自動運転免許2015年03月19日 19:42

自動運転免許


最近は、オートマチック限定免許というのがあって、浮沈子は驚いている。

マニュアル車は乗れないのだ。

オートマだけ・・・。

パドルシフトだけ・・・(?)。

まあいい。

だからといって、マニュアル車に乗れないわけではなく、マニュアル免許を取れば、オートマにもマニュアルにも乗れる。

乗用車の殆どがオートマになったからといって、マニュアル車が世の中からなくなるわけではないし、マニュアル車を運転することが違法になったりはしない。

まあ、オートマの方がマニュアルに比べて、特に安全性が高いというようなことがあるわけではない。

運転は易しいだろうが、マニュアルだって、慣れれば殆ど変わらない(坂道発進とか、苦手ですが)。

(イーロン・マスク氏「自動運転車が安全になったら、人間の運転が違法になるかも......」)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/03/18/elon-musk-self-driving-cars_n_6898802.html

「いずれは、自動運転車が人が運転する車よりもはるかに安全な時代が来る。そうなれば、人間が車を運転することさえ許されなくなるだろう」

今でも、自動車の運転は我が国では禁じられている。

原則禁止!。

で、例外的に、免許を持っている人だけが運転することを許されている。

だから、運転免許。

もちろん、自動運転の成れの果ては、人間による運転を一切認めないということになるんだろうが、そこに至るには相当の紆余曲折があるだろう。

「エレベーターのようなものでしょう。かつて、エレベータにはオペレーターがいました。やがて単純な電気回路を開発して、あなたのいるフロアに自動的にやって来るようになりました。自動運転車も、そのようになっていくでしょう」

エレベーターに乗るのに、免許はいらない。

誰でも乗ることが出来る。

自動車も、そういう風になれば、便利な乗り物になるだろう。

高齢になって、目も霞み、耳も遠くなって、運転(?)している最中に、自分がどこに行くのか、いや、今、どこにいるのかさえ分からなくなっても、自動運転自動車は、安全かつ快適かつ速く目的地に到着してくれる・・・。

「オレは、こんなところに来たかったんじゃない!」

ボケ(認知症)かよ!?。

自動運転車を運行するのだって、何らかの許可が必要になるだろう。

メンテナンスとか、車検とか・・・。

既存のクルマを、自動運転車にカンタンに変えることが出来るキットとか出ると嬉しいな。

83タルガとかを、自動運転で操る(?)わけだ。

「床まで踏めよ!」

「交通ルールを守りましょう!」

「いいから踏めって!」

「交通ルールを守りましょう!」

「覆面もいないし、オービスもねえよ!」

「速度データは、リアルタイムで当局に通知されているため、制限速度を超えることはできません!」

「ゲッ、マジかよ!?」

まあいい。

そんな機能は、裏でいくらでも解除できるに違いない。

床まで踏んで、安全に走る・・・。

免許点数の通知が届く。

何でなんだあ?、解除してたんじゃねえのかよ!?。

「通信装置には裏ロムがあって、ソフト弄っても後から通知することが出来ます」

この「裏」切り者め!。

まあ、どうでもいいんですが。

(高速道路での自動運転実現へ、国際基準の検討開始)
http://response.jp/article/2015/03/19/246995.html

「自動運転の定義の共通化や、具体的に国際基準として検討する事項の明確化、通信への不正侵入防止(サイバーセキュリティ)に関するガイドラインの策定を検討することで合意した。」

「現行の国際基準では、10km/h以上で自動操舵を行うことは認められていない。今回、高速道路での自動操舵を可能とするための基準改正を検討する専門家会議の設置が承認された。」

10km以下というのは、車庫入れとかだな。

部分的な自動運転は、意外に早く導入されるかもしれない。

その場合でも、何らかの免許制度は維持されるだろう。

完全にフリーになるわけではない。

3人乗りの自転車で、雨の中を走るより、コンパクトな自動運転車で走ったほうが安全だし、濡れずに済む。

何といっても、一度車庫に帰して、また迎えに来てもらうことも出来るだろう。

無人運転かよ!?。

そん時、事故ったら、どーすんのかな?。

自動運転車の成れの果ては、当然無人運転になる。

ロボットカーだ。

生卵のような人間様を保護する必要はなく、ムチウチ症になるくらいの急加速、シートベルトが千切れる程の急減速、身体がドアに叩きつけられる様な急ハンドルも可能である。

もちろん、車両や周辺交通の安全範囲内だが、逆噴射だって可能だ!。

自動運転だからって、ナメてかかるとヤケドするぜ!。

まあ、そんな情況にでもなれば、人間が運転する自動車は、円滑な交通の妨げになるし、何より危険だ(周り中で、急加速、急ブレーキ、急ハンドルやってるわけだし)。

似たような情況は、空のタクシーにもいえるな。

お客さん乗せてる時と違って、空のタクシーは飛ばすし、急停車(お客さん乗せるために)するし。

無人走行状態の自動運転車というのを、どう扱うのか(あるいは、扱わないのか)というのは、今後の課題だろう(別に、逆噴射の有無に関わらず)。

浮沈子が棲息する東京では、無人のモノレールが埋立地を走っている。

(ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%86%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%82%82%E3%82%81%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E8%87%A8%E6%B5%B7%E6%96%B0%E4%BA%A4%E9%80%9A%E8%87%A8%E6%B5%B7%E7%B7%9A

