Kジェトロ ― 2013年06月21日 06:58
Kジェトロ
浮沈子の乗る83タルガには、機械式の燃料噴射装置である、ボッシュ社のKジェトロニックが装着されている。
電子制御に頼らない燃料噴射制御は、吸入する空気の力でエアフロー・センサー(ベーンですな)を動かし、梃子の原理でディストリビューターの可変バルブ(コントロール・プランジャー)が上下することにより、スリットを通過する燃料量を調整するという、シンプルかつ吸入抵抗のしこたま大きい仕組みである。
(ジェトロニック:Kジェトロニック (K-Jetronic) (1973–1994))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF#K.E3.82.B8.E3.82.A7.E3.83.88.E3.83.AD.E3.83.8B.E3.83.83.E3.82.AF_.28K-Jetronic.29_.281973.E2.80.931994.29
(燃料噴射装置:機械式:ボッシュ・Kジェトロニック (K-Jetronic) (1973–1994年)を参照)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%83%E6%96%99%E5%99%B4%E5%B0%84%E8%A3%85%E7%BD%AE#.E6.A9.9F.E6.A2.B0.E5.BC.8F
「名称の「K」は、ドイツ語で「連続的な、持続的な」を意味する「Kontinuierlich」から来ている。」とある。
LジェトロのLは、「エアフローセンサーをドイツ語で "Luftmengenmesser" と呼ぶことから来ている」そうだし、DジェトロのDは、「圧力センサーをドイツ語で "Drucksensor" と呼ぶことから来ている」とある。
(ロバート・ボッシュ (企業))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5_(%E4%BC%81%E6%A5%AD)
(社長メッセージ)
http://www.bosch.co.jp/jp/rbjp/message/
「創業者ロバート・ボッシュは「信頼を失うくらいならむしろお金を失った方がよい」という言葉を遺しています。」とある。
ドイツの会社って、こういう「社訓」のようなのが好きなのかな?。
まあいい。
Kジェトロニックは、純粋に機械制御なので、ちゃんとメンテナンスさえしてやれば、半永久的に動く。
ディストリビューターは、アッシー交換になるらしい。
(フューエルディストリビューターの調整)
http://ftecautorepair.blogspot.jp/2009/01/blog-post.html
「この部品は、メーカーによって分解不可(No service)と定められています。」とある。
KEジェトロだが、ここは同じだろう。
で、今回の獲物は、これ。
(BOSCH Kジェトロニック)
http://tsite.jp/daikanyama/ec/tsutaya/products/9398/
24ページしかないのに、1365円はないだろう!。
しかも、肝心なところは書いていない。寸法、材質、調整範囲、その他諸々。
そう、これは技術解説書であって、設計書でもなければ整備マニュアルでもないのだ。
でも、面白い。
燃料ポンプがあって、アキュームレーターがあって、燃料フィルターがあって、プレッシャーレギュレーターがあって、ディストリビューターがあって、燃料噴射バルブがある。
電子式になって、制御部分やセンサーなどの改良はあっても、基本的に高圧(5バール)の圧力をかけられた燃料が噴射バルブに送られる。
バルブは、3.3バールの圧力がかかると連続的に燃料を噴射する(だから「K」ジェトロ!)。この燃料の量を差配しているのがディストリビューターで、技術のキモはここにある。
そう、Kジェトロは、燃料を「バルブに送る量」の制御だけしている仕組みなのだ。
「解説書」の図面も、上手に簡略化されていて、仕組みは理解できるが、構成部品の詳細は伏せられている。
うーん、絶妙だな。
で、著作権を無視してナマの図面を掲載してくれている有り難いサイトがある。
(フューエルインジェクション Part1)
http://diewerke.blog87.fc2.com/blog-entry-21.html
スプリングの力で保持されたダイヤフラム(膜ですな)のたわみによって、ディファレンシャル・プレッシャー・バルブから燃料が送られていく。
ん?、これって、ダイビングのレギュレーターと同じじゃん!。
まあ、考えてみれば当然で、エミール・ガニヤン(スクーバを本当に発明した人。クストーは、実験台になったモルモットに過ぎない!?)は、発電機用ガスエンジンの高圧空気圧設計エンジニアだったんだから。
(Émile Gagnan:フランス語のページ)
http://fr.wikipedia.org/wiki/%C3%89mile_Gagnan
日本語にはウィキがないので。
液体と気体の違いはあるが、ファーストステージと、セカンドステージを備えた(燃料噴射バルブも入れると、サードステージ?)圧力調整機構と、流量調整をおこなっているわけだ。
