素の量を再帰的に利用するのかどうか。
もちろん、器材側だけで全て解決すべきなのか、運用側(人間側)の問題として行うべきなのかという点も重要だ。
例えば、二酸化炭素センサーを備えるかどうかという点については、それに頼ってしまって、時間管理を疎かにする風潮(?)を助長するので好ましくないという意見もある。
浮沈子は、それは、人間側がキッチリ守った上で、付加的に付いていれば、より安全になるだろうという気がするんだが。
スクラバーをプレパッキングにしたりすれば、リスクを軽減できたりするかもしれない。
一つの問題を解決するのに、様々な手段を講じているわけだ。
酸素センサーの数だって、2個のもあれば3個のもあるし、もっと沢山付けられるようになっているものもある。
どれがいいかも含めて、今はまだ、決定的な器材は出ていないのだろう。
浮沈子が知っている範囲では、APDのインスピレーションは、毎年のように改修、改造を行っている。
それにしても、より安全で使いやすくする方向で改良が行われているというのは、結構な話である。
戦争の道具として開発されてきた経緯もあり、ある程度の人的損耗は許容される発想の器材である。
より深く、より長くを追求するよりも、安全で楽ちんなのがよろしい!。
まあ、浮沈子の個人的見解なんだが。
CCRは、浅いところでも深いところでもメリットを享受できる。
単一濃度のナイトロックスを時間延長させるだけのSCRとは異なり、一定の酸素分圧の呼吸ガスを水中で動的に製造するという機能がある。
将来的には、オンボードで搭載した複数のディリュエントガスを、自動的に切り替えてくれたりして、全自動で水深100mまで行けるようになるかもしれない。
或いは、ヘリウムタンクを積んで、トライミックス製造が出来る機種が誕生する可能性だってある(・・・ないな)。
まあ、いろいろなオペレーションをマニュアルで出来るようにすることで、コンピューターや自動制御のデバイスの故障にも対応することができるので、そういった運用上のトレーニングがなくなることはないだろうが、自動化が進んでいくことは間違いない。
また、基本的な操作方法が統一されて、現在は機種毎に取らなければならないCカードも、1枚でよくなるかもしれない。
循環式呼吸回路という利点と欠点の両方を併せ持った構造に依存するCCRは、いきなり決定打が出て、一気に普及するようなものではないのではないか。
オープンサーキットの簡便さ、安全性、信頼性の高さだって、一朝一夕に確立されたものではない。
当分の間は、値段が高いこと、運用のためのトレーニングに手間隙金が掛かることがネックになって、一部の好事家が使用するに留まるだろう。
その間に、事故が多発すれば、普及自体にブレーキが掛かることになる。
そのパターンだけは避けたいところだ。
少しずつ時間を掛けて、器材も改良され、習得にも万全を期してCCRダイバーの粗製乱造を避ければ、デメリットをカバーし、メリットを生かした健全な普及を図ることが出来るのではないか。
ダイビングは、器材だけでは行えない。
運用する側のスキルや知識が伴わなければ、いくら優れた器材でも何の意味もないどころか、危険な器材になってしまう。
簡易に取り扱える器材になったからといって、本質的な欠点が皆無になったわけではない。
CCRは、そこんとこがシビアな潜水器なのである。
そして、水中世界に潜る限り、危険がゼロになることはないのだ。
器材と運用の限界を守ることなく潜ってしまえば、そこは沈黙の世界ではなく、永遠に沈黙させられる世界になってしまう。
その意味でも、CCRに決定打は出ないだろう。
何を使うかも大切だが、どう使うかというのはもっと大切だ。
ゆっくりと着実に実績を積みながら、気付いたらベストセラーになっていたというのが一番いいんだろう。
CCRは、そういう器材だと、今は思っている。
呉作越舟 ― 2015年03月03日 17:13
呉作越舟
(ファルコン9ロケット、初の「オール電化」衛星2機の同時打ち上げに成功)
http://www.sorae.jp/030807/5458.html
「スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社は3月2日、通信衛星「ABS 3A」と「ユーテルサット115ウェストB」を搭載した、「ファルコン9」ロケットの打ち上げに成功した。」
「ABS 3Aとユーテルサット115ウェストBは、共にボーイング・サテライト・システムズ社が製造した衛星で、また同社が開発した「オール電化衛星」こと、702SP衛星バスを採用した最初の2機の衛星でもある。」
この「オール電化衛星」の話は、このブログでも書いたことがある。
(全電気衛星)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/27/7255333
1年近く前の記事だが、ようやく上がったわけだ。
やれやれ。
ボーイングは、自前のロケット会社を持っているが、今回は衛星だけ作ってライバルのスペースXのロケットで打ち上げた。
(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B9
「ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(United Launch Alliance、ULA)は、ロッキード・マーティン社とボーイング社の合弁事業である。2006年12月に両社の衛星打上げ部門同士が合体し、アメリカ合衆国連邦政府向けに打上げサービスを提供している。」
どうやら、お役所相手の商売が中心のようだな。
(オービタル社、アンタレス運用停止中のシグナス補給船の打ち上げをアトラスVに委託)
http://www.sorae.jp/030803/5404.html
「アンタレスは当面の間打ち上げを停止し、その間の国際宇宙ステーション(ISS)へのシグナス補給船の打ち上げは、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社のアトラスVロケットに委託することで、契約を交わしたという。」