「ATO による無人自動運転を実施」

「運行中は車内に運転士や車掌がいないため、車内での緊急時などには車内備え付けのインターホンで対応することになる。」

浮沈子のイメージ的には、自動運転自動車というのは、ゆりかもめが公道を走るというものなのだが、やはりいささか違う点もあるようだな。

我が家の前まで、ゆりかもめが来てくれて、成田のターミナルまでCCR積んで行ってくれれば自動運転車にしてもいいかも。

青白き光2015年03月19日 23:33

青白き光
青白き光


浮沈子の世代以上(もちっと、若くてもいいけど)であれば、チェレンコフ光といえば、この事故!。

(東海村JCO臨界事故)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E6%9D%91JCO%E8%87%A8%E7%95%8C%E4%BA%8B%E6%95%85

「ステンレスバケツで溶液を扱っていた作業員の1人は、「約16kgのウラン溶液を溶解槽に移している時に青い光が出た」と語った。」

携帯ラジオでこのニュースを聞いていた浮沈子は、思わず立ち止まって、「臨界かよ!」と叫んでいた。

(チェレンコフ放射)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%95%E6%94%BE%E5%B0%84

「粒子物理学:
小柴昌俊によるカミオカンデやスーパーカミオカンデなどでは、円錐状に広がるチェレンコフ光を捕らえることによりさまざまな研究を行う。」

「臨界事故:
チェレンコフ光の例としては、原子力発電所の燃料が入ったプールの中で見える青白い光がある。東海村JCO臨界事故やチェルノブイリ原発事故で「青白い光を見た」と作業員が言ったので、臨界事故の確認がとれた。 なお、東海村JCO臨界事故で見えた光がチェレンコフ光であったか別現象であったかについては、臨界事故の記事に考察がある。」

(臨界事故)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%A8%E7%95%8C%E4%BA%8B%E6%95%85

「青い閃光の大部分をチェレンコフ光が占めるような唯一のケースは、臨界が水中または完全に溶液(再処理プラントの硝酸ウラニルなど)の中で起きた場合で、このような光を見ることができるのは溶液の容器が開いていたか透明だった場合のみである」

JCOでは、ステンレスバケツで溶解槽(たぶん、蓋なし)に移している最中だったことから、ほぼ間違いなくチェレンコフ光だったのだろう。

結果は、悲惨なことになった。

・推定16 - 20シーベルト以上1名:83日後、多臓器不全にて死亡
・推定6 - 10シーベルト1名:211日後、多臓器不全にて死亡
・推定1 - 4.5グレイ・イクイバレント1名:骨髄移植を受け回復

「被曝者総数は、事故調査委員会(委員長:吉川弘之・日本学術会議会長)で認定されただけで667名(2000年4月)であった。」

遺伝子を破壊され、多臓器不全で亡くなった方の資料を目にしたことがあるが、食事時の話題ではない。

この辺にしとくか。

話題は変わって、同じチェレンコフ光でも、宇宙サイエンスの話。

(世界最大級の望遠鏡建設へ 東大など、来年秋にも完成)
http://www.asahi.com/articles/ASH3L4SYTH3LULBJ00K.html

「世界最大級となる23メートルの大口径望遠鏡の建設計画を発表した。日本や欧州などによる国際研究グループが2020年までに8基を建設する。」

「建設するのは、宇宙から届くガンマ線を観測するガンマ線望遠鏡。」

この記事を読んでも、ピンと来ない。

だって、ガンマ線なんて波長が短い電磁波は、大気に遮られて地上じゃあ観測できないからって、わざわざ人工衛星飛ばして観測してるんじゃなかったっけ?。

(フェルミガンマ線宇宙望遠鏡)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%9E%E7%B7%9A%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%9C%9B%E9%81%A0%E9%8F%A1

(大気の窓(Atmospheric Window))
http://www.shokabo.co.jp/sp_radio/spectrum/radiow/window.htm

波長としては、X線と重なるガンマ線の場合、大気に遮られて、地上には全く届かない。

しかし、なんでまたドデカイ光学反射望遠鏡(しかも、むき出し!:画像参照)なんか作るんだろう?。

朝日の記者は、例によって報道資料を垂れ流ししているだけなので、全く解っていない。

まあ、浮沈子も解っていなかったので、大きなことはいえないが。

(The Cherenkov Telescope Array (CTA):元ネタ)
http://www.cta-observatory.jp/index.html

「新着情報:
2015年3月18日 CTA大口径望遠鏡(LST)1号基の建設開始が発表されました。( ICRRプレスリリース、 NHK News Web、 朝日新聞デジタル、 サイエンスポータル、 ハザードラボ )」

(国際ガンマ線天文台に大口径望遠鏡設置へ)
http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2015/03/20150319_01.html