違う点は、繰り返しになるが、Kジェトロは連続噴射であること。
オンデマンドのスクーバ用レギュレーターと違って、エンジンの吸気バルブが閉じている時でも、霧化した燃料を、バルブの裏に吹き付けている。
元々、Dジェトロは電子制御で電磁式インジェクターの噴射時間を管理していたのだが、制御技術が未熟だったため、機械式に変更されたようだ。
(D-Jetronic)
http://de.wikipedia.org/wiki/D-Jetronic
(D-Jetronicの図版:ECUバッチリあります)
http://www.automotive-tradition.com/de/wissen/media/DE__D-Jetronic.pdf
再び電磁式燃料噴射弁になるには、Lジェトロニックを待たなければならない。
(L-Jetronicの図版:バリバリのECUあります:Steuergerät:制御装置の意)
http://www.automotive-tradition.com/de/wissen/media/DE__L-Jetronic.pdf
(Motronicの図版:モノモトロニックもあります)
http://www.automotive-tradition.com/de/wissen/media/DE__Motronic.pdf
(Jetronic:ドイツ語のページ:ボッシュの各ジェトロ見られます)
http://de.wikipedia.org/wiki/Jetronic
やっぱ、本国だけあって、英語のページより情報量多いですな。
こうしてみると、「最新の燃料噴射は最良の燃料噴射」という、どっかで聞いた気がするセリフが頭に浮かぶ。
確かに、83タルガのエンジンは、始動するときにはガソリン臭いし(漏れてんじゃね?)、燃費は悪いし(踏み過ぎじゃね?)、現代的でないことは確かだ。
さすがに、フラップ式のエアフローメーター(どっちかっちゅうと、鍋のフタです、フタ!)は、ホットワイヤーとか、カルマン渦数えたり、今ではフィルムに置き換えられて、吸入抵抗の少ないシステムになり、燃料の吹きつけも電磁弁でプランジャー動かしたり、気筒毎に制御したり、センサーいっぱい付けて、ああでもない、こうでもないと調整したりして進化している。
燃料であるガソリンを、効率よく燃やして、排ガスの浄化と燃費を良くする点においては、この30年間の進歩は素晴らしい。
しかし、コンピューターのロムチューンが出来ないくらいで、特に欠点らしい欠点はない。
浮沈子的には、もっとファンダメンタルな気化器の方が好きなんですけど・・・。
今や、原付だって、下手したらキャブレターじゃなくなってきているそうだから、既に過去の機械かもしれない。
(キャブレター)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC
ぎりぎり、Kジェトロくらいが、何となく仕組みが分かる限界かな。電気が入ってくると、実際の動作に至るプロセスが、ブラックボックス化されてしまって、運を天に任せているような気がする。
買ってきたボッシュの本(というか、パンフレット?)には、ラムダ・クローズド・ループ・コントロールという仕掛けの解説がある。
(空燃比)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E7%87%83%E6%AF%94
(混合比 Mixture Strength:最後に引用に当っての注意があります:コピペもできません!)
http://www.geocities.jp/bequemereise/mixture_strngth.html
このページの中程に、分かりやすい図が出ている。
理論空燃費の当量比(空燃費だから、空気/燃料=14.7を1とした時の割合:φ:ファイ)の逆数を、空気過剰率(λ:ラムダ)としているわけだな。
このラムダの値を、非常に狭い範囲に追い込まないと排気ガスを浄化する触媒が機能しない。
(三元触媒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%85%83%E8%A7%A6%E5%AA%92
83タルガも当然のことながら、触媒が付いているはずなのだが、ECUなどという上等なものはない!。
いったい、何をどのようにして酸素センサーの計測値をフィードバックさせているのだろうか。
ヘインズ本の311ページの配線図に、それは明記されていた。
フリクエンシー・バルブ!。
ボッシュ本(パンフ?)の18ページにも、掲載されている怪しい記述(ここでの表記は、「フリクエンシ・バルブ」)。
これは、標準のKジェトロにはない回路である。
ネットで公表されている、Robert Bosch GmbH(ボッシュ本社の正式な名称)の図版にもない。
(K-Jetronic:制御装置の影も形もありません!:それどころか、排気系もない・・・)
http://www.automotive-tradition.com/de/wissen/media/DE__K-Jetronic.pdf
しかし、世の中には、悩みを同じくする輩は必ずいるもので、こんなページを見つけた。
(AAH! CIS Head, and Frequency Valve - need some help please!!)