オービタル・サイエンシズ社(現オービタルATK社)の打ち上げも引き受けたようだな。
ボーイングが衛星を作り、スペースXが打ち上げるというのは、たぶん、顧客にとっては、一番いい選択なんだろうが、浮沈子的には呉越同舟というか、呉作越舟(呉=B社、越=S社)というか、妙な感じだ。
(米裁判所 ロシア製ロケットエンジン購入差し止め命令を解除…制裁措置には抵触せず)
http://response.jp/article/2014/05/10/222896.html
「スペースXの軽佻な訴訟が経営陣の注意を無駄に散漫にさせ、センシティブな国家的安全保障の危機のさなかにロシアに関する緊張を増大させた」
「利己的かつ無責任で、国際宇宙ステーションと協力国、ロシア側の参加者との協働プロジェクトを巻き込んだ脅威となる」
「スペースXが今回の件の根幹となる訴訟と、その件のメリットを再考するよう望んでいる」
もう、何というか、タカビーというか、いいたい放題のULAのコメントだが、結果的にはスペースXは空軍の発注競争に参加することになり、この前の打ち上げでは経費も一部負担してもらったようだ。
(宇宙ベンチャー「スペースX」参入認める 米空軍の衛星打ち上げ)
http://www.sankei.com/economy/news/150124/ecn1501240026-n1.html
(ファルコン9ロケット、地球・宇宙天気観測衛星DSCOVRの打ち上げに成功)
http://www.sorae.jp/030807/5444.html
「米空軍も、ファルコン9に打ち上げの機会を提供することを目的として資金提供を行った。」
ビジネスの世界である。
スペースXだって、金を稼げればそれでいいのかもしれない。
浮沈子が社長だったら、ボーイングの衛星なんて、絶対に打ち上げてやんないね!。
まあいい。
現在、ファルコン9ロケットは、全て使い捨てである。
それでも、ビジネス的には十分以上に競争力があり、打ち上げ実績も重ねてきている。
複数(9基)のエンジンを束ねた1段目と、同様のエンジン1基を2段目に積むというアーキテクチャーで、仮に1段目のエンジンのどれかにトラブルが起こった場合、残ったエンジンの燃焼時間を長くしてミッションを継続するという離れ業もやってみせた。
まあ、2段目のエンジンでトラぶったら、パーだけどな。
今年打ち上げ予定といわれるファルコンヘビーになると、27基(9×3)+1基というエンジンをコントロールして発射することになる。
既に、人間業ではなく、全てコンピューターの監視下で行われる。
ゆくゆくは、その大部分を回収して再使用しようというのだ。
(打ち上げたロケットを着陸させて、もう一度使うと安くつく?)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20150219/1062789/?rt=nocnt
「スペースXは第1段に引き続き、地球を回る軌道に入る第2段ロケットに関しても、再突入・着陸させて回収する構想を持っている。」
それだけではない。
現在開発が進められている、ドラゴンクルー(クルードラゴン)という有人宇宙船は、ISSの軌道から帰還する際、逆噴射ロケット(スーパードラコ)を噴かして、ピンポイントで着陸させようとしている。
まあ、たぶん、最初は海上だろうけど。
この逆噴射ロケットは、打ち上げ時の緊急脱出ロケットとしても使用することになっていて、1粒で2度美味しい!(実際に使うのは1度だけ)。
対するボーイングのCST-100 (Crew Space Transportation-100)は、コンベンショナルなパラシュートである。
別に、それが悪いわけじゃないし、クルードラゴンだって、バックアップとしてパラシュートは備えている(CCRのベイルアウト用シリンダーのようなもんですな)。
おっと、ここでもB社とS社の火花が散っているわけだな。
まあ、どうでもいいんですが。
そこにいくと、我が国のM社とI社(IHI)は、国の政策の元にきれいに棲み分けしていて、およそ訴訟沙汰になるなんてことは考え辛いな。
K社(川重)とかSM社(新明和)も巻き込んで、三つ巴とか四つ巴でやればいいのに・・・。
浮沈子のアイデアでは、航空機で上空に運び上げたロケットが、(アニメみたいに)空中で合体して宇宙へ飛んでいくというのがあるんだが、やっぱ、ダメだろうか?。
3段くらいに分けて、空中で合体したら、普通のロケットのように下から順番に燃やして、燃え尽きたら滑空して戻ってきて再使用するというのはどうか。
まあ、技術的には、そんな空中で合体とかやってる場合じゃないってのは、わかってんですが・・・。
この発想というのは、空中給油の話を読んでいて思いついた。
(航空自衛隊、豪アヴェロン・エアショーに KC-767 を地上展示:画像参照)
http://response.jp/article/2015/02/26/245198.html
(KC-767 (航空機))
http://ja.wikipedia.org/wiki/KC-767_%28%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%29
「2008年2月29日、国防総省はA330MRTTをKC-45として採用することを決定したが、ボーイング側は米会計監査院(GAO)とEADS及びノースロップ・グラマンに対して異議を申し立てると発表した。6月18日、GAOが空軍の選定に重大な誤りがあるという調査結果を公表したことにより、KC-45の採用は白紙に戻された。」
B社は、ここでも暗躍してたんだな?。
「2010年3月9日、ノースロップ・グラマンが入札を見送ると発表し、ボーイングが受注する見通しとなった。」
(ノースロップ・グラマン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3