「23m口径の大きな主鏡で、大気中に突入したガンマ線が引き起こす空気シャワーから、より多くのチェレンコフ光を測定する。」

(空気シャワー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%B0%97%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AF%E3%83%BC

「高エネルギーの宇宙線が大気に入射した際、大気中の原子核と相互作用し、高エネルギーの2次粒子が発生する。生じた2次粒子もエネルギーが高いため、さらに粒子を生成する。このような反応が連鎖的に生じ、大気中で大量の2次粒子が発生する現象を空気シャワーと呼ぶ。」

実際には、この宇宙線(殆ど陽子)のほかに、ガンマ線も入ってくるわけで、宇宙線が原因の二次粒子はノイズとして除外しなければならない。

(超高エネルギー天文学における大気チェレンコフ観測)
http://icrhp9.icrr.u-tokyo.ac.jp/japanese/methodJ.html

「粒子のシャワーはガンマ線観測には雑音となる宇宙線粒子によっても作られるが、宇宙線のチェレンコフ光像は広がっており、あらゆる方向から 入射するため、天体方向を向いたガンマ線のつくるチェレンコフ光像と区別をすることが可能である。」

(東京大学 宇宙線研究所 チェレンコフ宇宙ガンマ線グループ)
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/~cta/observation.html

比較的わかりやすかったのが上記のページで、要するに、スーパーカミオカンデの大気版という感じだ。

(スーパーカミオカンデ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%87

「50,000トンの超純水を蓄えた直径40m、深さ41.4mのタンクと、その内部に設置した11,200本の光電子増倍管からなり、カミオカンデよりも性能が大幅に上がっている。この光電子増倍管でチェレンコフ放射を観測することにより、様々な研究を行う。」

超純粋の代わりに、大気と反応して発光したチェレンコフ光を観測することによって、元になったガンマ線を特定し、データを得ようというわけだ。

間接的なガンマ線望遠鏡(実体は高感度の光学望遠鏡)なのである。

可視光の光学望遠鏡と違って、星像を結ぶ必要はないが、感度は思いっきり高くしたいわけだな。

高反射率の鏡と、光電子増倍管の組み合わせということになる。

(光電子増倍管)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E9%9B%BB%E5%AD%90%E5%A2%97%E5%80%8D%E7%AE%A1

位置精度を高めたり、ノイズを効果的に排除するためにも、複数の望遠鏡を組み合わせたアレイ式になっている。

(計画概要)
http://www.cta-observatory.jp/overview.html

「Cherenkov Telescope Array(CTA)計画は、 100台近くの解像型大気チェレンコフ望遠鏡を 3-10 km2の領域に敷き詰めた、大規模なTeVガンマ線天文台を南半球と北半球に建設」

「CTAの研究対象として、以下のようなものがあります。
・銀河宇宙線の起源・加速・伝搬
・銀河内高エネルギー天体(パルサー、マグネター、パルサー星雲、超新星残骸、X線バイナリー、球状星団)。
・銀河系外からの高エネルギー宇宙線の起源・加速・伝搬。
・銀河系外高エネルギー天体(活動銀河、ガンマ線バースト、近傍銀河団、近傍スターバースト銀河等)。
・活動銀河、ガンマ線バーストからのガンマ線を使った宇宙論的研究。
・銀河中心、矮小銀河からの暗黒物質の対消滅、崩壊ガンマ線の探索。
・プランクスケールでのローレンツ不変性のテスト。」

何のことやら・・・。

高エネルギーのガンマ線を出すのは、とんでもない天体らしく、新しい分野の天文学らしいな。

「最近ではガンマ線バーストが銀河に代わって最遠方天体の座を獲得しました。」

何となく、自慢げに聞こえんだがなあ?。

銀河よりも古いんだぞ、と。

(ガンマ線バースト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%9E%E7%B7%9A%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88

「天文学の分野で知られている中で最も光度の高い物理現象である。」

「ガンマ線が数秒から数時間にわたって閃光のように放出され、そのあとX線の残光が数日間見られる。この現象は天球上のランダムな位置で起こり、一日に数回起きている。」

「ガンマ線バーストを起こす元となる仮想的な天体をガンマ線バースターと呼ぶ。」

「ガンマ線バーストは1967年7月2日にアメリカの核実験監視衛星ヴェラによって発見された。」

「1973年にアメリカのロスアラモス国立研究所の研究者が、この衛星のデータから、これらのバーストが太陽系外からやってきていることを突き止めた。」

「宇宙から飛んでくるガンマ線は地球の大気によって遮られるため、ガンマ線バーストは大気圏外でしか観測することができない。」

CTAは、この常識を覆し、地上に於いて高エネルギーガンマ線バースターを捉えることが出来る。

光学望遠鏡との連動で、その正体が突き止めれられる日も近い。

宇宙は、まだまだ分からないことだらけだ。

新たな観測装置が生まれると、謎はより多く、より深くなる。

そんでもって、またまた高額な観測機器が必要となって、それが出来ると、またまた謎が・・・。

まあいい。

青白き光を求めて、新しい望遠鏡が建設されようとしている。

だが、地上の事故でのチェレンコフ光は願い下げだな。