http://www.motorgeek.com/viewtopic.php?f=16&t=46983
この記事に引用されている名称で、ラムダ・バルブと書かれているのがそれである(図版は、ボッシュ本と同じ)。
そんでもって、この図版で、ただの四角で書いてあるコントロールユニットというのが、ヘインズ本の265ページでは、写真があり(ホントにただの四角い箱)、助手席の下にあると書いてある。
ここには、加速時に燃料を濃くするためのユニットと、酸素センサーからのラムダ値の信号を受け取るユニットがあるらしい(今度、覗いてみっか)。
同じページの下の欄の解説に「フリーケンシーバルブ」と、まあ、英語の正しい発音に近いカナ表記がされている。
なるほど、ECUのないKジェトロにも、フリクエンシー・バルブなるシロモノをコントロールすることによって、加速時の燃料調節や、触媒を効率よく作動させるための電気仕掛けがあったわけだな。
うーむ、Kジェトロニックのバリエーションに、Kuジェトロニックというのがあるそうだが、これがそうなのか?(浮沈子の83タルガは北米仕様)。
(ジェトロニック:Kジェトロニック ラムダ(K-Jetronic Lambda)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF#K.E3.82.B8.E3.82.A7.E3.83.88.E3.83.AD.E3.83.8B.E3.83.83.E3.82.AF_.E3.83.A9.E3.83.A0.E3.83.80.28K-Jetronic_Lambda.29
まあ、排ガス規制でジタバタしていた頃のこと、次から次へと手を変え品を変えて対応していたので、様々なシステムが投入されたのだろう。
ちなみに、整理しておくと、Kジェトロの他にも、Dジェトロ、Kuジェトロ(Kジェトロニック・ラムダ)、Lジェトロ、モトロニックなどについて見てきた。
この他にも、浮沈子が前に乗っていた300EはKEジェトロだったり、今の500EがLHジェトロだったりする(03ボクスターは何だろう?)。
ボッシュには、随分とお世話になっているわけだな。
長くなったので、今日はこの辺で。
浮沈子の乗る83タルガには、機械式の燃料噴射装置である、ボッシュ社のKジェトロニックが装着されている。
電子制御に頼らない燃料噴射制御は、吸入する空気の力でエアフロー・センサー(ベーンですな)を動かし、梃子の原理でディストリビューターの可変バルブ(コントロール・プランジャー)が上下することにより、スリットを通過する燃料量を調整するという、シンプルかつ吸入抵抗のしこたま大きい仕組みである。
(ジェトロニック:Kジェトロニック (K-Jetronic) (1973–1994))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF#K.E3.82.B8.E3.82.A7.E3.83.88.E3.83.AD.E3.83.8B.E3.83.83.E3.82.AF_.28K-Jetronic.29_.281973.E2.80.931994.29
(燃料噴射装置:機械式:ボッシュ・Kジェトロニック (K-Jetronic) (1973–1994年)を参照)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%83%E6%96%99%E5%99%B4%E5%B0%84%E8%A3%85%E7%BD%AE#.E6.A9.9F.E6.A2.B0.E5.BC.8F
「名称の「K」は、ドイツ語で「連続的な、持続的な」を意味する「Kontinuierlich」から来ている。」とある。
LジェトロのLは、「エアフローセンサーをドイツ語で "Luftmengenmesser" と呼ぶことから来ている」そうだし、DジェトロのDは、「圧力センサーをドイツ語で "Drucksensor" と呼ぶことから来ている」とある。
(ロバート・ボッシュ (企業))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5_(%E4%BC%81%E6%A5%AD)
(社長メッセージ)
http://www.bosch.co.jp/jp/rbjp/message/
「創業者ロバート・ボッシュは「信頼を失うくらいならむしろお金を失った方がよい」という言葉を遺しています。」とある。
ドイツの会社って、こういう「社訓」のようなのが好きなのかな?。
まあいい。
Kジェトロニックは、純粋に機械制御なので、ちゃんとメンテナンスさえしてやれば、半永久的に動く。
ディストリビューターは、アッシー交換になるらしい。
(フューエルディストリビューターの調整)
http://ftecautorepair.blogspot.jp/2009/01/blog-post.html
「この部品は、メーカーによって分解不可(No service)と定められています。」とある。
KEジェトロだが、ここは同じだろう。
で、今回の獲物は、これ。
(BOSCH Kジェトロニック)
http://tsite.jp/daikanyama/ec/tsutaya/products/9398/
24ページしかないのに、1365円はないだろう!。
しかも、肝心なところは書いていない。寸法、材質、調整範囲、その他諸々。
そう、これは技術解説書であって、設計書でもなければ整備マニュアルでもないのだ。