「KC-X (次期空中給油輸送機計画)でEADSと組み、エアバスが開発したエアバス A330 MRTTをベースにした機体を提案し、ボーイング社提案のKC-767ベース案と争った。2008年2月29日にアメリカ空軍はノースロップ・EADS案を採用。KC-45とという機体名で179機生産する予定でいた。しかし同年6月に米会計検査院(GAO)からこの決定に対して見直し勧告が行なわれたため、KC-Xの選定作業は振り出しに戻った。その後2011年2月24日に再選定により国防総省はボーイング社案を採用(KC-46と命名)したため、KC-45は不採用となった。」
表の話はそうなんだろうが、裏話はいろいろありそうな感じだ。
呉作越舟(ボ作S舟?)の今回の打ち上げも、そういった流れを踏まえると、なかなか感慨深いものがあるな。
(ファルコン9ロケット、初の「オール電化」衛星2機の同時打ち上げに成功)
http://www.sorae.jp/030807/5458.html
「スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社は3月2日、通信衛星「ABS 3A」と「ユーテルサット115ウェストB」を搭載した、「ファルコン9」ロケットの打ち上げに成功した。」
「ABS 3Aとユーテルサット115ウェストBは、共にボーイング・サテライト・システムズ社が製造した衛星で、また同社が開発した「オール電化衛星」こと、702SP衛星バスを採用した最初の2機の衛星でもある。」
この「オール電化衛星」の話は、このブログでも書いたことがある。
(全電気衛星)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/27/7255333
1年近く前の記事だが、ようやく上がったわけだ。
やれやれ。
ボーイングは、自前のロケット会社を持っているが、今回は衛星だけ作ってライバルのスペースXのロケットで打ち上げた。
(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B9
「ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(United Launch Alliance、ULA)は、ロッキード・マーティン社とボーイング社の合弁事業である。2006年12月に両社の衛星打上げ部門同士が合体し、アメリカ合衆国連邦政府向けに打上げサービスを提供している。」
どうやら、お役所相手の商売が中心のようだな。
(オービタル社、アンタレス運用停止中のシグナス補給船の打ち上げをアトラスVに委託)
http://www.sorae.jp/030803/5404.html
「アンタレスは当面の間打ち上げを停止し、その間の国際宇宙ステーション(ISS)へのシグナス補給船の打ち上げは、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社のアトラスVロケットに委託することで、契約を交わしたという。」
オービタル・サイエンシズ社(現オービタルATK社)の打ち上げも引き受けたようだな。
ボーイングが衛星を作り、スペースXが打ち上げるというのは、たぶん、顧客にとっては、一番いい選択なんだろうが、浮沈子的には呉越同舟というか、呉作越舟(呉=B社、越=S社)というか、妙な感じだ。
(米裁判所 ロシア製ロケットエンジン購入差し止め命令を解除…制裁措置には抵触せず)
http://response.jp/article/2014/05/10/222896.html
「スペースXの軽佻な訴訟が経営陣の注意を無駄に散漫にさせ、センシティブな国家的安全保障の危機のさなかにロシアに関する緊張を増大させた」
「利己的かつ無責任で、国際宇宙ステーションと協力国、ロシア側の参加者との協働プロジェクトを巻き込んだ脅威となる」
「スペースXが今回の件の根幹となる訴訟と、その件のメリットを再考するよう望んでいる」
もう、何というか、タカビーというか、いいたい放題のULAのコメントだが、結果的にはスペースXは空軍の発注競争に参加することになり、この前の打ち上げでは経費も一部負担してもらったようだ。
(宇宙ベンチャー「スペースX」参入認める 米空軍の衛星打ち上げ)
http://www.sankei.com/economy/news/150124/ecn1501240026-n1.html
(ファルコン9ロケット、地球・宇宙天気観測衛星DSCOVRの打ち上げに成功)
http://www.sorae.jp/030807/5444.html
「米空軍も、ファルコン9に打ち上げの機会を提供することを目的として資金提供を行った。」
ビジネスの世界である。
スペースXだって、金を稼げればそれでいいのかもしれない。
浮沈子が社長だったら、ボーイングの衛星なんて、絶対に打ち上げてやんないね!。
まあいい。
現在、ファルコン9ロケットは、全て使い捨てである。
それでも、ビジネス的には十分以上に競争力があり、打ち上げ実績も重ねてきている。
複数(9基)のエンジンを束ねた1段目と、同様のエンジン1基を2段目に積むというアーキテクチャーで、仮に1段目のエンジンのどれかにトラブルが起こった場合、残ったエンジンの燃焼時間を長くしてミッションを継続するという離れ業もやってみせた。
まあ、2段目のエンジンでトラぶったら、パーだけどな。
今年打ち上げ予定といわれるファルコンヘビーになると、27基(9×3)+1基というエンジンをコントロールして発射することになる。
既に、人間業ではなく、全てコンピューターの監視下で行われる。
ゆくゆくは、その大部分を回収して再使用しようというのだ。
(打ち上げたロケットを着陸させて、もう一度使うと安くつく?)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20150219/1062789/?rt=nocnt
「スペースXは第1段に引き続き、地球を回る軌道に入る第2段ロケットに関しても、再突入・着陸させて回収する構想を持っている。」
それだけではない。
現在開発が進められている、ドラゴンクルー(クルードラゴン)という有人宇宙船は、ISSの軌道から帰還する際、逆噴射ロケット(スーパードラコ)を噴かして、ピンポイントで着陸させようとしている。
まあ、たぶん、最初は海上だろうけど。
この逆噴射ロケットは、打ち上げ時の緊急脱出ロケットとしても使用することになっていて、1粒で2度美味しい!(実際に使うのは1度だけ)。
対するボーイングのCST-100 (Crew Space Transportation-100)は、コンベンショナルなパラシュートである。
別に、それが悪いわけじゃないし、クルードラゴンだって、バックアップとしてパラシュートは備えている(CCRのベイルアウト用シリンダーのようなもんですな)。
おっと、ここでもB社とS社の火花が散っているわけだな。
まあ、どうでもいいんですが。
そこにいくと、我が国のM社とI社(IHI)は、国の政策の元にきれいに棲み分けしていて、およそ訴訟沙汰になるなんてことは考え辛いな。
K社(川重)とかSM社(新明和)も巻き込んで、三つ巴とか四つ巴でやればいいのに・・・。
浮沈子のアイデアでは、航空機で上空に運び上げたロケットが、(アニメみたいに)空中で合体して宇宙へ飛んでいくというのがあるんだが、やっぱ、ダメだろうか?。
3段くらいに分けて、空中で合体したら、普通のロケットのように下から順番に燃やして、燃え尽きたら滑空して戻ってきて再使用するというのはどうか。
まあ、技術的には、そんな空中で合体とかやってる場合じゃないってのは、わかってんですが・・・。
この発想というのは、空中給油の話を読んでいて思いついた。
(航空自衛隊、豪アヴェロン・エアショーに KC-767 を地上展示:画像参照)
http://response.jp/article/2015/02/26/245198.html
(KC-767 (航空機))
http://ja.wikipedia.org/wiki/KC-767_%28%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%29
「2008年2月29日、国防総省はA330MRTTをKC-45として採用することを決定したが、ボーイング側は米会計監査院(GAO)とEADS及びノースロップ・グラマンに対して異議を申し立てると発表した。6月18日、GAOが空軍の選定に重大な誤りがあるという調査結果を公表したことにより、KC-45の採用は白紙に戻された。」
B社は、ここでも暗躍してたんだな?。
「2010年3月9日、ノースロップ・グラマンが入札を見送ると発表し、ボーイングが受注する見通しとなった。」
(ノースロップ・グラマン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3
「KC-X (次期空中給油輸送機計画)でEADSと組み、エアバスが開発したエアバス A330 MRTTをベースにした機体を提案し、ボーイング社提案のKC-767ベース案と争った。2008年2月29日にアメリカ空軍はノースロップ・EADS案を採用。KC-45とという機体名で179機生産する予定でいた。しかし同年6月に米会計検査院(GAO)からこの決定に対して見直し勧告が行なわれたため、KC-Xの選定作業は振り出しに戻った。その後2011年2月24日に再選定により国防総省はボーイング社案を採用(KC-46と命名)したため、KC-45は不採用となった。」
表の話はそうなんだろうが、裏話はいろいろありそうな感じだ。
呉作越舟(ボ作S舟?)の今回の打ち上げも、そういった流れを踏まえると、なかなか感慨深いものがあるな。
エクスプローラー ― 2015年03月03日 21:59
エクスプローラー
かつては、ドレーガー社のドルフィンというのが流行っていた(?)時期もあったが、今はもう作ってないんじゃね?。
浮沈子が、CCRを始める時に、想定していた機種の一つだが、SCRとCCRの区別もわからない頃の話だ(まあ、今でも良く分かってないんですが)。
だから、今日のこのブログは、薬籠中にしていることではなく、噂話程度の感じで書いている。
浮沈子の理解では、SCR(ポジティブ式)というのは、一定のナイトロックスを常時供給していて、酸素の消費が多くなって定常流量では足りなくなると、手動または自動で流量を増やして調整するという器材だ(既に、この時点で怪しい・・・)。
MODを守っている限り、ハイパーオキシアになることはない。
その点では、リクツの上での安全性はCCRより高いといえるが、ガスの供給システムがイカレればハイポキシアにはなるし、スクラバーの限界を超えればハイパーカプニアになる。
半閉鎖式循環回路なので、穴が開けばもちろん水没する。
ガスの供給量を調節することによる若干のPO2の変更は出来るようだが、基本的にはナイトロックスを吸っているだけだ。
ガスが3倍長持ちすると謳っているが、オープンサーキットで3倍のガスを持ち込めばいいだけの話ではある。
もちろん、半閉鎖式呼吸回路のメリットは、ほぼCCRに近く、例によって、排気音が殆どないので水中生物に近寄れるとか、湿った暖かいガスを吸えるので身体が冷えにくいとか、喉が渇かないとか・・・。
この辺りはCCRとおんなじだな。
CCRの場合は、PO2を一定にして混合してくれるという点が挙げられる(浅い深度でのメリットが大きい)。
また、SCRでは原理的に大深度潜水に対応できないということもある。
もちろん、水中でガスを切り替えて、ノーモキシックトライミックスやハイポキシックトライミックスにすれば対応は可能だ。
しかし、そんなことするならCCRにするでしょ?。
CCRでもSCR運用というのを練習するが、まあ、それをそのまま器材にしただけともいう(乱暴な・・・)。
最近は、電子制御のSCRというのが流行っているらしい。
(EXPLORER REBREATHER:画像参照)
http://www.hollis.com/explorer/
この器材については、我が国でも何か所かで取扱いがある。
(Explorerで海に出よう!)