でも、面白い。
燃料ポンプがあって、アキュームレーターがあって、燃料フィルターがあって、プレッシャーレギュレーターがあって、ディストリビューターがあって、燃料噴射バルブがある。
電子式になって、制御部分やセンサーなどの改良はあっても、基本的に高圧(5バール)の圧力をかけられた燃料が噴射バルブに送られる。
バルブは、3.3バールの圧力がかかると連続的に燃料を噴射する(だから「K」ジェトロ!)。この燃料の量を差配しているのがディストリビューターで、技術のキモはここにある。
そう、Kジェトロは、燃料を「バルブに送る量」の制御だけしている仕組みなのだ。
「解説書」の図面も、上手に簡略化されていて、仕組みは理解できるが、構成部品の詳細は伏せられている。
うーん、絶妙だな。
で、著作権を無視してナマの図面を掲載してくれている有り難いサイトがある。
(フューエルインジェクション Part1)
http://diewerke.blog87.fc2.com/blog-entry-21.html
スプリングの力で保持されたダイヤフラム(膜ですな)のたわみによって、ディファレンシャル・プレッシャー・バルブから燃料が送られていく。
ん?、これって、ダイビングのレギュレーターと同じじゃん!。
まあ、考えてみれば当然で、エミール・ガニヤン(スクーバを本当に発明した人。クストーは、実験台になったモルモットに過ぎない!?)は、発電機用ガスエンジンの高圧空気圧設計エンジニアだったんだから。
(Émile Gagnan:フランス語のページ)
http://fr.wikipedia.org/wiki/%C3%89mile_Gagnan
日本語にはウィキがないので。
液体と気体の違いはあるが、ファーストステージと、セカンドステージを備えた(燃料噴射バルブも入れると、サードステージ?)圧力調整機構と、流量調整をおこなっているわけだ。
違う点は、繰り返しになるが、Kジェトロは連続噴射であること。
オンデマンドのスクーバ用レギュレーターと違って、エンジンの吸気バルブが閉じている時でも、霧化した燃料を、バルブの裏に吹き付けている。
元々、Dジェトロは電子制御で電磁式インジェクターの噴射時間を管理していたのだが、制御技術が未熟だったため、機械式に変更されたようだ。
(D-Jetronic)
http://de.wikipedia.org/wiki/D-Jetronic
(D-Jetronicの図版:ECUバッチリあります)
http://www.automotive-tradition.com/de/wissen/media/DE__D-Jetronic.pdf
再び電磁式燃料噴射弁になるには、Lジェトロニックを待たなければならない。
(L-Jetronicの図版:バリバリのECUあります:Steuergerät:制御装置の意)
http://www.automotive-tradition.com/de/wissen/media/DE__L-Jetronic.pdf
(Motronicの図版:モノモトロニックもあります)
http://www.automotive-tradition.com/de/wissen/media/DE__Motronic.pdf
(Jetronic:ドイツ語のページ:ボッシュの各ジェトロ見られます)
http://de.wikipedia.org/wiki/Jetronic
やっぱ、本国だけあって、英語のページより情報量多いですな。
こうしてみると、「最新の燃料噴射は最良の燃料噴射」という、どっかで聞いた気がするセリフが頭に浮かぶ。
確かに、83タルガのエンジンは、始動するときにはガソリン臭いし(漏れてんじゃね?)、燃費は悪いし(踏み過ぎじゃね?)、現代的でないことは確かだ。
さすがに、フラップ式のエアフローメーター(どっちかっちゅうと、鍋のフタです、フタ!)は、ホットワイヤーとか、カルマン渦数えたり、今ではフィルムに置き換えられて、吸入抵抗の少ないシステムになり、燃料の吹きつけも電磁弁でプランジャー動かしたり、気筒毎に制御したり、センサーいっぱい付けて、ああでもない、こうでもないと調整したりして進化している。
燃料であるガソリンを、効率よく燃やして、排ガスの浄化と燃費を良くする点においては、この30年間の進歩は素晴らしい。
しかし、コンピューターのロムチューンが出来ないくらいで、特に欠点らしい欠点はない。
浮沈子的には、もっとファンダメンタルな気化器の方が好きなんですけど・・・。
今や、原付だって、下手したらキャブレターじゃなくなってきているそうだから、既に過去の機械かもしれない。
(キャブレター)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC
ぎりぎり、Kジェトロくらいが、何となく仕組みが分かる限界かな。電気が入ってくると、実際の動作に至るプロセスが、ブラックボックス化されてしまって、運を天に任せているような気がする。
買ってきたボッシュの本(というか、パンフレット?)には、ラムダ・クローズド・ループ・コントロールという仕掛けの解説がある。
(空燃比)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E7%87%83%E6%AF%94
(混合比 Mixture Strength:最後に引用に当っての注意があります:コピペもできません!)