http://concolorexplorer.blog.fc2.com/blog-category-5.html
(リブリーザー エクスプローラーでダイビング)
http://www.benthos.info/archives/2936
(業界初のスポーツリブリーザー)
http://www.urbansports.jp/school-iantd-explorer.html
「リブリーザーダイバー認定は、十分なスキルと知識、ダイビングへの安全な姿勢を披露することで獲得するものです。コース料金をお支払い頂いたとしても認定をお約束するものではありません。」
まあ、当然でしょうな。
浮沈子は、去年のマリンダイビングフェアで、実物を見た。
シンプルな構造、カッコイイ外観(もう、スターウォーズそのもの!)、そして、タンクが1本で済むというCCRダイバーが泣いて喜ぶ構成と、軽い重量、加えてダメ押しの、ほぼ半額の値段!。
講習料金を見ても、CCRよりは5万円ほど安い。
運用コストについては、ほぼ同じだが、酸素の入手の容易さにもよる。
今後、あちこちで手軽に酸素が入手出来るようになると、SCRは分が悪くなる可能性もあるな。
しかし、基本的にハイパーオキシアが回避できるというメリットは、決して小さくないし、その他のメリットを併せて考えると、レクリエーショナルダイビングの器材として、十分選択肢に入ってくる。
今時のSCRとしては、KISSのGEM辺りも考慮してもいいんだろうが、いかんせんカッコ悪い。
シンプルで良さそうだが、浮沈子の選択肢にはないな。
エクスプローラーは、専用タンクになってしまうというのがネックだが、ナイトロックスを充填できるダイビングサービスなら、問題はないだろう(KHK刻印付きなら)。
ホリスのページにあったプレダイブチェックのビデオは興味深いな。
プレブリージングが60秒でいいというのが嬉しい!。
ポセイドンは、300秒も掛かる!!!!!(5倍)。
スクラバーも半分くらいしか容量がなさそうで、そのくらいで十分なのかもしれない。
しかし、プレブリージングの時間は、考えてみればスクラバーの容量とは無関係なはずなんだが・・・。
まあいい。
メリットは十分に分かっている気がするんだが、どうもSCRには食指が動かないな。
きっと食わず嫌いなところがあるのかも知れないし、実際に使ってみなくては分からないことも多いに違いない。
八丈島かあ。
行く機会があれば、体験位してもいいかな。
かつては、ドレーガー社のドルフィンというのが流行っていた(?)時期もあったが、今はもう作ってないんじゃね?。
浮沈子が、CCRを始める時に、想定していた機種の一つだが、SCRとCCRの区別もわからない頃の話だ(まあ、今でも良く分かってないんですが)。
だから、今日のこのブログは、薬籠中にしていることではなく、噂話程度の感じで書いている。
浮沈子の理解では、SCR(ポジティブ式)というのは、一定のナイトロックスを常時供給していて、酸素の消費が多くなって定常流量では足りなくなると、手動または自動で流量を増やして調整するという器材だ(既に、この時点で怪しい・・・)。
MODを守っている限り、ハイパーオキシアになることはない。
その点では、リクツの上での安全性はCCRより高いといえるが、ガスの供給システムがイカレればハイポキシアにはなるし、スクラバーの限界を超えればハイパーカプニアになる。
半閉鎖式循環回路なので、穴が開けばもちろん水没する。
ガスの供給量を調節することによる若干のPO2の変更は出来るようだが、基本的にはナイトロックスを吸っているだけだ。
ガスが3倍長持ちすると謳っているが、オープンサーキットで3倍のガスを持ち込めばいいだけの話ではある。
もちろん、半閉鎖式呼吸回路のメリットは、ほぼCCRに近く、例によって、排気音が殆どないので水中生物に近寄れるとか、湿った暖かいガスを吸えるので身体が冷えにくいとか、喉が渇かないとか・・・。
この辺りはCCRとおんなじだな。
CCRの場合は、PO2を一定にして混合してくれるという点が挙げられる(浅い深度でのメリットが大きい)。
また、SCRでは原理的に大深度潜水に対応できないということもある。
もちろん、水中でガスを切り替えて、ノーモキシックトライミックスやハイポキシックトライミックスにすれば対応は可能だ。
しかし、そんなことするならCCRにするでしょ?。
CCRでもSCR運用というのを練習するが、まあ、それをそのまま器材にしただけともいう(乱暴な・・・)。
最近は、電子制御のSCRというのが流行っているらしい。
(EXPLORER REBREATHER:画像参照)
http://www.hollis.com/explorer/
この器材については、我が国でも何か所かで取扱いがある。
(Explorerで海に出よう!)
http://concolorexplorer.blog.fc2.com/blog-category-5.html
(リブリーザー エクスプローラーでダイビング)
http://www.benthos.info/archives/2936
(業界初のスポーツリブリーザー)
http://www.urbansports.jp/school-iantd-explorer.html
「リブリーザーダイバー認定は、十分なスキルと知識、ダイビングへの安全な姿勢を披露することで獲得するものです。コース料金をお支払い頂いたとしても認定をお約束するものではありません。」
まあ、当然でしょうな。
浮沈子は、去年のマリンダイビングフェアで、実物を見た。
シンプルな構造、カッコイイ外観(もう、スターウォーズそのもの!)、そして、タンクが1本で済むというCCRダイバーが泣いて喜ぶ構成と、軽い重量、加えてダメ押しの、ほぼ半額の値段!。
講習料金を見ても、CCRよりは5万円ほど安い。
運用コストについては、ほぼ同じだが、酸素の入手の容易さにもよる。
今後、あちこちで手軽に酸素が入手出来るようになると、SCRは分が悪くなる可能性もあるな。
しかし、基本的にハイパーオキシアが回避できるというメリットは、決して小さくないし、その他のメリットを併せて考えると、レクリエーショナルダイビングの器材として、十分選択肢に入ってくる。
今時のSCRとしては、KISSのGEM辺りも考慮してもいいんだろうが、いかんせんカッコ悪い。
シンプルで良さそうだが、浮沈子の選択肢にはないな。
エクスプローラーは、専用タンクになってしまうというのがネックだが、ナイトロックスを充填できるダイビングサービスなら、問題はないだろう(KHK刻印付きなら)。
ホリスのページにあったプレダイブチェックのビデオは興味深いな。
プレブリージングが60秒でいいというのが嬉しい!。
ポセイドンは、300秒も掛かる!!!!!(5倍)。
スクラバーも半分くらいしか容量がなさそうで、そのくらいで十分なのかもしれない。
しかし、プレブリージングの時間は、考えてみればスクラバーの容量とは無関係なはずなんだが・・・。
まあいい。
メリットは十分に分かっている気がするんだが、どうもSCRには食指が動かないな。
きっと食わず嫌いなところがあるのかも知れないし、実際に使ってみなくては分からないことも多いに違いない。
八丈島かあ。
行く機会があれば、体験位してもいいかな。
よだかの星 ― 2015年03月04日 00:25
よだかの星
自らの存在を投げ打って何かを成し遂げようとすることに対する感情というのは、浮沈子的にはかなりヤバイという気がする。
有性生物の殆どは、そうして子孫を残していくので、まあ、そういきり立つこともないんだが、妙に美化したりすると、こいつぁ怪しいと思うわけだ。
はやぶさ(探査機)の時もそう思ったし、今国会で行われている海外派兵の問題にしてもそうだ。
自己を犠牲にしても構わないと思うのは、自分の命を継ぐ者がいる時に限る。
(「両舷前進強速」―小惑星探査機「はやぶさ2」、小惑星に向けた航行段階へ移行)
http://www.sorae.jp/030905/5459.html
『武運を信じ、いざ深宇宙動力航行に挑まん。両舷前進強速。進路、地球スイングバイ回廊』
なんかなあ、時代錯誤を感じるんだよなあ。
(本日天気晴朗ナレドモ波高シ……は何故名文なのか?)
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/583182.html
「敵艦見ユトノ警報ニ接シ 連合艦隊ハ直チニ出動 コレヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレドモ波高シ」
まあ、これを連想したのは浮沈子だけではあるまいよ・・・。
しかし、武運とはね。
まあいい。
はやぶさ2については、このブログでも少し触れた。
(悪乗り)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/10/22/7468529
この中でも書いたが、はやぶさがイトカワから持ち帰ったカプセルを切り離し、全ての役割を終えて燃え尽きようとする時、ふるさとの星である地球の写真を撮る。
たった1枚、かすれたような白黒の写真が送られてくる・・・。
はやぶさ2は、初代の満身創痍の帰還がなければ実施されなかっただろうことは想像に難くない。
自らの存在を賭して成し遂げたことには、報いなければならない。
浮沈子は、ふと、よだかの星を思い出した。
(よだかの星)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%88%E3%81%A0%E3%81%8B%E3%81%AE%E6%98%9F
「自らの「存在」への罪悪感から体を燃やして星へと転生するよだかの姿は、賢治の仏教思想(日蓮宗の系統)と併せて、彼が終生抱き続けた「自らの出自に対する罪悪感」を色濃く反映したものとして、宮沢賢治を論じる際にしばしば引き合いに出される。また、賢治の「自己犠牲」の物語の系譜に位置づけられている。」
(宮沢賢治)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E6%B2%A2%E8%B3%A2%E6%B2%BB
「広く作品世界を覆っているのは、作者みずからの裕福な出自と、郷土の農民の悲惨な境遇との対比が生んだ贖罪感や自己犠牲精神である。また幼い頃から親しんだ仏教も強い影響を与えている。」
よだかの星は、何度か読んだし、NHKのラジオの朗読で聞いたこともある。
(よだかの星)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/473_42318.html