http://www.geocities.jp/bequemereise/mixture_strngth.html
このページの中程に、分かりやすい図が出ている。
理論空燃費の当量比(空燃費だから、空気/燃料=14.7を1とした時の割合:φ:ファイ)の逆数を、空気過剰率(λ:ラムダ)としているわけだな。
このラムダの値を、非常に狭い範囲に追い込まないと排気ガスを浄化する触媒が機能しない。
(三元触媒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%85%83%E8%A7%A6%E5%AA%92
83タルガも当然のことながら、触媒が付いているはずなのだが、ECUなどという上等なものはない!。
いったい、何をどのようにして酸素センサーの計測値をフィードバックさせているのだろうか。
ヘインズ本の311ページの配線図に、それは明記されていた。
フリクエンシー・バルブ!。
ボッシュ本(パンフ?)の18ページにも、掲載されている怪しい記述(ここでの表記は、「フリクエンシ・バルブ」)。
これは、標準のKジェトロにはない回路である。
ネットで公表されている、Robert Bosch GmbH(ボッシュ本社の正式な名称)の図版にもない。
(K-Jetronic:制御装置の影も形もありません!:それどころか、排気系もない・・・)
http://www.automotive-tradition.com/de/wissen/media/DE__K-Jetronic.pdf
しかし、世の中には、悩みを同じくする輩は必ずいるもので、こんなページを見つけた。
(AAH! CIS Head, and Frequency Valve - need some help please!!)
http://www.motorgeek.com/viewtopic.php?f=16&t=46983
この記事に引用されている名称で、ラムダ・バルブと書かれているのがそれである(図版は、ボッシュ本と同じ)。
そんでもって、この図版で、ただの四角で書いてあるコントロールユニットというのが、ヘインズ本の265ページでは、写真があり(ホントにただの四角い箱)、助手席の下にあると書いてある。
ここには、加速時に燃料を濃くするためのユニットと、酸素センサーからのラムダ値の信号を受け取るユニットがあるらしい(今度、覗いてみっか)。
同じページの下の欄の解説に「フリーケンシーバルブ」と、まあ、英語の正しい発音に近いカナ表記がされている。
なるほど、ECUのないKジェトロにも、フリクエンシー・バルブなるシロモノをコントロールすることによって、加速時の燃料調節や、触媒を効率よく作動させるための電気仕掛けがあったわけだな。
うーむ、Kジェトロニックのバリエーションに、Kuジェトロニックというのがあるそうだが、これがそうなのか?(浮沈子の83タルガは北米仕様)。
(ジェトロニック:Kジェトロニック ラムダ(K-Jetronic Lambda)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF#K.E3.82.B8.E3.82.A7.E3.83.88.E3.83.AD.E3.83.8B.E3.83.83.E3.82.AF_.E3.83.A9.E3.83.A0.E3.83.80.28K-Jetronic_Lambda.29
まあ、排ガス規制でジタバタしていた頃のこと、次から次へと手を変え品を変えて対応していたので、様々なシステムが投入されたのだろう。
ちなみに、整理しておくと、Kジェトロの他にも、Dジェトロ、Kuジェトロ(Kジェトロニック・ラムダ)、Lジェトロ、モトロニックなどについて見てきた。
この他にも、浮沈子が前に乗っていた300EはKEジェトロだったり、今の500EがLHジェトロだったりする(03ボクスターは何だろう?)。
ボッシュには、随分とお世話になっているわけだな。
長くなったので、今日はこの辺で。
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