「・・・よだかはもうすっかり力を落してしまって、はねを閉じて、地に落ちて行きました。そしてもう一尺で地面にその弱い足がつくというとき、よだかは俄かにのろしのようにそらへとびあがりました。そらのなかほどへ来て、よだかはまるで鷲が熊を襲うときするように、ぶるっとからだをゆすって毛をさかだてました。
それからキシキシキシキシキシッと高く高く叫びました。その声はまるで鷹でした。野原や林にねむっていたほかのとりは、みんな目をさまして、ぶるぶるふるえながら、いぶかしそうにほしぞらを見あげました。
夜だかは、どこまでも、どこまでも、まっすぐに空へのぼって行きました。もう山焼けの火はたばこの吸殻のくらいにしか見えません。よだかはのぼってのぼって行きました。
寒さにいきはむねに白く凍りました。空気がうすくなった為に、はねをそれはそれはせわしくうごかさなければなりませんでした。
それだのに、ほしの大きさは、さっきと少しも変りません。つくいきはふいごのようです。寒さや霜がまるで剣のようによだかを刺しました。よだかははねがすっかりしびれてしまいました。そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺんそらを見ました。そうです。これがよだかの最後でした。もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居おりました。
それからしばらくたってよだかははっきりまなこをひらきました。そして自分のからだがいま燐の火のような青い美しい光になって、しずかに燃えているのを見ました。
すぐとなりは、カシオピア座でした。天の川の青じろいひかりが、すぐうしろになっていました。
そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。
今でもまだ燃えています。」
賢治の簡明な、美しく力強い文章は、何時読んでも心に真っ直ぐに届く。
いかんいかん、こういうのが危ないんだ・・・。
「また探査機本体はカプセル分離後も航行を続け、別の星の探査を行うことなどが計画されている。」
初代はやぶさでは果たせなかった、帰還後の延命策は、今回は当初から計画されている。
ドラマチックな展開はない。
全て予定通り進んでいて、武運拙く壮絶な最期を遂げるなど、有り得ないように思える。
つまらん・・・。
浮沈子は、別にはやぶさ2によだかの星になれとか、巨人の星になれとか言ってる訳じゃない。
順調なのは結構だし、武運を祈るのもいいが、先代の後を行くだけというつまらんミッションに思えてならない。
開発期間短く、予算も限られ、今度は失敗しても褒められもせず、でくのぼうと呼ばれるだけだ(んっ?)。
そりゃあ、新たな小惑星というのは、一部の研究者にとっては魅力のある星なのかもしれないが、月面着陸とか、火星探査とかいうのと比べれば、「なんだ、また小惑星か・・・」というリアクションは想定内だ。
それも、アステロイドベルトではなく、木星のトロヤ群とかでもなく、地球近傍の名もないショボイ小惑星である。
ゴミだな。
そんなとこ行って、砂粒拾ってきたって、何か面白いことでもあるのかあ?。
生命の痕跡が見つかったとか、DNAの断片が出たとかいったら大騒ぎだろうが、まず絶対にないし・・・。
「「はやぶさ2」は自身の持つ観測機器を使って探査を行い、また砂などのサンプルを採取して地球に持ち帰るというミッションを背負っている。」
よだかだって、オリオン星座くらいの距離まで行ってるんだし。
(オリオン座)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%BA%A7
ちなみにリゲルは862.43 ± 85.24光年、ベテルギウスは642.22 ± 146.70光年である。
まあ、どうでもいいんですが。
「よだかは、実にみにくい鳥です。
顔は、ところどころ、味噌をつけたようにまだらで、くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。
足は、まるでよぼよぼで、一間とも歩けません。
ほかの鳥は、もう、よだかの顔を見ただけでも、いやになってしまうという工合でした。」
この後は、最近良く聞くいじめの世界だ。
さて、暗い話になりそうなので、今日はここまでにしよう。
よだかであれ、はやぶさ2であれ、名もない小惑星であれ、宇宙に存在する産物であることに変わりはない。
どれが貴くて、どれが卑しいなどということはない。
そんなことは誰にも決められないのだ。
子供たちだって、本来、そんなことを決めることはしない。
そういう差別化や序列化は、生きるために大人がすることであって、それを子供は見よう見真似でしているだけだ。
食い扶持を稼いでいないガキ風情に、その本当の意味や無意味さなど分かる訳がない。
痛ましい話を聞く度に、浮沈子は胸が苦しくなる。
はやぶさ2のニュースを読み、よだかの星の話を思い出した。
それだけのことなのに、今日は気分が晴れないでいる。
自らの存在を投げ打って何かを成し遂げようとすることに対する感情というのは、浮沈子的にはかなりヤバイという気がする。
有性生物の殆どは、そうして子孫を残していくので、まあ、そういきり立つこともないんだが、妙に美化したりすると、こいつぁ怪しいと思うわけだ。
はやぶさ(探査機)の時もそう思ったし、今国会で行われている海外派兵の問題にしてもそうだ。
自己を犠牲にしても構わないと思うのは、自分の命を継ぐ者がいる時に限る。
(「両舷前進強速」―小惑星探査機「はやぶさ2」、小惑星に向けた航行段階へ移行)
http://www.sorae.jp/030905/5459.html
『武運を信じ、いざ深宇宙動力航行に挑まん。両舷前進強速。進路、地球スイングバイ回廊』
なんかなあ、時代錯誤を感じるんだよなあ。
(本日天気晴朗ナレドモ波高シ……は何故名文なのか?)
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/583182.html
「敵艦見ユトノ警報ニ接シ 連合艦隊ハ直チニ出動 コレヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレドモ波高シ」
まあ、これを連想したのは浮沈子だけではあるまいよ・・・。
しかし、武運とはね。
まあいい。
はやぶさ2については、このブログでも少し触れた。
(悪乗り)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/10/22/7468529
この中でも書いたが、はやぶさがイトカワから持ち帰ったカプセルを切り離し、全ての役割を終えて燃え尽きようとする時、ふるさとの星である地球の写真を撮る。
たった1枚、かすれたような白黒の写真が送られてくる・・・。
はやぶさ2は、初代の満身創痍の帰還がなければ実施されなかっただろうことは想像に難くない。
自らの存在を賭して成し遂げたことには、報いなければならない。
浮沈子は、ふと、よだかの星を思い出した。
(よだかの星)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%88%E3%81%A0%E3%81%8B%E3%81%AE%E6%98%9F
「自らの「存在」への罪悪感から体を燃やして星へと転生するよだかの姿は、賢治の仏教思想(日蓮宗の系統)と併せて、彼が終生抱き続けた「自らの出自に対する罪悪感」を色濃く反映したものとして、宮沢賢治を論じる際にしばしば引き合いに出される。また、賢治の「自己犠牲」の物語の系譜に位置づけられている。」
(宮沢賢治)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E6%B2%A2%E8%B3%A2%E6%B2%BB
「広く作品世界を覆っているのは、作者みずからの裕福な出自と、郷土の農民の悲惨な境遇との対比が生んだ贖罪感や自己犠牲精神である。また幼い頃から親しんだ仏教も強い影響を与えている。」
よだかの星は、何度か読んだし、NHKのラジオの朗読で聞いたこともある。
(よだかの星)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/473_42318.html
「・・・よだかはもうすっかり力を落してしまって、はねを閉じて、地に落ちて行きました。そしてもう一尺で地面にその弱い足がつくというとき、よだかは俄かにのろしのようにそらへとびあがりました。そらのなかほどへ来て、よだかはまるで鷲が熊を襲うときするように、ぶるっとからだをゆすって毛をさかだてました。
それからキシキシキシキシキシッと高く高く叫びました。その声はまるで鷹でした。野原や林にねむっていたほかのとりは、みんな目をさまして、ぶるぶるふるえながら、いぶかしそうにほしぞらを見あげました。
夜だかは、どこまでも、どこまでも、まっすぐに空へのぼって行きました。もう山焼けの火はたばこの吸殻のくらいにしか見えません。よだかはのぼってのぼって行きました。
寒さにいきはむねに白く凍りました。空気がうすくなった為に、はねをそれはそれはせわしくうごかさなければなりませんでした。
それだのに、ほしの大きさは、さっきと少しも変りません。つくいきはふいごのようです。寒さや霜がまるで剣のようによだかを刺しました。よだかははねがすっかりしびれてしまいました。そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺんそらを見ました。そうです。これがよだかの最後でした。もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居おりました。
それからしばらくたってよだかははっきりまなこをひらきました。そして自分のからだがいま燐の火のような青い美しい光になって、しずかに燃えているのを見ました。
すぐとなりは、カシオピア座でした。天の川の青じろいひかりが、すぐうしろになっていました。
そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。
今でもまだ燃えています。」
賢治の簡明な、美しく力強い文章は、何時読んでも心に真っ直ぐに届く。
いかんいかん、こういうのが危ないんだ・・・。
「また探査機本体はカプセル分離後も航行を続け、別の星の探査を行うことなどが計画されている。」
初代はやぶさでは果たせなかった、帰還後の延命策は、今回は当初から計画されている。
ドラマチックな展開はない。
全て予定通り進んでいて、武運拙く壮絶な最期を遂げるなど、有り得ないように思える。
つまらん・・・。
浮沈子は、別にはやぶさ2によだかの星になれとか、巨人の星になれとか言ってる訳じゃない。
順調なのは結構だし、武運を祈るのもいいが、先代の後を行くだけというつまらんミッションに思えてならない。
開発期間短く、予算も限られ、今度は失敗しても褒められもせず、でくのぼうと呼ばれるだけだ(んっ?)。
そりゃあ、新たな小惑星というのは、一部の研究者にとっては魅力のある星なのかもしれないが、月面着陸とか、火星探査とかいうのと比べれば、「なんだ、また小惑星か・・・」というリアクションは想定内だ。
それも、アステロイドベルトではなく、木星のトロヤ群とかでもなく、地球近傍の名もないショボイ小惑星である。
ゴミだな。
そんなとこ行って、砂粒拾ってきたって、何か面白いことでもあるのかあ?。
生命の痕跡が見つかったとか、DNAの断片が出たとかいったら大騒ぎだろうが、まず絶対にないし・・・。
「「はやぶさ2」は自身の持つ観測機器を使って探査を行い、また砂などのサンプルを採取して地球に持ち帰るというミッションを背負っている。」
よだかだって、オリオン星座くらいの距離まで行ってるんだし。
(オリオン座)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%BA%A7
ちなみにリゲルは862.43 ± 85.24光年、ベテルギウスは642.22 ± 146.70光年である。
まあ、どうでもいいんですが。
「よだかは、実にみにくい鳥です。
顔は、ところどころ、味噌をつけたようにまだらで、くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。
足は、まるでよぼよぼで、一間とも歩けません。
ほかの鳥は、もう、よだかの顔を見ただけでも、いやになってしまうという工合でした。」
この後は、最近良く聞くいじめの世界だ。
さて、暗い話になりそうなので、今日はここまでにしよう。
よだかであれ、はやぶさ2であれ、名もない小惑星であれ、宇宙に存在する産物であることに変わりはない。
どれが貴くて、どれが卑しいなどということはない。
そんなことは誰にも決められないのだ。
子供たちだって、本来、そんなことを決めることはしない。
そういう差別化や序列化は、生きるために大人がすることであって、それを子供は見よう見真似でしているだけだ。
食い扶持を稼いでいないガキ風情に、その本当の意味や無意味さなど分かる訳がない。
痛ましい話を聞く度に、浮沈子は胸が苦しくなる。
はやぶさ2のニュースを読み、よだかの星の話を思い出した。
それだけのことなのに、今日は気分が晴れないでいる。
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